聖路加国際大学 総合型選抜の対策。320点中200点が小論文、試験は9月19日の1日だけ、倍率は2年で1.6倍から3.4倍に上がった
聖路加国際大学看護学部の2027年度総合型選抜を募集要項の記載で整理しました。小論文200点・面接100点・書類20点という配点、出願9月1日〜5日・試験9月19日という日程、英語を含む120分の小論文、理科2科目の履修要件、5年分の倍率までを解説します。
看護系の総合型選抜には、書類と面接で決まるものと、当日の学力で決まるものがあります。
聖路加国際大学の総合型選抜は、後者の極端な例です。320点満点のうち200点が小論文。書類はわずか20点です。
そして小論文は120分で、英語による問題を含みます。
この記事は、公開されている募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・出願資格・配点は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:聖路加国際大学 総合型選抜・帰国生選抜・学校推薦型選抜/総合型選抜募集要項(PDF)
配点——ここを見れば対策の順番が決まる
要項の「選抜方法」に、配点がそのまま書かれています。
| 選抜方法 | 配点 |
|---|---|
| 提出書類審査(入学願書・調査書・活動報告書・志願者評価書) | 20点 |
| 小論文(120分) ※英語による問題を含みます | 200点 |
| 面接 | 100点 |
| 合計 | 320点 |
小論文が全体の62.5%です。この比率は、総合型選抜としてはかなり異例です。
書類は20点。もちろん出願要件として必要ですが、ここで差はほとんどつきません。活動報告書に何週間もかけるより、小論文の演習を1本増やすほうが点数に効きます。
1次選考がない
もう1つ、構造上の特徴があります。書類選考による絞り込みがありません。
| 日付 | |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年9月1日(火)〜9月5日(土)<消印有効> |
| 試験日 | 2026年9月19日(土)(試験場:本学) |
| 合格発表 | 2026年11月4日(水)午前10時(合否照会サイト) |
試験は9月19日の1日だけで、この日に小論文と面接を受けます。要項には「試験終了時刻は午後になる予定です。当日は昼食をご持参ください」とあり、朝から夕方までの日程です。
そして試験日から合格発表まで1か月半あります。9月19日に受けて、結果が分かるのは11月4日。この間をどう使うかは、出願前に決めておいたほうがいいでしょう。
慶應義塾大学看護医療学部のAO入試が1次選考(書類審査)で大きく絞るのとは対照的です(慶應看護医療学部AO入試)。聖路加は、出願できれば全員が小論文を書けます。
出願資格——理科2科目と評定4.0
要項の出願資格は、次のように定められています。
看護学への志向が高く、本学での学習を強く希望し、合格した場合には必ず入学する者で、「化学基礎」「生物基礎」「物理基礎」のうち2科目以上を履修していて、次の(1)~(4)のいずれかに該当する者
そして(1)が、日本の高校からの一般的な志願者に当たります。
日本の高等学校もしくは中等教育学校を2027年3月卒業見込みの者および卒業して5年未満の者で高等学校の学業成績が全体の評定平均値4.0以上の者
押さえるべき点は4つです。
1. 専願である
「合格した場合には必ず入学する者」が出願資格に含まれています。併願はできません。
2. 理科基礎を2科目以上履修していること
「化学基礎」「生物基礎」「物理基礎」のうち2科目以上。これは高校の科目選択の時点で決まります。
看護系を志望するなら普通は満たしていますが、文系コースで理科基礎を1科目しか取っていない場合、この時点で出願できません。高1〜高2の科目選択で確認してください。
3. 全体の評定平均値4.0以上
科目指定ではなく全体の数値です。4.0に届かない場合は、この入試は選択肢から外れます(評定が低い人の総合型選抜)。
4. 既卒5年未満まで出願できる
現役生だけの入試ではありません。卒業して5年未満なら出願できます。社会人経験を経て看護を志す人にも開かれています。
小論文——120分、英語を含む
