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看護の公立単科大 学校推薦型選抜の対策。総合型選抜がない代わりに、小論文で決まる

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岐阜県立看護大学と三重県立看護大学の入学者選抜を令和9年度の入学者選抜要項に沿って整理しました。総合型選抜を実施しない代わりに学校推薦型で小論文を課す構造、市町長が推薦する地域推薦型選抜、面接がC評価なら不合格になる仕組みまでを解説します。

看護の公立単科大を調べていて、はっきりした共通点に行き当たりました。

総合型選抜を実施していない大学があるということです。

岐阜県立看護大学も三重県立看護大学も、令和9年度の入学者選抜に総合型選抜の区分がありません。入口は一般選抜と学校推薦型選抜の2つだけ。そして学校推薦型に小論文が置かれています。

「総合型選抜で看護に行きたい」と考えている人にとって、これは志望校選びの前提が変わる話です。

この記事は、公開されている令和9年度の入学者選抜要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・配点は年度によって変わります。学生募集要項は選抜区分ごとに別途公表されるので、そちらも必ず確認してください。 出典:岐阜県立看護大学 入学者選抜要項・学生募集要項/令和9年度 入学者選抜要項(PDF)/三重県立看護大学 入試に関する資料/令和9年度 入学者選抜要項(PDF)

岐阜県立看護大学——推薦Aは小論文、推薦Bは面接だけ

入学定員80名。選抜区分は3つです。

選抜区分 募集人員 共通テスト 個別の試験
一般選抜(前期日程) 42名 課す(525点) 小論文150点+面接(4段階評価)
学校推薦型選抜A(岐阜県内) 20名 課さない 小論文100点+面接(4段階評価)
学校推薦型選抜B(共通テストを課す) 18名(うち県外4名以内) 課す(525点) 面接のみ(4段階評価)

総合型選抜はありません。そして小論文があるのは一般選抜前期と学校推薦型選抜Aの2つです。

推薦Aは県内限定、評定4.0以上、1校2名まで

① ア 岐阜県内の高等学校を令和9年3月卒業見込みの者 ② 3年次1学期終了時において、評定平均値が4.0以上の者 ③ 合格した場合、本学に必ず進学することを確約できる者 ④ 本学卒業後、岐阜県内において看護職者として就業する強い意思を有する者 なお、各学校長が推薦できる人数は1学校につき2名までとします。

条件は4つ。県内の高校、評定4.0以上、専願、そして卒業後に岐阜県内で働く意思です。

1校2名までという枠があるので、校内選考を通る必要があります。同じ高校から3人志望していれば、その時点で1人は出せません。

配点はシンプルです。

小論文 100点 面接 4段階評価

小論文が唯一の点数で、面接は4段階の評価。共通テストは課しません。書けるかどうかで決まる入試だということです。試験日は令和8年11月14日(土)、合格発表は12月1日(火)。

推薦Bは全国から、推薦人数の制限なし。ただし面接だけ

対照的なのが推薦Bです。

② 評定平均値が3.5以上の者 各学校長が推薦できる人数に制限はありません。 面接と大学入学共通テストの得点、さらに調査書等の内容を総合して判定します。

評定は3.5以上、推薦人数は無制限、全国から出願可能。そのかわり個別試験は面接だけで、勝負は共通テスト525点になります。

教科 配点
国語/地歴・公民/数学/理科/外国語 各100点
情報 25点
合計 525点

外国語は「リーディング100点満点とリスニング100点満点の得点を7:3の比率で100点に換算」。理科は『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』でも『物理』『化学』『生物』『地学』でもよく、1科目選択です。看護系の共通テストとしては科目負担が軽い部類になります。

試験日は令和9年2月3日(水)、発表は2月10日(水)。一般選抜(2月25日)より先に結果が出るので、押さえとしても機能します。

まとめると、こう選ぶ

あなたの状況 向いている区分
岐阜県内の高校、評定4.0以上、県内就職の意思がある 推薦A(小論文100点勝負)
県外の高校、または評定3.5〜4.0 推薦B(共通テスト525点+面接)
共通テストで得点を作れる 推薦B/一般選抜前期

推薦Aと推薦Bでは、準備するものが正反対です。推薦Aは小論文、推薦Bは共通テスト。志望する区分を早く決めないと、両方が中途半端になります。

一般選抜前期の小論文150点は、共通テスト525点と合わせて675点満点のうちの150点。2割強を占めます。推薦Aで不合格でも一般選抜で受け直せるので、小論文の練習は無駄になりません。

