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鹿児島大学 総合型選抜の対策。AO型は12人、自己推薦型は69人で「講義型試験」を課す

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鹿児島大学の総合型選抜(AO型選抜12人)と総合型選抜(自己推薦型選抜69人)を令和9年度の学生募集要項・入学者選抜要項から整理しました。工学部のプレゼンテーション、水産学部の小論文90分、35分の講義を見て50分で答える講義型試験まで解説します。

鹿児島大学の総合型選抜には、名前の違う2つの入試があります。AO型選抜と自己推薦型選抜です。

大きく違うのは共通テストの有無です。AO型選抜(12人)は共通テストを課しません。工学部の括り枠8人と水産学部4人だけの、小さくて専門性の高い枠です。

自己推薦型選抜(69人)は共通テストを課します。こちらは9学部にまたがり、多くの学科で講義型試験という同じ形式の試験を使います。

その講義型試験がこういうものです。35分程度の講義スライドを、メモを取りながら視聴する。そのあと講義内容に関連した問題に50分間で解答する。評価されるのは思考力・判断力・理解力、そして文章での表現力です。

授業を受ける力そのものを測る試験だと考えてください。過去問を解くだけでは届きません。

この記事は、公開されている令和9年度の学生募集要項および入学者選抜要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。AO型選抜と自己推薦型選抜は要項が別に公表されます。 出典:鹿児島大学 総合型選抜(AO型選抜)/入学者選抜要項

AO型選抜は12人——共通テストなし

学部 学科等 募集人員 試験日 試験内容
工学部 先進工学科 括り枠 8人 10月17日 プレゼンテーション、面接試問
水産学部 水産学科 4人 10月15日 小論文90分、面接試問

出願は9月17日〜28日、合格発表は11月2日です。入学手続完了者が募集人員に満たない場合、欠員は一般選抜(前期日程)の募集人員に含められます。

水産学部の出願資格は限定的です。高等学校の水産系・海洋系・総合系またはこれらに準ずる学科で、水産・海洋系の科目を25単位以上履修(見込みを含む)していること。あるいは水産系・海洋系の専攻科を修了見込みであることが必要です。

工学部は卒業見込みの人のみ(既卒は不可)で、学業成績が優秀であることが条件です。

自己推薦型選抜は69人——共通テストを課す

学部 学科・コース等 募集人員 個別テスト等
法文学部 人文学科 多元地域文化コース 5人 講義型試験
理学部 理学科 括り枠 14人 講義型試験、自己推薦書
医学部 保健学科 看護学専攻(一般枠) 8人 講義型試験、面接
医学部 保健学科 看護学専攻(離島枠) 2人 講義型試験、面接、離島枠面接
歯学部 歯学科 3人 講義型試験、面接
工学部 先進工学科 機械工学プログラム 5人 面接、調査書
工学部 建築学科 建築学プログラム 5人 面接、調査書
農学部 国際食料資源学特別コース(農学系) 3人 講義型試験、面接
農学部 農学科 10人 講義型試験、面接
水産学部 国際食料資源学特別コース(水産学系) 3人 講義型試験、面接
共同獣医学部 共同獣医学科 6人 講義型試験、面接
共同獣医学部 畜産学科 5人 講義型試験、面接
合計 69人

工学部の2プログラムだけ講義型試験がありません。面接と調査書、そして共通テストで決まります。

工学部のAO型選抜——課題分野を選び、PCで5分発表する

工学部の出願では、課題分野と配属希望プログラムを選びます。課題分野は5つです。

課題分野名 主な配属プログラム
次世代エネルギーとモビリティ関連分野 機械工学、電気電子工学、化学工学
材料と機能、インフラ関連分野 機械工学、電気電子工学、海洋土木工学、化学工学
情報技術の活用、地球と地域の環境関連分野 機械工学、電気電子工学、海洋土木工学、化学生命工学、情報・生体工学
生命・生体と健康関連分野 化学生命工学、情報・生体工学
その他の工学分野 全てのプログラム

配属希望プログラムは第2希望まで選べます。第1希望のプログラムにしか配属を希望しない場合は、第2希望を「希望なし」にします。なお、第2希望まで選んだ場合は両方のプログラムで面接試問が実施されます。

志望理由書は4枚構成で、書く内容が決まっています。

  1. 探究学習等でこれまで取り組んできた課題の内容と成果
  2. 入学後に取り組みたい課題分野(5つから1つ選ぶ)
  3. 配属希望プログラム(第1・第2希望)と志望動機
  4. 自己アピール

1番に探究学習が来ているのが、この入試の性格を示しています。

第1段階選抜は、志願者数が募集人員の2.5倍を超えた場合に、出願書類(調査書・志望理由書)で実施されることがあります。実施の有無は大学ホームページで告知されます。

