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高知大学 総合型選抜Ⅰの対策。医学科30人以内が共通テストなし、地域協働学部は当日60分で成果物を作る

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高知大学の総合型選抜Ⅰ(9つの学部・学科等で107人)を2027年度の入学者選抜要項から整理しました。医学部医学科30人以内の2段階選考、地域協働学部のゼミナール活動適性試験、模擬授業に基づく面接、総合型選抜Ⅱと国際バカロレア選抜まで解説します。

高知大学の総合型選抜Ⅰで、いちばん枠が大きいのは医学部医学科の30人以内です。しかも共通テストを課しません。

国公立大学の医学科で、共通テストなしの総合型選抜にこの規模の枠があるのは珍しいことです。ただし条件はあります。調査書の全体の学習成績の状況が4.3以上、高知県内の地域医療に従事する強い意欲、卒業後に高知県内の医療機関で2年間の臨床研修を行うことの確約。そして過去にこの入試を受けたことがない人(第1次選抜で不合格だった人などは除く)。

もう一つ、形式が特徴的なのが地域協働学部です。第2次選抜では、当日その場で個人課題を示され、60分で成果物を作り、5分で発表します。第1次選抜にはゼミナール活動適性試験という、グループ活動をして、そのあと振り返り演習をする試験があります。

学部ごとに入試の形がここまで違う大学も珍しい。

この記事は、公開されている2027年度の入学者選抜要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。学部ごとの学生募集要項は別に公表されるので、出願前に必ず確認してください。 出典:高知大学 募集人員・入試日程・募集要項

総合型選抜Ⅰは9つの学部・学科等で107人

学部 学科・コース等 募集人員 共通テスト
人文社会科学部 人文社会科学科 社会科学コース 8人 なし
理工学部 数学物理学科 4人 なし
理工学部 地球環境防災学科 7人 なし
医学部 医学科 30人以内 なし
医学部 看護学科 20人 なし
農林海洋科学部 農林資源科学科 フィールド科学コース 一般枠10人+高知県枠5人 なし
農林海洋科学部 農林資源科学科 農芸化学コース 地域志向枠5人 なし
地域協働学部 地域協働学科 9人 なし
地域協働学部 パブリックイノベーション学科(仮称) 9人 なし

このほかに、国際バカロレア選抜(人文社会科学部 国際社会コース、若干名)と、共通テストを課す総合型選抜Ⅱ(農林海洋科学部 フィールド科学コース 地域志向枠5人)があります。

地域協働学部は改組を予定しており、パブリックイノベーション学科は設置申請中。学科名称・募集人員・実施方法・日程は予定で、変更の可能性があると明記されています。

日程

出願 第1次選抜 第1次の発表 第2次選抜 最終発表
人文社会科学部 社会科学コース 9月1日〜4日 9月11日 9月28日 10月10日 11月1日
理工学部(2学科) 9月1日〜4日 書類選考 9月28日 10月10日 11月1日
医学部 医学科 9月1日〜4日 9月12日 10月15日 10月27日〜11月6日のうち2日間 11月12日
医学部 看護学科 9月1日〜4日 書類選考 9月17日 10月3日・4日の2日間 11月1日
農林海洋科学部(2コース) 9月1日〜4日 書類選考 9月28日 10月10日 11月1日
地域協働学部 地域協働学科 9月1日〜4日 9月11日 9月28日 10月10日 11月1日
地域協働学部 パブリックイノベーション学科 9月14日〜18日 — — 10月10日 11月1日

出願はいずれも17時必着です。四国の国立5大学は共同のインターネット出願サイトを使っています。

医学部医学科——総合問題と英語資格で絞る

段階 内容
第1次選抜(9月12日) 大学で実施する総合問題と英語資格・検定試験の結果を総合。募集人員の約2倍を限度に合格者を決める
第2次選抜(10月27日〜11月6日のうち2日間) 態度・習慣領域評価と面接。自己推薦書・活動報告書・調査書は面接の資料

面接の進め方まで書かれています。冒頭に、医学科への志望理由と高知大学を選んだ理由を3分程度で話す。そのあと、過去3年間で継続的に取り組んだ活動(課題研究、部活動、ボランティアなど)について具体的な状況を聞かれます。

