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大阪大学 総合型選抜・学校推薦型選抜の対策。小論文がある学部と、ない学部

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大阪大学の総合型選抜・学校推薦型選抜を令和9年度の募集要項に沿って整理しました。文系は総合型・理系は学校推薦型という設計、小論文を課す6学部と課さない学部、共通テスト75%の目安、そして解答例つきで公開されている過去問題までを解説します。

大阪大学の総合型選抜・学校推薦型選抜は、11学部が別々の設計で動いています。「阪大の総合型対策」というひとまとまりの準備は成立しません。

小論文を課す学部と課さない学部が分かれていて、しかも同じ学部の中でも専攻によって違うところがあります。まず、自分の志望先がどちら側かを確かめるところから始めてください。

この記事は、公開されている令和9(2027)年度の募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・配点・募集人員は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:大阪大学 総合型選抜・学校推薦型選抜サイト/令和9年度 総合型選抜・学校推薦型選抜学生募集要項(PDF)/出願・実施状況/過去問題

最初に押さえる3つの事実

1. 文系は「総合型」、理系は「学校推薦型」

阪大は、学部によって入試の名前そのものが違います。

総合型選抜 学校推薦型選抜
文学部・人間科学部・外国語学部・法学部・経済学部・理学部 医学部(医学科・保健学科)・歯学部・薬学部・工学部・基礎工学部

学校推薦型選抜には学校長の推薦が要ります。総合型選抜には要りません(ただし「志願者評価書」を高校の長が作成する学部があります)。志望先がどちらかで、高校に相談を始める時期が変わります。

2. 小論文があるのは6学部

このサイトの読者にとって、いちばん重要なのはここです。要項の選抜方法を全学部分たどると、次のように分かれます。

小論文 学部・専攻 時間
あり 文学部 120分(9:30〜11:30)
あり 人間科学部 120分(10:00〜12:00)
あり 外国語学部 120分(10:00〜12:00)
あり 理学部(挑戦型)数学科 90分(9:30〜11:00)
あり 理学部(挑戦型)物理学科 60分(9:30〜10:30)
あり 医学部医学科 120分(9:00〜11:00)
あり 医学部保健学科 検査技術科学専攻のみ —
あり 薬学部 90分(9:30〜11:00)
なし 法学部・経済学部 面接のみ
なし 歯学部・工学部・基礎工学部 —
なし 理学部(研究奨励型) —
なし 医学部保健学科 看護学専攻・放射線技術科学専攻 口頭試問/面接

法学部と経済学部には小論文がありません。面接だけです。逆に、文学部・人間科学部・外国語学部は120分の小論文があります。

医学部保健学科は、3専攻のうち検査技術科学専攻だけが小論文を課します。看護学専攻は口頭試問、放射線技術科学専攻は面接です。

3. 共通テストは「概ね75%以上」が目安

多くの学部の配点表に、同じ注記が付いています。

但し、大学入学共通テストの得点の合計が満点中概ね 75%以上であることを目安とします。

外国語学部だけは条件が2つあります。

大学入学共通テストの得点の合計が満点中概ね 75%以上、かつ外国語の得点が概ね 80%以上必要です。

東大の学校推薦型選抜が8割、阪大が75%。国公立の総合型・推薦は、どこも共通テストの学力を前提にしています。

日程——12月に試験、合格は2月

阪大の総合型・学校推薦型は、日程の形が独特です。

時期 できごと
10月9日 10時〜11月6日 17時 Web出願システムへの登録
11月2日〜11月7日 17時 必着 出願書類の郵送
12月4日 第1次選考合格者発表
12月20日(日) 第2次選考(文・人間科学・外国語・法・経済・理・歯・工)
12月4日〜12月22日 17時 共通テスト成績請求情報の登録
令和9年2月4日 第1次選考合格者発表(医・薬・基礎工)
令和9年2月6日・7日 第2次選考(医・薬・基礎工)
令和9年2月9日 最終合格者発表

読み取ってほしいのは2点です。

1つめ。第2次選考を12月20日に受けても、合格が決まるのは2月9日です。間に共通テストがあり、その成績を含めて総合判定するからです。12月に面接や小論文を終えても、共通テストの結果次第でひっくり返ります。