配点200点の本体です。要項の記載は「小論文(120分)※英語による問題を含みます」の一行だけで、形式(課題文型か資料型か、字数)は書かれていません。
だから形式を決め打ちした準備は危険ですが、この一行から確実に言えることが2つあります。
1. 英語の文章を読む準備が要る
「英語による問題を含む」と明記されている以上、英文が出ます。
医療・看護分野の英文は、一般的な入試英語とは語彙が違います。準備としては、英文課題文型の小論文を土台に、次の作業を勧めます。
- 医療・看護分野の英単語を集める——patient、nursing care、public health、well-being、informed consent など、分野の基本語
- 英文を読んで日本語で要約する練習——訳すのではなく、要点を日本語でまとめる
- 英文の主張に日本語で応答する練習——英語で答える必要があるかは要項に書かれていませんが、読んで考える力は必ず要ります
2. 120分は「読む時間込み」
英文と日本語の資料の両方が出る可能性を考えると、120分は余裕のある時間ではありません。手順を決めておいてください。
読む技術は課題文型の手順と線の引き方、データが出た場合は資料・グラフ型を参照してください。全体の型は小論文の完全ガイドにまとめています。
テーマの方向
聖路加国際大学のアドミッション・ポリシーは、期待する入学者像を8項目挙げています。要項から引くと、方向がよく分かります。
- 人に対する関心や思いやりをもつことができる人
- 人の悩みや苦しみを感じることができる人
- 人と人との関わりを大切にでき、協働できる人
- 幅広く学問を探求し、科学的な探究心の旺盛な人
- 世界の人々の健康に関心がある人
- 自律的、倫理的に行動できる人
大学の理念に「看護保健・公衆衛生の領域」「国内外のすべての人の健康と福祉に貢献」とあることも合わせて読んでください。個人のケアだけでなく、集団と社会の健康が視野に入っています。
備えておくテーマは、看護系の小論文対策を土台に次のとおりです。
- チーム医療——多職種連携。看護師の役割
- インフォームド・コンセント——自己決定と説明責任
- 地域医療——医療の偏在、在宅医療
- 健康格差——社会経済的要因と健康。公衆衛生の中心論点
- 予防医療——ヘルスプロモーション
- 少子高齢化と社会保障——制度の持続可能性
- 死生観と看取り——終末期ケア
- 感染症と公衆衛生——国際保健につながる論点
「優しさ」を語るだけの答案は評価されません。要項が求めているのは「科学的な探究心」でもあります。看護系の小論文対策で書いたとおり、体験談から分析へ進む書き方を身につけてください。
面接——100点
配点100点。小論文と同じ日に実施されます。
要項に面接の形式(個人か集団か、時間)についての記載はありません。だから内容を決め打ちせず、書類の中身から準備するのが確実です。
聞かれる可能性が高いのは、提出した活動報告書と志望理由に関わることです。準備は面接の頻出10問を土台に、書類と面接の一貫性を確認してください。出願書類のコピーは必ず取っておいてください。
なお、看護系の面接では「なぜ看護師なのか」「なぜ本学なのか」に加え、倫理的な判断を問う質問が出ることがあります。口頭試問の対策の型(問いを言い換えて確認→視点を分ける→条件つきで着地)が使えます。
提出書類——20点だが、落とすと出願できない
配点は低くても、書類に不備があれば受理されません。要項は「出願書類が不備の場合は受理しません」と明記しています。
| 書類 | 注意点 |
|---|---|
| 入学願書 | 出願前3か月以内の写真。眼鏡使用者は原則として眼鏡をかけて撮影 |
| 受験票・写真票 | 願書と同じ写真 |
| 志願者評価書 | 志願者をよく知る親族以外の者(成人に限る)が記載し、厳封 |
| 調査書 | 学校長が作成して厳封 |
| 活動報告書 | 本学所定の用紙 |
| 受験票返送用封筒 | 角2サイズ、切手を貼付 |
志願者評価書は「親族以外の成人」
家族には頼めません。学校の先生、部活動の指導者、ボランティア先の担当者など、あなたの活動を具体的に語れる人に依頼してください。厳封が必要なので、依頼から受け取りまでの時間を見込んでください。
活動報告書は所定用紙
