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関東の公立大学 学校推薦型選抜の対策。小論文が7割を占める都留文科と、推薦が4種類ある高崎経済

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都留文科大学と高崎経済大学の学校推薦型選抜を2027年度の学生募集要項に沿って整理しました。全学科で小論文90分・配点70%の都留文科、英語重視・全国・地域・商業等の4推薦に分かれる高崎経済、落ちても拾われる仕組みまでを解説します。

公立大学は、小論文で選ぶ入試が多いという特徴があります。国立大学のように共通テストを重く見るのではなく、書かせて選ぶ設計が残っているからです。

関東の公立大学のなかから、都留文科大学と高崎経済大学を取り上げます。この2校は、このサイトが扱ってきた国公立20校以上のなかでも小論文の比重がとくに大きい大学です。

この記事は、公開されている2027年度の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・配点は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:都留文科大学 募集要項/高崎経済大学 2027年度(令和9年度)入学者選抜に関する要項(PDF)

都留文科大学——全学科、小論文90分・配点70%

都留文科大学の学校推薦型選抜(一般)は、すべての学科で試験科目が小論文だけです。

○小論文および提出された書類の総合判定により合格者を決定します。「小論文」70パーセント、「提出書類」30パーセントの割合で合否判定を行います。

小論文が7割。面接すらありません。書けるかどうかで決まる入試です。

試験は2026年11月29日(日) 10:00〜11:30の90分、全学科共通です。

試験開始後30分を経過すると入室を認めません。

学科ごとに、小論文の性格が違う

要項は学科ごとに出題の性格を明記しています。ここが対策の起点になります。

学科 小論文の性格(要項より)
文学部 国文学科 国語の基礎的な学力に関する出題も含みます
文学部 英文学科 英語の読解力と英語による表現力を見る問題形式。英文を日本語で要約したり、英文の内容について日本語で論述する形式。日常的なトピックに関する英作文等を含む
教養学部 学校教育学科 ①課題文や資料の要点を的確に理解し、分析する力 ②課題文や資料に即して自分の考えを展開し、表現する力 ③文化や社会の問題についての関心の広がりや深さ
教養学部 地域社会学科 ①課題文や資料に対する的確な理解力と分析力 ②設問に対する自分の考えを論理的に展開し、表現する力 ③現代における社会の諸問題についての関心の広がりや深さ
教養学部 比較文化学科 小論文(800字程度)。課題文に即した理解力や分析力を問う出題も含む
教養学部 国際教育学科 英語の基礎的な学力に関する出題も含みます。課題に関する論述により、思考力、表現力、判断力等を評価

英文学科と国際教育学科は英語が出ます。英文学科は「英文を日本語で要約」「英文の内容について日本語で論述」「英作文」と、形式まで書かれています。英文課題文の小論文の準備が必須です。

学校教育学科と地域社会学科は、評価の観点が3つとも同じ構造です。①理解 → ②展開 → ③関心の広さ。3つめが入っているので、頻出テーマの知識がそのまま差になります。

比較文化学科だけ800字程度という字数が明記されています。

枠が3つに分かれている

募集人員は「全国」「山梨県」「都留市」の3枠制です。

学科 全国 山梨県 都留市
文学部 国文学科 38名 10名 2名
文学部 英文学科 27名 7名 1名
教養学部 学校教育学科 40名 — —
教養学部 地域社会学科 35名 17名 3名
教養学部 比較文化学科 32名 8名 2名
教養学部 国際教育学科 14名 2名 1名

さらにふるさと山梨県教員希望枠(山梨県16名・都留市4名)が別にあります。

全国枠だけで186名。公立大学の推薦としては相当な規模です。山梨県・都留市の枠は、県内の高校に在学する者や都留市出身者が対象になります。

民間資格・検定が評価に入る

学科ごとに、評価対象になる資格が指定されています。

  • 国文学科……日本漢字能力検定(準2級以上)、Literas論理言語力検定(準2級以上)、英検(準2級以上)、GTEC 680以上 ほか
  • 英文学科……英検(2級以上)、GTEC 930以上、TOEFL iBT 48以上、TOEIC L&R 520以上、IELTS 4.0以上
  • 比較文化学科……英語系に加えて、中国語検定・HSK・韓国語能力試験・ハングル検定・仏検・DELF・独検など多言語
  • 地域社会学科……英語系に加えて、実用数学技能検定(準2級以上)、簿記(3級以上)、珠算(3級以上)

提出されない場合、評価の対象となりません。

持っているなら必ず出してください。比較文化学科の多言語対応、地域社会学科の簿記・珠算まで含む幅は、他大学ではあまり見ません。

辞退すると、翌年の後輩が出願できなくなる

要項に、重い一文があります。

○合格後入学辞退者が出た場合には、その高等学校からは翌年度の学校推薦型選抜の出願を受理しないことがあります。

辞退のペナルティが、次の年の同じ高校にかかります。専願として出す、という覚悟が要ります。

なお、大学入学共通テスト利用学校推薦型選抜(教養学部 学校教育学科・地域社会学科・比較文化学科)と、総合型選抜(英文学科・国際教育学科・地域社会学科・学校教育学科の4学科、合計64人)も別に用意されています。総合型選抜は甲信越の公立大学の総合型選抜で解説しました。

