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神戸大学「志」特別選抜の対策。模擬講義を聞いて、その場でレポートを書く

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神戸大学の「志」特別選抜(総合型選抜)を令和9年度の募集要項に沿って整理しました。全学部共通の「模擬講義・レポート」と「総合問題」、評定4.0以上という出願要件、共通テストを使わず11月に決着する日程、小論文がある唯一の学部までを解説します。

神戸大学の「志」特別選抜は、全学部が同じ骨格を共有しているという点で、これまで扱ってきた国公立の総合型と性格が違います。

その骨格とは、書類審査 + 模擬講義・レポート + 総合問題です。学部が違っても、この3つは共通して課されます。

この記事は、公開されている令和9(2027)年度の募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・選抜方法は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:神戸大学受験生ナビ「志」特別選抜/令和9年度 神戸大学「志」特別選抜 学生募集要項(PDF)

最初に押さえる3つの事実

1. 共通テストを使わず、11月に決着する

日程を見ると、この入試の性格がわかります。

時期 できごと
令和8年9月1日(火)〜9月7日(月) 出願
9月26日(土) 第1次選抜(予備日 10月3日)
10月21日(水) 第1次選抜合格発表
10月31日(土) 最終選抜
11月26日(木) 最終選抜合格者発表

共通テストを課しません。11月26日には合否が出ます。北海道大学のフロンティア入試TypeⅡや名古屋大学の文学部と同じく、年内に決着する国公立の総合型です。

そのぶん出願が早い。9月7日締切です。夏休みが終わる前に、志望理由書と活動報告書が仕上がっている必要があります。

2. 評定4.0以上が全学部の出願要件

要項の出願要件は、どの学部も同じ形をしています。

(1)〇〇学部での勉学を強く志望し、合格した場合は入学することを確約できる者 (2)調査書における「全体の学習成績の状況」が4.0以上の者

専願、かつ評定4.0以上。この2つはすべての学部・学科・コースに共通です。ここを満たしていないと、どれだけ活動実績があっても出願できません。

3. 募集人員は全学部あわせて61人

学部別の内訳です。

学部・学科 募集人員
文学部 人文学科 3人
国際人間科学部 環境共生学科 10人
法学部 法律学科 3人
医学部 保健学科(看護7/検査技術2/理学療法2/作業療法2) 13人
システム情報学部 5人
農学部(6コース計) 12人
海洋政策科学部 15人
合計 61人

文学部と法学部は3人ずつです。枠は小さい。要項には「合格者が募集人員に満たなかった場合は、一般選抜前期日程及び後期日程で調整します」とあり、無理に埋める設計ではありません。

全学部に共通する「模擬講義・レポート」

この入試のいちばんの特徴が、第1次選抜で課される模擬講義・レポートです。要項の説明を引きます。

大学で取り組む現代社会における複雑化・多様化する社会課題を取り上げた模擬講義を行い、それに関連した課題を提示し、講義レポートを課します。講義レポートでは、講義内容を理解し、知識を活用する力や文章表現力等を通して、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を評価します。

その場で講義を聞き、その場で書く。事前に準備した答案は使えません。

この形式は神戸大学だけのものではありません。慶應法学部FIT入試、明治大学の農学部、中央大学の法学部、立命館大学の政策科学部、九州大学の共創学部、広島大学の総合科学部にも同じ設計があります。大学が「講義を聞いて書ける学生」を測りたがっている、という共通の意図があります。

対策の要点は、小論文の書き方そのものより聞きながらメモを取る技術にあります。講義は1回きりで、巻き戻せません。文学部の場合、模擬講義・レポートは9:30〜11:30の枠で行われます。

全学部に共通する「総合問題」

もう1つの共通科目が総合問題です。文系と理系に分かれます。

文学部の説明を引きます。

高等学校での学習を前提とし、人文学を学ぶ上で必要な日本語や英語の読解力・判断力・文章表現力・論理的思考力及び数学的思考力等を問う記述形式を主とした出題をします。

文系志望でも数学的思考力が問われます。「記述形式を主とした」とあるので、選択式のテストではありません。

文学部では、総合問題(文系)がⅠ 12:50〜14:50、Ⅱ 15:30〜17:30の2コマです。模擬講義・レポートと合わせると、第1次選抜だけで9:30から17:30までの1日仕事になります。

