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看護学部の小論文対策。出るテーマ7つと、優しさを書いて落ちる理由

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看護系小論文で最も多い失敗は、優しさや思いやりを書いてしまうことです。頻出7テーマ、評価される視点、場面設定型の答え方まで、添削の現場から具体的にまとめました。

国公立でも小論文で選抜する例。千葉大学 看護学部の学校推薦型選抜は、書類と小論文・面接で合格内定者を決め、共通テスト65%で最終合格を確定させます。募集24名という枠の大きさも特徴です。

公立大学では小論文の比重がさらに上がります。愛知県立大学 看護学部の学校推薦型選抜は共通テストを課さず、小論文200点・面接100点の300点満点。小論文だけで3分の2を占めます。一方で同じ記事の静岡県立大学 看護学部は小論文がなく、英語と数学Ⅰ・Aの適性検査200点。同じ看護でも、備えるものが逆です。

そもそも総合型選抜がない大学もあります。岐阜県立看護大学・三重県立看護大学は令和9年度に総合型選抜を実施せず、入口は一般選抜と学校推薦型だけ。岐阜の学校推薦型選抜Aは小論文100点+面接、三重の地域推薦型は小論文(外国語の読解を含む)100点+面接です。

筆記がまったくない例もあります。神奈川県立保健福祉大学 看護学科の総合型選抜は、1次が自己推薦書、2次が面接だけ。しかも面接のテーマは開始30分前に渡され、持ち込めるのはA4のメモ用紙1枚です。書く力ではなく、その場で組み立てて話す力を測ります。

看護系の小論文で、いちばん多く赤を入れる文がこれです。

患者さんに寄り添い、思いやりのある看護を提供したい。

この一文は、書いても点になりません。

理由は単純で、受験生の9割が同じことを書くからです。書いた本人にしか差が見えていない、という状態がここで起きています。

何を見られているか

看護系の小論文が確かめているのは、看護の知識ではありません。入学前なのだから当然です。

見られているのは、次の3つです。

観点 具体的に何を見るか
具体性 抽象的な理想ではなく、状況を想像して書けているか
他者の視点 患者本人・家族・医療者、それぞれの立場を分けて考えられるか
現実の制約 時間・人手・費用の制約を踏まえた話ができるか

「優しさ」は3つのどれも満たしません。だから点にならないのです。

頻出7テーマ

看護系で出題が集中するのは、この範囲です。まずこの7つだけ押さえてください。

テーマ なぜ出るか
地域医療 出題数が最も多い。看護師の役割拡大と直結する
介護と高齢者ケア 高齢化の現場そのもの
ヤングケアラー 家族の中の子どもを支えられる側として見る
インフォームド・コンセント 患者の自己決定をどう支えるかを問える
コミュニケーションと共感 「寄り添う」を使わずに書けるかが試される
死生観と看取り 終末期は看護が主役になる場面
感染症と公衆衛生 個人の自由と集団の安全の線引き
こころの健康 身体だけを見ない看護の視点
予防医療と健康寿命 生活に近い位置からの予防
チーム医療 職種の分担と決定。面接でも必出
健康格差 受診の壁を生活の側から見る

