鳥取大学 総合型選抜の対策。第1次はZoomの面接、工学部のⅡは共通テストを9段階に置き換えて採点する
鳥取大学の総合型選抜Ⅰ(共通テストなし・39人)と総合型選抜Ⅱ(共通テストあり・64人)を、2027年度の学生募集要項から整理しました。オンライン面接の日程選び、学部・コース別の第2次選考、自己推薦・志望理由書の設問、スタナインによる合否条件まで解説します。
鳥取大学の総合型選抜Ⅰは、第1次選考が自宅からのオンライン面接です。
Zoomを使い、9月18日から30日のあいだに行われます。しかも試験日は出願のときに自分で選びます。先着順なので、希望の日が埋まっていることもあります。
用意するのは、カメラとマイクとイヤホン、そして安定した回線がある個室。通信トラブルに備えて、面接に使う機器とは別の緊急連絡先(すぐに使える固定電話でも可)も準備します。機器や環境が用意できない場合は、大学に行って大学の機器で受けることもできます。
一方、共通テストを課す総合型選抜Ⅱの工学部では、共通テストの得点を1〜9の9段階(スタナイン)に置き換えて採点します。合否の前提になるのは、たとえば機械物理系学科なら4科目の段階の合計が36点満点で18点以上という条件です。
同じ大学の総合型選抜でも、ⅠとⅡはまったく別の入試だと考えたほうがいい設計です。
この記事は、公開されている2027年度(令和9年度)の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:鳥取大学 学生募集要項/令和9年度 総合型選抜Ⅰ 学生募集要項(PDF)/令和9年度 総合型選抜Ⅱ 学生募集要項(PDF)
募集人員
| 選抜 | 学部・学科・コース | 募集人員 |
|---|---|---|
| 総合型選抜Ⅰ(共通テストなし) | 地域学部 地域学科 地域創造コース | 12人 |
| 地域学部 地域学科 教育科学コース | 8人 | |
| 地域学部 地域学科 国際地域文化コース | 7人 | |
| 農学部 生命環境農学科 | 12人 | |
| 総合型選抜Ⅱ(共通テストあり) | 地域学部 地域学科 教育科学コース〔地域教員希望枠〕 | 5人 |
| 工学部 機械物理系学科 | 15人 | |
| 工学部 電気情報系学科 | 12人 | |
| 工学部 化学バイオ系学科 | 12人 | |
| 工学部 社会システム土木系学科 | 20人 |
Ⅰが合計39人、Ⅱが合計64人です。合格者が募集人員に満たない場合は、その分を一般選抜の合格者で補います。
総合型選抜Ⅰの日程
| 日程 | |
|---|---|
| 出願 | 9月1日〜7日(消印有効。ネット登録は8月26日から) |
| 第1次選考(オンライン面接) | 9月18日〜30日のうち、出願時に選んだ日 |
| 第1次選考の結果 | 10月7日 |
| 第2次選考 | 10月17日(土)・18日(日) |
| 合格発表 | 11月2日 |
| 入学手続期限 | 11月9日 |
第1次選考は書類選考とオンラインの個人面接です。要項は、英語の民間試験をはじめ高難度の資格も評価するとしています。通信環境を確認するための事前接続テストも日程が決まっていて、選んだ試験日によって実施日が変わります。
自己推薦・志望理由書は、合計2,000字をネット入力
総合型選抜Ⅰの出願書類のうち、志望理由にあたるものはインターネット出願サイトに直接入力します。紙に書いて郵送する形式ではありません。
| 入力する内容 | 字数 |
|---|---|
| 高校時代にがんばった活動を、9つの選択肢から3つまで選ぶ(部活動/生徒会活動/委員会活動/学業/研究活動/ボランティア活動/地域での活動/留学/その他) | — |
| そのうち最も力を入れて取り組んだ活動の具体的な内容と、その活動で自分が成長したこと | 800字以内 |
| 学科・コースを志望する理由 | 400字以内 |
| 大学在学中に最も取り組みたい活動の内容 | 400字以内 |
| 大学卒業後に社会でどのように活躍したいか | 400字以内 |
これに加えて、資格・検定・表彰を最大5つまで入力します(名称・スコア・取得年月の3項目。英語の資格は合格証などの写しも提出)。
