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北海道大学 フロンティア入試の対策。課題論文のTypeⅠと、共通テストを使わないTypeⅡ

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北海道大学のフロンティア入試(総合型選抜)を令和9年度の募集要項に沿って整理しました。TypeⅠとTypeⅡの違い、学部ごとに60分から150分まで変わる課題論文、高校の教諭が入力するコンピテンシー評価、9月出願という早い日程までを解説します。

北海道大学のフロンティア入試(総合型選抜)は、TypeⅠとTypeⅡで別の入試です。名前は同じでも、出す書類も、受ける試験も、合格が決まる時期も違います。

そして出願は9月です。国公立の総合型のなかでも、かなり早い部類に入ります。

この記事は、公開されている令和9(2027)年度の募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・基準点は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:北海道大学 フロンティア入試(総合型選抜)/令和9(2027)年度 学生募集要項 フロンティア入試(PDF)

TypeⅠとTypeⅡ——まずここを分ける

要項の説明を並べると、違いがはっきりします。

TypeⅠ TypeⅡ
募集人員 74名 63名
第1次選考 調査書、個人評価書、コンピテンシー評価書、自己推薦書、諸活動の記録 調査書、個人評価書、自己推薦書
第2次選考 課題論文、面接(口頭試問)等 適性試験(数学・理科)、面接(口頭試問)等
共通テスト 利用する 利用しない
最終合格発表 令和9年2月9日 令和8年12月8日

TypeⅡは共通テストを使いません。12月8日に合否が決まります。年内に決着する国公立の総合型は多くありません。

一方TypeⅠは共通テストの成績を使うので、11月に第2次選考を受けても、決着は2月です。

実施している学部・学科

TypeⅠ(74名)……理学部地球惑星科学科、医学部医学科、医学部保健学科(看護・放射線技術科学・検査技術科学・理学療法学・作業療法学)、歯学部、工学部(応用マテリアル工学コース/社会基盤学コース)、獣医学部、水産学部

TypeⅡ(63名)……理学部(数学科・物理学科・化学科・生物科学科 高分子機能学専修分野)、工学部(応用物理工学コース・機械知能工学科・環境工学コース)

理学部と工学部は、学科・コースによってTypeが分かれます。自分の志望先がどちらかを、募集人員の表で確認してください。

日程——9月に出願、11月に試験

TypeⅠ・TypeⅡ共通で、前半の日程は同じです。

時期 できごと
令和8年9月1日 10時〜9月14日 17時 インターネット出願登録・検定料支払い
令和8年9月9日〜9月15日 17時 必着 出願書類の郵送
令和8年10月27日 16時 第1次選考結果発表
令和8年11月15日(日) 第2次選考
令和8年12月8日 16時 TypeⅡ 最終合格発表 / TypeⅠ 第2次選考結果発表
令和9年1月16日・17日 大学入学共通テスト
令和9年2月9日 16時 TypeⅠ 最終合格発表

9月15日必着。夏休みが終わってすぐです。自己推薦書も諸活動の記録も、8月中に書き上がっている必要があります。

コンピテンシー評価——高校の先生が入力する

TypeⅠの第1次選考で使われる「コンピテンシー評価書」は、他大学ではあまり見ない仕組みです。要項の説明はこうです。

高等学校等における多様な活動を、各募集単位が定める評価軸に沿って高等学校等の教諭が評価(コンピテンシー評価)し、その結果を選考に用いる。

そして提出方法にも注記があります。

「コンピテンシー評価書」については、高等学校等の教員が多段階評価のうえ、専用のWebシステムで入力することとなります。

あなたが書く書類ではありません。高校の先生が、大学の定めた評価軸に沿って多段階で評価します。しかもWebシステムへの入力が必要です。

ここから導かれる実務的な結論は1つです。先生に「入力をお願いします」と伝える時期が、他の入試より早い。9月15日必着から逆算すると、遅くとも夏休み前には相談を始めておく必要があります。

課題論文——学部で時間が3倍近く違う

TypeⅠの第2次選考は、令和8年11月15日(日)に行われます。学部ごとの時間割を並べると、課題論文の重さがまるで違うことが分かります。

学部・学科 課題論文 面接
理学部 地球惑星科学科 10:00〜12:00(120分) 13:30〜
医学部 医学科 9:00〜10:00(60分) 10:15〜
歯学部 9:30〜12:00(150分) 13:30〜
工学部 応用マテリアル工学コース 9:30〜11:30(120分) 13:30〜
工学部 社会基盤学コース 9:30〜11:30(120分) 13:30〜
獣医学部 9:30〜11:30(120分) 13:00〜
医学部 保健学科(5専攻すべて) なし 9:30〜
水産学部 なし 9:30〜

