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岡山・広島の公立大学の総合型選抜。広島市立の日本画専攻は8時間の着彩写生、福山市立の情報工学部は数学と情報の学力検査が5割、叡啓大学はオンラインで英語でも面接する

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岡山県・広島県の公立大学について、2027年度の総合型選抜を学生募集要項で確かめました。実施するのは広島市立大学(国際・情報科学・芸術)・叡啓大学・岡山県立大学・福山市立大学(情報工学部)・新見公立大学(健康保育学科)・県立広島大学の6校。学部・専攻ごとの配点と日程、広島市立大学芸術学部と岡山県立大学デザイン学部の実技、叡啓大学の専願枠と併願枠の違い、新見公立大学のポスター発表までを解説します。

岡山・広島の公立大学の総合型選抜は、「書類と面接」だけで決まる入試がむしろ少数派です。

広島市立大学の芸術学部には8時間の着彩写生があり、岡山県立大学のデザイン学部は120分の実技、福山市立大学の情報工学部は数学と情報の学力検査が配点の5割。叡啓大学はオンラインでグループディスカッションをして、面接の一部を英語で行い、新見公立大学の健康保育学科は模造紙1枚のポスターで8〜10分の発表をします。

この記事は、岡山県・広島県の公立大学について、2027年度の学生募集要項で総合型選抜の中身を確かめて整理したものです。

必ず志望大学・学部の最新の学生募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願資格は年度によって変わります。 出典:広島市立大学 学生募集要項等/岡山県立大学 入学者選抜要項・学生募集要項/叡啓大学 入試情報・日程・募集要項/福山市立大学 入学者選抜要項/県立広島大学 学部入試/新見公立大学 健康科学部学生募集要項

実施状況

大学 県 2027年度の総合型選抜
広島市立大学 広島 実施:国際学部5名/情報科学部10名/芸術学部25名
叡啓大学 広島 実施:専願枠20名/併願枠30名
岡山県立大学 岡山 実施:保健福祉学部 現代福祉学科7名/デザイン学部3学科 各4名
福山市立大学 広島 実施:情報工学部15名(教育学部・都市経営学部は実施なし)
県立広島大学 広島 実施:地域創生学部 国際共生コース10名/生物資源科学部 地域資源開発学科9名
新見公立大学 岡山 実施:健康科学部 健康保育学科10名(看護学科・地域福祉学科は実施なし)
尾道市立大学 広島 2027年度に公表されている学生募集要項は一般選抜・学校推薦型選抜・私費外国人留学生選抜・編入学のみ

6校の日程を並べます。

大学・学部 出願期間 試験日 合格発表
県立広島 9月1日〜8日(消印有効) 10月3日 11月1日
岡山県立 9月1日〜7日(書類) 10月3日・4日(学科ごとに指定) 11月1日
新見公立(健康保育) 9月7日〜18日 10月11日 11月2日
叡啓(専願枠) 9月1日〜7日正午 10月17日(オンライン) 11月1日
広島市立(国際・情報科学) 9月2日〜9日 10月17日 11月2日
福山市立(情報工学) 9月3日〜9日 10月17日 11月2日
広島市立(芸術) 10月7日〜15日 11月21日(日本画・油絵は22日まで) 12月2日
叡啓(併願枠) 10月26日〜11月4日正午 12月7日または8日(オンライン) 12月18日

10月17日に、叡啓(専願枠)・広島市立(国際・情報科学)・福山市立の試験が重なります。ただ、3つとも「合格したら入学を確約する」条件つき(叡啓の専願枠は第1志望が条件)なので、もともと並べて受ける設計ではありません。秋にどの1校に賭けるかを先に決める入試です。

広島市立大学——3学部で40名、学部ごとに別の入試

広島市立大学の総合型選抜は、国際学部・情報科学部で1冊、芸術学部で1冊の学生募集要項が出ています。共通しているのは、共通テストを使わないことと、合格したら必ず入学を確約すること。合格すると、本学と他の国公立大学の一般選抜を受けても合格者になれません。

国際学部(5名)——小論文60分と、7分のプレゼンを含む面接20分

段階 内容 配点
1次選考(書類) 活動報告書50点+学修計画書50点。募集人員の2倍程度を2次選考の対象に 100
2次選考(10月17日) 小論文 9:30〜10:30(60分) 100
面接 12:00〜(プレゼンテーションを含む20分程度) 100