2つめ。医学部・薬学部・基礎工学部は日程がまるごと後ろにずれます。第1次選考の発表が2月4日、第2次選考が2月6日・7日。共通テストを受けたあとに1次の結果が出る形です。

なお、共通テスト成績請求情報の登録期間(12月4日〜12月22日)を逃すと、要項は「合格者判定の対象とはなりません」と明記しています。出願して試験を受けても、この登録を忘れると判定されません。

学部別の配点——書類の重みが学部でまるで違う

小論文がある学部の配点を並べます。

学部 共通テスト 提出書類 小論文 面接/口頭試問 合計
文学部 200 100 100 100 500
人間科学部 105 40 40 20 205
外国語学部 415 150 200 150 915

小論文がない学部も見ておきます。

学部 共通テスト 提出書類 面接 合計
法学部 160 10 30 200
経済学部 100 50 50 200

法学部の提出書類は10点です。200点満点のうち10点。書類でほとんど差がつかず、共通テスト160点で大半が決まる設計です。活動実績を厚く積むより、共通テストを1点上げるほうが効率がいい、という配点になっています。

一方、外国語学部は小論文200点・口頭試問150点・提出書類150点で、2次の比重が大きい。同じ阪大でも、学部ごとに戦い方がまったく違います。

外国語学部——要項が出題形式を名指ししている

外国語学部の記述は、このサイトの読者にとって特に重要です。

小論文(120 分)は、文章読解論述型のほか、必要に応じてテーマ型など他の形式でも出題します。

大学が出題形式を要項に書いているのは珍しいことです。しかも「文章読解論述型」と「テーマ型」の両方に備えろと言っています。

この2つは手順がまったく別物です。片方だけ練習して本番でもう片方が出ると、120分では立て直せません。両方を回しておく必要があります。

なお、外国語学部は口頭試問が13時00分から18時00分頃まで、必要に応じて外国語で行われる場合があります。共通テストの外国語80%という条件と合わせて、語学の要求水準が全学部で最も高い設計です。

医学部医学科——1日目に小論文、2日目に面接30分×2回

医学部医学科の学校推薦型選抜は、2日がかりです。

  • 令和9年2月6日(土) 9:00〜11:00……小論文(120分)
  • 令和9年2月7日(日) 9:30〜18:00……面接

要項は面接の形式をこう書いています。

面接は志願者が提出した書類(特に、自己PR資料、志望理由書)に基づき、個人面接(30 分)を2回行います。

30分の個人面接を2回。しかも根拠は自己PR資料と志望理由書です。書いたことを2回、別の面接官に掘られる前提で準備してください。書類と面接の一貫性が、そのまま合否に効きます。

医学部の総合型・推薦全般については医学部の総合型選抜・学校推薦型選抜にまとめています。

薬学部——小論文に英語が出ることがある

薬学部の小論文には、要項に注記があります。

小論文:自然科学の勉学・研究に必要な適性と能力を総合判定します。出題については、英語を使用することもあります。

英語の文章を読んで日本語で論じる、という形式が想定されます。英文課題文の小論文で扱った準備が必要です。

面接も個人面接を2回行います。時間は小論文が9:30〜11:00の90分、面接が12:30〜16:00です。

過去問題が「解答例又は出題の意図」つきで公開されている

阪大の最大の強みはここです。小論文を課す6学部の過去問題が、解答例または出題の意図とセットで公開されています。

公開されている学部
文学部/人間科学部/外国語学部/医学部医学科/医学部保健学科/薬学部

「出題の意図」が公開されている入試は多くありません。大学が何を測ろうとしたかを、大学自身の言葉で読めるわけです。過去問だけを解いて自己採点するより、はるかに情報量があります。

使い方は、大学別対策の作り方で書いた手順のとおりです。

  1. まず設問だけを見て、時間を計って自分で書く
  2. 書き終わってから「出題の意図」を読む
  3. 自分の答案に、意図された要素がいくつ入っていたかを数える
  4. 抜けていた要素を、次の1本で意識する

3の作業をやらずに読むだけだと、「なるほど」で終わって答案は変わりません。

ただし注意があります。要項ページの注記によれば、著作権の処理中や許諾が得られなかった設問には、マスクがかかっている場合があります。課題文が読めない年度もある、という前提で見てください。

