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小論文の結論の書き方。最後の3行で答案の印象は変わる

約7分で読めます

結論は要約ではありません。序論と何が違うのか、何を書けば締まり、何を書くと減点されるのか。使える3つの型と、やってはいけない終わり方、字数の目安までまとめました。

書き出しには時間をかけるのに、結論は余った字数で片づけられます。

そして最後の3行で、それまで積み上げた論が崩れます。

以上のように、この問題は非常に複雑である。私もこれから深く考えていきたい。

本論で立場を決めて根拠まで示したのに、最後に立場を手放してしまっている答案です。採点者が最後に読む部分なので、印象への影響は字数以上に大きい。

結論は「要約」ではない

最も多い誤解がこれです。

800字の答案で、本論を200字かけて要約し直す必要はありません。採点者は数十秒前にそれを読んでいます。

結論の役割は3つのうちどれかです。

役割 中身
立場の確定 検討を経た上で、結局どこに立つのかを言い切る
射程の限定 どの範囲でその主張が成り立つのかを示す
残る問題の名指し 自分の主張でも解けない部分を1つ挙げる

どれか1つで十分です。3つ全部やろうとすると字数が足りません。

使える3つの型

型1|条件つきで言い切る

最も安全で、最も評価されます。

以上より、〜が有効なのは〜という条件が満たされる場合に限られる。その条件を整えないまま〜を進めても、効果は期待できない。

「状況による」を、状況を明示して書いた形です。逃げずに、かつ言いすぎない。

比較を求める設問では特に有効です(「比較して論じよ」の答え方へ)。

型2|優先順位を示す

複数の対策が考えられるテーマで使えます。

〜と〜のどちらも必要だが、順序がある。先に〜を整えなければ、〜は機能しない。

何を先にやるかを決めているので、判断したことがはっきり伝わります。

型3|残る課題を1つだけ挙げる

ただし、この方法では〜の問題は解決しない。そこには〜という別の判断が必要になる。

自分の主張の限界を自分で示す形です。弱さではなく、検討の深さとして読まれます。

ただし1つだけ。2つ以上挙げると、主張そのものが揺らいで見えます。

やってはいけない終わり方

1. 「これからも考えていきたい」

最頻出の失敗です。考えた結果を書く試験で、これから考えると書いている。同じ理由で「今後の課題としたい」「議論を深めるべきだ」も避けてください。

2. 決意表明にすり替える

私は将来、こうした問題に取り組める人間になりたい。

志望理由書ならよいのですが、小論文では論の結論ではなく自分の話になっています。設問が「あなたの考え」を求めていても、求められているのは意見であって抱負ではありません。

3. 新しい論点を出す

結論で初めて出てきた話は、根拠がありません。思いついたなら本論に戻して書いてください。

4. 序論をそのまま繰り返す

同じ文が2回出てくると、字数稼ぎに見えます。同じ立場を、検討を経た言葉で言い直すのが正しい形です。

序論:私は〜すべきだと考える。 結論:〜すべきである。ただし、それが機能するのは〜という条件の下でのことだ。

5. 一般論に戻す

大切なのは、一人ひとりが意識を持つことである。

誰も反対しない文で終わると、それまでの論が消えます。

形式別の締め方

結論に何を置くかは、出題形式によって変わります。

課題文型|筆者の主張との距離を確定する

最後に、自分が筆者のどこまでを受け入れたのかをはっきりさせます。

筆者の指摘は、効率が目的化した場面については正しい。だが、何を成果とみなすかを問い直せるなら、効率そのものが問題なのではない。

賛成でも反対でもなく「ここまでは同じ、ここから違う」を示すのが、最も評価される締め方です。

テーマ型|限定した範囲を明示する

テーマ型では、序論で範囲を絞っているはずです。結論でその範囲を確認します。

ここで述べたのは進路の選択という場面に限った話であり、他の場面でも同じことが言えるとは限らない。

限定は弱さではありません。どこまで言えるかを自覚していることの表明です。

資料型|資料に戻る

意見を書いているうちに資料から離れがちなので、結論で必ず資料に接続し直します。

資料2で参加率の低下が最も大きかったのは現役世代であり、この層が参加できる条件を整えない限り、施設を増やしても状況は変わらない。

場面設定型|自分の権限で締める

判断を書いたあと、それが自分ひとりで決められる範囲かどうかを書いて終わります。

ただし、この判断は私が単独で行えるものではない。指導者に状況を報告し、方針を共有した上で対応する。

手順は「あなたならどうするか」の答え方へ。

字数の目安

答案の字数 結論の字数
600字 60〜90字
800字 80〜120字
1200字 120〜180字

1割前後です。それ以上使っているなら、本論に回してください。

序論と結論を対応させる

書き終えたら、序論と結論だけを続けて読んでください。

  • 立場が同じか
  • 結論のほうが、条件や範囲の点で具体的になっているか

同じことしか言っていなければ、結論が仕事をしていません。逆に立場がずれていたら、本論の途中で論が滑っています。

序論の作り方は小論文の書き出しへ。

時間が足りないとき

残り5分で結論に入れていない場合、次の2文だけ書いてください。

したがって、私は〜と考える。 ただし、それは〜という条件の下でのことである。

40字前後で、立場の確定と射程の限定が両方できます。書きかけで終わるより、はるかにましです。

字数の調整方法は小論文の字数調整にまとめました。

実例:同じ答案の結論を、3通りに書き比べる

本論で「地方のバス路線維持には、行政の補助と、住民側の利用の両方が要る」と論じてきた答案(800字)を想定します。最後の3行だけを比べてください。

まず、要約で終わる結論。

以上のように、バス路線の維持には行政の補助と住民の利用が必要である。地域の交通を守るために、両者が協力していくことが大切だと考える。

本論を短くしただけで、新しい判断がありません。「協力が大切」は誰も反対しない言葉です。

型1(条件つきで言い切る)で書き直すと。

以上より、補助が有効なのは、住民が日常的に使う路線に絞って投じる場合に限られる。誰も乗らない路線を補助で延命しても、廃止の時期が延びるだけである。

型2(優先順位を示す)なら。

補助と利用のどちらも欠かせないが、順序がある。先に朝夕の通学便という「確実に使われる場面」を固めなければ、補助は成果の見えない支出のまま打ち切られる。

どちらの直しも、本論に書いた材料しか使っていません。足したのは条件と順序、つまり判断だけです。結論の3行で差がつくというのは、文章力の差ではなく、最後に判断を下したかどうかの差です。

まとめ

  • 結論は要約ではない。本論の繰り返しに字数を使わない
  • 役割は3つのどれか1つ:立場の確定・射程の限定・残る課題
  • 型1(条件つきで言い切る)が最も安全で評価される
  • 「これからも考えていきたい」「〜になりたい」で終わらない
  • 結論で新しい論点を出さない。一般論に戻さない
  • 字数は全体の1割前後
  • 課題文型は筆者との距離、テーマ型は限定した範囲、資料型は資料への接続、場面設定型は自分の権限で締める
  • 書き終えたら序論と結論だけを続けて読む
  • 時間がなければ2文(立場+条件)で締める

形式別の解き方・練習方法を含む全体像は、小論文の書き方 完全ガイドにまとめています。

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