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東京外国語大学 学校推薦型選抜の対策。2027年度から一段階選抜に変わり、国際社会学部は課題図書が公開されている

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東京外国語大学の学校推薦型選抜を、2027年度の学生募集要項に沿って整理しました。書類選考の一次が廃止された選抜方法の変更、推薦人数の拡大と既卒者の解禁、英語CEFR B2という条件、国際社会学部の課題図書『ビラヴド』までを解説します。

東京外国語大学の学校推薦型選抜は、2027年度入試で大きく変わります。

書類選考による一次選抜がなくなりました。出願が受理されれば、全員が小論文と面接を受けられます。

同時に、推薦できる人数が増え、既卒者(1浪)も推薦できるようになりました。母校からの推薦枠が広がった、ということです。

そしてもう1つ。国際社会学部の小論文は、課題図書があらかじめ公開されています。しかも本を試験会場に持ち込めます。

この記事は、公開されている2027年(令和9年)度の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。東京外国語大学は「募集要項に記載されている選抜方法等とは異なる方法で選抜を実施する可能性があります」と明記しており、変更は「重要なお知らせ」に掲載されます。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:東京外国語大学 学校推薦型選抜/学校推薦型選抜募集要項(2027年度・PDF)/選抜方法の一部変更について(予告・PDF)

2027年度で変わった3点

大学が2026年5月に公表した予告に、変更点がまとまっています。

① 一段階選抜になった

2026年度まで 2027年度から
選抜方法 第1次選考(書類選考)と第2次選考(小論文・面接)による二段階選抜 出願書類の審査、小論文、面接を総合的に判断する一段階選抜
検定料 2回に分けて支払い 出願時に一括払い

大学の説明はこうです。

出願資格(卒業時期等)や各学部の推薦要件(成績基準等)を満たしており、提出書類に不備・不足がないことが確認(出願受理)された方は、全員が小論文および面接試験を受験いただけます。

書類で落ちる段階がなくなりました。出願要件さえ満たせば、必ず試験当日まで進めます。

ただし募集要項には但し書きがあります。

なお、志願者多数の場合は、提出書類による第1次選考を行うことがある。

「原則は全員受験、ただし志願者が多すぎたら書類選考」という設計です。書類の完成度を落としてよい理由にはなりません。

② 推薦人数が増えた

学部 2026年度まで 2027年度から
言語文化学部 1校あたり1名 1校あたり最大2名
国際社会学部 1校あたり1名 1校あたり最大2名
国際日本学部 1校あたり1名 1校あたり最大1名
学校全体の上限 3名 5名

校内選考の競争が緩みます。同じ高校から言語文化学部に2人出せるようになりました。

なお「同一の志願者を複数の学部に推薦することはできない」「各募集単位への推薦人数や現役/既卒者の別の制限は設けない」とあります。

③ 既卒者も出願できるようになった

2026年度まで 2027年度から
卒業時期 2025年4月1日〜2026年3月31日 2025年4月1日〜2026年3月31日、または2026年4月1日〜2027年3月31日

卒業後1年以内の既卒者(1浪)も推薦を受けられます。ただし「出願時にすでに本学に在籍している方は出願できません」。

募集人員——専攻言語・専攻地域ごとに分かれている

合計80名ですが、募集単位がかなり細かいのが特徴です。

言語文化学部 言語文化学科(45人)

募集単位(専攻言語) 募集人員
英語 5人
タイ語/ラオス語/ベトナム語/カンボジア語/ビルマ語 5人
アラビア語/ペルシア語/トルコ語 4人
ドイツ語/フランス語/スペイン語/ロシア語/中国語 各3人
インドネシア語/マレーシア語/フィリピン語 3人
ウルドゥー語/ヒンディー語/ベンガル語 3人
ポーランド語・チェコ語/イタリア語/ポルトガル語/ロシア語及びウズベク語・モンゴル語/朝鮮語 各2人

要項の注記が重要です。

「募集単位(専攻言語)」の中に複数の専攻言語が入っている場合は、各専攻言語の募集人員は1人。ただし、アラビア語は2人。

つまり、ヒンディー語やビルマ語のような言語は、1人だけの枠です。

国際社会学部 国際社会学科(25人)

募集単位(専攻地域) 募集人員
イベリア/ラテンアメリカ、東アジア 各3人
北西ヨーロッパ/北アメリカ、中央ヨーロッパ、西南ヨーロッパ、ロシア・中央アジア、東南アジア第1、東南アジア第2、南アジア、中東、アフリカ 各2人
オセアニア 1人

