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奈良教育大学 総合型選抜の対策。16の専修で試験の中身が違い、どの区分も得点率6割が最低ライン

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2027年度入試から新しくなった奈良教育大学の総合型選抜(意欲重視型・一般型Ⅰ・一般型Ⅱ、計66名)を、学生募集要項から整理しました。区分ごとの出願要件、専修別の第一次選考の中身、共通テスト55%の基準、加点される資格まで解説します。

奈良教育大学の総合型選抜は、2027年度入試(2026年10月に第一次選考)から大きく変わりました。

区分が3つになり、募集人員は合計66名。そして第一次選考の中身は、専修ごとにまったく違います。

  • 数学教育専修は、数学の問題をホワイトボードや模型を使って解き、その解決過程を個人面接の形でプレゼンテーションする
  • 英語教育専修は、講義を聞いて英語でレポートを書き、面接の質疑応答も原則英語。辞書は使えない
  • 美術教育専修は、大学教員が行う授業の中で、紙を使った立体制作とレポートに取り組む
  • 保健体育専修は、講義のあとに筆記試験・集団討議・実技、さらに個人面接

共通しているのは一つだけ。第一次選考の得点率が6割に届かなければ、不合格です。

この記事は、公開されている2027年度(令和9年度)教育学部 総合型選抜 学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:奈良教育大学 教育学部入試/令和9年度 総合型選抜 学生募集要項(PDF)

3つの区分

区分 共通テスト 対象の専修 合否が決まる時期
意欲重視型(新設) 課さない 全専修 年内(11月26日発表)
一般型Ⅰ 課す(第二次選考) 教育学・心理学・幼年教育・特別支援教育・国語教育・社会科教育・数学教育・保健体育・英語教育 2月8日発表
一般型Ⅱ(新設) 課さない 理科教育・音楽教育・美術教育・家庭科教育・技術教育・書道教育・文化遺産教育 年内(11月26日発表)

一般型は、専修によってⅠかⅡのどちらか一方だけを募集します。

意欲重視型と一般型は、同じ専修に限って併願できます。たとえば数学教育専修なら、意欲重視型と一般型Ⅰを両方受けられます。

募集人員(区分別の合計)

区分 募集人員
意欲重視型 21名
一般型Ⅰ 28名
一般型Ⅱ 17名
合計 66名

専修ごとの人数は1〜5名です。多いのは保健体育専修(意欲重視型1+一般型Ⅰ4=5名)や、教育学・幼年教育・特別支援教育・社会科教育(初等)・理科教育(初等)・音楽教育の各4名。家庭科教育・技術教育・英語教育・書道教育・文化遺産教育は2名以下です。

国語・社会科・理科・美術・保健体育の各専修では、初等教育履修分野と中等教育履修分野のどちらかを第1志望、もう一方を第2志望にできます(意欲重視型は国語・社会科のみ)。第2志望を書いたことで有利・不利になることはないと明記されています。

出願要件

意欲重視型——教員養成のキャリアを高校生のうちに積んだ人

調査書の全体の学習成績の状況が3.5以上で、次のいずれかに当てはまる人です。

要件 内容
① 奈良県次世代教員養成塾 前期プログラムを修了
② 高校在学中に教育に関する科目を3単位以上修得(見込み)
③ 地方自治体の教育委員会が実施する教員養成プログラム(受講30時間以上)を修了

加えて、専修によっては成績の基準があります。心理学専修は主要教科の科目のうちいずれかの学年で評定5が1つ以上、数学教育専修は数学の学習成績の状況が4.0以上、理科教育専修は数学・理科・英語のいずれか1教科が3.8以上です。

