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名古屋大学 学校推薦型選抜の対策。小論文があるのは文学部と教育学部だけ

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名古屋大学の学校推薦型選抜を令和9年度の募集要項に沿って整理しました。共通テストを課さない文学部と課す8学部、英語の文章を読んで日本語で論述する文学部の小論文、面接を免除する法学部の書類選考、学部ごとに違う推薦人数の枠までを解説します。

名古屋大学の学校推薦型選抜は、募集人員366人という規模の大きな入試です。国公立の推薦としては相当な枠があります。

ただし、9つの学部で設計がばらばらです。共通テストを課すかどうかも、小論文があるかどうかも、高校から何人推薦できるかも、学部ごとに違います。

この記事は、公開されている令和9(2027)年度の募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・推薦人数は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:名古屋大学 学校推薦型選抜/令和9年度 学校推薦型選抜学生募集要項(PDF)

最初に押さえる3つの事実

1. 文学部だけ、共通テストを課さない

要項の選抜日程は、最初から2つに割れています。

共通テストを課さない 共通テストを課す
学部 文学部 教育・法・経済・情報・理・医・工・農
出願 令和8年11月2日〜11月6日 令和9年1月19日〜1月22日
第1次選考結果 11月18日 2月5日
第2次選考 11月26日 2月8日
合格発表 12月9日 2月10日

文学部は年内に決着します。共通テストを受ける前に合否が出ます。

ただし要項は釘を刺しています。

本試験は、大学入学共通テストを課さない学校推薦型選抜です。しかしながら、入学後に伝統のある人文学の諸分野において学修を積むためにも、受験者には高等学校教育課程の全般における深い学習が求められます。

そして出願要件に、調査書の学習成績概評がA段階である者という条件があります。共通テストは課さないが、成績は見る、という設計です。

2. 小論文があるのは文学部と教育学部だけ

9学部の第2次選考をたどると、こうなります。

学部 第2次選考 小論文
文学部 小論文+面接 あり
教育学部 小論文+面接 あり
経済学部 面接 なし
情報学部 面接 なし
医学部 医学科・保健学科 面接 なし
工学部 第1次選考+第2次選考 なし
法学部 書類選考/面接選考 なし
理学部 書類と共通テストのみ(第2次選考なし) なし
農学部 書類と共通テストのみ(第2次選考なし) なし

理学部と農学部には第2次選考がありません。要項はこう書いています。

選抜は、提出された志願理由書、推薦書、調査書及び任意提出の書類並びに大学入学共通テストの成績により総合的に選考し、合格者を決定します。

面接すらなく、書類と共通テストで決まります。

3. 高校から推薦できる人数が学部で違う

ここは出願前に必ず確認すべき点です。

学部 各高校から推薦できる人数
文学部 2名以内
教育学部 2名以内
経済学部 2名以内
情報学部 学科ごとに1名
医学部 医学科 1名
医学部 保健学科 専攻ごとに2名以内
法学部 制限なし
理学部 制限なし
農学部 制限なし

法学部・理学部・農学部には人数制限がありません。同じ高校から何人でも出せます。一方、医学部医学科は1名です。東大の学校推薦型選抜のように校内で枠を争う構造は、名大では学部によって有無が分かれます。

文学部の小論文——英語を読んで日本語で書く

文学部の第2次選考は、令和8年11月26日(木)です。

  • 10時00分〜12時00分……小論文(120分)
  • 13時00分〜16時30分……面接

要項は小論文の形式を明記しています。

小論文は、英語の文章を読み、日本語で論述する形式です。

これは対策の方向をはっきり決めてくれる記述です。英文の読解力がないと、日本語の答案力があっても書けません。英文課題文の小論文で扱った準備が、そのまま必要になります。

面接も具体的です。

面接は、複数教員による15分程度の個人面接です。受験者は志願理由書に基づき5分間のプレゼンテーション(Microsoft PowerPointや手持ちの資料などは利用できません)を行い、それに対して10分程度の質疑応答が行われます。

資料なしで5分話す。手元にメモも持てません。志願理由書の内容を、暗記ではなく自分の言葉で組み立て直しておく必要があります。プレゼン型入試の対策と書類と面接の一貫性を併せて読んでください。

