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小論文の構成メモの書き方。8分で作る設計図の実物3パターン

約6分で読めます

書きながら考える答案は途中で崩れます。課題文型・テーマ型・資料型それぞれの構成メモの実物例と、6行で足りる型、時間がないときの3行版までを具体的に示します。

答案が途中で崩れる人と、最後まで通る人の差は、書く前の数分にあります。

書きながら考える人は、途中で必ず迷子になります。構成メモは、その保険です。とはいえ「構成メモを書け」と言われても、何をどこまで書けばいいか教わる機会はほとんどありません。この記事では、実物のメモを3パターン見せます。

先に大事なことを1つ。構成メモは下書きではありません。文章を書く場所ではなく、判断を並べる場所です。文で書き始めたら、それはもうメモではなく1回目の答案です。

基本の6行フォーマット

どの形式でも、メモの骨格は同じ6行です。1行につき、単語か短い句だけを書きます。

行 書くこと 目安
① 問い 設問を一言に圧縮 5秒で読み返せる形
② 立場 結論を先に1つ 「賛成・ただし条件」等
③ 理由 立場を支える理屈 1つ。多くて2つ
④ 例 具体例 1つに絞る
⑤ 反論 想定される反対と、返し →で返しを書く
⑥ 結び 結論の言い直し方 条件つき・優先順位など

この6行に、段落ごとの字数を割り振ったら設計図の完成です。800字なら「序100・理由250・例250・反論100・結100」のように、行の横に数字を書き込みます(段落構成の考え方)。

実物1:テーマ型(8分)

設問「『失敗』についてあなたの考えを800字以内で述べよ」

実際のメモは、これだけです。

①失敗は避けるべきものか ②避けるな、ただし「同じ失敗の繰り返し」は別 ③失敗=仮説が外れた情報。避けると挑戦の幅ごと縮む ④部活の新フォーメーション。1回目大敗→原因3つ特定→地区突破 ⑤「受験に失敗したら取り返せない」→取り返せない失敗は準備で潰す。区別が大事 ⑥失敗を「情報」と「事故」に分けよ。前者は資産、後者だけ避けよ  100/250/250/100/100

ポイントは②と⑤です。立場に最初から条件を付けておくと、反論処理が楽になり、結論も型1(条件つきで言い切る)で自然に締まります。テーマ型の考えの進め方はテーマ型の手順を参照してください。

実物2:課題文型(読みながら作る)

課題文型では、メモは読解と同時に育てます。線の引き方の5記号(◎主張・→逆接・=言い換え・例・?)で課題文に印を付けながら、メモ用紙には次を書きます。

筆者◎:効率化は学びの質を落とす 根拠:到達点固定→寄り道消える ?:効率化「全部」が悪いか? 反復練習は効率化で救われる

①効率化は学びの敵か ②条件つき賛成(筆者に)。「何を効率化するか」で分かれる ③理解の過程は効率化NG/単純反復は効率化OK ④英単語アプリ(暗記は効率化して、長文精読の時間を作った) ⑤「区別など現場では無理」→科目内で切り分け可能。実例で示せる ⑥効率化の対象を選べ。浮いた時間を寄り道に使え

上半分が読解メモ、下半分が答案設計です。「?」を付けた違和感が、そのまま②の立場になっていることに注目してください。読みながら立てた問いが答案の軸になる——これが課題文型の理想の流れです(課題文型の手順)。

実物3:資料型(数字を3つだけ抜く)

資料型のメモは、グラフの転記になりがちです。メモに写してよい数字は3つまでと決めてください。

数字:全体横ばい/60代以上1.8倍/10代半減 解釈:合計が偏りを隠す。「安定」は見誤り だとすれば:10代向けの手を打つ局面

②「利用は安定」への反論を軸に ③内訳の入れ替わり=構造の変化 ⑤「高齢者向けを充実させるべきでは」→両立可。ただし優先順位 ⑥打つ手は10代の立て直し。試験期の開館延長から

読み取り・解釈・意見の3層(資料型の書き方)が、メモの段階で分離できていれば、答案は流すだけです。

時間がないときの3行版

残り時間が少ないときは、6行を3行に圧縮します。

②立場(条件つき) ④例(1つ) ⑤反論→返し

①③⑥は、②から復元できます。逆に、②④⑤のどれかが欠けたまま書き始めると、その欠けは本文中で必ず露呈します。3行版は「メモを省く」のではなく「復元できる行だけ省く」方法です。

メモでやってはいけないこと

文章で書く

「私は失敗を恐れる必要はないと考える。なぜなら〜」とメモに書く人がいます。その文は本番で二度書くことになり、時間を倍払います。単語と矢印だけで。

例を2つ以上書く

メモの段階で例が2つあると、本文でも2つ書いて両方浅くなります。メモの段階で1つに絞る(具体例の作り方)。捨てた例は、メモの隅に小さく残しておけば、字数が余ったとき(字数調整)の予備になります。

きれいに書く

メモは自分だけが5分間読めればいい紙です。清書癖は時間の敵です。

8分の内訳と練習

60分試験での標準的な時間の使い方は、時間配分の記事のとおりですが、メモ8分の内訳はこうです。

分 やること
0〜2分 ①②を書く。立場が決まらないなら決め方の基準で仮決め
2〜6分 ③④⑤を埋める。⑤が思いつかない立場は、②ごと見直す
6〜8分 ⑥と字数配分。書き出しの1文だけ頭の中で作る

練習では、答案を書かずにメモだけ作る訓練が効率的です。過去問1年分で答案1本書く時間があれば、メモなら5本作れます。5本のメモは、1本の答案より多くの判断の練習になります。練習方法の3か月設計に、この「メモだけ練習」を週2本混ぜてください。

まとめ

  • 構成メモは下書きではなく、判断を並べる場所。文章で書かない
  • 基本は6行:問い・立場・理由・例・反論・結び+字数配分
  • 課題文型は読解メモの「?」が立場に育つ。資料型は数字3つまで
  • 時間がなければ3行版(立場・例・反論)。この3つだけは省けない
  • 答案を書かずメモだけ作る練習が、判断力を最速で鍛える

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