京都工芸繊維大学 ダビンチ入試の対策。10月は講義を聞いてレポートを書き、11月は課程ごとに別の試験を丸一日
京都工芸繊維大学のダビンチ入試(総合型選抜)を、2027年度の学生募集要項から整理しました。一般プログラム【一般】【グローバル】と地域創生Tech Program【一般】【地域】【社会人】の違い、第1次選考のスクーリング、課程別の最終選考、志望理由書の2つの設問まで解説します。京都教育大学に総合型選抜がないことも確認しています。
京都工芸繊維大学のダビンチ入試には、共通テストも教科の学力試験もありません。そのかわり、合否が決まるまでに2回、大学に行きます。
1回目は10月3日の第1次選考。午前に講義を聞いてレポートを書き、午後は課題を与えられて、もう一度レポートを書きます。
2回目は11月7日の最終選考。ここからは課程ごとにまったく別の試験です。
| 課程 | 最終選考 |
|---|---|
| 応用生物学課程 | 面接 |
| 応用化学課程 | 面接・口頭試問 |
| 電子システム工学課程 | 面接・口頭試問 |
| 情報工学課程 | 講義・レポート作成+課題提示・グループディスカッション |
| 機械工学課程 | 課題提示・プレゼンテーション |
| デザイン・建築学課程 | プレゼンテーション+課題提示・グループディスカッション |
大学のダビンチ入試サイトに載っている過去の時間割の目安では、機械工学課程は午前も午後も課題提示とプレゼンテーションで17時半ごろまで、デザイン・建築学課程は午後のプレゼンテーションが18時ごろまで続きます。
丸一日かけて、その課程に向いているかを見る入試です。
この記事は、公開されている2027年度(令和9年度)ダビンチ入試(総合型選抜)学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:京都工芸繊維大学 ダビンチ入試(総合型選抜)/令和9年度 ダビンチ入試(総合型選抜)学生募集要項(PDF)/ダビンチ入試 過去の選考内容
募集人員——一般プログラムと地域創生Tech Program
| 課程 | 一般プログラム【一般】 | 一般プログラム【グローバル】 | 地域創生Tech Program |
|---|---|---|---|
| 応用生物学課程 | 7 | 1 | 1 |
| 応用化学課程 | 6 | 3 | 2 |
| 電子システム工学課程 | 5 | 1 | 2 |
| 情報工学課程 | 5 | 1 | 2 |
| 機械工学課程 | 4 | 1 | 2 |
| デザイン・建築学課程 建築コース | 15 | 2 | 【一般】3・【地域】1 |
| デザイン・建築学課程 デザインコース | 9 | 1 | 【一般】1・【地域】1 |
| 合計 | 51 | 10 | 15 |
地域創生Tech Programは、デザイン・建築学課程以外では【一般】と【地域】を合わせて募集し、【社会人】(若干名)もこの人数に含まれます。一般プログラムの【一般】と【グローバル】は、どちらかが募集人員に満たなければ、欠員をもう一方に回します。
5つの募集区分
| 区分 | 出願資格の要点 |
|---|---|
| 一般プログラム【一般】 | 高校卒業(見込み)など。卒業年の制限なし |
| 一般プログラム【グローバル】 | 国際バカロレア資格を2025年4月〜2027年3月に取得(見込み)。日本語・英語の成績基準と、課程ごとの指定科目で成績評価5以上 |
| 地域創生Tech Program【一般】 | 【一般】と同じ |
| 地域創生Tech Program【地域】 | 京都府北部(福知山市・舞鶴市・綾部市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町)の高校を卒業(見込み) |
| 地域創生Tech Program【社会人】 | 2004年4月1日までに生まれた人、または2027年3月末時点で職務経歴2年以上ある2006年4月1日までに生まれた人 |
【グローバル】は令和9年度から出願資格が変わり、国際バカロレア取得(見込み)者に限定されました。あわせて第1次選考の英語スピーキング・ライティングがなくなり、IBスコアで評価します。講義・レポート作成があるのは応用化学課程だけです。
