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九州大学共創学部 総合型選抜Ⅰの対策。講義を2つ聞いて、200分書く

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九州大学共創学部の総合型選抜Ⅰを募集要項に沿って整理しました。文系・理系2つの講義と各100分の小論文、英語が混ざる可能性、2次選抜の討論と面接、共通テスト不要という設計までを解説します。

九州大学共創学部の総合型選抜Ⅰは、日本の大学入試で最も長い「講義を聞いて書く」試験かもしれません。

1日で講義を2つ受け、それぞれについて約100分の小論文を書きます。合計200分。しかも1つは文系、もう1つは理系の内容です。

そして共通テストは要りません。この1日と、その後の討論・面接で決まります。

この記事は、公開されている募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・選抜方法は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:九州大学 学部入試 募集要項/総合型選抜Ⅰ 学生募集要項(PDF)

同じ「講義を聞いて書く」設計。神戸大学の「志」特別選抜は、全学部共通で「模擬講義・レポート」を課します。文学部では配点200点(第1次選抜600点中)です。

広島大学 総合科学部の光り輝き入試も「最初に講義を受講し、その後、講義の内容について小論文を作成します」と要項に明記しています。講義開始時刻を過ぎたら入室できないという条件付きです。

選抜の全体像

段階 内容 時期
第1次選抜 講義に関する小論文 + 提出書類(調査書、志望理由書・活動歴報告書) 10月中旬
第2次選抜 討論(報告書含む) + 面接 11月下旬

要項によれば、第1次選抜では「①講義に関する小論文、②提出書類」を評価して3段階で総合評価し、第2次選抜では「討論(報告書含む)、面接」を評価して第1次選抜の評価と合わせて3段階で総合評価します。

大学入学共通テストは課されません。11月下旬に2次選抜、その後に合否が決まります。

第1次選抜——「講義に関する小論文」の中身

要項の記載を正確に引きます。

九州大学伊都キャンパスにおいて2つの講義(各約50分)を受講して、各講義の後に休憩(各約10分)をはさみ、小論文を作成(各約100分)するものです。講義はそれぞれ文系の内容を主とするものと理系の内容を主とするものとなります。

そして当日の時程も要項に載っています。

時間 内容
9:00 集合・全体説明
9:30〜12:10 講義1・小論文1
13:15〜15:55 講義2・小論文2

朝9時から夕方4時までの1日です。

この形式が意味すること

1. 事前の知識では対応できない

その場で聞いた講義を理解し、整理し、自分の言葉で書く。これは慶應法FIT入試A方式、明治大学農学部、中央大学法学部チャレンジ入試、立命館大学政策科学セミナー方式と同じ構造です(慶應法FIT、明治の自己推薦、中央の総合型、立命館のAO選抜)。

ただし九州大学は規模が違います。他大学が45〜60分の講義と60〜75分の論述であるのに対し、こちらはそれを2回。文系と理系の両方です。

2. 文理を分けない

共創学部は文理融合の学部です。文系志望だから理系の講義は捨てる、という戦い方はできません。両方を同じ水準で書く必要があります。

3. 英語が混ざる可能性がある

要項によれば、配布資料や講義の一部が英語で行われる場合があります。英語で聞いて日本語で書く、あるいは英語で書くという状況を想定してください。

評価される4つの観点

要項の記載から、評価軸は次のように整理できます。

観点 意味
講義内容を正確に理解できているか 聞き取りと理解
講義で得た知識を日本語、英語などを用いて的確に表現できているか 表現力
講義で得た知識を応用・発展させて考えることができているか 応用力
講義内容を整理し、課題に対する自分の考えを論理的に記述できているか 論理的構成力

「応用・発展」が入っていることに注意してください。要約だけでは足りません。聞いたことを土台に、そこから先を考えることが求められます。

対策——3つの訓練

1. 聞きながらメモを取る訓練

50分の講義を、あとで100分書けるだけの密度でメモする。これが最初の関門です。

課題文への線の引き方の記号——主張・逆接・言い換え・具体例・疑問——を、音声に対して使う練習をしてください。学校の授業がそのまま教材になります。1コマ受けたら、ノートだけを見て要点を再構成できるか試してみてください。

