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東京学芸大学 総合型選抜の対策。配点が全部公開されていて、1つでも基準点を下回ると不合格になる

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東京学芸大学の総合型選抜を、2027年度入学者選抜要項に沿って整理しました。コースごとに公開された小論文・適性検査・面接の配点、1科目でも下回ると不合格になる基準点制度、情報コースの「小論文の時間内にスライドを作る」プレゼンまでを解説します。

東京学芸大学の総合型選抜には、他大学であまり見ない制度が2つあります。

1つは基準点制度。要項にこう書かれています。

出願書類及び東京学芸大学入学試験の各科目等の得点のうち、1つでも本学の定めた基準点に達していない場合は、総合点の如何にかかわらず不合格とします。

小論文が満点でも、学修計画書が基準点を割れば落ちます。

もう1つは、その配点が全部公開されていることです。入学希望理由書40点、活動報告書40点、学修計画書20点。小論文は100点か120点。コースごとに数字が出ています。

この記事は、公開されている令和9年度(2027年度)入学者選抜要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。試験時間や出願書類の記載上の留意点は「学生募集要項」(8月上旬公表予定)に載ります。基準点は令和9年5月頃に公表予定です。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:東京学芸大学 入学者選抜要項・学生募集要項/令和9年度 入学者選抜要項(PDF)

実施するのは11コース、合計52名

総合型選抜は全学部・全コースではありません。実技や実践が中心のコースに限られます。

課程 専攻(類) コース・プログラム 募集人員
学校教育教員養成課程 初等教育専攻(A類) 音楽コース 8
美術コース 3
現代教育実践コース(環境教育プログラム) 3
ものづくり技術コース 1
中等教育専攻(B類) 音楽コース 5
美術コース 3
保健体育コース 4
家庭コース 2
技術コース 1
情報コース 5
教育支援課程 教育支援専攻(E類) 生涯スポーツコース 17
合計 52

いちばん大きいのはE類生涯スポーツコースの17名、次いでA類音楽コースの8名です。

出願要件は2つだけ。

(1) 卒業後に学校教員(教育支援課程の場合は教育支援職)になるという強い意欲を有している者 (2) 合格した場合は、本学に入学することを確約できる者

評定の条件がありません。そのかわり専願です。そして「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の同時出願(併願)はできません。

日程と、共通テストの扱い

項目 期日
出願期間 2026年10月1日(木)〜10月7日(水)<書留速達・必着>
第二次選考 試験日 2026年11月19日(木)(総合型選抜を実施する全コース)
2026年11月20日(金)(B類保健体育コース・E類生涯スポーツコースのみ)

大学入学共通テストは免除され、成績も利用しません。年内で完結します。

保健体育と生涯スポーツだけ2日間(19日に小論文、20日に面接)です。

第一次選考——書類3点で100点

第一次選考は出願書類だけです。配点は全コース共通。

出願書類 配点
入学希望理由書 40点
活動報告書 40点
学修計画書 20点
合計 100点

書類が100点。第二次選考の合計(コースにより280〜300点)と合わせて合否が決まります。要項には明記されています。

二段階選抜実施の有無にかかわらず、第一次選考と第二次選考の合計点で合否判定を行います。

つまり書類の点は最後まで残ります。「一次を通ればリセット」ではありません。

二段階選抜になった場合は、検定料が一部戻る

志願者数が本学の第二次選考対応可能人数を上回った場合(中略)二段階選抜を実施し、第一次選考において不合格となった志願者には、検定料の一部(13,000円)を返還します。

志願者が多いときだけ、書類で切られます。

3つの書類は、役割が違う

同じことを3回書くと、どれかが基準点を割ります。役割を分けてください。

書類 書くこと
入学希望理由書 なぜ教員(教育支援職)になりたいか/なぜ東京学芸大学のこのコースか
活動報告書 高校までに何に取り組み、何を得たか(事実と、そこから学んだこと)
学修計画書 入学後の4年間で何をどう学ぶか。卒業後の進路とどうつながるか