要項は「自分が一番熱心に取り組んだ活動を明確にしておいてください」と、準備の方向まで示しています。3分の自己紹介と、活動1つの深掘り。練習できる形式です。

学部ごとに、第1次と第2次の中身が違う

学部・学科等 第1次選抜 第2次選抜
人文社会科学部 社会科学コース 志願理由書100+講義理解力試験100 ゼミナール形式の授業に関する適性試験100+作文100+面接100(第1次の講義理解力試験の得点も使う)
理工学部 数学物理学科 志願理由書と調査書100(募集人員の2倍程度) 物理の模擬授業(講義・実験・実習を含む)→小論文と口頭試問を含む面接200
理工学部 地球環境防災学科 志願理由書と調査書100(3倍程度) 模擬授業に基づく理解力と思考力を問う面接100
医学部 医学科 総合問題+英語資格・検定試験(約2倍) 態度・習慣領域評価+面接
医学部 看護学科 出願時に提出する小論文・志願理由書・活動報告書・調査書(約3倍) 態度・習慣領域評価+面接(個人面接20分程度)
農林海洋科学部 フィールド科学コース 志願理由書と調査書100(2倍程度) 第1次100+模擬授業→小論文100+口頭試問(物理・化学・生物から1つ選択)を含む面接100
農林海洋科学部 農芸化学コース 志願理由書と調査書100(2倍程度) 「食」「農」「地方」をキーワードとする小論文100+面接100(第1次の成績を加える)
地域協働学部 地域協働学科 講義の理解力を確認する試験(小論文形式等)200+ゼミナール活動適性試験100 第1次300+口頭試問を含む面接200
地域協働学部 パブリックイノベーション学科(仮称) — 面接200(発表8分+質疑応答等12分)

「模擬授業や講義を受けてから答える」形式が多いのが高知大学の特徴です。人文社会科学部、理工学部の2学科、農林海洋科学部のフィールド科学コース、地域協働学部。いずれもその場で聞いた内容をどれだけ理解できるかを見ています。

地域協働学部のゼミナール活動適性試験

第1次選抜のゼミナール活動適性試験は、簡単なグループ活動をしたあとに振り返り演習をするものです。振り返り演習では、議論や行動の結果と、グループ活動の過程でのチームのあり方を考えます。

採点は、チームとしての成果を向上させる資質という視点から、グループ活動と振り返り演習の両方での「ふるまい」(発言、傾聴、行為など)を試験者が観察して行います。

発言の多さではなく、チームの成果に貢献したか。そして終わったあとに振り返れるか。この2つが見られています。

第2次選抜では、当日、面接の前に個人課題が示されます。そこから60分程度で成果物を作り、面接の中で5分程度で発表、続いて15分程度の質疑応答と志望理由の掘り下げがあります。

パブリックイノベーション学科は面接だけ

新設が予定されているパブリックイノベーション学科(仮称)は、面接200点のみで選抜します。発表8分+質疑応答等12分の合計20分です。

発表には持ち込みができます。紙の資料、写真、作品、ポートフォリオなど、自分で持ち運べる大きさのもの。デジタルデータを使う場合は、面接室のモニターにHDMIで接続します(接続に不具合が出た場合に備えて、自分のデバイスの画面でも発表できるようにしておく必要があります)。

楽器など大きな音を出すもの、生物、その他試験室の運営に影響するものは持ち込めません。インターネット接続もできません。

農林海洋科学部の2つの枠

フィールド科学コースの高知県枠5人は、高知県内の高校等の卒業(修了)見込み者、または高知県在住で県外の高校等を卒業(修了)した人が対象です。県枠に該当する人が一般枠で出願することもできます。高知県枠の合格者は、入学後に「次世代農業教育プログラム」の次世代農業科学コースを履修します。

農芸化学コースの地域志向枠5人は、入学後に地方創生推進士(農学版)の育成科目と指定の準正課活動を履修します。

総合型選抜Ⅱと国際バカロレア選抜

総合型選抜Ⅱ(共通テストを課す)

高知大学の総合型選抜Ⅱは、農林海洋科学部 農林資源科学科 フィールド科学コースの地域志向枠5人だけです。

項目 内容
出願 2026年12月2日〜7日17時必着
選抜期日 12月12日(土)
合格発表 2027年2月10日
配点 書類審査100+口頭試問(物理・化学・生物から1つ選択)を含む面接200+共通テスト850=1,150点

共通テストは6教科7科目または7教科7科目。面接では、理科の「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」で対応できる基礎知識と、日本国内の中山間地域が抱える課題に関する知識に重点を置くと書かれています。