地域創生Tech Programは、各課程に所属しながら、3年次前期までは京都市の松ヶ崎キャンパス、3年次後期からは京都府北部を拠点に、地域課題解決型の学習(PBL)やインターンシップに取り組む学位プログラムです。【社会人】を含めて昼間のコース(授業は8:50〜17:40)で、入学後に同じ課程の一般プログラムへ移ることもできません。
日程
| 日程 | |
|---|---|
| 出願 | 9月1日〜9月8日(9月8日までの消印有効)。郵送のみ |
| 第1次選考(スクーリング) | 10月3日(土) |
| 第1次選考 合格発表 | 10月21日(水)16時 |
| 最終選考(スクーリング) | 11月7日(土) |
| 最終選考 合格発表 | 11月18日(水)16時 |
| 入学手続 | 11月19日〜25日 |
| 入学前教育 | 11月〜翌3月(予定) |
検定料は17,000円。試験会場は松ヶ崎キャンパス(京都市左京区)で、自動車・バイク・自転車での来場は、保護者の送迎も含めて禁止されています。
第1次選考——出願書類とスクーリング
| 募集区分 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| 一般プログラム【一般】 | 講義・レポート作成(9:20〜) | 課題提示・レポート作成(13:40〜) |
| 一般プログラム【グローバル】 | 講義・レポート作成(応用化学課程のみ) | —(IBスコアで評価) |
| 地域創生Tech Program(全区分) | 講義・レポート作成(9:20〜) | 地域課題レポート(13:40〜) |
講義・レポート作成は、募集区分にかかわらず学域ごとに行われます。要項には、スクーリングで基礎的な学力を問うことがあると書かれています。
出願書類は、出席日数や特別活動の記録が少ないことで不利にならないよう配慮したうえで、成果を得るまでの努力の過程や、この大学で学ぼうとする意欲を多面的に評価するとしています。
当日のルールは厳しめです。
- 試験開始から20分以上遅れると受験できない
- 指定のプログラムを1つでも受けなかった場合、全体を放棄したものとみなされる
- 持ち物は黒鉛筆またはシャープペンシルと消しゴム。計時以外の機能がある時計は不可
最終選考——課程別のスクーリング
最終選考でも基礎的な学力を問うことがあり、合否は第1次選考と最終選考を総合して判定します。
大学のダビンチ入試サイトにある過去の時間割(年によって変わる目安)は次のとおりです。
| 課程 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| 応用生物学課程 | 面接(9:00〜12:00ごろ) | — |
| 応用化学課程 | 面接(9:00〜12:00ごろ)※令和9年度要項では面接・口頭試問 | — |
| 電子システム工学課程 | 面接・口頭試問(9:00〜12:30ごろ) | — |
| 情報工学課程 | 講義・レポート作成(9:00〜12:00ごろ) | 課題提示・グループディスカッション(13:00〜17:00ごろ) |
| 機械工学課程 | 課題提示・プレゼンテーション(9:00〜11:30ごろ) | 課題提示・プレゼンテーション(13:00〜17:30ごろ) |
| デザイン・建築学課程 | 課題提示・グループディスカッション(9:00〜11:30ごろ) | プレゼンテーション(13:00〜18:00ごろ) |
志望理由書——2つの設問を、それぞれ1ページで
| 設問 | 内容 |
|---|---|
| 1 | これまでを振り返り、学校内での学習や課外活動と、学校外での自主的な取り組み(自主学習・探究、趣味・特技を含む)のうち、一生懸命取り組んだほうに○をつけ(両方でも可)、その動機や目的、取り組み方、得た結果を具体的に書く |
| 2 | 1の振り返りから今の自分を分析し、志望課程に関心をもった理由と、入学後にその課程で学びたいことを具体的に書く。地域創生Tech Programの志望者は地域創生の観点をふまえる |
作成のルールも細かく決まっています。
- A4縦で、設問1と2をそれぞれ1ページに収める。余白を広げたり狭めたりしない
- パソコンなら明朝体かゴシック体、11ポイント以上、黒字。手書きなら黒ボールペンで横書き
- 図や表は使えない。太字・斜体・下線は使ってよい
- 設問1の活動について表彰状や資格の証明、発表資料などがあれば、A4に収まる写しを提出できる
このほか、学歴などを書く履歴書(【社会人】は職歴も)と調査書を提出します。