高崎経済大学——推薦が4種類、総合型はない

高崎経済大学の入学者選抜方法の表には、はっきりこう書かれています。

※専門高校・総合学科卒業生選抜、総合型選抜は実施しません。

入口は学校推薦型選抜だけです。そのぶん、推薦が細かく分かれています。

経済学部——4つの推薦に分かれる

経済学部(経済学科・経営学科・国際学科)の学校推薦型選抜Ⅰは募集100人で、内訳が4つです。

推薦区分 募集人員
英語重視推薦 20人
全国推薦 50人(附属高校の3人を含む)
地域推薦 15人
商業等推薦 15人

それぞれの募集人員に対して、1校3人まで推薦することができます。

区分ごとに1校3人までなので、校内で枠を争う構造は緩やかです。

試験は11月22日、合格発表12月1日。共通テストは免除されます。

英語重視推薦で落ちても、小論文を受けていれば拾われる

これがこの大学のいちばん実務的な仕組みです。要項の注記を引きます。

※2 小論文受験希望者のみ。英語重視推薦で合否判定が不合格の場合、小論文を受験していることで、全国推薦での合否判定対象とします。

英語重視推薦は英語(基礎学力試験)で選びますが、そこで落ちても、小論文を受けておけば全国推薦の判定に回ります。受けない理由がありません。

そして英語重視推薦には厳しい条件もあります。

英語重視推薦において、英語の成績が、本学の設ける基準を満たさなかった場合、定員に達していなくても不合格とし、この際の募集人員に不足した人数については、全国推薦の募集人員に付け加えます。

商業等推薦にも同じ趣旨の注記があります。

商業等推薦において、資格加点等も考慮した総合的な成績が、本学の求める水準に達しなかった場合、定員に関わらず不合格となることがあります。

枠が余っても基準に届かなければ出さない。一橋大学や大阪大学と同じ設計です。

なお、英語資格・検定試験のスコアに応じて加点されます(全国推薦・地域推薦は英語資格、商業等推薦は所持する資格に応じて)。

地域政策学部——小論文に英語が含まれる

地域政策学部(地域政策学科・地域づくり学科・観光政策学科)の学校推薦型選抜Ⅰは募集50人(附属高校5人を含む)と45人の枠があります。

アドミッション・ポリシーに、選抜の中身が書かれています。

学校推薦型選抜では、小論文試験(英語を含む)により…知識・技能・能力を有しているかを評価するとともに、面接試験、活動実績報告書及び調査書等により…総合的に判断する。

別表にも「英語に関する問題を含みます」と注記があります。小論文のなかに英語が入る形式です。経済学部が英語を独立した試験にしているのに対し、地域政策学部は小論文に統合しています。

提出書類は調査書・活動実績報告書(地域政策学部)、調査書・自己推薦書(別枠)と分かれています。

一般選抜でも小論文が必須

参考までに、高崎経済大学は一般選抜(前期日程)でも小論文が必須です。

教科・科目に係る個別テストでは小論文の受験を必須とし、…問題意識や関心を有しているかを評価するとともに、論理的な文章を作成する能力をはかる。

試験は2027年2月25日 9:40〜12:00。推薦で受けても一般で受けても小論文から逃れられない大学、ということです。

2校を並べて見ると

都留文科大学 高崎経済大学
総合型選抜 4学科で実施(64人) 実施しない
推薦の試験 小論文のみ(面接なし) 英語+小論文+面接/小論文(英語含む)+面接
小論文の比重 70% 区分による
共通テスト 免除(別に共テ利用推薦あり) 免除(推薦Ⅰ)
資格の扱い 学科ごとに評価対象を指定 スコアに応じて加点
試験日 2026年11月29日 2026年11月22日

どちらも小論文が主戦場ですが、性格は違います。

都留文科は面接がなく、書いたものだけで7割が決まる。高崎経済は区分を選ぶところから戦略が始まり、英語資格が加点になる。

何から始めるか

都留文科大学を狙うなら

  1. 志望学科の小論文の性格を要項で読む(英文学科・国際教育学科は英語が出る)
  2. 90分・面接なし。書く訓練に全部を振れる
  3. 民間資格の証明書を出す(提出しないと評価対象にならない)
  4. 全国枠・山梨県枠・都留市枠のどれで出すかを確認する
  5. 辞退すると翌年の後輩が出願できなくなる。専願として出す

高崎経済大学を狙うなら

  1. 経済学部なら、4つの推薦区分のどれで出すかを決める
  2. 英語重視推薦を選んでも、小論文は受けておく(落ちても全国推薦に回る)
  3. 英語資格のスコアを取っておく(加点される)
  4. 地域政策学部なら、小論文に英語が含まれる前提で準備する

公立大学は、総合型選抜の全体像のなかでも小論文で選ぶ伝統が残っている領域です。千葉大学や静岡大学のような国立の中堅と比べても、書く比重は高い。

北海道の公立大学ははこだて未来・札幌市立ほか、東北の公立大学は宮城・秋田県立ほか、東海の公立大学は愛知県立大学と静岡県立大学、関西の公立大学は兵庫県立・京都府立・奈良県立、中国・九州の公立大学は県立広島・北九州市立にまとめました。愛知県立大学の日本文化・教育福祉学部は第1次選考が小論文だけ、看護学部は小論文200点/300点です。

関東の公立大学の総合型選抜は別記事にまとめました。東京都立大学・前橋工科大学・群馬県立女子大学・神奈川県立保健福祉大学で、都立大は8方式で61名、前橋工科は数学と理科の学力検査つき、群馬県立女子は仙台会場あり、神奈川県立保健福祉は出願にCEFR B1が要ります。単独記事としては横浜市立大学があります。

同じ「公立大学」でも設計はばらばらなので、募集要項の読み方のとおり、志望校の要項を1つずつ当たってください。

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