将来教職に就く強い意欲をもつこと、そして本学の教職大学院に進んで専門性を高める意欲があることが望ましいとされています。

一般型Ⅰ——共通テストを受けることが条件

共通テストで指定の教科・科目を受験することが出願の条件です。調査書の評定の基準は設けられていません。

一般型Ⅱ——評定3.5以上

調査書の全体の学習成績の状況が3.5以上(美術教育専修は基準なし)。理科教育専修は、数学・理科・英語のいずれか1教科が3.8以上という基準も加わります。

第一次選考——専修ごとの試験内容

第一次選考は10月17日(土)、奈良教育大学(奈良市高畑町)で行われます。区分に関係なく、専修ごとの試験と出願書類を合わせて評価します。

専修 第一次選考の内容(要約)
教育学 教育に関する資料をもとにレポート→その内容について集団面接形式の質疑応答と集団討論
心理学 子どもの発達・教育に関するテーマでプレゼンテーション→個人面接(志願者が多い場合は集団面接)
幼年教育 乳幼児や教育・保育に関する講義→レポート→プレゼンテーションと集団討論
特別支援教育 人間(障害がある場合を含む)の発達と教育に関する講義→レポート→個人面接
国語教育 国語に関する文章を読み、いくつかの課題に取り組む(個人面接形式。人数により集団面接)
社会科教育 人文・社会分野のテーマの講義→レポート
数学教育 数学の問題をホワイトボードや模型で解き、解決過程を個人面接形式でプレゼンテーション(人数により記述式に変更)
理科教育 自然科学のものの見方・考え方に関する講義→レポート
音楽教育 音楽科教育の課題でレポート→個人面接形式でプレゼンテーションと質疑+子どもの歌の弾き歌い
美術教育 大学教員の授業の中で、紙による立体制作とレポート。授業中の対話や受験者どうしの議論も評価
保健体育 講義→筆記試験・集団討議・実技+個人面接(スポーツ経験なども確認)
家庭科教育 生活科学の課題で実技→プレゼンテーション(人数によりレポート)+個人面接
技術教育 ものづくりの課題で実技→プレゼンテーション(人数によりレポート)+個人面接
英語教育 教育に関する講義→英語でレポート→英語で個人面接(原則英語、辞書は使えない)
書道教育 楷書・行書・仮名の講義→レポート+実技+個人面接
文化遺産教育 文化遺産の材質に関する講義→レポート→個人面接

受験者数や試験の内容によっては午後まで続くことがあるので、昼食を持参するよう案内されています。

総合型選抜の過去問題はありません。大学の過去問閲覧のページに、総合型選抜には過去問題がないと明記されています。

合否の基準

区分 第一次選考 第二次選考
意欲重視型 450点満点で得点率6割(270点)以上が必要。専修ごとに上位から合格 なし
一般型Ⅱ 同上 なし
一般型Ⅰ 同上(第一次選考の合格者を決める) 共通テスト(資格試験)。専修が指定する科目の合計が5割5分以上で合格

一般型Ⅰの共通テストは、合計600点の専修なら330点以上、保健体育専修(合計500点)なら275点以上が基準です。外国語は全専修で必須で、指定科目を1つでも受験していないと不合格になります。

一般型Ⅰの第二次選考は資格試験、つまり順位を競うのではなく、基準を超えれば合格という仕組みです。実質的な勝負は第一次選考でついています。

日程

日程
出願 9月7日〜9月16日(消印有効)、簡易書留速達の郵送のみ
第一次選考 10月17日(土)
第一次選考 合格発表 11月26日(木)10時(意欲重視型・一般型Ⅱはこれが最終合格)
共通テスト成績請求チケットの提出 12月24日必着(一般型Ⅰの第一次選考合格者のみ)
共通テスト 2027年1月16日・17日
第二次選考 合格発表 2027年2月8日(月)10時(一般型Ⅰ)
入学手続 2027年2月15日17時必着(全区分共通)

一般型Ⅰの受験者は、第二次選考で不合格になった場合に備えて、一般選抜の前期日程・後期日程に1つずつ出願できます。第二次選考の発表は一般選抜の出願期間より後なので、先に出願しておく必要があります。

意欲重視型・一般型Ⅱの合格者も含めて、総合型選抜の合格者は原則として入学を辞退できません。

出願書類と加点

書類 対象 ポイント
入学志願票・受験票など 全員 大学所定の様式。受験票には切手を貼る
調査書 全員 出身学校長が作成・厳封
志望理由書 全員 大学所定の様式
活動報告書 全員 教員養成に関わるキャリア(自治体の教員養成プログラム修了など)、資格・検定、競技会やコンクールへの参加歴と入賞歴を書く。該当するものは証明資料をA4で添付
スポーツ・運動歴調書 保健体育専修 出身学校長が作成・厳封。成績や記録の証明資料を添付
入学確約書 全員

