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志望理由書

自己推薦書と志望理由書の違い。両方を出す大学で、何を書き分けるか

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総合型選抜では、自己推薦書と志望理由書の両方を出させる大学があります。2027年度の要項をもとにした大学別記事から、それぞれの書類で大学が何を書かせているかを並べると、志望理由書は「これから」、自己推薦書は「これまで」を聞く形が多い一方、名前と中身が違う大学や、1つの書類にまとめた様式もあります。書き分けの手順もまとめました。

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総合型選抜の出願書類に、自己推薦書と志望理由書の両方が並んでいることがあります。どちらも自分のことを書く書類なので、同じ話を2回書いてしまいがちです。

この記事では、このサイトの大学別記事(各大学の2027年度の要項をもとに書いたもの)から、両方を出させる大学が、それぞれの書類で何を書かせているかを並べ、書き分け方を整理します。

先に要点を書いておきます。

  • このサイトの大学別記事で見たかぎり、両方を出させる大学では、志望理由書は「これから」(なぜこの学科か、入学後に何を学ぶか、卒業後どうしたいか)、自己推薦書は「これまで」(高校までの取り組み、実績、自分の特徴)を聞く形が多い
  • ただし、名前と中身が違う大学があります。九州歯科大学の自己推薦書は、活動実績ではなく「目指す歯科医療人像」を書く書類です
  • 1つの書類に両方をまとめた大学や、自己推薦書の中に志望の理由を書かせる大学もあります
  • どの書類でも、様式の設問を分解して、聞かれていることに全部答えるのが先です

出願の前に、各大学の要項と様式で必ず確かめてください。この記事の例は、それぞれの大学別記事に書いた内容です。様式の設問は、年度によって変わることがあります。

両方を出させる大学で、それぞれ何を書かせているか

大学(方式) 志望理由書で書くこと 自己推薦書で書くこと
福岡大学(法学部の総合型選抜) 志望学科への志望理由、入学後の勉学計画・進路希望(合計1,000字以上) 高校までの勉学や課外活動への取組み、自分の個性・特性(合計1,000字以上)
国際医療福祉大学(総合型選抜) 学科の求める学生像をふまえた志願理由、専門職を目指す理由、入学後の目標と抱負(志願理由書。1枚、字数の指定なし) 自分をアピールできる課外活動や事柄など(1枚、記入欄の8割以上)
令和健康科学大学(総合型選抜) 学科を目指す理由、本学を志望する理由、本学で学びたいこと・実現したいこと、卒業後の希望進路の4問(字数の指定なし) 高校時代に力を入れて頑張ったことなどを含めた自己アピール(記入欄の8割以上)
長崎県立大学(国際社会学部の総合型選抜) 学科を志望する理由、入学後に学びたいこと、将来への展望(1,200字以内) 自己アピール・特技・資格・活動歴などの自己推薦(1,200字以内)と、主な活動実績の表(最大5件)
慶應義塾大学(法学部FIT入試 A方式) 法学部を志望した理由と、法学部で学ぶ学問が自分の人生でもつ意味(800字以内、自筆) 該当する活動にチェックを入れ、最も顕著な取り組みと成果、将来どのように社会に貢献する人材となりうるか
筑波技術大学(視覚障害系の総合型選抜) 「志望の動機」という書類(600字以内) 趣味・特技、資格、これまでの体験・実績など、自分の特徴のアピール(800字以上)

並べると、おおむね志望理由書は「この学科で何を学び、その先どうしたいか」、自己推薦書は「ここまでに何をしてきて、どんな人か」を聞いています。ただし、慶應義塾大学のFIT入試の自己推薦書は、将来どのように社会に貢献する人材となりうるかまで書かせます。志望理由書の書き方は志望理由書の書き方 完全ガイドに、自己推薦書の材料の出し方は自己PRの書き方にまとめています。

名前から中身を決めない

同じ「自己推薦書」でも、中身が違う大学があります。

  • 九州歯科大学の自己推薦書は、「あなたの目指す歯科医療人像」について書く書類です。記事にも書いたとおり、活動実績や自己PRを並べる用紙ではありません。志願理由書(800字以内)が「なぜこの大学か・入学後に何を学ぶか・卒業後の目標」、自己推薦書(800字以内)が「どんな歯科医療人を目指すか」と、2本の役割が分かれています

「これまで」だけで終わらない自己推薦書もあります。

  • 鳥取看護大学の自己推薦型では、自己推薦書に選んだ自己推薦の理由(文化・芸術、社会貢献、競技、資格など)の具体的な実績と、それを看護の学びにどう生かすかを書きます。実績だけで終わらず、大学での学びにつなげるところまでが求められています。この大学は、すべての型で志望理由書と将来計画書(800字以内)も出します
  • 上に挙げた慶應義塾大学のFIT入試 A方式の自己推薦書も、取り組みと成果のあとに、将来の社会への貢献を書かせます

