大分大学 総合型選抜の対策。経済学部は簿記2級で出願でき、教育学部は3歳児に3分でお話をする
大分大学の総合型選抜Ⅰ(56人)・Ⅱ(25人)・医学部医学科(25人)を令和9年度の学生募集要項から整理しました。経済学部の英語資格・簿記資格・課題探究の3区分、理工学部の専門高校枠、教育学部の教科等の試験、福祉健康科学部の配点まで解説します。
大分大学の総合型選抜には、日商簿記2級を持っていれば出願できる枠があります。経済学部の簿記資格区分15人。募集人員は3区分のなかでいちばん大きいものです。
英語資格区分(英検2級以上など)が5人、課題探究区分が10人。合わせて経済学部だけで30人。資格や探究の実績を、そのまま出願資格として使える設計になっています。
一方、教育学部の総合型選抜Ⅱでは、幼児教育を選ぶと実技でこう言われます。3歳児クラスの子ども15人が目の前にいると想定して、「おむすびころりん」か「3びきのこぶた」を3分でお話ししてください。絵本も人形も台本も使えません。
同じ大学の同じ入試区分で、簿記の資格とお話の実技が並んでいる。学部ごとに求めるものがはっきり分かれています。
この記事は、公開されている令和9年度の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。医学部医学科の地域枠は臨時定員増の審議結果によって人数が変わると明記されています。 出典:大分大学 総合型選抜
総合型選抜Ⅰは56人——共通テストを課さない
| 学部 | 学科・プログラム | 募集区分 | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 経済学部 | 総合経済学科 | 英語資格 | 5人 |
| 経済学部 | 総合経済学科 | 簿記資格 | 15人 |
| 経済学部 | 総合経済学科 | 課題探究 | 10人 |
| 理工学部 | 知能情報システムプログラム | 5人 | |
| 理工学部 | DX人材育成基盤プログラム | 7人 | |
| 理工学部 | 電気エネルギー・電子工学プログラム | 2人 | |
| 理工学部 | 機械工学プログラム | 5人 | |
| 理工学部 | 知能機械システムプログラム | 1人 | |
| 理工学部 | 地域環境科学プログラム | 2人 | |
| 理工学部 | 建築学プログラム | 4人 | |
| 合計 | 56人 |
理工学部の総合型選抜Ⅰは、専門高校と総合学科の生徒が対象です。情報・電気・機械・環境・土木・建築などの学科を卒業見込みで、総合学科の場合は工業に関する科目を20単位以上修得していることが条件になります。機械工学・地域環境科学・建築学の3プログラムは、さらに調査書の学習成績概評がA段階であることを求めています。
経済学部は調査書の履修科目全体の学習成績の状況が3.5以上が共通の条件です。
総合型選抜Ⅱは25人——共通テストを課す
| 学部 | 課程・学科・コース | 募集人員 |
|---|---|---|
| 教育学部 | 学校教育教員養成課程 初等中等教育コース | 12人 |
| 福祉健康科学部 | 福祉健康科学科 理学療法コース | 5人 |
| 福祉健康科学部 | 福祉健康科学科 心理学コース | 8人 |
| 合計 | 25人 |
教育学部の12人は、「教科等の試験」で選ぶ教科ごとに2人程度という配分です。選べるのは音楽・美術・保健体育・技術・家庭・幼児教育の6つ。
これとは別に、医学部医学科の総合型選抜が25人(一般枠22人・地域枠3人)あります。要項も日程も別です。
経済学部——3つの区分と、5分の発表
経済学部の出願要件は区分ごとに違います。
| 区分 | 募集人員 | 出願要件 |
|---|---|---|
| 英語資格 | 5人 | 英検2級以上/TOEICスコア480点以上/GTECスコア930点以上のいずれか |
| 簿記資格 | 15人 | 日商簿記2級以上 |
| 課題探究 | 10人 | 高校の総合的な探究の時間などでの課題探究型学習の経験、大学による高校生対象の課題探究型学習の経験、成果コンテストの経験など |