1次選考の点数は2次選考に加算されません。2次は小論文と面接の200点で決まり、同点の場合は面接の得点が高い人から合格です。1次選考の結果は10月2日正午に出ます。

小論文は「社会問題や社会情勢等について日本語で書かれた評論等を読み、その内容を踏まえた600字程度の小論文」。60分で読んで書くので、読むのに時間をかけすぎない練習が要ります(小論文の時間配分)。

面接は、最初に7分以内で活動報告書と学修計画書をもとにプレゼンテーションをして、そのあと質疑。国際学部に関連した基礎知識や、調査書・参考資料などについても聞かれます。パワーポイントやホワイトボードへの掲示は任意で、使う場合はWeb出願のときに方法と持参物を登録します(出願後は変更できず、登録していない物は持ち込めません)。

  • パワーポイント:大学がプロジェクター・スクリーン・パソコンを用意。データを入れたUSBメモリを2本持参(1本は職員に預ける、1本は予備)。インターネットは使えない。投影できない場合に備え、PDF版とA4印刷のスライド1部も用意
  • ポスター等の掲示物:面接室のホワイトボードに掲示(マーカーとマグネットは大学が用意)

要項は「発表の時間が超過すると、質疑の時間が十分に確保できなくなります」とはっきり書いています(プレゼン型入試)。

出願書類の活動報告書は「国際学部で学びたいことと関連するこれまでに最も力を注いだ活動」と、それ以外にアピールできる活動(学部と関連していなくてもよい)。学修計画書は、カリキュラムの中で「中心的に学んでみたいプログラムや科目」と、「取り組んでみたい活動(研究・調査、海外留学、地域貢献活動、課外活動など)」の計画を、それぞれ理由とともに書きます。どちらも図表や画像は入れられません。参考資料は任意で、3件・合わせて5ページ以内(A4モノクロ片面、動画は不可)です。

情報科学部(10名)——面接と口頭試問で30分

段階 内容 配点
1次選考(書類) 活動報告書50点+志願理由書50点。募集人員の2倍程度を2次選考の対象に 100
2次選考(10月17日 9:30〜) 面接(プレゼンテーション7分程度+質疑応答) 100
口頭試問 100

1次選考で重点的に見るのは、情報工学・情報科学に関する学修や活動です。要項は例として、大学が実施する「高校生による情報科学自由研究」での取組、本学や他大学の講座・高大接続事業、「総合的な探究の時間」での取組、数学に関する探究、アルゴリズム・プログラムの作成を挙げています(正課・正課外どちらでも可)。

2次選考は面接と口頭試問を合わせて30分程度。面接では、これまでの学びや頑張りを大学でどう伸ばし、将来どう役立てたいかを、自分で持ち込んだパソコンやタブレットでPowerPointやPDFを使って7分程度で説明します(プロジェクターはHDMI接続、インターネットは使えない)。投影できない場合に備えて、A4に印刷したスライドを4部持参します。パソコン等を用意できない人は、10月9日17時までに大学へ相談することになっています。

口頭試問は独特です。

要項によると、口頭試問はプレゼンで述べた情報工学・情報科学の用語や話題をもとに、面接の流れの中で複数回に分けて行われます。確かめるのは、その用語の背景や関連する知識まで理解しているか、活動がその知識に基づいて深く考えられたものか。しかも評価の対象は最終的な答えだけでなく、「その過程も含まれます」と明記されています。

つまり、自分のプレゼンに入れた専門用語が、そのまま試問の出題範囲になります。「なんとなく知っている用語」をスライドに入れると、そこから崩されます。説明できない言葉は使わないのが最大の対策です(口頭試問の対策、情報・理工系の小論文対策)。

国際学部・情報科学部の合格発表は11月2日正午。不合格だった人は、9月中旬公表予定の学校推薦型選抜(国際学部・情報科学部)の要項で出願資格と推薦要件を確かめたうえで、改めて出願できます。

芸術学部(25名)——小論文は全専攻共通、実技は専攻でまったく違う

学科・専攻 募集人員 2段階選抜の条件
美術学科 日本画専攻 2 志願者が募集人員の4倍を超えた場合
美術学科 油絵専攻 7 2倍を超えた場合
美術学科 彫刻専攻 4 3倍を超えた場合
デザイン工芸学科 12 2倍を超えた場合