看護の小論文で何が問われるかは看護学部の小論文対策にまとめました。

三重県立看護大学——推薦の種類が6つある

入学定員100名。こちらも総合型選抜はありません。そのかわり「特別選抜」の中に6つの区分が並びます。

選抜区分 募集人員 個別の試験 評定
学校推薦型選抜 40名(地域推薦6名・東紀州2名を含む) 基礎学力検査400点+面接 3.8以上
地域推薦型選抜 6名 小論文(外国語の読解を含む)100点+面接 4.0以上
帰国生徒選抜 若干名 基礎学力検査400点+面接 —
社会人選抜 若干名 基礎学力検査400点+面接 —
多言語多文化選抜 若干名 小論文(外国語の読解を含む)100点+面接 4.0以上
東紀州地域指定校推薦型選抜 2名 小論文(外国語の読解を含む)100点+面接 4.0以上

試験日はすべて同じ(令和8年11月21日(土))で、出願も11月2日〜11月9日【17時必着】、合格発表は12月4日(金)。共通テストは課しません。

そして重要なのは、区分によって試験科目が違うことです。

学校推薦型選抜は「基礎学力検査」400点

いちばん募集人員が多い学校推薦型選抜(40名)に、小論文はありません。

教科 科目名等 配点
国語 現代の国語、言語文化(古文・漢文を除く) 100
数学 数学Ⅰ、数学A 100
理科 化学基礎と生物基礎/化学/生物 から1 100
外国語 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ 100
合計 400

4教科の学力試験です。共通テストは課さないものの、「共通テストを課さない=学力を問わない」ではありません。出願資格は評定3.8以上、三重県内の高校に在学(または県内に住所があり県外の高校に通学)。

小論文が出るのは、地域枠の3区分

小論文を課すのは地域推薦型選抜・多言語多文化選抜・東紀州地域指定校推薦型選抜の3つです。そして中身が明記されています。

地域推薦型選抜、多言語多文化選抜、東紀州地域指定校推薦型選抜の「小論文」は、本学で学ぶために必要な英語読解能力及び表現力を問うものです。 小論文(外国語の読解を含む) 100点

英文を読んで書く小論文です。配点は100点で、これが唯一の得点になります。英文課題文型の小論文の手順がそのまま必要になります。

地域推薦型選抜は、市町長が推薦する

この区分は仕組みが独特です。

次のいずれにも該当し、三重県内の市町長及び高等学校長が責任をもって推薦できる者とします。 (1) 推薦市町または市町が指定する医療機関等に4年以上就業する強い意思を有する者 (2) 推薦市町と卒業後に貢献する地域の保健・医療・福祉について十分な話し合いを行っている者 (4) 調査書の「全体の学習成績の状況」が4.0以上である者 (5) 高等学校において、「化学基礎」と「生物基礎」の両方を履修していることに加え、「化学」又は「生物」を履修している者

高校長だけでなく、市町長の推薦が要ります。そして「十分な話し合いを行っている者」——つまり出願前に市町の担当課へ相談に行っていることが前提です。

推薦を行う市町は要項に一覧で載っています(伊勢市・松阪市・桑名市・尾鷲市・亀山市・熊野市/御浜町/紀宝町・志摩市・伊賀市。職種はいずれも看護師)。担当課と電話番号まで書かれており、推薦する人数は各市町が決めるという仕組みです。

これは「地域枠」の一種ですが、医学部の地域枠のように奨学金と紐づくのではなく、推薦の段階で自治体が関与する形になっています。準備の実務としては、高3の春から市町の担当課に連絡を取るところから始まります。

多言語多文化選抜——母語を活かす枠

もう1つ特徴的なのが多言語多文化選抜です。

(1) 看護学に深い関心を持ち、本学卒業後、日本語以外の母語を活かして三重県内の保健・医療・福祉等に貢献する強い情熱と意欲を有する者(※母語とは、幼児期に最初に習得した言語のことをいう) (6) 日本語以外を母語とし、出願時においても母語で日常会話ができることを高等学校長が確認した者

推薦するのは市町長または三重県内の医療機関長と高校長。医療現場の多言語対応という課題に、入試の段階から手を打っている枠です。多様性と共生や地域医療のテーマと直結します。

面接がC評価なら、点数に関係なく不合格

三重県立看護大学の要項には、全区分に共通する注記があります。

(※)「面接」は、表現力、主体性等を評価します。ABCの3段階評価を行い、その評価がCの場合は、総合得点の如何にかかわらず不合格とします。

面接に拒否権があります。小論文100点や基礎学力検査400点で満点を取っても、面接がCなら通りません。配点表に点数が載っていない項目こそ、先に確認しておくべき——募集要項の読み方で書いたとおりです。