書き方は自己PRの書き方の「行動の型で示す」を、書くことが思いつかない場合は活動報告書に書くことがない人へを参照してください。
ただし、配点は20点です。ここに過剰な時間をかけないこと。要件を満たす水準で仕上げ、残りの時間を小論文に回してください。
なお出願は郵送受付のみで、書留での送付が指定されています。
倍率——要項に5年分が載っている
聖路加は、募集要項に選抜結果データを掲載しています。これは誠実な情報公開です。
| 年度 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 74 | 68 | 20 | 3.4 |
| 2025年度 | 45 | 44 | 21 | 2.1 |
| 2024年度 | 32 | 32 | 20 | 1.6 |
| 2023年度 | 44 | 44 | 20 | 2.2 |
| 2022年度 | 40 | 40 | 20 | 2.0 |
直近で倍率が上がっています。2024年度の1.6倍から2026年度の3.4倍へ、2年で倍以上です。
古い情報を見て「倍率が低い入試」と考えると、判断を誤ります。要項の最新データで確認してください。とはいえ、私立看護系の総合型としては依然として通りやすい部類です。理科2科目と評定4.0という出願要件が、実質的な絞り込みになっているためだと考えられます。
卒業時の資格と、入学後の要件
要項には、卒業時取得資格が明記されています。
- 学士(看護学)
- 看護師国家試験受験資格
- 養護教諭1種免許(定員20名、選択制)——希望者が定員を超えた場合は成績と面接により選抜
養護教諭を目指す人は、入学後にもう一度選抜があることを知っておいてください。
また、留意事項に実務的な記載があります。入学時に麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘などの免疫獲得状況の確認があり、1歳以上で各2回ずつの接種または抗体検査の基準値以上の提示が求められます。接種状況により実習先の受け入れが難しい場合は学内実習等に代替されるとも書かれています。
母子健康手帳を早めに確認しておいてください。看護系を受けるなら、どの大学でも遅かれ早かれ必要になります。
準備の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1〜高2 | 理科基礎を2科目以上履修する科目選択をする。評定4.0を維持 |
| 高2〜高3春 | 看護・医療分野の本を読む。探究活動があれば活動報告書の材料になる |
| 高3 4〜6月 | 小論文の演習を開始。課題文型・資料型・英文の3つ |
| 高3 6〜7月 | 志願者評価書を依頼(親族以外の成人)。調査書も依頼 |
| 高3 7〜8月 | 活動報告書を仕上げる。時間をかけすぎない(20点) |
| 高3 8月 | 120分の小論文を通しで書く演習。英文を含む形式で |
| 高3 9月1日〜5日 | 出願(郵送・消印有効)。書類はコピーを取る |
| 高3 9月19日 | 試験日。小論文120分+面接。昼食を持参 |
小論文の演習を、いつ始めるかがすべてです。200点分の準備を8月から始めるのは遅い。4月から週1本のペースで積み上げてください(小論文の練習方法)。
不合格の場合、一般選抜まで時間があります。教科の勉強は止めないでください(総合型選抜と一般入試の両立)。合格発表は11月4日なので、切り替える余地は残ります。
出願実務の落とし穴は出願直前チェック17項目、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。
まとめ
- 320点中200点が小論文。書類は20点で、ここでは差がつかない
- 出願9月1日〜5日、試験は9月19日の1日だけ、合格発表は11月4日
- 小論文は120分、英語による問題を含むと要項に明記
- 1次選考がない。出願できれば全員が小論文を書く
- 専願。「合格した場合には必ず入学する者」が出願資格
- 「化学基礎」「生物基礎」「物理基礎」のうち2科目以上の履修が必要。科目選択の時点で決まる
- 全体の評定平均値4.0以上。既卒5年未満まで出願できる
- 志願者評価書は親族以外の成人が作成し、厳封
- 倍率は要項に5年分掲載。直近で1.6倍→3.4倍に上昇している
- 配点・日程は必ず最新の募集要項で確認する