出願は10月7日〜15日、2段階選抜の有無と結果は11月2日、本選考は11月21日(日本画と油絵は22日まで)、合格発表は12月2日です。提出書類の得点と本選考の得点を合計して合否を決め、合格最低点で同点の場合は全員合格とします。

配点(すべて合計1,000点)

日本画 油絵 彫刻 デザイン工芸
自己推薦書 100 100 100 100
作品ファイル 150 150 200 200
課題作品の写真 — 150 200 —
小論文(60分・800字程度) 100 100 100 100
実技 500(人物モデルの着彩写生8時間) 300(人物モデルの素描6時間) 150(卓上モチーフの鉛筆素描2時間) —
課題作品 — — — 300(10日間程度の制作期間を想定した課題)
面接 150(面接資料を含む) 200(面接資料を含む) 250 200

小論文はどの専攻も同じ形式です。設問に対して60分で800字程度を書く作文で、配付された画像資料を見て、そこから得られる自分の考えを自分の言葉で、読み手に正しく伝わるように論じます。文章ではなく画像が題材になる点に注意してください(芸術系の小論文対策)。

専攻による違いが大きいのは次の点です。

  • 日本画は実技が500点で、全体の半分。8時間の着彩写生(用紙・画板・イーゼルは大学が用意、水彩絵具か顔彩絵具を持参)。面接には鉛筆素描と静物着彩写生を含む平面作品3点(B2程度まで)を持参し、3分程度のプレゼンを含めて20分程度
  • 油絵は課題作品の写真(150点)を出願書類として出し、試験2日目の面接に実物を持参。実技は木炭(または木炭と鉛筆の併用)
  • 彫刻は作品ファイルと課題作品の写真で400点、面接250点。実技は2時間と短い
  • デザイン工芸学科は実技がない代わりに「課題作品」300点。テーマは本選考の10日程度前に大学サイトで発表され、作品の写真をA4で出力して試験当日に提出。面接は5分のプレゼン+15分の質疑

面接でのプレゼンテーションには、どの専攻もパソコン等を使えません。

叡啓大学——専願枠20名と併願枠30名、どちらもZoomでGDと面接

叡啓大学の総合型選抜は、専願枠(9月出願)と併願枠(10〜11月出願)の2つです。2次選考はどちらもオンライン(Zoom)で、午前にグループディスカッション、午後に個人面接を行う予定です。

専願枠 併願枠
募集人員 20名 30名
条件 第1志望で、合格したら入学を確約 確約は不要
英語 CEFR B1相当以上(下の表) 同じ
出願 9月1日9:00〜9月7日正午 10月26日9:00〜11月4日正午
1次選考 原則として実施しない(志願者が募集人員の2.0倍を超えたら書類選考の場合あり)。結果は10月2日正午 書類選考。結果は11月27日正午
2次選考 10月17日(オンライン) 12月7日か8日の大学が指定する1日(オンライン)
合格発表 11月1日正午 12月18日正午
志望理由書 A4・3ページ以内(1ページ1,600〜1,800字程度) A4・1ページ以内(1,800字程度)
小論文 なし 出願書類として提出(テーマ・参考資料・作成方法は大学サイトで公表)

2次選考の中身は両枠共通です。

  • グループディスカッション(午前):大学が指定したテーマについて、日本語で行う。テーマ・参考資料・事前課題などは大学サイトで公表される
  • 個人面接(午後):出願書類とグループディスカッションの内容をもとに、日本語の質疑応答と英語の質疑応答。英語のパートで評価するのは「英語でコミュニケーションを行うことに対する姿勢など」

英語の面接と聞くと身構えますが、要項が評価の対象に挙げているのは流暢さではなく姿勢です。まずは自己紹介と志望理由を、短い英語で話せるように練習しておきましょう。GDのほうは、事前にテーマが公表されるので、資料を読み込んで自分の立場を決めてから臨めるのが大きい。進め方はグループディスカッションの対策にまとめています。

出願要件の英語資格(成績証明書は2年以内のもの)

試験 基準
英検 2級合格以上
IELTS(Academic) 4.0以上
TOEFL iBT 42以上(2026年1月21日以降の受験はバンドスコア3.0以上)
TOEFL ITPテスト デジタル版(叡啓大学特別試験) 433以上
Duolingo English Test 60以上
TEAP 225以上
GTEC CBT/GTEC(検定版)Advanced 930以上
Cambridge English/Linguaskill(General) 140以上
PTE Academic 43以上
TOEIC L&R+S&W 1150以上(S&Wを2.5倍してL&Rと合計)