出願はすべて紙の郵送です。検定料17,000円は郵便局・ゆうちょ銀行の窓口で払い込み、振替払込受付証明書を貼ります。ATMでは証明書が出ないので使えません。

専修によって加点される資格・活動がある

専修 加点の対象
音楽教育 生徒会役員(会長・副会長など)を1年以上、部活動を2年以上
家庭科教育 全国高等学校家庭科の被服製作技術検定・食物調理技術検定・保育技術検定の2級以上、調理師免許、製菓衛生師免許
英語教育 英検1級・準1級・2級

持ち物が指定されている専修

  • 音楽教育:自分で選んだ子どもの歌1曲の弾き歌い用楽譜
  • 美術教育:はさみ、カッターナイフ、鉛筆、消しゴム、雑巾(それ以外の用具は持ち込み不可。のりや造形紙などは大学が用意)
  • 保健体育:室内用の運動靴、運動服、必要なら雨具、飲料水
  • 技術教育:汚れてもよい服
  • 書道教育:漢字用・仮名用の半紙、筆、墨、硯、下敷き、文鎮など書道用具一式

どこから手をつけるか

意欲重視型を考えているなら、出願要件の①〜③に当てはまるかを最初に確認してください。

奈良県次世代教員養成塾、高校での教育に関する科目3単位、自治体の教員養成プログラム30時間以上。どれも出願の直前に準備して間に合うものではありません。高1・高2のうちに、自分の地域の教育委員会がどんなプログラムを実施しているか、在籍校に教育に関する科目があるかを調べておきましょう。

次に、自分の専修の第一次選考の形式に合わせて練習することです。

  • 講義を聞いてレポート(幼年教育・特別支援教育・社会科・理科・英語・書道・文化遺産)なら、公開講義などを聞いて時間内にまとめる練習
  • 資料を読んでレポートと集団討論(教育学)なら、グループディスカッションの対策
  • プレゼンテーション(心理学・数学・音楽・家庭科・技術)なら、プレゼン型入試の対策
  • 実技(音楽・美術・保健体育・家庭科・技術・書道)なら、指定の持ち物で実際に手を動かす練習

数学教育専修は、問題を解く過程をその場で説明する試験です(志願者数によっては記述式になることもあります)。答えを出すだけでなく、ホワイトボードに書きながら、なぜそう考えたかを話す練習をしてください。口頭試問の対策も参考になります。

そして、どの専修でも得点率6割が最低ラインです。総合型選抜の過去問題はないので、専修の内容に近い形式で自分で時間を測って練習するしかありません。教育学部で問われやすいテーマは教育学部の小論文にまとめています。

一般型Ⅰを受ける人は、共通テストの5割5分を確実に超える準備を並行してください。第一次選考に合格しても、共通テストで届かなければ不合格です。

まとめ

  • 奈良教育大学の総合型選抜は2027年度入試から、意欲重視型21名・一般型Ⅰ28名・一般型Ⅱ17名の計66名
  • 意欲重視型は全専修で募集。評定3.5以上と、次世代教員養成塾・教育に関する科目3単位・自治体の教員養成プログラム30時間以上のいずれかが必要
  • 一般型Ⅰは9専修で募集し、第二次選考として共通テスト(指定科目の合計5割5分以上)を課す
  • 一般型Ⅱは7専修で募集。評定3.5以上(美術は基準なし)で、共通テストは課さない
  • 意欲重視型と一般型は同じ専修に限り併願できる
  • 第一次選考(10月17日)は専修ごとに講義とレポート、プレゼン、集団討論、実技など内容が違う。英語教育は原則英語、数学教育はホワイトボードや模型で解いて説明
  • 第一次選考は450点満点で6割(270点)未満なら不合格
  • 意欲重視型・一般型Ⅱは11月26日に合否が決まる。一般型Ⅰは2月8日
  • 出願は9月7日〜16日(消印有効)の郵送のみ。検定料は郵便局の窓口で払い込む
  • 総合型選抜の過去問題はない。音楽・家庭科・英語では加点される資格や活動がある

教員養成系の総合型選抜は、兵庫教育大学、愛知教育大学、東京学芸大学、北海道教育大学でも扱っています。同じ奈良市の国立大学では奈良女子大学 探究力入試「Q」があります。志望理由の組み立ては志望理由書の完全ガイドを参照してください。

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