メモのコツは3つです。

  • 話の骨格を優先する——具体例より、主張と根拠を先に取る
  • 図で残す——対立、順序、因果は言葉より図が速い
  • 疑問を書き込む——「ここが分からない」がそのまま小論文の論点になります

2. 100分の配分を決めておく

100分は長い。長いからこそ、配分を決めていないと迷います。目安を示します。

配分 やること
15分 メモを読み返し、設問を分解する(設問の動詞の読み分け)
15分 構成メモを作る。要約部分と自分の考えの分量を決める
55分 書く
15分 見直し

そして、これを1日に2回やります。午前で消耗しきると午後が書けません。通しの演習を必ず一度はやってください。

3. 文系と理系の両方に触れておく

共創学部の講義は文系・理系の両方から出ます。分野の背景を、広く浅く押さえておいてください。

書く力そのものは小論文の完全ガイド、資料が出た場合は資料・グラフ型、英文が出た場合は英文課題文型の小論文を土台にしてください。

第2次選抜——討論と面接

要項によれば、第2次選抜は討論(報告書含む)と面接です。

討論に「報告書」がある

「討論(報告書含む)」という書き方に注意してください。討論そのものだけでなく、その報告書も評価対象だということです。

つまり、議論して終わりではありません。議論の内容を整理して書く作業が続きます。準備の考え方はグループディスカッションにまとめていますが、この入試では特に次の2点が効きます。

  • 他人の発言を正確に記録する——報告書を書くのは自分です
  • 議論の構造を捉える——誰が何を主張し、どこで対立したか

発言の多さより、議論を前に進めたかどうかが見られます。

面接

提出した志望理由書・活動歴報告書の中身が問われます。書類のコピーは必ず取っておいてください。準備は面接の頻出10問と書類と面接の一貫性を参照してください。

共創学部は文理融合・国際性を掲げる学部なので、「なぜ既存の学部ではなく共創学部なのか」に答えられる必要があります(志望理由書の完全ガイド)。

成績が開示される

要項には、情報開示の規定があります。

受験者本人からの請求に限り、「第1次選抜」及び「第2次選抜」の成績(ABC評価)を郵送により開示します。

合否にかかわらず、自分の評価が分かります。再受験や他大学の総合型選抜を考える人にとって、貴重な情報です。

準備の順番

時期 やること
高1〜高2 活動と探究に取り組む。志望理由書・活動歴報告書の材料になる(探究活動の完全ガイド)
高2〜高3春 授業を教材に、聞きながらメモを取る訓練を始める
高3 4〜6月 文系・理系のテーマを広く押さえる。小論文の型を固める
高3 7〜8月 100分×2の通し演習。午後まで書き切れるかを確認
高3 9月上旬 出願(志望理由書・活動歴報告書)
高3 10月中旬 第1次選抜(講義+小論文の1日)
高3 11月下旬 第2次選抜(討論・面接)

共通テストがない代わりに、11月下旬まで拘束されます。そして不合格だった場合、共通テストまで1か月半です。教科の勉強は止めないでください(総合型選抜と一般入試の両立)。

出願実務の落とし穴は出願直前チェック17項目、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。

まとめ

  • 第1次選抜は「講義に関する小論文」。2つの講義(各約50分)を聞き、各約100分で小論文を書く
  • 講義は文系の内容と理系の内容の両方。どちらかを捨てる戦い方はできない
  • 配布資料や講義の一部が英語になる場合がある
  • 評価軸は理解・表現・応用発展・論理的構成の4つ。要約だけでは足りない
  • 第2次選抜は討論(報告書含む)と面接。議論の内容を書く作業まで評価される
  • 大学入学共通テストは課されない
  • 1次・2次の成績(ABC評価)が本人請求で開示される
  • 日程・選抜方法は必ず最新の募集要項で確認する

九州・沖縄のほかの国立大学は、九州工業大学、佐賀大学、長崎大学、熊本大学、大分大学、宮崎大学、鹿児島大学、鹿屋体育大学、琉球大学の記事で扱っています。なお福岡教育大学は総合型選抜を実施していません。九州・沖縄の公立大学(九州歯科・福岡女子・北九州市立・長崎県立・沖縄県立芸術・名桜)の総合型選抜は、九州・沖縄の公立大学にまとめています。

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