スコアが「取得見込み」の場合は、成績証明書の提出期限を専願枠は9月24日、併願枠は11月24日まで延ばせます。資格試験を受けていない人向けに、大学がオンラインで実施するTOEFL ITPデジタル版(叡啓大学特別試験)もあります。

活動報告書(両枠共通)は、学習・部活動・コンクール・地域活動・ボランティアなど自分が誇れる活動を最大3つ取り上げ、「なぜその活動を誇りに思うのか」を書くもの(A4・3ページ以内)。参考資料も最大3つ出せて、PDF1ファイル10MB以内、YouTubeなどのURLは含めてよいが、Googleドライブなどの共有リンクは不可です(活動報告書に書くことがないとき)。

専願枠と併願枠のつながりも押さえておきましょう。

  • 専願枠の2次選考を受けて不合格だった人は、併願枠(と学校推薦型選抜)の1次選考が免除される
  • 併願枠と学校推薦型選抜を同時に受けて、推薦で合格した場合は「学校推薦型選抜の合格者」として扱われる
  • 併願枠と学校推薦型選抜のグループディスカッションは、同じテーマを使う

オンライン試験は、自宅などの静かな部屋で、ビデオ通話ができるパソコンかタブレットとマイク付きイヤホン(またはヘッドセット)を使います。有線LANのパソコンが推奨で、スマートフォンは非推奨。Zoomの表示名は受験番号にし、バーチャル背景は使えません。試験の様子は大学が録画します。

岡山県立大学——デザイン学部は120分の実技、現代福祉学科は英語と「公共」の試問

学部・学科 募集人員(入学定員) 試験 配点
保健福祉学部 現代福祉学科 7(35) 個人面接(英語と公民「公共」の試問を含む)及び書類審査 100
デザイン学部 ビジュアルデザイン学科 4(30) 実技「与えられた条件(図や文章)を満たす立体物の描写」120分・B3イラストボード 200/個人面接及び書類審査 200 400
デザイン学部 工芸工業デザイン学科 4(30) 実技「鉛筆デッサン」120分・B3イラストボード 300/個人面接及び書類審査 200 500
デザイン学部 建築学科 4(30) 実技「与えられた条件(図や文章)を満たす図形の作図」120分・A3用紙 200/個人面接及び書類審査 200 400

共通テストは評価の対象にしません。出願資格に「合格した場合必ず入学することを確約できる者」とあり、ここも専願です。

日程は、インターネット出願登録が8月26日〜9月7日16:59、書類の提出が9月1日〜7日(郵送は9月6日消印の簡易書留速達まで)。試験は10月3日か4日のうち大学が指定する1日(デザイン学部は、実技を2日に分けて両日になる場合あり)、合格発表は11月1日です。時間割は実技が10:00〜12:00、面接が13:00〜17:00。現代福祉学科の面接は午前の部と午後の部に分かれます。

デザイン学部の実技で見るものは、学科ごとに書かれています。

  • ビジュアルデザイン学科:読解力、空間や立体物の把握力、思考に基づく判断力、技術力。条件(図や文章)を読み取るところから試験が始まる
  • 工芸工業デザイン学科:限られた時間内に対象を理解し構成する能力と、観察に基づく思考力・判断力・表現力。配点は実技が300点で最も重い
  • 建築学科:空間や立体物の把握力と、思考に基づく判断力・表現力

持参品は黒鉛筆と消しゴム(ビジュアルデザイン・工芸工業デザインはねりゴム可、羽ぼうきも可。イーゼルとカルトンは使えません)。また、定規・コンパスなどの補助具は使用できないと要項に明記されています。建築学科の「図形の作図」も、補助具なしで描く前提で練習しておきましょう。

面接・書類審査で4学科に共通するのは、「岡山創生学課程」(副専攻)の受講意欲です。4学科とも、岡山県をはじめ地域社会・国際社会の発展に貢献しようとする意欲を、この課程の受講意欲とあわせて評価すると明記しています。現代福祉学科では「受講意欲を重視しつつ」とまで書いています。志望理由書と面接で、岡山の地域課題と自分の学びをどうつなげるかを語れるようにしておきましょう(福祉系の小論文対策、芸術系の小論文対策)。