要項の評価軸はこうです。

出願書類では学力の3要素のうち「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」及び「教師又は教育支援人材への意欲・適性」を評価します。

「教師への意欲・適性」が独立した評価項目になっています。「その教科が好き」で止まらず、教える側としてどう考えるかまで書く必要があります(志望理由書 完全ガイド、活動報告書に書くことがない場合)。

第二次選考——コースごとに配点が違う

要項に一覧が載っています。

コース 小論文 適性検査 面接 摘要
A類 音楽 120 音楽実技 100 80 口頭試問を含む。高等学校で履修する音楽に関する内容を含む
A類 美術 100 実技 100 100 プレゼンテーションを含む
A類 現代教育実践(環境教育) 100 — 200 口頭試問を含む
A類 ものづくり技術 — プレゼンテーション 150 150 適性検査に質疑応答/面接に口頭試問を含む
B類 音楽 100 音楽実技 120 80 同上
B類 美術 100 実技 100 100 プレゼンテーションを含む
B類 保健体育 100 — 200 プレゼンテーションを含む(面接は11/20)
B類 家庭 100 — 200 プレゼンテーションを含む
B類 技術 — プレゼンテーション 150 150 同上
B類 情報 100 — 200 口頭試問とプレゼンテーションを含む
E類 生涯スポーツ 100 — 200 プレゼンテーションを含む(面接は11/20)

読み取れることが3つあります。

1. 面接が200点のコースが5つある。現代教育実践・保健体育・家庭・情報・生涯スポーツ。小論文100点の2倍です。

2. 音楽コースは小論文が最重量。A類音楽は小論文120点で、実技100点より重い。

3. ものづくり技術・技術コースには小論文がない。かわりにプレゼンテーション150点+面接150点です。

小論文の中身が、コースごとに公開されている

要項の「6.小論文の概要」に、コースごとの説明があります。

コース 小論文の出題内容
A類・B類 音楽 音楽科に関わる課題を提示して論述させ、知識や学力、論理的思考力、判断力、表現力等を評価
A類・B類 美術 図画工作・美術科に関わる課題を提示して論述させ、知識・技能、思考力・判断力・表現力等を評価
A類 現代教育実践(環境教育) 環境問題や環境教育に関わる課題を提示して論述させ、知識や学力、論理的思考力、判断力、表現力等を評価
B類 保健体育 保健体育に関する課題を提示して論述させ、洞察力・論理的な思考力・基礎的な学力等を評価
B類 家庭 生活科学分野に関する課題を提示して論述させ、基礎的な知識・理解力・論理構成力・表現力等を評価
B類 情報 情報分野に関する課題を提示して論述させ、知識・技能・論理的な思考力・文章構成力・表現力等を評価
E類 生涯スポーツ 生涯スポーツに関する課題を提示して論述させ、洞察力・論理的な思考力・基礎的な学力等を評価

すべての説明が同じ形で終わります。

……とともに、アドミッション・ポリシーで求める教師への意欲・適性及び主体的に多様な人々と協働して学ぶ態度等を評価する。

つまり、どのコースの小論文でも教科の話だけで終わらせてはいけないということです。音楽の課題でも保健体育の課題でも、最後に「では教える側として何をするか」に着地させる設計が要ります。

テーマ別の土台は次のあたりです。

そして全コース共通の土台が教育学部の小論文です。

面接のプレゼンテーションが、コースごとにまったく違う

要項の「8.面接に含まれるプレゼンテーション」が、この大学でいちばん実務的な情報です。

A類・B類 美術コース——A2サイズのボードを持参

面接は3分程度のプレゼンテーションを含んで実施する。プレゼンテーションは出願者が出願書類として提出した「活動報告書」に関する内容について、参考画像等を貼り付けたA2サイズのボードを当日に持参して行い、面接後にボードは提出する。

