総合型選抜の面接で聞かれることは、あなたの書類に全部書いてある
面接の想定問答集を暗記するより先にやるべきことがあります。面接官の質問の大半は提出書類から作られます。自分の書類から質問を予測する方法を解説します。
面接対策というと、想定問答集を用意して暗記する人が多いのですが、順番が違います。
総合型選抜の面接官は、あなたの提出書類を読んでから面接室に入ってきます。質問の大半は、その場の思いつきではなく書類から作られます。つまり、面接で聞かれることは、あなたの書類にすでに書いてあるのです。
面接官が書類から質問を作る場所
添削と面接指導の経験から言うと、質問が作られるのは次の4か所です。
1. 抽象的な言葉
書類の中の「貢献したい」「コミュニケーション能力」「多角的な視点」のような言葉は、ほぼ確実に突かれます。
書類:医療を通じて地域に貢献したいと考えています。 質問:「貢献」とは、具体的に何をすることだと考えていますか?
**自分の書類の中の抽象語に線を引いてください。**その一つひとつが想定質問です。
2. 話が飛んでいる箇所
経験Aから結論Bへ、間を飛ばして書いている箇所です。
書類:祖母の入院をきっかけに、看護師を志すようになりました。 質問:入院に付き添う家族は大勢いますが、全員が看護師を目指すわけではありません。あなたの場合、何が決め手でしたか?
書いた本人には自明でも、読み手には飛躍に見える。この「間」を口頭で埋められるかを、面接は見ています。
3. 都合が良すぎる箇所
失敗が成功に転じる話、活動がすべて順調に進んだ話は、疑ってかかられます。
質問:うまくいかなかったことはなかったのですか?
ここで初めて失敗談を出すようでは遅いのです。書類の段階で失敗を1つ書いておくと、この質問はむしろ得点源になります。
4. 数字と固有名詞
「3年間続けた」「5軒に取材した」のような具体的な記述は、深掘りの入り口として使われます。
質問:5軒に話を聞いた中で、一番印象に残っている言葉は何ですか?
これは落とすための質問ではなく、本当に自分でやったのかを確かめる質問です。実際にやった人は即答できます。書類を盛った人はここで止まります。
自分でできる面接準備の手順
手順1:書類を音読する
自分の出願書類を、声に出して読んでください。読んでいて引っかかった箇所、言い淀んだ箇所は、自分でも消化できていない部分です。そこが必ず聞かれます。
手順2:全ての文に「なぜ?」と「具体的には?」を付ける
書類の一文ごとに、この2つの質問を自分に投げます。答えられない文が見つかったら、それが弱点です。答えを考えるか、書類の表現を直すかを判断します(出願前なら後者ができます)。
手順3:1分版と3分版を作る
「志望理由を教えてください」には、短く答えられる必要があります。書類の内容を、1分で話す版と3分で話す版の2つに口頭で圧縮する練習をしてください。原稿の暗記ではなく、要点の順番だけ覚えるのがコツです。
暗記が危険な理由
想定問答の丸暗記には、2つの落とし穴があります。
**1つ目:再生モードの声になる。**暗記した文章を話すとき、人の声は平板になります。面接官は毎年何十人も見ているので、すぐ分かります。
**2つ目:想定外の質問で止まる。**暗記に頼った受験生は、用意のない質問が来たときに沈黙します。要点だけ覚えて言葉はその場で組み立てる練習をしていれば、初見の質問にも同じやり方で対応できます。
答えに詰まったときの作法
それでも詰まることはあります。そのときは、沈黙や「分かりません」ではなく、考えている過程を声に出してください。
すぐには答えが出ないのですが、今の質問で考えたのは〜
面接官が見たいのは正解ではなく、その場で考える力です。詰まった質問への向き合い方は、むしろ評価の見せ場になります。
保護者・先生に手伝ってもらうなら
模擬面接を頼むときは、質問リストを渡すのではなく、あなたの書類を渡して「ここから質問を作ってほしい」と頼んでください。本番と同じ条件になります。
質問されたら、評価やダメ出しではなく「もう少し詳しく」とだけ返してもらう。この形式が、いちばん本番に近い練習になります。
まとめ
- 面接の質問は書類から作られる。問答集より先に自分の書類を読み込む
- 質問が生まれるのは、抽象語・話の飛躍・都合の良い話・数字の4か所
- 書類を音読し、全文に「なぜ?」「具体的には?」を付ける
- 暗記ではなく、要点の順番だけ覚える
- 詰まったら考える過程を声に出す
面接で崩れない書類を作る工程そのものは、志望理由書の書き方 完全ガイドで解説しています。