歯学部の150分がいちばん長く、医学部医学科は60分です。2.5倍の差があります。同じ「課題論文」という名前でも、求められる分量と深さが違うと考えるべきです。

そして医学部保健学科と水産学部には課題論文がありません。面接だけです。

何を測る試験なのか

要項は、学部ごとに評価の観点を書いています。

  • 歯学部……「課題論文:読解力、論理的思考力を問う。」
  • 獣医学部……「課題論文:論理性、読解力、思考力、判断力、科学的知識等を問う。」
  • 工学部 社会基盤学コース……「課題論文:正確な科学的知識、論理的思考力、洞察力、作文能力を問う。」
  • 医学部医学科……「課題論文:論理性、読解力、思考力、判断力等を問う。」

どれも先頭に読解力か論理性が来ています。テーマを与えて自由に書かせるのではなく、何かを読ませて論じさせる形式だと読むのが自然です。課題文型の手順がそのまま効きます。

理系学部では「科学的知識」「作文能力」が並記されている点にも注意してください。内容が正しくても書けなければ減点される、という設計です。

医学部医学科の面接はMMI形式

医学科の面接には、要項に明記された特徴があります。

面接:個人面接(MMI(Multiple Mini-Interview)形式を含む。)を実施する。

MMIは、短い面接を複数回くり返す形式です。準備の仕方が通常の面接とまったく違うので、MMIの対策にまとめてあります。課題論文が60分と短いぶん、面接の比重が高い入試だと考えてください。

共通テストの基準点——学部ごとにバラバラ

TypeⅠの最終合格判定では、共通テストに基準が置かれます。要項の書き方は各学部で共通です。

令和9(2027)年度大学入学共通テストで受験を要する教科・科目の得点の合計が○○点程度に達している者を最終合格者の対象として判定を行います

その○○が学部でまったく違います。

学部・学科 基準(○○点程度)
歯学部 670
医学部 保健学科(5専攻) 600
工学部 応用マテリアル工学コース 520
獣医学部 480
理学部 地球惑星科学科 450
水産学部 280
工学部 社会基盤学コース 210

この数字だけを比べても意味がありません。学部ごとに受験を要する教科・科目と配点が違うので、満点が異なります。要項の各学部のページにある【大学入学共通テストの教科・科目と配点】と必ずセットで見てください。

なお理学部地球惑星科学科には、もう1つ注記があります。

日本地学オリンピックにおける過去2年間の一次予選通過者で総合問題の免除を希望する者については、日本地学オリンピック一次予選の結果を総合問題の点数に換算します。

科学オリンピックの実績が、試験そのものの免除につながる設計です。

志願者数——令和8年度は317人志願、106人合格

要項の巻末に、実績が載っています。令和8(2026)年度フロンティア入試は、志願317人(うち女性97人)に対して合格106人(うち女性31人)でした。

内訳は道内95人・道外222人。志願者の7割が北海道の外からです。全国区の入試だと考えてください。

なお、要項には「北海道大学フロンティア入試案内」という冊子の案内があり、そこには過去の志願者数・合格者数に加えて課題論文の要約が載っていると書かれています。電子版は大学ウェブサイトの「入学案内」内、「資料請求・ダウンロード/過去の入試データ」のページに掲載されています。課題論文の対策をするなら、まずこれを取り寄せてください。

何から始めるか

  1. 志望学科がTypeⅠかTypeⅡかを確認する(理学部・工学部は学科で分かれる)
  2. TypeⅠなら、コンピテンシー評価書の入力を先生にお願いする(Webシステム入力。夏休み前に相談)
  3. 課題論文があるかどうか、あるなら何分かを確認する(60分〜150分。保健学科・水産学部はなし)
  4. 「フロンティア入試案内」を取り寄せて、課題論文の要約を読む
  5. 共通テストの基準点は、要項の配点表とセットで確認する(TypeⅡは共通テスト不要)
  6. 9月15日必着。8月中に書類を仕上げる

北大のフロンティア入試は、総合型選抜の全体像のなかでは「学力・書類・記述試験」の総合型です。東大のような校内の推薦枠はなく、一橋のような資格要件もありません。その代わり、9月という早い締切と、学部ごとに設計の違う課題論文が壁になります。

道内のほかの国立大学は室蘭工業・北見工業・帯広畜産・小樽商科・旭川医科と北海道教育大学にまとめました。共通テストを使わない総合型が多く、年内に決着します。

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