A2は420mm×594mm。出願書類に書いた活動を、視覚資料に作り直す作業です。面接後に回収されます。

B類 家庭コース——A3またはA4の資料5枚以内、5分以内

プレゼンテーションでは、自身が日常生活のなかから課題をみつけ、解決を目指して計画を立て、家庭科で学んだ知識や技術をいかして実践した内容について発表する。自身の取組が社会課題の解決にどのように貢献できるかについての考察も含むこと。 プレゼンテーション資料はPC等を使用して作成しても良いが、A3またはA4サイズの資料1部(1ページ目〔表紙〕を含む枚数は5枚以内、1ページ目にタイトルと受験番号を入れる)を持参し、それを用いたプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションの時間は5分以内とし、終了後に資料を提出する。

「実践した内容」が要求されています。調べただけ、考えただけでは要件を満たしません。高2のうちに、家庭科の学びを使った実践を1つやっておく必要があります(探究活動 完全ガイド)。

B類 情報コース——小論文の試験時間内にスライドを作る

これが最も特殊です。

プレゼンテーションは、第二次選考で自身が作成した小論文の内容について、持参したPCやタブレット端末を用いてプロジェクターに投影しながら行う(5分程度)。プレゼンテーションの資料は、小論文の試験時間内に、持参したPCやタブレット端末を用いて、PowerPointのスライドなど受験者が普段学校等で使用しているアプリケーションで作成する。 なお、オンラインでのWeb検索や生成AIなどを使っての作業は禁止し、オフラインの状態での作業のみとする。また、スライドを作成しているアプリケーション以外の使用や、事前に作成した成果物等の再利用は認めない。

小論文を書き、その時間内に、その内容のスライドまで作ります。

持ち物の指定も細かい。

・PCまたはタブレット端末 充電済みのもの(ACアダプターを持参するとよい)。HDMI type-A端子のケーブルを用いて画面出力ができること(必要ならば変換アダプターを用意すること) ・プレゼンテーション資料を作成するためのアプリケーション 持参するPCやタブレット端末にインストールされた状態であること。普段から使い慣れたアプリケーションが望ましい。オフラインでの作業が可能であること

クラウド版のOfficeしか使えない端末だと詰みます。オフラインで動くかどうかを、夏のうちに確認してください。HDMI変換アダプターも自分で用意します。

なお情報コースには、こんな案内もあります。

小論文の試験の後、小休憩を挟み、個人面接を順次開始します。ご自分の面接の順番が来るまでの間、持参した軽食(飲み物を含む)をとっても構いません。

長丁場です。

B類 保健体育/E類 生涯スポーツ——テーマは当日提示

プレゼンテーションのテーマは保健体育の授業に関する内容であり、面接時に提示する(プレゼンテーションのために志願者が試験当日に持参するものはありません)。 (生涯スポーツは)テーマはスポーツにおける教育支援に関する内容であり、面接時に提示する。

準備物なし、その場でテーマが出ます。アドリブで組み立てる練習が要ります(プレゼン型入試の対策、口頭試問の対策)。

なお全コース共通の注意があります。

当日の持参を指示している資料について、郵送等による事前提出は一切認めない。なお、当日の提出後は、いかなる理由があっても返却しない。

基準点制度を、どう考えるか

もう一度、要項の記述です。

出願書類及び東京学芸大学入学試験の各科目等の得点のうち、1つでも本学の定めた基準点に達していない場合は、総合点の如何にかかわらず不合格とします。また、本学が指定した東京学芸大学入学試験の教科・科目等を1つでも受験しなかった場合は、選抜の対象から除外します。

そして基準点は令和9年5月頃に公表予定。つまり試験(2026年11月)よりあとに公表されます。受験生は、自分の年の基準点を知らないまま受けることになります。

参考になるのが、要項に載っている前年度(令和8年度)の配点・基準点一覧表です。第一次選考の書類3点(40点・40点・20点=100点満点)に対し、基準点はコースによって入学希望理由書で10点から24点までの幅がありました。第二次選考も同様に、コースごとに基準点が設定されています。