課題探究区分の「成果コンテスト」の例として、要項には高校生ビジネスプラン・グランプリ(日本政策金融公庫)、全国高等学校生徒商業研究発表大会(全国商業高等学校協会)、高校生なるほどアイデアコンテスト(大分大学経済学部)が挙げられています。これら以外の課題探究型学習の経験でも出願できますが、その場合は入試課にメールで問い合わせるよう案内されています。
選抜は2段階です。
第1次選考は自己推薦書・調査書・出願資格に関わる提出物による選考で、合格者数は募集人員の3倍程度。結果は令和8年9月17日に発送されます。
第2次選考は令和8年9月29日。
| 試験 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 小論文 | 10:00〜12:00 | 50点 |
| 個人面接 | 13:00〜17:00 | 50点 |
小論文は社会科学的素材に基づく出題で、理解力(あるいは大意把握力)・論理的思考力・表現力が評価されます。遅刻の入室限度は試験開始後20分までです。
面接には区分ごとの違いがあります。
- 英語資格:取得資格に関する能力、積極性、自己表現能力を評価。英語での質疑応答の時間があります
- 簿記資格:出願時に提出した「経済社会の諸問題について」を5分で発表してから質疑応答
- 課題探究:「課題探究型学習の成果について(書式B)」を5分で発表してから質疑応答
面接室には資料を一切持ち込めません。ただし簿記資格と課題探究の面接室には、受験者用に提出した書類が配置されます。手ぶらで入って、机の上にある自分の書類を見ながら5分話す、という形です。
なお総合型選抜に関する事前の説明会・相談会が、令和8年7月18日(土)14:00〜15:00に経済学部101号教室で開催されると要項に記載されています。
理工学部——活動報告書が150点
理工学部の総合型選抜Ⅰの配点はこうです。
| 評価項目 | 配点 |
|---|---|
| 自己推薦書 | 50点 |
| 調査書 | 50点 |
| 活動報告書 | 150点 |
| 面接、筆記試験 | 250点 |
| 合計 | 500点 |
活動報告書が150点あります。評価対象は、卒業制作、課外活動、生徒会活動、ボランティア活動、各種オリンピック・チャレンジ・グランプリ等への参加、各種資格の取得、ジュニアマイスター顕彰、各種表彰など。専門高校で積み上げてきたものがそのまま点数になります。
試験は令和8年9月29日。プログラムによって筆記試験の有無が変わります。
| プログラム | 試験項目 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 知能情報システム/DX人材育成基盤 | 面接と筆記試験 | 9:00〜10:00 筆記、10:30〜 面接 |
| 電気エネルギー・電子工学/機械工学/知能機械システム | 面接のみ | 9:00〜 面接 |
| 地域環境科学 | 面接と筆記試験 | 9:00〜10:00 筆記、10:30〜 面接 |
| 建築学 | 面接と筆記試験 | 9:00〜10:30 筆記、11:00〜 面接 |
筆記試験は高校で学習する内容に関する学力と科学的思考能力を判定するもの。面接は集団面接または個人面接で行われ、グループディスカッションは行いませんと明記されています。試験時間中に昼食をとることがあるので、昼食の持参が必要です。
教育学部——1500点満点、「教科等の試験」が600点
総合型選抜Ⅱの教育学部は令和8年11月14日の1日で、配点は1500点です。
| 区分 | 配点 |
|---|---|
| 大学入学共通テスト | 600点(200×3区分) |
| 教科等の試験 | 600点 |
| 個人面接 | 300点 |
| 合計 | 1500点 |
共通テストはA〜Eの5区分から任意の3つを受験します(4つ以上受けた場合は高得点の3つを採用)。AからEは、A国語/B数学/C地理歴史・公民・情報/D理科・情報/E外国語という構成です。得意な3つを選べる形になっています。