入力は一字下げも改行もしない指定です。さらに、15分操作しないと接続が切れて入力中の文章が消えることがあるため、大学は準備シートで文章を作ってから貼り付けるよう案内しています。
合計2,000字を、改行なしの一続きの文章で書く。下書きは必ず別に作ってください。
生成AIについての記載もあります。出願書類の作成に使うことは禁止しないが、個人情報を入力しない、出力を鵜呑みにせず他の方法で調べた情報と照らし合わせる、志望理由書などは受験者本人の責任で自分の考えに基づいて書く、という内容です。
第2次選考は、コースごとに2日間の組み立てが違う
| 学科・コース | 10月17日(土) | 10月18日(日) |
|---|---|---|
| 地域学科 地域創造コース | スクーリング(地域創造に関する基礎的講義)10:00〜11:30 → 課題論文(講義内容の理解力・論理的表現力を問う小論文)13:00〜14:30 | グループディスカッション(講義内容を素材にしたテーマで討論)9:30〜12:00 → 個人面接13:30〜17:00 |
| 地域学科 教育科学コース | 小論文(地域教育に関する課題文。英文を含む)と口頭発表 10:00〜12:00/13:30〜17:00 | グループディスカッション9:30〜11:00 → 個人面接12:30〜16:00 |
| 地域学科 国際地域文化コース | グループディスカッション(与えられた課題に関する口頭発表と質疑応答)12:00〜17:00 | 課題論文(文化・コミュニケーションに関する課題)9:30〜11:00 → 個人面接13:30〜17:00 |
| 農学部 生命環境農学科 | 課題論文(農学などに関する課題。課題は第1次選考の合格者に知らせる)→ グループディスカッション(当日与えられるテーマ)12:45〜17:00 | 個人面接(英語の基礎知識を問う試問を含む)9:00〜17:00 |
4つとも、講義や課題文を受けて書き、討論し、最後に面接という流れです。順番が違うだけで、見ているものは近い。
特徴を3つ挙げます。
教育科学コースの小論文には英文が含まれます。地域教育に関する課題文をもとに書き、そのうえで口頭発表もします。
国際地域文化コースの面接では、外国語の力が問われることがあります。英語だけでなく中国語や韓国語などの外国語能力試験、世界遺産検定や漢字検定といった資格、活動経験も評価対象です。
農学部の課題論文は、テーマが第1次選考の合格者にだけ知らされます。出願の段階では何が出るかわかりません。
合否は第1次・第2次とも総合点の高い順。第1次で同点の場合は、面接の得点が高い人が上位になります。
総合型選抜Ⅱ——共通テストの使い方が独特
地域学部 教育科学コース〔地域教員希望枠〕5人
この枠には、鳥取県教員養成奨学金を必ず受給することを確約できるという出願要件があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 奨学金の額 | 月6万円 |
| 貸付期間 | 入学月から卒業月まで(48か月分を限度) |
| 返還免除の条件 | 卒業後3年以内に鳥取県内の学校で任期の定めのない教員になり、引き続き6年間その業務に従事したとき |
配点は共通テスト600点+面接200点=800点です。
工学部59人——共通テストを「スタナイン」で採点する
工学部の4学科は、共通テストの得点をそのまま使いません。受験者を得点順におおよそ4%・7%・12%・17%・20%・17%・12%・7%・4%の群に分け、1〜9の9段階に換算します。これをスタナイン(段階表示)と呼びます。
| 学科 | 共通テスト(スタナイン) | 面接 | 合計 | 合否の前提条件 |
|---|---|---|---|---|
| 機械物理系 | 45 | 10 | 55 | 4科目の段階合計(36点満点)が18点以上 |
| 電気情報系 | 54 | 8 | 62 | 数学2科目の合計(18点満点)が10点以上、かつ4科目合計が18点以上 |
| 化学バイオ系 | 36 | 10 | 46 | 4科目合計が16点以上 |
| 社会システム土木系 | 36 | 10 | 46 | 4科目合計が16点以上 |