現代福祉学科の書類審査では、調査書のほか資格・検定試験の成績、研究活動やボランティア活動の実績、海外留学などの経験も確認します。試問(公共)では基礎的な知識と、それに基づく論理的な思考力・判断力・表現力を評価します。

なお要項の個人情報の取扱いの項には、試験成績の利用目的として「入試情報の提供」が挙げられ、その例に合格者の最高点・最低点の公表と、実技の模範解答の公表(大学サイトへの掲載、オープンキャンパス等の入試説明会での閲覧など)が並んでいます。デザイン学部を受ける人は、オープンキャンパスや入試説明会で実技の模範解答を見られる機会がないか、確かめておきましょう。

福山市立大学——2027年4月開設の情報工学部、配点の5割が数学と情報

福山市立大学の総合型選抜は、2027年4月に開設する情報工学部だけで行います。教育学部・都市経営学部の選抜区分は、一般選抜・学校推薦型選抜・社会人入試・私費外国人留学生選抜で、総合型選抜はありません。

選抜方法 内容 配点比率
学力検査(数学・情報) 出題範囲:数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・C、情報Ⅰ 50%
面接 調査書・志望理由書・活動報告書を踏まえた面接 20%
出願書類 調査書・志望理由書・活動報告書 30%

募集人員は15名(入学定員80名)。共通テストは免除で、合格したら入学を確約することが出願資格です。出願は9月3日〜9日、試験は10月17日、合格発表は11月2日。

学力検査は「高校数学及び情報の基礎的な内容を理解しているか」を問うもので、要項は測りたい力として数理的センスと応用力、基礎的な解析能力、そしてアルゴリズム的思考力、データ活用能力、プログラミング力を挙げています。書類と面接だけの総合型選抜のつもりで準備すると、配点の半分を落とします。数学Cまで範囲に入ることにも注意してください。

面接では、本学で学ぶ目的意識の明確さ、主体的な学修意欲、将来構想に加えて、「対話を通じて柔軟かつ適切に応答する姿勢」を評価します(情報・理工系の小論文対策)。

同じ「情報系の総合型選抜」でも、広島市立大学の情報科学部は口頭試問、福山市立大学は筆記の学力検査です。どちらも試験日は10月17日で、どちらも入学確約が条件なので、出願する9月上旬までに、どちらの形式で勝負するかを決めておく必要があります。

新見公立大学——健康保育学科10名、ポスター発表を含む30分の面接

新見公立大学(岡山県新見市)の総合型選抜は、健康科学部 健康保育学科だけで行います(看護学科・地域福祉学科では総合型選抜を行いません)。卒業時に保育士登録資格、幼稚園教諭一種免許状、特別支援学校教諭一種免許状が得られる学科です。

項目 内容
募集人員 10名(地域優先〈新見市内〉1名・全国公募9名)
出願資格 高校を2024年3月〜2026年3月に卒業した人、または2027年3月卒業見込みの人で、第一志望(専願)・合格したら入学を確約できる人
出願 インターネット出願登録 9月7日10時〜9月18日13時/書類提出 9月18日17時まで
試験日 10月11日(受験者が多い場合、面接が10日と11日の2日間になり、9月30日までに個別連絡)
時間割 10:00入室完了、小論文10:30〜11:30、面接12:50〜
配点 小論文100点+面接200点=300点
合格発表 11月2日

地域優先枠は、新見市内の高校の卒業(見込み)者か、本人または保護者が入学月の1年前(2026年4月1日)から引き続き新見市に住民票がある人が対象で、出願すると全国公募枠にも併願したことになります。また、出願資格の卒業時期に「2024年3月以降」という区切りがあります。広島市立・叡啓・岡山県立・福山市立の出願資格にはこうした卒業年の区切りがなく、逆に県立広島大学は2026年4月1日以降の卒業者に限っているので、既卒の人は大学ごとに確かめてください。

面接の200点には、「自分についての説明書」・プレゼンテーション・個人面接がまとめて入ります。しかも要項に「面接の得点が、平均点の50%以上の者を合格候補者とします」とあるので、小論文がよくても面接で平均の半分に届かなければ合格できません。

