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岡山大学 総合型選抜・学校推薦型選抜の対策。SDGsの視点から出題する、と学長が書いている大学

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岡山大学の総合型選抜・学校推薦型選抜を2027年度の学生募集要項に沿って整理しました。SDGsの視点から出題すると要項に明記されていること、模擬講義を踏まえて書く保健学科の小論文、英文資料が出る薬学部、工学部170人という枠までを解説します。

岡山大学の募集要項には、学長のメッセージとして次の一文があります。

特に、総合型選抜、学校推薦型選抜、私費外国人留学生選抜では、いわゆる「学力検査」では測定することが困難な能力を見極め、世界共通の社会課題に関心を持ち、課題解決に意欲と探求心を持つ人を選抜するため「持続可能な開発目標(SDGs : Sustainable Development Goals)」の視点から出題を実施しています。

出題の視点を、大学が要項で名指ししている。これは対策の方向が確定するという意味で、受験生にとって非常に大きい情報です。

この記事は、公開されている2027年度の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・配点は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:岡山大学 総合型選抜学生募集要項/2027年度 総合型選抜 学生募集要項(PDF)/2027年度 学校推薦型選抜 学生募集要項(PDF)

SDGsの視点から出題する、という宣言

まずこの一文の意味を考えてください。

多くの大学は、小論文の出題方針を「論理的思考力を問う」といった抽象的な言葉でしか書きません。岡山大学は出題のテーマ領域を指定しています。

つまり、環境・貧困・教育・健康・ジェンダー・エネルギー・都市・気候変動といった論点が、学部を問わず出題の土台になり得るということです。気候変動への適応、格差と再分配、エネルギー、生物多様性、ジェンダーといった、頻出テーマで扱ってきた領域がそのまま準備になります。

ただし注意も要ります。SDGsの17目標を暗記しても点にはなりません。要項が求めているのは「世界共通の社会課題に関心を持ち、課題解決に意欲と探求心を持つ人」です。目標番号を挙げることではなく、具体的な論点について自分の考えを組み立てられるかが問われます。

総合型選抜——実施は6学部、164人

総合型選抜(大学入学共通テストを課すもの)の募集人員です。

学部・学科 募集人員
文学部 人文学科 40人
教育学部 養護教諭養成課程 12人
法学部 法学科 43人
理学部(数学2・物理4・化学2・地球科学3) 11人
医学部 保健学科(看護22・放射線技術科学11・検査技術科学10) 43人
薬学部(薬学科9・創薬科学科6) 15人
合計 164人

文学部40人・法学部43人という枠の大きさが目を引きます。中堅国公立の総合型としてはかなり大きい部類です。

出願期間は2026年11月4日〜11月10日。決着は共通テスト後になります。

医学部保健学科——模擬講義を踏まえて書く

このサイトの読者にとっていちばん重要なのが、保健学科3専攻の小論文です。試験科目の名前そのものが「小論文(模擬講義を踏まえて)」となっています。

  • 2026年12月5日(土) 9:30〜11:30
  • 面接(口述試験を含む)13:00〜
  • 鹿田キャンパス

内訳が明記されています。

模擬講義を受けた後、講義内容等に関連した設問に文章で解答する形式とし、理解力、思考力、表現力を評価します。時間は、模擬講義が40分程度、設問への解答(論述)時間が80分程度です。

40分聞いて、80分書く。そして評価するものが具体的です。

汎用性のある健康・医療・福祉に関連する講義を聴いて要点を捉える思考力・判断力・理解力、メモした要点をもとに出題された設問に文章で的確に表現する能力を評価します。論理的・発展的な思考ができるかについても評価します。

「メモした要点をもとに」と要項が書いています。つまりメモを取ることが前提の試験です。40分の講義中に何を書き留めるかが、そのまま80分の答案の材料になります。

この形式は岡山大学だけではありません。広島大学 総合科学部、神戸大学の「志」特別選抜、九州大学 共創学部、慶應法学部FIT入試にも同じ設計があります。国公立でここまで広がっている形式だと考えてください。

面接は集団討論の可能性がある

保健学科の面接にも記述があります。

集団面接(討論を課す)又は個人面接を行います。集団面接と個人面接の両方を行う場合もあります。面接では、身近な社会問題をテーマとした意見や討論、目的意識に関する質疑応答を含みます。

討論が課される可能性があり、テーマは「身近な社会問題」。SDGsの視点という全学方針と対応しています。グループディスカッションの対策を読んでおいてください。

看護学専攻には共通テストの基準もあります。

大学入学共通テストの受験を要する教科・科目の得点の合計に、合格基準点(概ね200点/400点)を設け、目安として活用します。

400点満点中200点、つまり50%が目安です。看護の小論文で何が問われるかは看護学部の小論文対策にまとめています。

薬学部——英文の資料が出ることがある

薬学部(薬学科・創薬科学科)の小論文には、科目名に注記が付いています。

小論文(英文の資料を用いて出題することがあります。)

  • 2026年12月5日(土) 9:00〜11:00(120分)
  • 面接(口述試験を含む)13:00〜

英文資料が出る可能性が科目名に書かれているので、英文課題文の小論文の準備が要ります。大阪大学の薬学部も「出題については、英語を使用することもあります」としており、薬学系では珍しくない設計です。

