小論文キャンパス
大学別対策

佐賀大学 総合型選抜の対策。Ⅰは適性検査が200点、Ⅱは佐賀に行かずに共通テストと書類で決まる

約15分で読めます

佐賀大学の総合型選抜Ⅰ(88人)と総合型選抜Ⅱ(134人)を2027年度の入学者選抜要項・学生募集要項から整理しました。教育学部の分野別適性検査、芸術地域デザイン学部の模擬授業と作品制作、理工学部7分野、Ⅱの書類審査の評価基準まで解説します。

佐賀大学の総合型選抜は、ⅠとⅡで性格がまったく違います。

総合型選抜Ⅱ(134人)には、佐賀大学での試験がありません。要項にこう書かれています。「佐賀大学における小論文や面接等の試験は行いません」。共通テストの成績と、調査書・志望理由書・活動実績報告書の書類審査だけで決まります。出願は2027年1月18日〜28日、合格発表は2月9日です。

対して総合型選抜Ⅰ(88人)は、適性検査が重い。教育学部は550点満点のうち適性検査200点。芸術地域デザイン学部の地域デザインコースは1000点満点のうち適性検査500点です。

その適性検査の中身が独特です。教育学部の技術分野はレゴブロックで作品をつくってプレゼンテーション。家庭分野はA3用紙3枚以内にまとめて5分発表。英語分野はタブレット端末を使ったCBTでスピーキングを含む。

何を測るかが、分野ごとにここまで具体的に決められている入試です。

この記事は、公開されている2027年度の入学者選抜要項および学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。医学部医学科の入学定員は臨時定員増の認可状況によって変動すると明記されています。 出典:佐賀大学 総合型選抜/募集要項等ダウンロード

総合型選抜Ⅰは88人——共通テストを課さない

学部 学科・コース・分野 募集人員 試験日
教育学部 共同教員養成課程 小学校教育主免専攻 10人 10月9日(音楽・体育は9日・10日)
教育学部 共同教員養成課程 中学校教育主免専攻 8人 同上
芸術地域デザイン学部 芸術表現コース 美術・工芸分野 10人 10月10日
芸術地域デザイン学部 芸術表現コース 有田セラミック分野 7人 10月9日
芸術地域デザイン学部 地域デザインコース(3分野) 15人 10月10日
理工学部 理工学科 7分野 38人 11月28日
合計 88人

理工学部だけ日程がまったく違います。出願が11月1日〜6日、試験が11月28日、合格発表が12月7日。ほかの学部は出願9月10日〜17日、合格発表11月2日です。

理工学部38人の内訳はこうです。

分野 コース 募集人員
数理分野 数理サイエンスコース 2人
情報分野 データサイエンス/知能情報システム 11人
化学分野 化学コース 5人
物理学分野 物理学コース 7人
機械工学分野 機械工学コース 5人
電気電子工学分野 電気電子工学コース 4人
都市工学分野 都市基盤工学/建築環境デザイン 4人

理工学部には履修科目の指定があります。数理・情報・化学分野は数学Ⅲ(化学分野はさらに化学)、その他の分野は数学Ⅲと物理を履修していることが出願要件です。

総合型選抜Ⅱは134人——佐賀での試験なし

学部 学科・コース等 募集人員
教育学部 小学校教育主免専攻 理数分野 2人
教育学部 中学校教育主免専攻 理数分野 2人
経済学部 経済学科 25人
理工学部 理工学科 7分野 67人
農学部 生物資源科学科 4コース 31人
コスメティックサイエンス学環 7人
合計 134人

理工学部67人の内訳は、数理2・情報11・化学15・物理5・機械12・電気電子14・都市8。農学部31人は、生物科学11・食資源環境科学5・生命機能科学10・国際地域マネジメント5です。

総合型選抜Ⅰの88人より、Ⅱの134人のほうが多い。佐賀大学の総合型選抜は、実は共通テストを使う枠のほうが大きいということです。

教育学部——550点のうち適性検査が200点

小学校教育主免専攻10人は英語・音楽・体育・家庭、中学校教育主免専攻8人は英語・音楽・保健体育・家庭・技術の分野から選びます。

英語分野だけ、出願要件に資格があります。実用英語技能検定2級以上(CSEスコア2050以上)、TEAP 220以上、GTEC(4技能)900以上、TOEFL iBT 45以上のいずれか。有効なのは2025年4月1日以降に受験した検定試験に限られます。英検は1級・準1級・2級のいずれかを受検して発行されたCSEスコアのみが対象で、不合格でもCSEスコアが2050点以上あれば要件を満たします。