なお三重県立看護大学は「入試過去問題活用宣言」に参加しており、他大学の過去問や類似問題が使われることがあります。過去問の集め方は過去問の入手法と使い方にまとめました。

2校を並べると見えること

岐阜県立看護大学 三重県立看護大学
入学定員 80名 100名
総合型選抜 なし なし
推薦の区分 2つ(A:県内/B:共通テスト) 6つ
小論文が出る区分 推薦A(100点)/一般前期(150点) 地域推薦型・多言語多文化・東紀州(各100点)
小論文の性格 — 外国語の読解を含む
学力試験 推薦Aはなし/推薦Bは共通テスト525点 学校推薦型は基礎学力検査400点(4教科)
面接 4段階評価 ABC3段階。Cなら不合格
地元との結びつき 推薦Aは県内就職の意思が出願要件 地域推薦型は市町長の推薦が必要
試験日 推薦A 11月14日/推薦B 2月3日 特別選抜すべて11月21日

共通しているのは3点です。

  1. 総合型選抜がない。看護の公立単科大を志望するなら、入口は学校推薦型か一般選抜
  2. 地元で働く意思が問われる。県立大学として看護職者を地域に供給するのが使命だと、要項に明記されている
  3. 小論文は「区分限定」で出る。どの区分で出願するかで、準備するものが変わる

「総合型選抜で行きたい」という発想のままだと、そもそも出願できません。公立の看護単科大は学校推薦型が主戦場だと切り替えるところから始まります。

何から始めるか

岐阜県立看護大学を狙うなら

  1. 推薦Aか推薦Bかを決める。Aは小論文100点、Bは共通テスト525点+面接。準備が正反対
  2. 推薦Aは岐阜県内の高校・評定4.0以上・1校2名まで。校内選考を早めに担任と確認する
  3. 推薦Aの出願要件に「卒業後、岐阜県内において看護職者として就業する強い意思」がある。面接で必ず聞かれる
  4. 推薦Bは評定3.5以上・推薦人数の制限なし・全国から。共通テストは6教科6科目、情報は25点換算
  5. 推薦Aで不合格でも、一般選抜前期に小論文150点がある。練習は無駄にならない

三重県立看護大学を狙うなら

  1. 出願する区分を先に決める。学校推薦型は基礎学力検査4教科、地域枠3区分は小論文
  2. 学校推薦型なら、国語・数学Ⅰ A・理科・英語の4教科400点。共通テストは課さないが学力は問われる
  3. 地域推薦型なら、市町の担当課に高3の春から連絡を取る。「十分な話し合い」が出願要件
  4. 地域推薦型・東紀州枠は化学基礎と生物基礎の両方+化学か生物の履修が必要。高2の科目選択で決まる
  5. 小論文は外国語の読解を含む。英文を読んで日本語で書く練習をする
  6. 面接がC評価なら不合格。点数のつかない項目こそ準備する

まとめ

  • 岐阜県立看護大学・三重県立看護大学とも、令和9年度に総合型選抜を実施しない
  • 岐阜の学校推薦型選抜Aは共通テストを課さず、小論文100点+面接(4段階)だけで決まる
  • 推薦Aは岐阜県内の高校・評定4.0以上・1校2名まで。県内就職の意思が出願要件
  • 岐阜の推薦Bは個別試験が面接のみ。勝負は共通テスト525点(情報は25点換算)
  • 岐阜の一般選抜前期にも小論文150点がある
  • 三重の学校推薦型選抜(40名)に小論文はない。基礎学力検査400点(国語・数学・理科・外国語)
  • 三重で小論文が出るのは地域推薦型・多言語多文化・東紀州地域指定校の3区分。外国語の読解を含む100点
  • 三重の地域推薦型選抜は市町長の推薦が必要で、推薦市町と事前に話し合っていることが出願要件
  • 三重の多言語多文化選抜は、日本語以外を母語とし母語で日常会話ができることを高校長が確認する枠
  • 三重は面接がABCの3段階評価で、Cなら総合得点にかかわらず不合格

看護医療系ではほかに神奈川県立保健福祉大学・日本赤十字看護大学、聖隷クリストファー大学・東京女子医科大学、聖路加国際大学、医学部の総合型・学校推薦型を扱っています。志望校の傾向を自分で読み解く手順は大学別対策の作り方にまとめています。

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