余裕があれば生命倫理と少子高齢化と社会保障まで。この9つで、看護系の出題はほぼ覆えます。

看護系ならではの出題形式

場面設定型が出やすい

「あなたは看護師です。患者から〜と言われました。どう対応しますか」という形式が、看護系では特に多く出ます。

この形式で減点される答案には、はっきりした型があります。

すぐに医師に報告し、患者さんの気持ちに寄り添って対応する。

判断を放棄しているからです。報告は手続きであって、判断ではありません。

答え方の手順は場面設定型の答え方にまとめています。看護系志望なら、この形式は必ず練習しておいてください。

志望動機と地続きの出題

「なぜ看護師になりたいか」に近い問いが小論文で出ることもあります。このとき、面接や志望理由書と話がずれていると印象が悪くなります。

書類・小論文・面接を1本の線で通す方法は小論文で書いたことは面接で聞かれるで扱っています。

落ちる答案の共通点

添削していて、看護系に固有だと感じる失敗が3つあります。

1. 患者を一人の人間として書いていない

「患者さん」が、答案の中で顔のない存在になっているパターンです。

患者さんの不安を取り除くことが大切だ。

誰が、どんな状況で、何に対して不安なのか。そこが空欄のまま「不安」と書くと、何も言っていないのと同じになります。

年齢、家族構成、これまでの経過。1つ足すだけで答案は具体になります。具体例の作り方の手順がそのまま使えます。

2. 家族の存在が消えている

看護の現場で、患者と家族の希望はしばしば一致しません。

延命を望む家族と、望まない本人。退院したい本人と、受け入れられない家族。ここに触れられる答案は、驚くほど少数です。

患者・家族・医療者を分けて書く。これだけで、他の受験生とはっきり差がつきます。

3. 制約のない世界の話をしている

一人ひとりに時間をかけて、丁寧に話を聞くべきだ。

理想としては正しいのですが、夜勤帯に看護師が2人しかいない病棟でも同じことが言えるのかが問われています。

制約を書いたうえで「では何を優先するか」まで進める答案は、現実を知っている人の答案に見えます。

差がつく2つの視点

7テーマを押さえた人が、さらに一段上に行くならここです。

「治す」と「支える」は別の仕事

医療は治すことを目指しますが、治らない状態を生きる人を支えるのも医療の仕事です。

慢性疾患、障害、終末期。治癒を目標にできない場面で、看護は何を目標にするのか。ここを書ける受験生は多くありません。

看護師にしかできないことは何か

「医師の指示のもとで動く」だけの理解にとどまると、答案が受け身になります。

生活の視点から患者を見る、退院後の暮らしを見据える、家族を含めて支える。医師とは違う角度から患者を見るのが看護だ、という理解が答案に出ていると強い。

この視点は地域医療の「役割分担」の議論と直結します。

答案の骨組み

800字の場合の標準形です。

部分 字数 書くこと
序論 100字 問いを言い換え、自分の立場を1つ示す
本論1 250字 なぜそう考えるか。構造で説明する
本論2 250字 具体的な場面。患者・家族・医療者を分ける
本論3 100字 制約や反対の立場に触れる
結論 100字 立場を再提示。新しい話を足さない

字数配分の考え方は段落構成に、結論の書き方は結論の書き方にあります。

対策の順番

  1. 完全ガイドで型を固める(1週間)
  2. 上の7テーマを読む(2週間)
  3. 場面設定型を集中的に練習する
  4. 志望校の過去問形式で書く。大学別対策の作り方で逆算する

2を先にやりたくなりますが、1を飛ばすと知識が答案の形になりません。

個別大学の対策

看護系の総合型選抜は、大学によって問われる力が正反対です。聖路加国際大学は320点中200点が小論文、慶應義塾大学看護医療学部は小論文がなく書類と面接だけ。志望校を決めた時点で、準備の中身が変わります。

まとめ

  • 「寄り添う」「思いやり」は、書いても差がつかない
  • 見られているのは具体性・他者の視点・現実の制約の3つ
  • 患者・家族・医療者を分けて書くだけで差がつく
  • 場面設定型は看護系で頻出。判断を放棄しない
  • 治すだけでなく「支える」を書けると一段上に行ける

看護系の大学別対策は順天堂大学 医療系学部の総合型選抜と昭和医科大学・日本医科大学にもあります。順天堂の医療看護学部は小論文90分に国語・英語・数学・生物基礎・化学基礎の基礎学力が含まれます。

亀田医療大学は総合型選抜の配点が小論文100点だけで、面接は点数化されません。過去問と出題の意図が公開されていて、2年続けてAIがテーマでした。

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