評価項目 配点
書類審査(調査書・志願理由書等) 100点
小論文 100点
面接(口頭試問を含む) 150点
適性検査(活動実績報告書の評価を含む) 200点
合計 550点

適性検査の中身が分野ごとに決まっています。

分野 適性検査の内容
英語 タブレット端末(ヘッドセット付)を1人1台配付。スピーキングを含む英語コミュニケーション能力を総合的に評価
音楽 専攻楽器(または声楽)の個別レッスン2回+ソルフェージュの個別レッスン1回。任意の1曲を選び、レッスンを受けられる程度に練習しておく
体育/保健体育 6種目を審査(マット運動・ダンス・バスケットボール・バレーボール・ソフトボール・武道〈柔道か剣道を選択〉)
家庭 家庭科全般のテーマについてA3用紙3枚以内にまとめ、5分の発表。その後質疑応答。課題は当日提示
技術 ①与えられたテーマについてレゴブロックで作品をつくる ②作品のプレゼンテーションと質疑応答

英語分野には注意事項があります。適性検査の試験開始時刻(12:30)までに入室していないと受験できません。ほかの試験より遅刻の扱いが厳しく設定されています。CBTのサンプル問題は「佐賀大学版CBT」として大学ホームページに掲載されています。

音楽分野は、出願書類提出の際に個別レッスンで演奏する曲の楽譜を1部提出します。ピアノ伴奏が必要なら伴奏譜も出し、伴奏者は大学が用意します。ピアノ以外の楽器は持参、管楽器なら吸水シートも必要です。

体育分野は、縦15cm×横25cmの白布2枚に受験番号を太さ1cmの黒色で明確に書き、背中と胸の2か所に縫い付けた運動着を着用します。武道は防具・道着を着用しません。

家庭分野と技術分野は、筆記用具や教科書、レゴブロックを大学が準備します。持ち物ではなく、その場での構想力が試されます。

入学後の所属教科は、受験時に選んだ適性検査の分野になります。音楽分野で受験して合格すれば、所属教科は音楽。10教科のうち1つを卒業まで学ぶ仕組みなので、分野選びは進路選びそのものです。

芸術地域デザイン学部——コースで配点が別物

コース・分野 書類・ポートフォリオ 小論文 面接 適性検査 活動実績報告書 合計
美術・工芸分野 300 — 300 200 — 800点
有田セラミック分野 200 — 200 400 — 800点
地域デザインコース 2段階評価(合・否) 300 200 500 100(加点式) 1000点

芸術表現コース(美術・工芸分野、有田セラミック分野)の適性検査は、①模擬授業を受講し、②それをもとに作品制作という流れです。作業がしやすく汚れてもよい服とタオル、更衣室が準備できない場合に備えてエプロン等の持参が求められます。道具は大学が準備します。面接は作成した作品等に関する質疑応答を含みます。

有田セラミック分野は有田キャンパスで、試験日も10月9日とほかと1日ずれます。適性検査の配点が400点と大きいのも特徴です。

地域デザインコースは1000点満点。適性検査500点の内訳は、プレゼンテーション資料(B3用紙)の作成が300点、プレゼンテーションおよび質疑応答が200点です。個別またはグループで、1人3分以内の発表を行います。鉛筆・消しゴム・コンパス・小型三角定規・直線定規は各自持参です。

当日のスケジュールは、9:00〜12:00に小論文と適性検査(資料作成)、昼食休憩をはさんで13:30〜適性検査(発表・質疑)と面接。適性検査では昼食休憩時間の退室が認められないため、弁当の持参が必須と要項に明記されています。