「自分についての説明書」は3枚構成

出願時に出す「自分についての説明書」は、手書きでもパソコンでも作れます。

様式 内容
様式1(A3・1ページ) これまでの私:主体的に続けてきた活動を1〜3つ選んで、ひとつの「自分史(年表)」にまとめる。高校入学前の活動を少なくとも1つ含め、時間軸がわかるように
様式2(A4・2ページ) 現在の私:様式1の活動を今の自分がどう捉えているか。その活動が今の自分をどう形作ったか
様式3(A4・2ページ) 入学後の私:入学後の目標と卒業後の自己像を、4年間の主体的な学びに触れながら

様式1の注意事項が具体的です。活動は保育・教育に関係していなくてよく、結果も問われません。その代わり、活動ごとに①努力のプロセス、②そこから得たこと、③活動の中で大切にしてきたことを必ず書き、番号を付けて示します。表現方法は文章・イラスト・図・写真・新聞記事など自由ですが、イラスト・図・写真は自作に限り、二次元バーコードは貼れません。

「結果は問わない」と明記されている以上、賞や実績の大きさで勝負する書類ではありません。何を続け、どう努力し、何を大事にしてきたかを、年表の形で見せる書類です(活動報告書に書くことがないとき)。

ポスター発表は8〜10分、延長なし

面接は複数の面接官による個人面接30分程度で、最初に「自分についての説明書」を踏まえたプレゼンテーションをします。

  • ポスターを使って8分間から10分間。延長は認めない
  • ポスターは模造紙1枚分(最大1,091mm×788mm)まで、自作に限る
  • 口頭発表が基本。ダンス・演技・歌唱など実技を伴う発表はできない
  • 持参したパソコン・電子機器・録音音声・動画・楽器は使えない
  • 面接室に持ち込めるのはポスターと発表原稿だけ。面接官に資料を配ることもできない
  • 面接室には指示棒・ホワイトボード・磁石・置き時計がある

8分を下回ってもいけない点に注意してください。広島市立大学の「7分以内」とは逆に、話す量が足りないと規定を満たせません。模造紙1枚に年表の要点を載せ、その前で8〜10分話し切る練習をしておきましょう(プレゼン型入試の対策、探究の発表)。プレゼンに関する質問は10月1日12時まで受け付けています。

小論文は、保育の実践記録を読んで書く

新見公立大学は、2026年度の総合型選抜の小論文問題と採点基準を大学サイトで公開しています。2026年度は、幼稚園の5歳児クラスの担任が書いた保育の実践記録を読んで、2問に答える形式でした。

  • 設問(A):記録の中の子どもたちの行動の理由を、子どもの心の変化を踏まえて200字以内で説明する
  • 設問(B):子どもをどのような存在として捉えているかを、自分の経験を踏まえて400字以内で述べる

採点基準も公開されていて、設問(A)は「要点を押さえて的確にまとめているか」、設問(B)は「課題に合った内容か」「主題が明確か」「段落構成・文章構成は適切か」「論旨に一貫性があるか」。どちらにも字数制限・原稿用紙の使い方・文字表記が入っています。(A)は読み取りの要約、(B)は経験を根拠にした意見文という、役割の違う2問です。2027年度も同じ形式とは限りませんが、まず公開問題を60分で解いてみてください(過去問の入手法と使い方、教育学部の小論文対策)。

県立広島大学——10月3日に、10分のプレゼン

県立広島大学の総合型選抜は、地域創生学部 地域創生学科 国際共生コース(10名)と生物資源科学部 地域資源開発学科(9名)の2つです。

段階 内容 配点
第1次選抜 志望理由書 100
活動実績報告書及び調査書 100
第2次選抜(10月3日) 面接:国際共生コースは「これまでの主体的な学びの成果と入学後の学修計画」のプレゼン(10分以内)、地域資源開発学科は「地域課題及びその解決方策」のプレゼン(10分程度)+質疑 200

出願は9月1日〜8日(消印有効)、第1次選抜の結果通知は9月24日、合格発表は11月1日正午。志願者が募集人員の2倍を超えた場合は、書類による2段階選抜を行うことがあります。共通テストの受験は不要です。

広島市立大学と違って、第1次選抜の得点も合否判定に使われます(第1次選抜と第2次選抜の得点で判定)。書類の200点がそのまま合計に残るので、志望理由書と活動実績報告書の出来が最後まで効きます。なお出願資格は2026年4月1日以降の卒業者と2027年3月までの卒業見込み者なので、2026年3月以前に卒業した人は出願できません。

