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小論文の設問の読み方。「述べよ・論じよ・説明せよ」で答案は変わる

約5分で読めます

設問の最後の動詞は、答案に何を書くべきかの指示です。説明せよ・論じよ・考えを述べよ・要約せよ・提案せよの違いと、複数の指示が重なる設問の処理手順を解説します。

答案がずれる原因の多くは、書く力ではなく設問の読み落としにあります。

そして設問の中で最も重要な情報は、最後の動詞です。「説明せよ」「論じよ」「あなたの考えを述べよ」——この動詞が、答案に何を書くべきかを指定しています。動詞を読み飛ばした答案は、どれだけ上手く書けても「聞かれたことに答えていない」と評価されます。

動詞は「あなたの意見が要るか」を指定している

設問の動詞は、大きく2群に分かれます。

群 動詞 あなたの意見
客観系 説明せよ/要約せよ/まとめよ/整理せよ 書かない
主観系 論じよ/考えを述べよ/意見を述べよ/提案せよ 書く

最も多い失敗は、この2群の取り違えです。「筆者の主張を説明せよ」に自分の意見を混ぜる。「あなたの考えを述べよ」に課題文の要約だけを書く。どちらも、設問への不服従として減点されます。

以下、動詞ごとに見ていきます。

客観系の動詞

「説明せよ」——分からない人に分からせる

説明とは、その言葉や主張を知らない読み手に、順序立てて分からせることです。

「傍線部について説明せよ」なら、やることは3つです。

  1. 傍線部の言葉を、課題文の文脈でどういう意味かを言い換える
  2. なぜ筆者はそう言えるのか、根拠を課題文から拾って添える
  3. 自分の意見・感想は一切書かない

「説明せよ」で評価されるのは独創性ではなく、正確さと過不足のなさです。ここで頑張って自分の意見を足すと、蛇足ではなく誤答になります。

「要約せよ」——骨組みを抜く

要約は「短くする」作業ではなく「骨組みを抜く」作業です。手順は課題文要約の記事に譲りますが、動詞としての注意は1つ——要約にも意見は書かない。

「整理せよ・比較せよ」——観点を立てて並べる

「AとBの違いを整理せよ」型は、思いついた順に並べると減点されます。観点(比較の軸)を自分で立てて、その軸に沿って並べるのが正解です。「比較して論じよ」まで進む場合は比較設問の答え方を参照してください。

主観系の動詞

「あなたの考えを述べよ」——立場を1つ決めて支える

最頻出の指示です。求められているのは感想ではなく、立場+根拠です。

「述べよ」だからといって、思ったことを順に述べてはいけません。「述べよ」は実質「論じよ」とほぼ同じと考えて構いません。

「論じよ」——反対意見の存在を前提にする

「論じる」とは、異なる立場がありうる問題について、根拠を挙げて自分の立場を擁護することです。

つまり「論じよ」と言われた瞬間、反論の検討が事実上の必須項目になります。賛成だけ、反対だけを書いた答案は、「論じた」ことになりません。譲歩→限定→再主張の型(反論への応答)を必ず1段落入れてください。

「提案せよ・対策を述べよ」——実行可能性まで書く

政策系の設問で増えている動詞です。提案には、意見よりも高い要求が含まれています。

要素 内容
誰が 実行の主体(国・自治体・学校・個人)
何を 具体的な中身
副作用 その提案で新たに困る人はいないか

「意識を高める」「連携を強化する」は提案ではありません。主体と中身が言えて、初めて提案です。

「あなたの経験を踏まえて」——体験の指定

この一句が付いたら、具体例は自分の体験に限定されます。ニュースや一般論の例で代用すると、指示違反です。逆に、この指定がないのに体験談ばかり書く必要はありません。

複数の指示が重なる設問

実際の入試では、動詞は単独では出ません。

課題文の筆者の主張を100字で要約した上で、その主張に対するあなたの考えを500字以内で述べよ。

この設問には指示が2つあります。処理の手順は次のとおりです。

  1. 設問を分解して番号を振る——①要約100字(客観)②考え500字(主観)
  2. 指示ごとに配点があると考える——①を落とすと、②がどれだけ良くても上限が下がる
  3. 書く前に、それぞれの字数を確定する——段落構成の考え方で機械的に

「〜を踏まえて」「〜に触れながら」という接続の指示も同じです。踏まえたことが答案の見た目で分かるように、①の内容を②の冒頭か理由部で明示的に受けてください。頭の中で踏まえていても、紙面に出ていなければ採点できません。

設問チェックの30秒ルーチン

試験が始まったら、課題文より先に設問を読み(課題文型の手順)、次の4点に印を付けます。

  • 動詞——客観系か主観系か
  • 指示の数——要約+意見など、いくつ課されているか
  • 条件——字数、経験指定、「本文の語を用いて」等
  • 問いの対象——「筆者の主張について」か「この現象について」か(ずれると全部ずれる)

この30秒が、答案全体の方向を決めます。

まとめ

  • 設問の最後の動詞は、意見が要るか要らないかの指定
  • 「説明・要約」に意見を書かない。「述べよ・論じよ」に要約だけを書かない
  • 「論じよ」は反論検討が事実上の必須
  • 「提案せよ」は主体と中身と副作用まで
  • 指示が複数ある設問は、分解して番号を振り、字数を先に配る

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