第2段階選抜はプレゼンテーションと面接試問です。

区分 形態 内容
プレゼンテーション 個人面接15分程度 出願時に選んだ課題分野についてPCで5分間発表、その後約10分の質疑応答
面接試問 個人面接5〜15分程度 口頭試問で工学に対する適性・思考力を評価。志望理由書に基づく質疑も

プレゼンテーションの条件が細かく指定されています。PCは各自が持参してプロジェクター等に接続します。インターネットには接続できません。プロジェクターはWindows OS対応、画面比は16:9推奨、接続端子はHDMIのみ(VGA等は不可)で、変換機器が必要なら各自で準備します。HDMIケーブルとプロジェクターは大学が用意します。

評価されるのは、社会課題に関する関心、工学に対する学習意欲、研究内容と課題分野・配属希望プログラムとの適合性、コミュニケーション能力です。

試験日は令和8年10月17日、8:40までに工学部共通棟2階201講義室へ集合。プレゼンテーションが9:00〜12:00(予定)、面接試問が13:00〜17:30(予定)です。

なお、各プログラムの最大配属予定者数には上限があるため、受験者数が募集人員に満たない場合でも不合格となることがありますと明記されています。

水産学部のAO型選抜——小論文90分

水産学部は令和8年10月15日。9:30までに水産学部4号館1階学生係へ集合します。

試験 時間 配点
小論文 10:00〜11:30(90分) 100点
面接試問 12:30〜17:30(予定)、個人面接20分程度 100点
出願書類 — 50点
合計250点

小論文は水産学に関する論述試験です。問われるのは「水産学を学ぶうえで必要な基礎的事項に関する理解力、あるいは水産学に関するトピックス的なものに対する理解力並びに考察力」。面接試問では水産学に関する基礎知識と学ぶ意欲が評価されます。

同点の場合は面接試問、小論文の順で順位が決まります。面接のほうが優先されるということです。

本学が課す個別テスト等のうち1つでも受験しなかった者は失格になります。

自己推薦型選抜の「講義型試験」

自己推薦型選抜の中心は講義型試験です。形式は全学部共通で、35分程度の講義スライドをメモをとりながら視聴し、その後、講義内容に関連した問題に50分間解答します。評価されるのは思考力・判断力・理解力、および文章での表現力です。

面白い扱いがあるのは理学部です。講義型試験の成績は段階評価(AとBの2段階)で、高大接続科目等履修(いわゆる先取り履修)の合格者は、単位認定を受けた年度を含めて5年度以内に限り、学業成績証明書を出願時に提出することで講義型試験の受験が免除され、かつA評価として扱われます。

学部ごとの面接もそれぞれ違います。

学部・学科 面接の内容
医学部 保健学科 看護学専攻 10分程度の個人面接。看護に関する関心度、学習意欲、論理性
同(離島枠) 上記に加え離島枠面接10分程度。離島医療・離島での看護活動への関心や展望
歯学部 歯学科 面接に先立ち40分で面接用資料を作成し、20分程度の個人面接
工学部 機械工学プログラム 10分程度、口頭試問を含む個人面接
工学部 建築学プログラム 15分程度、口頭試問を含む個人面接
農学部・水産学部・共同獣医学部 15分程度の個人面接

看護学専攻の離島枠には、卒業後に鹿児島県内の離島地域の病院等で3年以上勤務することの確約が求められます。新人教育のための勤務(上限3年)、大学院進学中、育児・介護休業中などは猶予され、卒業後10年以内に3年間の離島勤務を終えることが原則です。

自己推薦型選抜の共通テストは、学科で科目数が違う

同じ自己推薦型選抜でも、必要な共通テストの科目数に大きな幅があります。

学部・学科等 共通テスト
法文学部 多元地域文化コース 6教科8科目または7教科8科目
理学部 括り枠 3教科5科目(数学・理科2科目・外国語)
医学部 保健学科 看護学専攻 6教科7科目
歯学部 歯学科 6教科8科目(理科は物・化・生から2、外国語は英語)
工学部 機械工学プログラム 2教科2科目(数ⅡBC・物理)
工学部 建築学プログラム 3教科5科目(数学2科目・理科2科目・外国語)
農学部 農学科 3教科5科目
農学部 国際食料資源学特別コース 6教科8科目
共同獣医学部 共同獣医学科 6教科8科目
共同獣医学部 畜産学科 3教科5科目

工学部 機械工学プログラムは数学と物理の2科目だけ。理学部・農学科・建築学・畜産学科は3教科5科目。一方で法文学部・歯学部・共同獣医学科・国際食料資源学特別コースは6〜7教科8科目です。