活動実績報告書で評価する中身や、学校推薦型選抜との違いは、中国・九州の公立大学 学校推薦型・総合型選抜で詳しく扱っています。

6校の当日の試験を並べる

大学・学部 書く試験 実技・学力検査 面接・発表
広島市立 国際 小論文(評論等を読む・60分・600字程度) — 面接20分程度(7分以内のプレゼン込み)
広島市立 情報科学 — — 面接(7分程度のプレゼン)+口頭試問(計30分程度)
広島市立 芸術 小論文(画像資料・60分・800字程度) 実技(日本画8時間/油絵6時間/彫刻2時間)、デザイン工芸は課題作品 面接20分程度(3分程度のプレゼン込み。デザイン工芸は5分)
叡啓 専願枠・併願枠 併願枠のみ出願時に小論文 — GD+面接(日本語・英語)、オンライン
岡山県立 現代福祉 — — 個人面接(英語・「公共」の試問を含む)
岡山県立 デザイン — 実技120分 個人面接
福山市立 情報工学 — 学力検査(数学・情報) 面接
新見公立 健康保育 小論文(60分。2026年度は200字+400字の2問) — 面接30分程度(ポスター発表8〜10分込み)
県立広島 — — 面接(10分のプレゼン)

準備の順番

1. 出願時期を確認する。この記事を公開した2026年9月13日の時点で、2027年度の出願がまだ残っているのは、新見公立大学(9月18日まで)、広島市立大学 芸術学部(10月7日〜15日)、叡啓大学 併願枠(10月26日〜11月4日)の3つです。ほかの5つの入試(県立広島・岡山県立・叡啓の専願枠・広島市立の国際学部と情報科学部・福山市立)は、9月上旬に締め切られています。来年受ける人は、志望理由書と活動報告書を夏休み中に仕上げる前提で逆算してください。

2. 専願かどうかを決める。県立広島大学と叡啓大学の併願枠を除けば、どれも合格したら入学を確約する入試です。10月17日には叡啓(専願枠)・広島市立(国際・情報科学)・福山市立が重なります。一般選抜との両立をどうするかも含めて、先に方針を決めておきましょう(総合型選抜と一般入試の両立)。

3. 発表の「長さ」に合わせて練習する。広島市立は国際・情報科学が7分(国際学部は超過すると質疑の時間が削られる)、芸術学部は3分程度(デザイン工芸学科は5分程度)。県立広島は10分、新見公立は8〜10分で延長なし。同じ内容でも、7分と10分では作り方が違います。必ずタイマーで計ってください。

4. 筆記・実技は、本番と同じ時間と画材で。広島市立の8時間着彩写生、岡山県立の120分実技、福山市立の数学・情報は、面接対策をいくらしても点になりません。書類と面接の対策に時間を取られて、ここが手薄になるのが一番危ないパターンです。

まとめ

  • 岡山・広島で2027年度に総合型選抜を実施する公立大学は、広島市立・叡啓・岡山県立・福山市立・新見公立・県立広島の6校
  • 広島市立大学は3学部で40名。国際学部は小論文+面接、情報科学部は面接+口頭試問、芸術学部は小論文・実技・面接で合計1,000点(日本画は実技500点)
  • 叡啓大学は専願枠20名・併願枠30名。どちらも英検2級相当以上が出願要件で、2次はZoomでGDと日本語・英語の面接
  • 岡山県立大学はデザイン学部で120分の実技、現代福祉学科で英語と「公共」の試問。4学科とも「岡山創生学課程」の受講意欲を評価
  • 福山市立大学は2027年4月開設の情報工学部15名で、数学・情報の学力検査が配点の50%
  • 新見公立大学は健康保育学科10名。ポスター発表8〜10分を含む面接が200点で、面接が平均点の50%に届かないと不合格
  • 県立広島大学は2学科19名で、第1次選抜の書類点も最終判定に使う

県立広島大学と北九州市立大学の学校推薦型選抜・総合型選抜は、中国・九州の公立大学 学校推薦型・総合型選抜にまとめています。近畿の公立大学の総合型選抜は近畿の公立大学、鳥取・島根・山口の公立大学は鳥取・島根・山口の公立大学の記事で扱いました。

同じ地域の国立大学の総合型選抜は、岡山大学と広島大学 光り輝き入試の記事にあります。総合型選抜の全体像は総合型選抜の完全ガイド、志望校の要項の読み方は大学別対策の作り方を参考にしてください。

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