合格したあと
ダビンチ入試の合格者は、原則として入学を辞退できません。特別な事情がある場合は、事前に入試課に連絡したうえで、2027年2月17日までに入学辞退届を出す必要があります。入学手続をすると、その日までに辞退した場合を除き、他の国公立大学を受験しても合格者にはなりません。
合格発表から入学までの約4か月間は、ダビンチ カレッジ・レディネス プログラムという入学前教育があります。大学のダビンチ入試サイトによると、月1回程度の添削課題の提出やスクーリングへの参加を通して、大学の学びに必要な基礎的な学力とスキルを身につけるプログラムです。
不合格だった場合は、この大学を含む国公立大学の学校推薦型選抜と一般選抜に出願できます。
入学料は282,000円、授業料は年額535,800円です。
京都教育大学には総合型選抜がない
同じ京都市内の国立大学である京都教育大学は、総合型選抜を実施していません。教育学部の学生募集要項のページに載っているのは学校推薦型選抜と一般選抜で、令和9年度の学校推薦型選抜の募集要項にも総合型選抜の区分はありません。
京都教育大学を年内の入試で目指すなら、入口は学校推薦型選抜です。
どこから手をつけるか
まず、自分の課程の最終選考の形式を確認してください。
第1次選考は全員が講義を聞いてレポートを書きますが、最終選考は課程ごとにまったく違います。応用生物学課程なら面接、情報工学課程ならグループディスカッション、機械工学課程なら課題を与えられてのプレゼンテーション。11月にどんな試験を受けるかで、準備の中身が変わります。
第1次選考の「講義を聞いてレポートを書く」は、練習できます。大学の公開講座やオンライン講義を1本聞いて、要点をメモし、制限時間内にレポートにまとめる。これを何度か繰り返してください。聞いた内容を正確にまとめる力は、課題文の要約の練習とも共通しています。
志望理由書は、設問1の活動選びが要です。学校の中の活動と、学校の外での自主的な取り組みのどちらでもよく、趣味や特技も含まれると明記されています。設問2でその経験から今の自分を分析して課程につなぐので、課程の学びと筋が通る活動を選ぶと書きやすくなります。図や表が使えず、1ページずつに収める必要があるので、文章だけで伝える練習をしてください。
地域創生Tech Programを考えているなら、京都府北部の地域課題を一つ調べておきましょう。第1次選考の午後は地域課題レポートで、志望理由書でも地域創生の観点が求められます。
デザイン・建築学課程と機械工学課程は、最終選考が夕方まで続きます。課題を与えられてから、考え、まとめ、説明する時間が長い試験です。プレゼン型入試の対策とグループディスカッションの対策で、その場で組み立てる練習をしておいてください。
まとめ
- 京都工芸繊維大学のダビンチ入試は、共通テストも教科の学力試験もない総合型選抜。合否は11月中に決まる
- 募集は一般プログラム【一般】51名・【グローバル】10名と、地域創生Tech Program 15名(【一般】【地域】【社会人】)
- 【グローバル】は令和9年度から国際バカロレア取得(見込み)者に限定。第1次選考はIBスコアで評価(応用化学課程は講義・レポート作成も)
- 地域創生Tech Programの【地域】は京都府北部7市町の高校の卒業(見込み)者、【社会人】は職務経歴2年以上などが条件。いずれも昼間のコース
- 第1次選考(10月3日)は、午前に講義・レポート作成、午後に課題提示・レポート作成(地域創生は地域課題レポート)
- 最終選考(11月7日)は課程別で、面接、面接・口頭試問、講義・レポートとグループディスカッション、プレゼンテーションなど
- どちらのスクーリングでも基礎的な学力を問うことがある。20分以上の遅刻や、プログラムを1つでも欠席すると受験できない
- 志望理由書は2つの設問を各1ページ、11ポイント以上、図表不可
- 合格者は原則として辞退できない。入学前にダビンチ カレッジ・レディネス プログラムがある
- 京都教育大学は総合型選抜を実施していない(学校推薦型選抜と一般選抜)
近畿の国立大学の総合型選抜は、滋賀大学、奈良女子大学 探究力入試「Q」、京都大学 特色入試の記事でも扱っています。建築系で、課題を与えられてその場で設計する入試としては名古屋工業大学の総合型選抜があります。学部の傾向は建築学部の小論文と情報・理工学部の小論文にまとめています。