同じ大学の同じ入試区分で、必要な準備量が4倍近く違うということになります。志望学科を決める前に、ここを確認してください。

工学部 機械工学プログラムは、理科において「物」を第1解答科目として選択解答することという指定があります。建築学プログラムは数学と理科をいずれも2科目解答する必要があります。

調査書の評価内容も公開されています。各教科・科目等の学習成績の状況、高等学校での部活動、ボランティア活動等の諸活動の状況、課題研究や総合的な探究の時間における成果、出欠状況など、記載事項全般が総合的に評価されます。

どこから手をつけるか

AO型選抜を狙うなら、まず出願資格を確認してください。

工学部は卒業見込みの人のみで、既卒者は出願できません。水産学部は水産系・海洋系・総合系等の学科で水産・海洋系科目を25単位以上という条件があり、普通科からは出願できません。合わせて12人の枠です。

工学部のプレゼンテーションは、機材の条件から準備してください。

自分のPCを持参し、HDMIで接続、画面比16:9、インターネット接続なし。変換アダプタが必要なら自分で用意します。当日つながらなければ発表できません。必ず事前に、オフラインで最後まで通せることを確認してください。

発表は5分、質疑が約10分。質疑のほうが長い入試です。志望理由書に書いた探究学習の内容が、そのまま掘り下げられます。プレゼン型入試の対策と口頭試問の対策を使ってください。

志望理由書は、探究学習から書き始める構成になっています。

1枚目が「探究学習等でこれまで取り組んできた課題の内容と成果」です。志望動機が先ではありません。高校で何に取り組み、何が分かったかを書き、そこから課題分野とプログラムを選ぶ流れになります。志望理由書の完全ガイドと活動報告書に書くことがないときを参照してください。

水産学部は90分の小論文です。

水産学に関する論述試験で、基礎的事項の理解力か、トピックス的なものに対する理解力と考察力が問われます。90分は長い。構成を決めてから書く練習が要ります。小論文の時間配分と農学部の小論文が役立ちます。同点の場合は面接試問が優先されるので、面接も手を抜けません。

自己推薦型選抜の講義型試験は、授業の受け方そのものを変えると伸びます。

35分の講義をメモを取りながら聞き、50分で答える。聞きながら構造を取る力が要ります。普段の授業で、板書を写すのではなく「話の骨組みをメモする」練習をしてください。課題文の要約と構成メモの作り方の考え方がそのまま使えます。

理学部志望なら、高大接続科目等履修(先取り履修)に合格していれば講義型試験が免除され、A評価扱いになります。該当する可能性がある人は、学業成績証明書を出願時に提出することを忘れないでください。

歯学部は、面接前の40分が実質的な筆記試験です。

面接に先立って40分で面接用資料を作成し、それを参考資料として20分程度の個人面接を受けます。その場で考えをまとめて書き、それについて20分話す。書類と面接の一貫性と医学部の総合型選抜・学校推薦型選抜を参照してください。

まとめ

  • 鹿児島大学の総合型選抜は、共通テストを課さないAO型選抜12人と、課す自己推薦型選抜69人の2本立て
  • AO型選抜は工学部 先進工学科 括り枠8人(10月17日)と水産学部 水産学科4人(10月15日)
  • 工学部AO型は卒業見込み者のみ。水産学部AO型は水産・海洋系科目25単位以上が必要
  • 工学部は出願時に課題分野(5つから1つ)と配属希望プログラム(第2希望まで)を選ぶ。第2希望まで選ぶと両方のプログラムで面接試問がある
  • 工学部のプレゼンテーションは自分のPCを持参、HDMIのみ、16:9推奨、インターネット接続不可。5分発表+約10分質疑
  • 志望理由書は4枚構成で、1枚目が探究学習の内容と成果
  • 第1段階選抜は、志願者が募集人員の2.5倍を超えた場合に書類で実施されることがある
  • プログラムの最大配属予定者数に上限があるため、募集人員に満たなくても不合格になることがある
  • 水産学部AO型は小論文90分100点+面接試問100点+出願書類50点=250点。同点時は面接試問が優先
  • 自己推薦型選抜の中心は講義型試験。35分の講義スライドをメモを取りながら視聴し、50分で解答する
  • 理学部は先取り履修の合格者が講義型試験を免除され、A評価扱いになる
  • 工学部の機械工学・建築学プログラムには講義型試験がなく、面接と調査書で評価される
  • 歯学部は面接前に40分で面接用資料を作成し、20分程度の個人面接を受ける
  • 看護学専攻の離島枠2人は、卒業後に鹿児島県内の離島地域で3年以上勤務することが条件(卒業後10年以内に達成)
  • 自己推薦型選抜の共通テストは、工学部機械工学の2教科2科目から、法文・歯・共同獣医の6〜7教科8科目まで幅が大きい

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