第1次選抜の配点(文学部の例)

試験区分 書類審査 模擬講義・レポート 総合問題(文系) 合計
配点 100点 200点 300点 600点

書類は100点、当日の試験が500点。活動実績で決まる入試ではありません。

小論文があるのは文学部だけ

最終選抜の中身は、学部によってまったく違います。要項の「選抜方法」の並びを比べると、こうなります。

学部・学科 最終選抜の内容
文学部 小論文+面接・口頭試問
法学部 面接・口頭試問
国際人間科学部 環境共生学科 研究能力審査
医学部保健学科 看護学専攻 課題提示・発表資料作成・プレゼンテーション+面接
医学部保健学科 検査技術科学専攻 課題提示・プレゼンテーション+面接
医学部保健学科 理学療法学専攻 面接
医学部保健学科 作業療法学専攻 模擬実習+面接
システム情報学部 総合問題(システム情報学)+面接・口頭試問
農学部 応用生命化学コース 実技試験+面接・口頭試問
農学部 応用動物学/応用機能生物学コース 課題提示・プレゼンテーション+面接
農学部 その他のコース 面接・口頭試問

「小論文」という名前の試験があるのは文学部だけです。ただし、他学部にも模擬講義のレポートと総合問題の記述があるので、書く力はどこを受けても要ります。

文学部の小論文

最終選抜は10月31日(土)です。

  • 9:30〜11:30……小論文(120分)
  • 13:00〜16:00……面接・口頭試問

要項の説明はこうです。

「小論文」では、人文学に関する諸問題について論述させ、志願者の「知識・技能」「思考力・表現力」を評価します。

「人文学に関する諸問題」という限定があります。汎用の小論文練習では届きません。志望する分野で何が論点になっているかを知っている必要があります。

面接・口頭試問についても記述があります。

面接・口頭試問は個人単位で行い、提出書類を参考に、志望理由や入学後の修学計画等について人文学的内容を含む質疑応答を行い…

「人文学的内容を含む質疑応答」——口頭試問です。志望理由を語るだけでは終わりません。

最終選抜の配点(文学部)

試験区分 小論文 面接・口頭試問 合計
配点 100点 100点 200点

提出書類は3点

必要なのは調査書、志望理由書、活動報告書の3点です。志望理由書と活動報告書は所定の様式で、志願者本人が作成します。

様式と作成上の注意は「出願時における提出書類作成の手引き」に載っています。9月7日締切から逆算すると、7月中には手引きを読み始めるべき日程です。

書類の配点は100/600点(文学部の第1次選抜)ですが、最終選抜の面接・口頭試問でも「提出書類を参考に」質疑応答が行われます。点数以上に、当日の材料として効いてきます。書類と面接の一貫性を確かめてから出してください。

何から始めるか

  1. 評定4.0以上を満たしているか確認する(全学部共通の出願要件)
  2. 9月7日締切から逆算する(夏休みが準備期間の全部)
  3. 模擬講義・レポートの練習をする(講義を聞きながらメモを取り、時間内にまとめる)
  4. 総合問題の記述対策をする(文系でも数学的思考力が問われる)
  5. 文学部志望なら、人文学に関する小論文と口頭試問の準備を足す
  6. 志望理由書・活動報告書は「手引き」を読んでから書く

神戸大学の「志」特別選抜は、総合型選抜の全体像のなかでは当日型です。書類100点に対して当日の試験が500点(文学部の第1次選抜)。実績を積み上げるより、その場で聞いて、その場で書く力を鍛えるほうが点数に直結します。

共通テストを使わず11月に決着するので、一橋や阪大のように「共通テストの結果待ち」になることもありません。ただし国公立の総合型・推薦に出願できるのは1つの大学・学部だけです。ここに出すなら、他は出せません。

近畿のほかの国立大学の総合型選抜は、京都工芸繊維大学 ダビンチ入試、奈良女子大学 探究力入試「Q」、兵庫教育大学、滋賀大学、奈良教育大学、和歌山大学 観光学部にまとめています。

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