なお、小論文試験の終了後に面接試験についての説明が約40分行われます。当日の拘束時間が長くなるので、想定しておいてください。

文学部・法学部には小論文がない

総合型選抜の枠が大きい文学部(40人)と法学部(43人)ですが、小論文はありません。

文学部の選抜方法はこうです。

令和9年度大学入学共通テスト、面接(口述試験等を含みます。)の結果及び書類審査(自己推薦書・調査書)を総合して行います。

書類・共通テスト・面接(口述試験を含む)の3つです。ただし「口述試験等を含む」という条件が付いているので、単なる志望動機の確認では終わりません。

教育学部養護教諭養成課程——3分の発表がある

教育学部の養護教諭養成課程は、面接の中身が要項に具体的に書かれています。

学校における健康診断について、調べてください。学校で健康診断を行う時に、子どもに伝えたいことについて、3分程度で発表してください。発表には、①なぜそう考えたのか、②健康診断を通して、子どもに身につけさせたい力は何か、の2点を必ず含んでください。この発表に関する質問を含んだ口述試験を行います。

課題が事前に公開されています。「学校における健康診断について調べる」という宿題が要項の段階で出ている、ということです。

発表にあたってはA3判片面1枚の資料を提示してもよい、とされています。含めるべき2点まで指定されているので、構成は決まっているようなものです。あとは中身の質で差がつきます。

試験日は2027年1月31日(日)、共通テストのあとです。

学校推薦型選抜——ⅠとⅡで394人

学校推薦型選抜は、共通テストの有無で2つに分かれます。総合型より枠が大きいのが岡山大学の特徴です。

学校推薦型選抜Ⅰ(共通テストを課さない)合計236人

学部 募集人員
教育学部(岡山県北地域教育プログラム選抜25/岡山県工業科教員養成プログラム選抜3) 28人
経済学部 経済学科 5人
理学部 生物学科 5人
工学部 工学科(機械システム系60/環境・社会基盤系30/情報・電気・数理データサイエンス系40/化学・生命系40) 170人程度
農学部 農学科(募集方法A 6/募集方法B 22) 28人

学校推薦型選抜Ⅱ(共通テストを課す)合計158人

学部 募集人員
教育学部 学校教育教員養成課程ほか 97人
経済学部 経済学科(募集方法A 7/募集方法B 42) 49人
歯学部 歯学科 12人

工学部の170人が突出しています。しかも共通テストを課しません。理工系志望なら最初に検討すべき枠です。

小論文は、経済学部(Ⅰ)と教育学部の2つのプログラム選抜で課されます。いずれも試験日は2026年12月5日(土)。教育学部の岡山県北地域教育プログラム選抜では、面接が個人面接(口述試験を含む)と集団面接(グループワーク形式)の両方という構成です。

経済学部(Ⅰ)は1学校あたりの推薦者数が2人以内、英語資格・検定試験の成績提出が必須です(4技能を測る試験、2025年4月以降に受験したもの)。

英語資格・検定試験は多くの学部で使える

総合型選抜でも、複数の学部で同じ扱いがあります。

英語資格・検定試験の成績を書類審査に含めて評価します。英語資格・検定試験の成績の提出は、任意とします。

医学部保健学科では任意、経済学部の学校推薦型Ⅰでは必須。4技能を測る試験であることが条件で、2025年4月以降に受験したものが対象です。持っているなら出しておいてください。

併願のルール

要項に、学内の併願について注記があります。

教育学部の学校推薦型選抜Ⅰと総合型選抜を併願した者のうち、学校推薦型選抜Ⅰにおいて合格し、入学手続きを行った場合は、総合型選抜において合格者選考の対象となりません。

教育学部は学内で併願できます。ただし先に決まったほうで確定します。他大学との関係では、国公立の学校推薦型選抜に出願できるのは1つの大学・学部までという原則が働きます。

何から始めるか

  1. 志望学部が総合型か学校推薦型かを確認する(工学部170人は学校推薦型Ⅰ)
  2. 共通テストが要るかを確認する(学校推薦型Ⅰは課さない)
  3. 小論文があるかを確認する(保健学科・薬学部・経済Ⅰ・教育の一部)
  4. 保健学科なら、模擬講義40分+論述80分を想定して、聞きながらメモを取る練習をする
  5. 養護教諭養成課程なら、健康診断について調べて3分の発表を作る(要項に課題が出ている)
  6. 英語の4技能検定を受けておく(書類審査に反映。経済Ⅰは必須)
  7. SDGsの視点から出題される、という全学方針を前提に頻出テーマを回す

岡山大学は、総合型選抜の全体像でいえば「枠が大きく、出題方針を公開している」タイプです。総合型164人+学校推薦型394人で、合わせて550人以上。千葉大学や広島大学と並ぶ規模です。

そしてSDGsの視点から出題すると書いてある大学は多くありません。この一文を読んだ人と読んでいない人では、準備の方向がまるで変わります。募集要項の読み方で書いたとおり、要項の冒頭から読んでください。学長のメッセージに、いちばん重要なことが書いてあることがあります。

中国地方のほかの国立大学は、広島大学 光り輝き入試のほか、鳥取大学、島根大学 へるん入試、山口大学の記事で扱っています。岡山県・広島県の公立大学(岡山県立・新見公立・広島市立・叡啓など)の総合型選抜は、岡山・広島の公立大学にまとめました。

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