実施状況——定員が埋まらない専攻がある

令和8年度の実施状況が公開されています。全体では募集384人に対して志願1,083人、最終合格316人でした。

学部別に見ると、様子がかなり違います。

学部・専攻 募集 志願 1次通過 最終合格
文学部 30 71 60 30
人間科学部 15 75 31 15
法学部(2学科計) 25 85 73 22
経済学部 22 75 44 22
外国語学部(全専攻計) 65 114 79 39
理学部(研究奨励型) 15 17 14 5
理学部(挑戦型) 15 6 4 3
医学部医学科 5程度 31 21 4
薬学部 15 55 18 13

外国語学部は65枠に対して合格39人。専攻別に見ると、ビルマ語・ウルドゥー語は志願者0、タイ語・アラビア語・ポルトガル語・日本語は志願者がいても合格0でした。一方で英語専攻は9志願で6合格です。

理学部はさらに極端です。挑戦型は15枠に志願6人、合格3人。研究奨励型も15枠に志願17人、合格5人。

要項はこう書いています。

志願者の基礎学力、能力、意欲、適性によっては、学部・学科・専攻・コース…の合格者又は入学手続者が、学部等の募集人員に満たない場合があります。

枠が余っても、基準に届かなければ合格を出さない。これは一橋の推薦や筑波のAC入試と同じ設計です。倍率の低さは、通りやすさを意味しません。

裏を返せば、基準を満たせる人にとっては競争相手が少ないということでもあります。理学部の挑戦型は、志願者6人です。

専願と、第2志望の不可

出願要件に、はっきり書かれています。

合格した場合に、必ず入学することを確約する者

専願です。そして日程表の注記に、もう1つ重要な制約があります。

学科(専攻、コース)の志望については…1学科(専攻、コース)を選んでください。なお、第2志望として他の学科(専攻、コース)を選ぶことはできません。

外国語学部の25専攻から1つ、理学部の学科から1つ。滑り止めの専攻を書くことはできません。上の実施状況で「志願者はいたが合格0」の専攻があるのは、この設計とも関係しています。

提出書類——文学部の例

学部によって求められるものが違いますが、文学部を例に挙げると、全員が出すのは調査書・志望理由書・志願者評価書(高校の長が作成)の3点です。

そのうえで、次のいずれか1点以上を出します。

  • 文学部の学びに関係する探究の成果(A4 1ページ以内の報告書+裏付けの成果物)
  • 卓越した活動の成果(ボランティア、国際交流、インターンシップ、コンクール実績、弁論大会、表現活動など。一件につきA4 1ページ以内)
  • 語学力の証明(TOEFL、IELTS、英検、独検、仏検、HSK、中検など)
  • 海外研修・留学(連続15日以上。複数回の合算は不可)
  • 海外の大学入学統一試験の成績証明
  • SSH・SGH・WWLに関する報告書(大阪大学所定様式)

「A4用紙で1ページ以内」という制限が繰り返し出てきます。探究の成果を1ページに畳む作業が要ります。探究活動の完全ガイドで書いたとおり、活動そのものより、それをどう説明するかで差がつきます。

何から始めるか

  1. 志望学部が「総合型」か「学校推薦型」かを確認する(学校推薦型なら学校長の推薦が要る)
  2. 小論文があるかを確認する(法・経済・歯・工・基礎工にはない)
  3. 過去問題と「出題の意図」を取り寄せる(小論文がある6学部は公開されている)
  4. 共通テストの勉強を止めない(75%目安。外国語学部は外国語80%も)
  5. 探究の成果や活動実績を、A4 1ページに畳む練習をする
  6. 第2志望は書けない。専攻を1つに決める

阪大の総合型・学校推薦型は、総合型選抜の全体像でいう「学力+実績」の併用型です。共通テスト75%という前提の上に、学部ごとに小論文・面接・書類の重みを変えている。まず自分の志望先の配点表を1枚コピーするところから始めてください。そこに書いてある数字が、あなたの時間配分そのものになります。

共通テストを課さない近畿の国立大学の総合型選抜としては、京都工芸繊維大学 ダビンチ入試、奈良女子大学 探究力入試「Q」、和歌山大学 観光学部などがあります。

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