地域志向枠の合格者は、入学後に地方創生推進士(農学版)の育成科目と指定の準正課活動を履修します。

国際バカロレア選抜

人文社会科学部 人文社会科学科の国際社会コースで若干名。書類審査100点+面接100点(個人面接、20分程度)です。

出願できるのは、2024年4月から2027年3月までにIBフルディプロマを授与される(見込みを含む)人で、次の条件を満たす人です。

  • 言語A(母語)を日本語でHL履修し成績4以上、または言語B(外国語)の「日本語」をHLで成績6以上/SLで成績7
  • グループ3「個人と社会」から1科目をHLまたはSLで履修し、成績4以上

出願にあたっては日本語による日常会話ができることが必要で、面接も日本語で行われます。授業とカリキュラムは他の選抜で入学した人と同じです。

出願は2027年1月18日〜22日、試験1月30日、合格発表2月10日。IB資格の取得見込みで出願して、期日までに最終試験の成績証明書を提出できない場合は不合格になります。

どこから手をつけるか

医学科を狙うなら、評定4.3と英語資格から逆算してください。

第1次選抜は総合問題と英語資格・検定試験で約2倍に絞られます。英語の資格は直前には間に合いません。そして評定4.3は高1からの積み上げです。高2のうちに両方の見通しを立てる必要があります。

第2次選抜の面接は形式が公開されています。冒頭3分で志望理由と高知大学を選んだ理由を話し、そのあと過去3年間で継続的に取り組んだ活動について具体的に質問される。つまり3分のスピーチと、活動1つの深掘りを準備すればよいということです。ここまで示されている入試は多くありません。面接の頻出質問と合わせて練習してください。医学部の入試全体は医学部の総合型選抜・学校推薦型選抜にまとめています。

地域協働学部は、グループでのふるまいを振り返る練習を。

ゼミナール活動適性試験で見られるのは、チームの成果を上げる資質です。発言量ではありません。グループワークのあとに「自分は何をして、チームはどう動いたか」を書き出す習慣をつけてください。グループディスカッションの対策が役立ちます。

第2次選抜の60分で成果物を作って5分で発表する形式も練習できます。お題を1つ決めて、60分で紙にまとめ、5分で説明する。これを繰り返すだけで当日の動きが変わります。プレゼン型入試の対策も参照してください。

模擬授業型の学部(人文社会・理工・農林海洋)は、聞いて書く練習が中心です。

公開講義を1本聞いて、理解したことと自分の考えを制限時間内に書く。理工学部の数学物理学科と農林海洋科学部は、そのあとに口頭試問があります。書いたことを説明できるかまでが試験です。課題文の要約と口頭試問の対策を使ってください。

看護学科は、小論文を出願時に提出します。締切は9月4日。夏休みのうちに書き上げておく必要があります。

まとめ

  • 高知大学の総合型選抜Ⅰは9つの学部・学科等で107人。すべて共通テストを課さない
  • 医学部医学科が30人以内でいちばん大きい。評定4.3以上、高知県内の地域医療に従事する意欲、卒業後に県内で2年間の臨床研修を行う確約が要件
  • 医学科の第1次選抜は総合問題+英語資格・検定試験(約2倍)、第2次選抜は態度・習慣領域評価+面接。面接は冒頭3分の志望理由と過去3年間で継続的に取り組んだ活動が中心
  • 看護学科20人は、出願時に小論文を提出し、第2次選抜は10月3日・4日の2日間
  • 人文社会科学部・理工学部・農林海洋科学部・地域協働学部は模擬授業や講義を受けてから答える形式
  • 地域協働学部は第1次選抜にゼミナール活動適性試験(グループ活動→振り返り演習)があり、第2次選抜では当日の個人課題を60分で成果物にして5分で発表する
  • パブリックイノベーション学科(仮称)は面接200点のみ。発表8分は資料・作品・ポートフォリオの持ち込みが可能(設置申請中のため変更の可能性あり)
  • 農林海洋科学部には高知県枠と地域志向枠があり、入学後に指定のプログラムを履修する
  • 総合型選抜Ⅱはフィールド科学コースの地域志向枠5人のみで、共通テスト850点を含む1,150点満点
  • 出願はほとんどが9月1日〜4日、最終合格発表は11月1日(医学科は11月12日)

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