国際日本学部 国際日本学科(10人)

学科単位で10人です。

なお3学部とも、合格者が募集人員に満たなかった場合、欠員は前期日程の募集人員に加えられます。

出願要件——評定A段階と、英語CEFR B2

ここが最大の関門です。3学部に共通するのは2つ。

① 調査書の学習成績概評A段階

② 英語4技能の資格・検定試験でCEFR B2以上

対象試験はケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定、GTEC、IELTS、TEAP、TOEFL iBT、TOEIC L&R/S&W。

要項の説明が明快です。

本学は、推薦される生徒に高度な英語力を備えていることを求めており、文部科学省が発表する「CEFRとの対照表」によりB2以上を取得していることが推薦の条件となります。

B2の目安はこうです。

試験 B2の基準
実用英語技能検定 準1級以上
GTEC 1190〜1349(新スコア)
IELTS 5.5〜6.5
TEAP 309〜374
TOEFL iBT 72〜94(旧スコア)
TOEIC L&R + S&W 1560〜1840

※TOEICはL&RとS&Wの両方が必要で、S&Wのスコアを2.5倍にして合算して判定します。

学部ごとに、さらに条件がある

学部 追加の推薦要件
言語文化学部 世界のさまざまな地域の言語と文化を積極的に学ぶ意欲/外国語科目において優れた成績
国際社会学部 「世界史探究」を4単位以上履修(見込み含む)/国際的な課題をテーマとする探究的な学習や国際交流活動で特筆すべき成果を修めた者
国際日本学部 国際的な課題をテーマとする探究的な学習や国際交流活動に取り組み、コミュニケーション能力、問題解決力などの国際的な素養を身に付けた者

国際社会学部の「世界史探究4単位以上」は、高2の科目選択で決まります。要項には救済も書かれています。

高等学校等において世界史探究が4単位以上履修選択可能なカリキュラムが組まれているにもかかわらず、履修希望者が少ない等の理由で授業が開講されず(中略)高等学校等を通じて事前に相談すること。

「そもそも4単位以上設定されていない場合」は対象外です。志望するなら、高1のうちに自分の高校のカリキュラムを確認してください。

もう1つ、国際社会学部だけの緩和措置があります。

ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、朝鮮語のいずれかについて、CEFRでB2以上の言語能力を有し、それを証明する文書を提出できる者は、英語の要件はCEFRでB1以上とする。

英語以外の言語でB2を持っていれば、英語は英検2級相当(B1)でよいということです。第二外国語を伸ばしてきた人には大きい条件緩和です。

併願がほぼできない

要項の記述を並べます。

本学を含め、国公立大学・学部の学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す場合、課さない場合を含む)へ出願できるのは、1つの大学・学部のみである。 志願者は、他の国公立大学の学校推薦型選抜と併願することはできない。 同一の志願者が複数の学部を併願することはできない。 本学の「帰国生等特別推薦選抜」「私費外国人留学生選抜」及び「日本留学試験利用選抜」との併願はできない。

そして推薦要件に、こうあります。

出願した場合には、病気や事故などのやむを得ない事由を除き、受験を辞退しないことを確約できる者 *他大学への合格又は入学決定を理由とする受験辞退は、「やむを得ない事由」には該当しない。

私大に受かったから行かない、は認められません。出願の時点で、腹を決めておく必要があります(総合型と一般の併願戦略)。

小論文——学部で出題の作り方が違う

これが記事の本題です。

学部 実施方法 試験時間
言語文化学部 その場で与えられた課題について小論文を課す 9:30〜11:00(90分)
国際社会学部 あらかじめ指定された課題図書に基づく小論文を課す 同上
国際日本学部 その場で与えられた課題について小論文を課す 同上

面接は11:30〜、3学部共通で「志望理由、高等学校等までの学習歴、入学後の学修計画、特筆すべき課外活動・社会活動等に関し、質疑応答」。

国際社会学部の課題図書は『ビラヴド』

要項に書名まで載っています。

課題図書:『ビラヴド』(ハヤカワepi文庫、ISBN:4151200576、トニ・モリスン著、吉田廸子訳、2009年)

そして、扱い方の指定があります。

(注1)受験者は課題図書をあらかじめ精読していること。なお、解答に際しては自分が引用した箇所のページ明記が求められる場合もあるため、当該の課題図書を持参すること。(持参した本の中に傍線や多少のメモ書きを記していても構わない) (注2)試験問題は日本語で出題される。解答も日本語で行うこと。