活動実績報告書(加点式)は申請者のみの100点です。出さなくても受験できますが、出せば加点される設計になっています。

第1次選考が行われる場合がある

佐賀大学の総合型選抜Ⅰには、志願者が多い場合の第1次選考があります。実施の有無は大学ホームページで告知されます。

  • 教育学部:志願者が多く適性検査を適切に行うことが困難な場合、調査書・志願理由書・活動実績報告書で第1次選考を行う
  • 芸術表現コース:志願者が募集人員の約5倍を超えた場合、調査書・志願理由書・ポートフォリオで第1次選考を行うことがある
  • 地域デザインコース:志願者が募集人員の約5倍を超えた場合、調査書・志願理由書・活動実績報告書(加点式・申請者のみ)で第1次選考を行うことがある

第1次選考が実施された場合、合格者には受験番号確定の連絡メールが送信され、不合格者には不合格通知と検定料返還請求書が送付されます。

理工学部——適性検査と面接、11月末の試験

理工学部の総合型選抜Ⅰ38人は、適性検査と面接(口頭試問を含む)で選抜されます。提出書類は調査書・志望理由書・活動実績報告書。出願要件は「志望分野への志望動機が明確で入学後も学習に対し意欲的に取り組む者」で、加えて履修科目の指定(数理・情報は数学Ⅲ、化学は数学Ⅲと化学、その他は数学Ⅲと物理)があります。

出願11月1日〜6日、試験11月28日、合格発表12月7日。ほかの学部が終わったあとに受けられる日程です。

理工学部は1年後期にコースへ分かれます。特定の分野で合格した学生は、合格した分野内のコースに配属されます。

総合型選抜Ⅱ——書類審査の基準が公開されている

総合型選抜Ⅱは共通テストの成績と書類審査だけで決まります。試験日の欄には「佐賀大学における小論文や面接等の試験は行いません」と書かれています。出願2027年1月18日〜28日、合格発表2月9日。

提出書類は学部によって違います。

学部・学科等 提出書類
教育学部(理数分野) 調査書、志望理由書、活動実績報告書
経済学部 調査書、活動実績報告書(志望理由書なし)
農学部 調査書、志望理由書、活動実績報告書
コスメティックサイエンス学環 調査書、志望理由書、活動実績報告書

経済学部だけ志望理由書を出しません。調査書と活動実績報告書、そして共通テストで判断されます。

評価基準も公開されています。

調査書では、「各教科・科目等の学習の記録」「学習成績の状況」「出席状況」「特別活動の記録」「指導上参考となる諸事項」等について、出願要件と各学部・コースの「求める学生像」から著しく逸脱していないかを確認する、とされています。加点ではなく逸脱のチェックという位置づけです。

志望理由書は、出願資格・出願要件と各コースのアドミッション・ポリシーを踏まえた内容になっているかが見られます。

活動実績報告書では、志望分野に関するこれまでの活動実績(研究活動等の実績、留学経験、大会・コンクール等の実績)が評価されます。農学部の生物資源科学科では、さらに具体的に「専門分野に対する強い興味・関心及び主体的に学び続けようとする意欲と態度」「自ら学びを深めようとする行動や姿勢を通して、本学部の教育・研究活動を活性化できる可能性」という観点が示されています。

教育学部の理数分野(各2人)は、将来、小学校の理科・数学の専科、または中学校の理科・数学の教員になることを強く志望する者が対象です。

どこから手をつけるか

まず、ⅠとⅡのどちらで出すかを決めてください。

Ⅰは適性検査で実技や制作を見られる入試、Ⅱは共通テストと書類の入試です。同じ佐賀大学でも準備の中身が正反対なので、早い段階で決める必要があります。理工学部と教育学部はⅠとⅡの両方があり、農学部・経済学部・コスメティックサイエンス学環はⅡだけ、芸術地域デザイン学部はⅠだけです。

教育学部のⅠを狙うなら、分野の選択が進路の選択です。

受験時に選んだ適性検査の分野が、そのまま入学後の所属教科になります。音楽で受ければ音楽、技術で受ければ技術。あとから変えられません。10教科のうち1つを卒業まで学ぶことを前提に、分野を決めてください。

英語分野を選ぶなら、2025年4月1日以降に受けた検定試験のスコアが要ります。英検はCSEスコア2050以上であれば級に不合格でも要件を満たすので、手元のスコアを確認してください。