要項には但し書きがあります。

この一覧表は、令和8年度学部入学者選抜試験(総合型選抜)の基準点であり、令和9年度学部入学者選抜試験の基準点については、あらためて定めることになる。

つまり前年の数字は目安にしかなりません。ただし「どの項目にも足切りがある」という構造は変わりません。

実務的な結論はこうです。

1. 苦手な項目を作らない。小論文で稼いで面接の失点を埋める、という戦略が使えません。書類3点・小論文・適性検査・面接、すべてを平均以上にそろえる必要があります。

2. いちばん軽い書類を軽視しない。学修計画書は20点で最軽量ですが、基準点はここにも設定されています。20点満点の書類で基準点を割ると、他が満点でも落ちます。

3. 全部受ける。指定された科目を1つでも欠席すると、選抜の対象から外れます。

東京学芸大学を受けるなら

1. コースを決める(高2の冬まで)

小論文があるコースとないコース、面接200点のコースと80点のコース、実技があるコースとないコース。すべてコース単位です。

2. 「教える側」の視点を作る(高3の春〜夏)

小論文の説明が全コースで「教師への意欲・適性を評価する」で締められています。教科の知識だけでは足りません。

  • その教科を学ぶことで、子どもに何が育つのか
  • いま学校でその教科が抱えている課題は何か
  • 自分ならどう教えるか

この3つを、志望コースの教科について言えるようにしてください。

3. プレゼンの物理条件を確認する(夏)

コース 必要なもの
美術 A2サイズのボード(参考画像を貼付)
家庭 A3またはA4資料5枚以内(表紙含む)
情報 PC/タブレット+HDMI type-Aケーブル(+変換アダプター)、オフラインで動くスライド作成アプリ
保健体育・生涯スポーツ 持参物なし(テーマは当日提示)

4. 出願は10月1日〜7日。書留速達で

出願期間が1週間しかありません。書類3点は9月中に完成させ、先生に読んでもらう時間を確保してください(出願直前チェックリスト)。

まとめ

  • 東京学芸大学の総合型選抜は11コース・合計52名。実技や実践が中心のコースに限られる
  • 評定の条件がないが、専願。学校推薦型選抜との併願も不可
  • 共通テストは免除。11月19日(一部20日)で年内完結
  • 第一次選考は書類のみ。入学希望理由書40点・活動報告書40点・学修計画書20点=100点。この点は最後まで残る
  • 1つでも基準点に達しなければ、総合点にかかわらず不合格。基準点は試験のあと(翌年5月頃)に公表される
  • 第二次の配点はコースで大きく違う。A類音楽は小論文120点、現代教育実践・保健体育・家庭・情報・生涯スポーツは面接200点
  • ものづくり技術・技術コースには小論文がなく、プレゼン150点+面接150点
  • 小論文の出題内容がコースごとに公開されており、どのコースも「教師への意欲・適性」の評価で締めくくられている
  • プレゼンの条件が細かい。美術はA2ボード持参、家庭はA3/A4資料5枚以内、情報は小論文の試験時間内にスライドを作る(オンライン検索・生成AI禁止、HDMI type-A必須)
  • 保健体育・生涯スポーツはテーマが当日提示で、持参物なし

小論文そのものの書き方は小論文の書き方 完全ガイドに、総合型全体の進め方は総合型選抜 完全ガイドにまとめています。

教員養成系では横浜国立大学 総合型選抜の教育学部が100名枠を持っています。首都圏の国立はほかに東京大学 学校推薦型選抜・一橋大学 学校推薦型選抜・筑波大学AC入試・千葉大学 総合型選抜・埼玉大学 総合型選抜を扱っています。

近畿の教員養成系では、兵庫教育大学と奈良教育大学が総合型選抜を行っています。

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