書く前に、様式の設問を読みます。名前が同じでも、聞いていることが違えば、書く中身も違います。

1つの書類にまとめた様式、自己推薦書の中に志望の理由を書く形

両方を別々に出させるとは限りません。

大学 様式
青森大学 「大学入学志望理由・自己推薦書」(本学所定用紙)を全型で出す
東京海洋大学(海洋工学部の3学科・総合型選抜A) 「志望理由・自己推薦書」(2,000字以内。400字の原稿用紙5枚に手書き)
明治学院大学(文学部3学科・法学部3学科・情報数理) 様式3「自己推薦文・志望理由書」(500字)
埼玉大学(経済学部(昼間コース)) 第1次選抜の書類が「自己推薦書(志望の理由を含む。)」(ほかに調査書・小論文・面接)
福岡大学(経済学部・商学部) 経済学部は志望理由書がなく、自己推薦書の5つの項目の1つが志望理由。商学部の自己推薦書(1,000字以内)にも、志望学科への志望動機の項目がある

1つの書類にまとめた様式では、自己推薦と志望理由の配分を自分で決めることになります。明治学院大学の500字のように短い様式なら、半分ずつで250字ずつです(筆者の計算)。設問に項目の指定があればそれに従い、なければ、経験を短く書いて「だからこの学科で何を学びたいか」に字数を回すと、1つの書類の中で話がつながります。

分量の決め方が違うことがある

同じ大学の中でも、2つの書類で分量の決め方が違うことがあります。

  • 筑波技術大学(視覚障害系)は、志望の動機が600字以内、自己推薦書が800字以上です。上限と下限が逆で、自己推薦書には上限が書かれていません
  • 国際医療福祉大学と令和健康科学大学は、志望理由の書類には字数の指定がなく、自己推薦書は「記入欄の8割以上」という下限があります。福岡国際医療福祉大学の総合型選抜A方式も、自己推薦書は記入欄の8割以上です

「以内」「以上」「8割以上」は、要項や様式の注意書きに書かれています。下限がある書類を短く終わらせると、指示に反します。

推薦書とは別物

自己推薦書は、自分で自分を推薦する書類で、書くのは本人です。高校の先生が書く推薦書とは別のものです。学校推薦型選抜で求められる推薦書は高校長の推薦にもとづくもので、本人は書きません(学校推薦型選抜の指定校制と公募制の違い)。

本人が書く書類なので、生成AIの扱いを要項や大学の案内に書いている大学もあります。

  • 令和健康科学大学:志望理由書などの出願書類の作成で、AIの利用を禁止している(大学が専用のPDFを公開し、要項などで一読を求めている)
  • 長崎県立大学:要項の出願上の注意事項で、出願書類の作成に生成AIなどによる自動生成を使わないよう求めている
  • 鳥取看護大学:情報を集めたり考えを整理したりする参考に使うのはかまわないが、生成AIが作った文章をそのまま出したものは本人の成果物とみなさない

書き分けの手順

  1. 様式の設問を分解する。「志望の理由」「入学後に学びたいこと」「卒業後の展望」のように、聞かれていることを数えます。福岡大学の法学部なら、2つの書類で2つずつ、あわせて4つです
  2. 材料を「これまで」と「これから」に分ける。高校での取り組み・実績・身についたことは「これまで」、学科を選んだ理由・入学後の学び・卒業後は「これから」です
  3. できれば、2つの書類で別の経験を使う。同じ経験を両方に使うしかないときは、重心を変えます。自己推薦書では「何をして、何ができるようになったか」を、志望理由書では「その経験から、なぜこの学科で何を学びたくなったか」を書きます。同じ文を2つの書類に写さないようにします
  4. 2つの書類を並べて読み、話が食い違っていないか確かめる。面接では、出した書類のどれからも聞かれる可能性があります(総合型選抜の面接で聞かれることは、あなたの書類に全部書いてある)

活動報告書もある大学では、事実の一覧は活動報告書に、その中から選んだ経験の中身を自己推薦書に、と分けると重なりが減ります(活動報告書に書くことがないとき)。

まとめ

  • このサイトの大学別記事で見たかぎり、自己推薦書と志望理由書の両方を出させる大学では、志望理由書は「これから」、自己推薦書は「これまで」を聞く形が多い
  • 名前と中身が違う大学がある。九州歯科大学の自己推薦書は「目指す歯科医療人像」を書く。鳥取看護大学や慶應義塾大学のFIT入試のように、実績のあとに「その先」まで書かせる自己推薦書もある
  • 1つの書類にまとめた様式(青森大学・東京海洋大学・明治学院大学)や、自己推薦書に志望の理由を含める形(埼玉大学・福岡大学の経済学部など)もある
  • 分量の決め方は書類ごとに違うことがある。「以上」「8割以上」の下限に注意する
  • 自己推薦書は本人が書く書類で、高校の先生が書く推薦書とは別物。AIの扱いを決めている大学もある
  • 書く前に設問を分解し、聞かれていることに全部答える
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