琉球大学 総合型選抜の対策。工学部36人に女子枠があり、教育学部は問題解決型グループワーク
琉球大学の総合型選抜Ⅰ(51人)と総合型選抜Ⅱ(12人)を令和9年度の学生募集要項から整理しました。工学部7コースの女子枠とコース別のプレゼンテーション課題、教育学部の地域教員希望枠、農学部の3分プレゼンと口頭試問まで解説します。
琉球大学の総合型選抜Ⅰは51人。そのうち36人が工学部です。
その工学部の枠に、女子枠が置かれています。機械工学コース6人のうち3人、エネルギー機械工学コース10人のうち5人、環境都市工学コース5人のうち2人。合わせて10人分が女子枠です。女子の志願者は一般枠か女子枠のどちらかを選んで出願します。併願はできません。
もうひとつ、教育学部の学校教育専攻5人は、第2次選考が問題解決型グループワーク200点。第1次選考の個人面接100点と合わせて300点満点なので、配点の3分の2がグループワークです。個人面接より、グループでどう動くかのほうが重く見られています。
学部ごとに、測っているものがはっきり違う入試です。
この記事は、公開されている令和9年度の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。出願書類は9月3日17時必着で、消印有効ではありません。 出典:琉球大学 募集要項・選抜要項・入試日程
総合型選抜Ⅰは51人——共通テストを課さない
| 学部 | 課程・学科・コース等 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 教育学部 | 学校教育教員養成課程 小学校教育コース 学校教育専攻 | 5人 |
| 教育学部 | 同 小学校教育コース 教科教育専攻(地域教員希望枠) | 10人 |
| 工学部 | 工学科 機械工学コース | 6人(一般3・女子3) |
| 工学部 | 工学科 エネルギー機械工学コース | 10人(一般5・女子5) |
| 工学部 | 工学科 電気システム工学コース | 2人 |
| 工学部 | 工学科 電子情報通信コース | 4人 |
| 工学部 | 工学科 環境都市工学コース | 5人(一般3・女子2) |
| 工学部 | 工学科 建築学コース | 2人 |
| 工学部 | 工学科 知能情報コース | 7人 |
| 合計 | 51人 |
出願要件は3学部とも共通で、全体の学習成績の状況が3.5以上であることが求められます。
日程はこうです。
| 教育(学校教育専攻) | 教育(教科教育専攻) | 工学部 | |
|---|---|---|---|
| 出願 | 9/1〜3(17時必着) | 9/1〜3 | 9/1〜3 |
| 第1次選考 | 9月8日 個人面接 | 書類選考 | 書類選考 |
| 第1次発表 | 9月16日 | 9月16日 | 9月16日 |
| 第2次選考 | 9月29日 | 9月29日 | 9月29日 |
| 最終合格発表 | 11月1日 | 11月1日 | 11月1日 |
学校教育専攻だけ、第1次選考が来学しての個人面接です。ほかの2つは書類選考なので、9月8日に大学へ行く必要はありません。
総合型選抜Ⅱは農学部の12人——共通テストを課す
| 学科・コース | 募集人員 |
|---|---|
| 亜熱帯地域農学科 | 3人 |
| 亜熱帯農林環境科学科 | 3人 |
| 地域農業工学科 | 2人 |
| 亜熱帯生物資源科学科(健康栄養科学コースを除く) | 2人 |
| 亜熱帯生物資源科学科(健康栄養科学コース) | 2人 |
| 合計 | 12人 |
順番が独特です。第1次選考が10月10日のプレゼンテーション・面接・口頭試問で、第2次選考が1月の共通テスト。先に大学で試験を受け、あとから共通テストを受ける形になります。第1次の発表は11月1日、最終合格発表は2月9日です。
教育学部 学校教育専攻——配点の3分の2がグループワーク
募集人員5人。出願要件は全体の学習成績の状況が3.5以上、そして「教育学部で学ぶための一定の基礎学力と強い意欲をもつ者」です。
| 段階 | 試験 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 個人面接 | 100点 |
| 第2次選考 | 問題解決型グループワーク | 200点 |
| 合計 | 300点 |
問題解決型グループワークは、問題解決型の課題に沿ってグループ活動を行うものです。第1次選考の個人面接は令和8年9月8日(予備日9月10日)で、9:00〜18:00の枠が取られています。集合時間は9月4日までに教育学部のホームページに掲載されるので、そこで確認する必要があります。
第2次選考は9月29日(予備日9月30日)、やはり9:00〜18:00です。
教育学部 教科教育専攻(地域教員希望枠)——沖縄県教育委員会が関わる
募集人員10人。国語・社会科・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・生活科学・英語の10専修が対象です。
出願要件には、卒業後に沖縄県の学校教育において得意教科をもつ小学校教員として貢献する、または沖縄県において教科を通じた小中学校の連携を図れる学校教員となる、強い意欲があることが含まれます。学習成績の状況3.5以上も同じです。