読み取れることが4つあります。

1. 本を持ち込める。しかも傍線とメモ書きが認められています。これは実質的に「読み込みの跡を持ち込んでよい」ということです。

2. ページ番号を書かせる可能性がある。つまり本文のどこを根拠にしたかを示す答案が求められています。感想ではなく、テキストに即した論述です。

3. 出題も解答も日本語。英語で読む必要はありません。

4. 課題図書は1冊だけ。範囲が確定しているので、準備の密度がそのまま点になります。

課題図書型の小論文を、どう準備するか

やることは決まっています。

① 3回読む。1回目は通読、2回目は傍線を引きながら、3回目は自分の関心で拾い直す。

② 傍線の引き方を決めておく。持ち込めるのは本だけなので、本そのものを索引にします。

  • 主題が動く箇所(転換点)
  • 語り手が変わる箇所
  • 繰り返し出てくる語・イメージ
  • 自分が引用しそうな一文

線の種類や色を分けておくと、90分の試験中に探せます(課題文の線の引き方)。

③ 「この本は何を問うているか」を200字で言えるようにする。設問がどう来ても、この200字が答案の土台になります。

④ 論点を3つ用意する。記憶、語ること、共同体、母と子、自由、名づけ——本を読めば自分の関心が出てきます。それぞれについて根拠になる場面を1つずつ押さえておく。

⑤ 自分の意見を1つ持つ。要項の選抜方針にこうあります。

課題図書の著者の主張を踏まえ自分の考えを論理的に展開することができるかを確認します。

著者の主張を踏まえるが前提です。要約だけでも、意見だけでも足りません(課題文の要約、課題文型小論文の手順)。

なお、書物を読ませて書かせる入試は他大学にもあります。國學院大學の課題図書型、成城大学の1万字の資料、北海学園大学の課題小論文、武蔵野大学 日本文学文化学科の書評型が近い設計です。

言語文化学部・国際日本学部は「その場で与えられた課題」

こちらは範囲が決まっていません。要項の選抜方針にはこうあります。

言語文化学部では、その場で与えられた課題について小論文を書きます。(中略)これにより、本学での学びへの意欲、基礎学力、思考力・判断力・表現力を確認します。

90分で書く前提の準備は、次の3つです。

① 時間配分を固定する

時間 やること
0〜15分 課題を読み、論点を決める
15〜25分 構成メモ。段落ごとの中身を決める
25〜80分 書く
80〜90分 見直し(誤字・字数・主述)

90分は長いようで、書き直す余裕はありません。構成を決めてから書き始めるのが唯一の方法です(構成メモの作り方、小論文の時間配分)。

② 出る領域を絞って読んでおく

言語文化学部と国際日本学部のアドミッション・ポリシーから逆算すると、次のあたりが土台になります。

③ 面接と地続きだと考える

面接は小論文の直後(11:30〜)で、志望理由書と活動報告書をもとに行われます。小論文で書いたことと、面接で話すことがずれないようにしてください(書類と面接の一貫性)。

日程

項目 期日
出願期間 2026年11月1日(日)〜11月5日(木)
選抜期日 言語文化・国際社会:11月28日(土)/国際日本:11月29日(日)
試験場 東京外国語大学(東京都府中市朝日町3-11-1)
合格者発表 2026年12月16日(水)午前10時

2027年度入試から、出願方法がWeb出願専用サイトへの登録+必要書類の郵送に変わります。また冊子体の募集要項は発行されません。

試験当日の注意事項や面接の詳細な時間は、Web出願専用サイトのマイページを通じて2026年11月20日(金)に案内されます。

まとめ

  • 2027年度から一段階選抜。書類選考の一次がなくなり、出願が受理されれば全員が小論文と面接を受けられる(ただし志願者多数なら第1次選考を行うことがある)
  • 推薦人数が拡大。言語文化2名・国際社会2名・国際日本1名、学校全体で3名→5名
  • 既卒者(1浪)も推薦可能になった
  • 検定料は出願時の一括払いに変更
  • 出願要件は評定A段階+英語CEFR B2以上(英検準1級相当)
  • 国際社会学部は「世界史探究4単位以上」が必須。ただし独仏西中韓のいずれかでB2を持っていれば、英語はB1(英検2級相当)でよい
  • 小論文は90分。言語文化・国際日本は当日課題、国際社会は課題図書『ビラヴド』(トニ・モリスン)
  • 課題図書は持参可。傍線とメモ書きも認められる。引用箇所のページ明記が求められる場合がある
  • 他大学への合格を理由とする受験辞退は「やむを得ない事由」に該当しない
  • 募集単位が細かく、専攻言語によっては枠が1人

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