「教科等の試験」の中身は、選ぶ教科ごとに違います。
| 教科 | 内容 |
|---|---|
| 音楽 | 実技(①モーツァルトまたはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1楽章を反復なしで演奏 ②《夏の思い出》をピアノで弾き歌い、前奏・間奏・後奏を含み2番まで)+5分程度のプレゼンテーション |
| 美術 | 実技(水彩による自由表現、B3の画用紙ボード、制作時間90分)+持参作品2点についてのプレゼンテーション |
| 保健体育 | プレゼンテーション(その場で与えた課題にも対応)+実技(個人種目と集団種目から各1種目、当日指定) |
| 技術 | 実技(社会や生活の技術的な課題解決や工夫・創造に基づく構想・設計)+プレゼンテーション |
| 家庭 | A0サイズのポスター1枚で5分間発表+質疑応答 |
| 幼児教育 | 実技(3歳児クラスを想定し、「おむすびころりん」か「3びきのこぶた」を3分でお話)+プレゼンテーション |
細かい指定が多いので、いくつか挙げておきます。
音楽はモーツァルトのピアノ・ソナタ KV 282、ベートーヴェンの Op.27-2、Op.101、Op.106、Op.109、Op.110、Op.111 が除外されています。作曲者と作品番号は出願時に入力します。楽譜の版は問われません。
美術の持参作品は平面または立体作品1点とデッサン1点(B3サイズ以上)で、どちらも中学校卒業以降に制作したもの。本人が制作したことを証明する作品証明書を裏面に貼付します。搬入口の寸法は高さ200cm×幅170cmです。
保健体育の実技は、個人種目が陸上運動か器械運動、集団種目がバレーボールかバスケットボールで、それぞれ当日指定されます。
幼児教育は条件が厳しい。子どもは15人程度が自分の前にいることを想定し、3分でまとめ、題名は開始合図のあと最初に子どもに向けて言う。絵本・道具(台本・人形)等は一切使用できません。
福祉健康科学部——コースで共通テストの重みが変わる
| コース | 共通テスト | 小論文 | 個人面接 | グループディスカッション | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 理学療法 | 800点 | 100点 | 250点 | — | 1150点 |
| 心理学 | 470点 | 200点 | 250点 | 200点 | 1120点 |
理学療法コースは6教科8科目で、特に数学・理科の能力を高く評価するとされています。心理学コースは6〜7教科8科目で全教科を総合的に評価し、グループディスカッションが200点あります。
両コース共通の注意事項があります。
- 共通テストの合計点(傾斜後)が約50%以下の場合は、総合得点に関わらず不合格
- 個人面接およびグループディスカッションの得点がそれぞれ20%以下の場合も、総合得点に関わらず不合格
小論文で見られるのは思考力・判断力・表現力と地域や現代社会への関心、面接で見られるのは主体性・協働力・意欲・積極性・コミュニケーション力・リーダーシップです。
医学部医学科——面接300点、2月7日
医学科の総合型選抜は要項が別で、日程も後ろです。
| 内容 | |
|---|---|
| 募集人員 | 25人(一般枠22人・地域枠3人) |
| 出願期間 | 令和8年11月2日〜6日 |
| 第1次選考 | 共通テストの成績(一般枠約55人・地域枠約30人を選抜)、結果通知2月3日 |
| 第2次選考 | 令和9年2月7日 面接(個人面接・グループディスカッション) |
| 合格者発表 | 令和9年2月10日 |
| 配点 | 共通テスト500点+面接300点=800点 |
地域枠の人数は流動的です。要項には、臨時定員増が承認された場合も承認されなかった場合も、地域枠は3人から13人に変更し、総合型選抜全体で35人とすると書かれています。審議結果は令和8年10月下旬〜11月上旬に発表予定です。