| 段階 | 試験 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 書類選考(「学びの履歴」報告書を評価) | 100点 |
| 第2次選考 | 小論文 | 100点 |
| 第2次選考 | 個人面接 | 100点 |
| 合計 | 300点 |
第1次選考は沖縄県教育委員会の協力を得て実施されます。志願理由書などの提出書類を参考にして、「学びの履歴」報告書を評価する形です。来学の必要はありません。
小論文のテーマは沖縄県の学校教育における課題等に関するもの。要項には「提示される課題には動画の視聴、あるいは簡単な資料を用いることもある」と書かれています。動画を見て書く小論文があり得るということです。9月29日9:30〜11:00(9:00集合)の90分、面接は13:00〜18:00(12:30集合)です。
専修の決め方も公開されています。個別学力検査等の総合得点の上位者から順に、教科教育専攻全体として合格者を決定します。出願時に10専修への志望順位を第2志望まで記入し、得点上位者から志望順位に基づいて各専修の受入人員内で配属されます。各専修の最大の受入人員の目安は3名程度です。仮配属の専修名は合格通知書に同封して通知され、2年次前学期開始前に本人の希望と1年次の成績で最終配属が決まります。
工学部——プレゼンテーションと口頭試問で400点
配点は700点満点で、内訳はこうです。
| 段階 | 試験 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 書類選考 | 200点 |
| 第2次選考 | プレゼンテーション | 200点 |
| 第2次選考 | 面接 | 100点 |
| 第2次選考 | 口頭試問 | 200点 |
| 合計 | 700点 |
第1次選考で見られるのは、志願理由書・自己推薦書・活動内容を証明する資料・活動内容を証明する資料の概要・調査書です。活動を証明する資料を出すという点が、ほかの学部と違います。
プレゼンテーションは10分程度の口頭発表で、液晶プロジェクター、レジュメ、ポスター等を使えます。発表後に質疑応答。課題等の詳細は9月上旬頃に工学部のホームページに掲載されます。
コース別の課題例が要項に載っています。
| コース | 課題 |
|---|---|
| 機械工学 | ①志願理由書に基づく、本人の興味のある機械工学分野の技術内容 ②自己推薦書(活動内容資料を含む)に基づく、本人の優れた特質・経験・成果 |
| エネルギー機械工学 | ①エネルギー・環境に配慮した機械工学分野(再生可能エネルギー、環境技術、設計・計測等)における本人の興味のある技術内容 ②これまでの活動における優れた特質・経験・成果 |
| 電気システム工学 | 電力工学、電力変換、電気機器、制御工学、ロボティックスの専門分野から出題 |
| 電子情報通信 | 電子材料・デバイス、電子回路、通信工学、計測工学、計算機工学の専門分野から出題 |
| 環境都市工学 | 都市開発や環境まちづくり、自然災害や防災・減災、インフラ整備・維持管理などに関するテーマ |
| 建築学 | 建築に関連する課題 |
| 知能情報 | ①知能情報関連分野における本人の興味ある技術内容 ②これまでの活動における優れた特質・経験・成果 |
機械工学・エネルギー機械工学・知能情報の3コースは2つの課題を出す形です。電気システム工学と電子情報通信は専門分野から出題されるとあり、自分で題材を選ぶ形式ではありません。
口頭試問は数学・物理の基礎に関するもので、200点。プレゼンと同じ重さです。面接は志願理由書と自己推薦書をもとに行われます。
農学部の総合型選抜Ⅱ——先に試験、あとから共通テスト
配点は1,000点満点で、共通テスト400点+個別学力検査等600点。共通テストは4教科6科目(数学2科目・理科・外国語・情報)です。
個別学力検査等600点の内訳は学科ごとに違います。
| 学科・コース | プレゼン・面接 | 口頭試問 | 活動実績書 | 志願理由書 | 調査書 |
|---|---|---|---|---|---|
| 亜熱帯地域農学科 | 200 | 200 | 100 | 50 | 50 |
| 亜熱帯農林環境科学科 | 200 | 250 | 50 | 50 | 50 |
| 地域農業工学科 | 300 | 100 | 100 | 50 | 50 |
| 亜熱帯生物資源科学科(健康栄養科学コース除く) | 300 | 200 | 50 | 50 | — |
| 亜熱帯生物資源科学科(健康栄養科学コース) | 300 | 100 | 100 | 50 | 50 |
プレゼンテーションは3分間です。活動実績書の内容から1つの活動を選び、これまでの活動内容を説明したうえで、大学で学びたいことや実践したいことにつなげます。使えるのはA4サイズ1枚の資料だけ。手元のメモは可ですが、道具の持ち込みやプロジェクターの使用はできません。
口頭試問の範囲も学科ごとに示されています。亜熱帯地域農学科・亜熱帯農林環境科学科・地域農業工学科は数学・理科・英語に関する科目と一般的な知識。亜熱帯生物資源科学科は理科、特に化学や生物です。