条件を満たした志願者の中で、総合点の高い順に合否を決めます。電気情報系と社会システム土木系には、条件を満たす志願者が募集人員に満たない場合の救済の手順も書かれています。
素点で何点取れたかではなく、全国の受験者の中でどの段階にいるかで見られるということです。自己採点をしたら、段階に置き換えて考えてください。
日程は、出願11月2日〜6日、面接11月21日(土)9:30〜、合格発表は2027年2月10日。自己推薦・志望理由書は300字以内の設問が2つ(高校時代に力を入れた活動とそこで得たもの/学科で学びたいこと・挑戦したいこと)と、Ⅰより短くなります。
合格したあと
総合型選抜Ⅰの合格者は、原則として入学を辞退できません(2027年2月17日までに辞退願を出して許可された場合を除く)。合格者は本学や他の国公立大学を受験しても、合格者にはなりません。
合格から入学まで約5か月あることをふまえて、入学前教育が用意されています。11月14日にZoomでのWeb研修(プログラムの説明、合格者と教員の自己紹介、在学生との相談会)があり、そのあとe-Learningやレポート提出が続きます。e-Learningの費用は自己負担で5,500円(予定額)です。
どこから手をつけるか
総合型選抜Ⅰなら、まず自己推薦・志望理由書の2,000字です。
800字+400字×3を改行なしで書き、出願サイトに貼り付ける。ワープロで下書きを完成させてから出願作業に入るのが前提になります。9月1日の出願開始までに書き上げておいてください。設問は「活動→志望理由→在学中→卒業後」と時間順に並んでいるので、一本の線がつながっているかを読み直すと質が上がります。型は志望理由書の完全ガイドにまとめました。
次にオンライン面接の練習です。
自宅から受ける以上、通信環境と部屋の準備も試験のうちです。イヤホンを着けて、カメラ目線で、画面越しに話す。対面とは勝手が違うので、一度は実際にZoomで誰かに面接してもらってください。質問の型は面接の頻出質問が使えます。
第2次選考は「講義→書く→話す」の反復が効きます。
公開講座やオンライン講義を1本見て、90分で論文にまとめ、翌日その内容について誰かと討論する。この形なら地域創造コースにも農学部にも対応できます。討論の作法はグループディスカッションの対策を、書く手順は小論文の書き方 完全ガイドを参照してください。
教育科学コース志望なら、英文を含む課題文に慣れておくこと。英文課題文型の小論文で形式を確認しておきましょう。
総合型選抜Ⅱの工学部志望なら、共通テストの対策がそのまま入試対策です。面接の配点は8〜10点しかありません。数学・理科・外国語の段階を1つ上げることに時間を使ってください。
まとめ
- 鳥取大学の総合型選抜は、Ⅰ(共通テストなし)39人とⅡ(共通テストあり)64人
- Ⅰは地域学部(地域創造12・教育科学8・国際地域文化7)と農学部(生命環境農学科12)
- Ⅰの第1次選考はZoomのオンライン個人面接。9月18日〜30日から出願時に日程を先着で選ぶ。事前接続テストもある
- Ⅰの出願書類はネット入力の自己推薦・志望理由書。800字+400字×3の合計2,000字を改行なしで書き、資格・検定・表彰は5つまで
- 生成AIについては「利用を禁止しないが、本人の責任で自分の考えに基づいて書くこと」と要項に明記
- Ⅰの第2次選考は10月17日・18日の2日間。講義や課題文→課題論文→グループディスカッション→個人面接(コースで順番が違う)
- 教育科学コースの小論文には英文が含まれる。農学部の面接には英語の基礎知識の試問が含まれ、課題論文のテーマは第1次選考の合格者にだけ知らされる
- Ⅱの地域学部は〔地域教員希望枠〕5人で、鳥取県教員養成奨学金(月6万円)の受給確約が出願要件
- Ⅱの工学部は共通テストをスタナイン(9段階)に換算。4科目の段階合計が18点以上(化学バイオ・社会システム土木は16点以上)が合否の前提
- Ⅰの合格者は原則として辞退できない。入学前教育(Web研修+e-Learning、自己負担5,500円)がある
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