適性検査200点の中身は、分野ごとに再現できます。

家庭分野なら、家庭科のテーマを1つ決めてA3用紙3枚以内にまとめ、5分で発表する練習。技術分野なら、レゴブロックでテーマに沿った作品をつくって説明する練習。体育なら6種目を満遍なく。音楽なら任意の1曲を「レッスンを受けられる程度」まで仕上げる。どれも当日いきなりはできません。

小論文100点と面接150点も忘れないでください。教育学部の小論文と口頭試問の対策が役立ちます。

芸術地域デザイン学部は、コースで準備がまったく違います。

芸術表現コースは模擬授業を受けて作品をつくる形式で、ポートフォリオが300点(有田セラミックは200点)。ふだんの制作を記録として残しておくことが、そのまま得点になります。

地域デザインコースは1000点満点で、B3用紙のプレゼン資料作成が300点、発表と質疑が200点。小論文300点もあります。資料を手で作って、3分以内で話す練習が中心になります。プレゼン型入試の対策と芸術系学部の小論文を参照してください。活動実績報告書(加点式)は申請者のみ100点なので、出せるものがあるなら必ず出してください。

理工学部は、履修科目の指定を先に確認してください。

数学Ⅲが全分野で必要です。化学分野は化学、その他の分野は物理も要ります。取っていなければ出願できません。試験は11月28日なので、ほかの学部の総合型選抜が終わったあとに受けられます。総合型選抜Ⅱ(67人)のほうが枠は大きいので、共通テストの手応え次第で使い分ける手もあります。

総合型選抜Ⅱは、活動実績報告書が勝負どころです。

調査書は「逸脱していないか」の確認、志望理由書はポリシーとの整合性の確認。加点されるのは活動実績報告書です。研究活動、留学経験、大会・コンクールの実績——書けるものを棚卸ししてください。活動報告書に書くことがないときが参考になります。経済学部は志望理由書を出さないので、なおさら活動実績報告書の比重が上がります。

まとめ

  • 佐賀大学の総合型選抜は、共通テストを課さないⅠが88人、課すⅡが134人。Ⅱのほうが枠は大きい
  • 総合型選抜Ⅱには佐賀大学での試験がない。共通テストと書類審査だけで、出願2027年1月18日〜28日、合格発表2月9日
  • Ⅰの内訳は教育学部18人・芸術地域デザイン学部32人・理工学部38人
  • 理工学部だけ日程が別(出願11月1日〜6日、試験11月28日、発表12月7日)。ほかは出願9月10日〜17日、発表11月2日
  • 教育学部Ⅰは550点満点(書類100・小論文100・面接150・適性検査200)
  • 適性検査は分野別で、英語はタブレットCBTでスピーキングを含む、家庭はA3用紙3枚以内で5分発表、技術はレゴブロックで作品制作、体育は6種目
  • 英語分野は出願要件に検定が必要(英検2級以上/CSE 2050、TEAP 220、GTEC 900、TOEFL iBT 45)。2025年4月1日以降の受験分に限る
  • 受験時に選んだ適性検査の分野が、入学後の所属教科になる
  • 芸術表現コースは模擬授業→作品制作で800点満点。有田セラミック分野は有田キャンパスで10月9日
  • 地域デザインコースは1000点満点で、適性検査500点の内訳はプレゼン資料作成300点+発表・質疑200点。活動実績報告書は加点式・申請者のみ100点
  • 志願者が多い場合、募集人員の約5倍(芸術)などを基準に第1次選考が行われることがある
  • 理工学部Ⅰは数学Ⅲが全分野で必須(化学分野は化学、他は物理も)
  • 総合型選抜Ⅱの書類審査は、調査書=逸脱していないかの確認、活動実績報告書=実績の評価という役割分担。経済学部は志望理由書を提出しない

九州の国立大学は、九州大学 共創学部、九州工業大学、長崎大学、熊本大学の記事で扱っています。芸術系の進路は芸術系学部の小論文と美術・体育系の総合型選抜、公立大学は中国・九州の公立大学 学校推薦型選抜を参照してください。九州・沖縄の公立大学(九州歯科・福岡女子・北九州市立・長崎県立・沖縄県立芸術・名桜)の総合型選抜は、九州・沖縄の公立大学にまとめています。

Related

関連記事

← 「大学別対策」の記事一覧へ