一般枠の出願資格には調査書の学習成績概評がA段階であることが含まれます。地域枠はこれに加えて、大分県内の小学校または中学校を卒業し、大分県が指定するへき地医療拠点病院で8月中の連続する3日間の体験活動を受けていることが必要です。この体験活動は申込期間が6月29日〜7月3日、実施が8月3日〜28日の間なので、出願の3か月以上前に動き出す必要があります。
どこから手をつけるか
経済学部は、資格の取得時期から逆算してください。
簿記資格区分15人は、経済学部の総合型選抜Ⅰで最大の枠です。日商簿記2級は短期間では取れません。英語資格区分も同じで、英検2級・TOEIC480・GTEC930のいずれかが要ります。評定3.5以上という条件もあるので、高2のうちに見通しを立ててください。
第2次選考は小論文50点+面接50点の同点です。小論文は社会科学的素材からの出題なので、経済学部の小論文と時事問題で準備できます。面接では5分の発表があり、資料は持ち込めません(提出書類は面接室に用意されます)。5分話す練習を、原稿を見ずにやっておいてください。
理工学部は、活動報告書150点が勝負です。
配点500点のうち150点。ジュニアマイスター顕彰、卒業制作、資格取得、コンテスト参加——専門高校で積み上げてきたものを漏れなく書き出してください。活動報告書に書くことがないときが参考になります。筆記試験があるのは知能情報システム・DX人材育成基盤・地域環境科学・建築学の4プログラムです。
教育学部は、実技の指定を読み込んでから教科を決めてください。
除外される曲、持参作品の枚数と寸法、ポスターのサイズ、お話の課題——ここまで具体的に書かれている以上、要項を読み違えると準備が無駄になります。共通テストは5区分から3つ選べるので、得意分野を活かせる組み合わせを先に決めておくと楽です。
福祉健康科学部は、共通テストの足切りラインを意識してください。
傾斜後の合計が約50%以下なら、面接や小論文がどれだけ良くても不合格です。心理学コースはグループディスカッション200点があるので、グループディスカッションの対策も必要になります。心理学部の小論文と医療技術系の小論文を参照してください。
まとめ
- 大分大学の総合型選抜は、Ⅰが56人・Ⅱが25人、これとは別に医学部医学科が25人
- 経済学部Ⅰは英語資格5人・簿記資格15人・課題探究10人。日商簿記2級以上で出願できる枠が最大
- 経済学部は評定3.5以上、第1次選考の合格者は募集人員の3倍程度。第2次は小論文50点+個人面接50点
- 面接では5分の発表があり、資料は持ち込み不可(提出書類は面接室に用意される)。英語資格区分は英語での質疑応答あり
- 理工学部Ⅰは専門高校・総合学科が対象(工業に関する科目20単位以上)。配点500点のうち活動報告書150点
- 理工学部で筆記試験があるのは知能情報システム・DX人材育成基盤・地域環境科学・建築学の4プログラム。グループディスカッションは行わない
- 教育学部Ⅱは1500点満点(共通テスト600・教科等の試験600・個人面接300)。共通テストは5区分から3つ選択
- 「教科等の試験」は音楽・美術・保健体育・技術・家庭・幼児教育から選び、各教科2人程度の配分
- 幼児教育の実技は3歳児クラス15人を想定して3分でお話。絵本・道具は一切使用不可
- 福祉健康科学部Ⅱは理学療法1150点・心理学1120点。共通テスト約50%以下、面接やグループディスカッション20%以下は不合格
- 医学科は共通テストで第1次選考、第2次は2月7日の面接(個人面接・グループディスカッション)で面接300点
- 医学科の地域枠は、へき地医療拠点病院での3日間の体験活動が出願の前提(申込は6月末〜7月上旬)
九州の国立大学は、九州大学 共創学部、九州工業大学、熊本大学、宮崎大学の記事で扱っています。教育学部志望なら教育学部の小論文も参照してください。九州・沖縄の公立大学(九州歯科・福岡女子・北九州市立・長崎県立・沖縄県立芸術・名桜)の総合型選抜は、九州・沖縄の公立大学にまとめています。