第1次選考は書類審査(推薦書、調査書、志願理由書)で約30名に絞られます。募集人員は15名です。

教育学部の小論文——令和9年2月8日

教育学部は共通テストを課す側です。第1次選考で約20名に絞り、第2次選考で小論文と面接を実施します。

要項に、見落としやすい一文があります。

第2次選考に際し、資料やメモ等を参照することはできません。

持ち込みは不可です。当日の頭の中にあるものだけで書きます。

共通テストは6教科8科目または7教科8科目で、国語200・地歴公民/理科300・数学200・外国語200・情報50の合計950点。指定した教科・科目を1つでも受験しなかった場合は出願できません。

法学部——面接が「免除される」合格がある

名大の学校推薦型選抜でいちばん独特なのが法学部です。要項の記述を読んでください。

①書類選考 提出された志願理由書、推薦書、調査書及び任意提出の書類並びに大学入学共通テストの成績により総合的に選考し、約30名の合格者(面接選考を免除された合格者)を決定します。また、書類選考の結果、合格者とならなかった者のうちから面接選考の受験有資格者を決定します。 ②面接選考 …面接及び提出された志願理由書、推薦書、調査書及び任意提出の書類、並びに大学入学共通テストの成績により総合的に判断して、約15名の合格者を決定します。

つまり、書類と共通テストだけで約30名がまず合格します。その段階で合格にならなかった人のなかから、面接選考に進む人が選ばれ、そこで約15名。募集人員45名の内訳がこうなっています。

面接まで行くのは「1次で決まらなかった人」です。書類と共通テストが強ければ、面接を受けずに終わる。推薦人数に制限がないことと合わせて、かなり学力寄りの設計です。

任意提出書類——全学部で使える

出願時に必須なのは志願票・調査書・推薦書・志願理由書の4点です。そのうえで、任意提出の書類が認められています。

  • 語学力を示す各種試験のスコア(TOEFL・IELTS・TOEIC・英検・GTEC・HSK・中検・DELF/DALF・仏検・Goethe-Zertifikat・独検 等)
  • 国際バカロレアのスコア
  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)における活動
  • 全国規模・地方規模の分野別コンテスト等への参加状況
  • 科学オリンピック等の実績
  • その他各種活動状況、表彰、資格に関する証明書等

「任意」ですが、第1次選考の材料になります。持っているものは出しておいてください。

なお、要項には次の一文もあります。

出願書類として求められる文章等を生成AIにより作成することは認めません。

小論文の問題例が公開されている

文学部と教育学部の要項には、同じ案内が載っています。

小論文試験の問題例や面接の実施方法等については、次のサイトを参照してください。

大学が問題例と面接の実施方法を公開しています。大学別対策の作り方で書いたとおり、対策はここから始めるのが最短です。とくに文学部は「英語の文章を読み、日本語で論述する」という特殊な形式なので、実物を見ずに準備すると方向を外します。

何から始めるか

  1. 志望学部が共通テストを課すかを確認する(文学部だけ課さない)
  2. 小論文があるかを確認する(文学部と教育学部のみ)
  3. 高校から推薦できる人数を確認する(医学科1名/情報 学科ごと1名/法・理・農は制限なし)
  4. 大学が公開している小論文の問題例を見る
  5. 文学部志望なら、調査書の学習成績概評A段階という要件を先に確認する
  6. 任意提出書類(語学スコア、科学オリンピック、SSH等)を集めておく

名大の学校推薦型選抜は、366人という枠の大きさが最大の特徴です。一橋の55人、東大の100人と比べると、桁が違います。その代わり、学部ごとの設計差が大きい。まず自分の志望学部のページだけを読んで、他は読まないくらいの割り切りで要項に向き合ってください。

東海地方の他の国立大学は、名古屋工業大学の総合型選抜、愛知教育大学の総合型選抜、三重大学の総合型選抜にまとめました。名大が学校推薦型に絞っているのに対し、この3校は総合型を用意しています。併願の組み方が変わるので、あわせて確認してください。

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