健康栄養科学コースだけ、グループ面接があります。プレゼンテーションと質疑のあと、グループを構成して提示されたテーマについて各々の考えや意見を共有し、集約する面接を行い、その後に関連する質疑応答が入ります。
共通テストの理科は、亜熱帯生物資源科学科(健康栄養科学コース除く)が物理・化学・生物・地学から2科目で200点。ほかの学科は基礎科目を含む選択が可能です。
どこから手をつけるか
工学部志望なら、女子枠の有無を先に確認してください。
女子枠があるのは機械工学(3人)・エネルギー機械工学(5人)・環境都市工学(2人)の3コースだけです。一般枠との併願はできません。エネルギー機械工学コースは10人中5人が女子枠なので、枠の性格がかなり違います。どちらで出願するかは、出願時に決める必要があります。
工学部は、プレゼンテーション200点と口頭試問200点が同じ重さです。
プレゼンは10分程度で、プロジェクター・レジュメ・ポスターが使えます。課題の詳細は9月上旬に工学部のホームページに掲載されるので、出願前に必ず見てください。コース別の課題例は要項に載っています。機械工学・エネルギー機械工学・知能情報は2つの課題を用意する必要があります。
そして口頭試問は数学・物理の基礎です。プレゼンの準備だけでは半分しか対策できません。プレゼン型入試の対策と口頭試問の対策を並行して進めてください。
第1次選考の書類選考200点では、活動内容を証明する資料とその概要が求められます。表彰状、大会の記録、コンテストの証明——手元にあるものを早めに整理してください。
教育学部 学校教育専攻は、グループワークが200点です。
300点満点のうち3分の2。しかも問題解決型のグループワークです。課題に対してグループで答えを出す過程が見られます。グループディスカッションの対策を読んだうえで、実際に4〜6人で練習してください。第1次の個人面接100点も来学して受けるので、9月8日と9月29日の2回、大学に行くことになります。
教科教育専攻は、「学びの履歴」報告書が第1次のすべてです。
第1次選考100点は、沖縄県教育委員会の協力を得て「学びの履歴」報告書を評価する形で行われます。来学の必要はありません。何を学び、どう積み上げてきたかの記録が問われるので、教科に関する活動を時系列で整理しておいてください。
小論文は沖縄県の学校教育における課題がテーマで、動画の視聴や簡単な資料が提示されることもあるとされています。沖縄県の教育課題は、県教育委員会の公開資料で調べられます。教育学部の小論文と資料・グラフを読む問題を使ってください。
専修は総合得点順に決まります。第2志望まで書けますが、各専修の受入目安は3名程度。志望順位の付け方も戦略の一部です。
農学部Ⅱは、共通テストが後に来ることを利用してください。
10月10日に大学での試験を終え、1月に共通テストを受けます。つまり10月までにプレゼンと口頭試問を仕上げ、そこから共通テストに集中できるということです。プレゼンはA4 1枚・3分と短いので、1つの活動を選び切ることが最初の作業になります。口頭試問は学科によって範囲が違うので、志望学科の指定を確認してください。農学部の小論文と栄養系学部の小論文が参考になります。
まとめ
- 琉球大学の総合型選抜は、共通テストを課さないⅠが51人、課すⅡが農学部の12人
- Ⅰは教育学部15人(学校教育専攻5・教科教育専攻10)・工学部36人。出願要件は全体の学習成績の状況3.5以上
- 工学部には女子枠が10人分(機械工学3・エネルギー機械工学5・環境都市工学2)。一般枠との併願は不可
- 出願は9月1日〜3日17時必着で、消印有効ではない
- 教育学部 学校教育専攻は個人面接100点+問題解決型グループワーク200点=300点。第1次の個人面接は9月8日に来学して受ける
- 教育学部 教科教育専攻(地域教員希望枠)は書類選考100点+小論文100点+個人面接100点=300点。第1次は沖縄県教育委員会の協力を得て「学びの履歴」報告書を評価
- 教科教育専攻の小論文は沖縄県の学校教育における課題がテーマで、動画の視聴や資料が提示されることもある
- 専修は総合得点の上位者から志望順位に沿って配属され、各専修の受入目安は3名程度
- 工学部は書類選考200+プレゼンテーション200+面接100+口頭試問200=700点。口頭試問は数学・物理の基礎
- 工学部のプレゼンは10分程度で、コース別の課題例が要項に公開。詳細は9月上旬に学部ホームページに掲載
- 農学部Ⅱは第1次が10月10日の試験、第2次が1月の共通テストという順番。最終合格発表は2月9日
- 農学部Ⅱのプレゼンは3分・A4 1枚のみ。道具やプロジェクターは使えない
- 健康栄養科学コースだけグループ面接があり、提示されたテーマについて意見を共有・集約する
九州・沖縄の国立大学は、鹿児島大学、宮崎大学、九州大学 共創学部の記事で扱っています。教育学部志望は教育学部の小論文、工学系は情報・理工学部の小論文を参照してください。九州・沖縄の公立大学(九州歯科・福岡女子・北九州市立・長崎県立・沖縄県立芸術・名桜)の総合型選抜は、九州・沖縄の公立大学にまとめています。