植草学園大学の総合型選抜。小論文の用紙に「AIを使用した」のチェック欄がある
植草学園大学の総合型選抜を2027年度の要項から整理しました。発達教育学部の課題小論文は800字を出願時に提出し、用紙には生成AIを使ったかどうかのチェック欄があります。保健医療学部・看護学部の基礎学力試験(小論文)は過去問と解答が公開されています。
植草学園大学(千葉市若葉区)の総合型選抜には、2026年の時点でまだ珍しいものがあります。
- 課題小論文の用紙そのものに、生成AIを使ったかどうかのチェック欄があります。「AIを使用した」にチェックを入れる欄です
- 学部によって「小論文」の中身がまったく違います。発達教育学部は出願時に出す800字(40点)、保健医療学部と看護学部は当日60分の読み取り+計算+400字(100点)です
- その当日の問題は、過去問も解答も公開されています
発達教育学部(発達支援教育学科)・保健医療学部(リハビリテーション学科 理学療法学専攻/作業療法学専攻)・看護学部(看護学科)の3学部について、2027年度の要項に沿って整理します。
必ず最新の学生募集要項で確認してください。日程・募集人員・選考方法は年度によって変わります。 出典:植草学園大学 募集要項・出願書類/2027(令和9)年度 入学試験要項/入学者選抜における生成AI(ChatGPT等)の利用について/インターネット出願(出願書類の様式)/過去問題
3学部を並べる
| 発達教育学部 | 保健医療学部 | 看護学部 | |
|---|---|---|---|
| 募集人員(総合型) | 30名 | 理学療法10名・作業療法10名 | 15名 |
| 書くもの | 課題小論文800字(出願時提出)40点 | 型による(下記) | — |
| 当日の試験 | 面接15分(100点)のみ | 基礎学力試験(小論文)60分100点 または 探究プレゼン100点 | 基礎学力試験(小論文)60分100点 |
| 面接 | 個別15分・100点 | 個別15分・100点 | 個別15分・100点 |
| 実施期 | 1期〜4期 | 1期〜3期 | 1期〜3期 |
| 他大学との併願 | 可 | 可 | 可 |
3学部に共通するのは、面接が個別15分で100点であることと、他大学との併願ができることです。
出願の前に「事前相談」が要る
総合型選抜を受けるには、出願より前にやることがあります。
出願前に、必ずオープンキャンパスや入試説明会で「事前相談」を受けてください。一度「事前相談」を受ければ、同一学部の総合型選抜入学試験を複数回受験することが可能です。
一度受ければ同じ学部なら何回でも使えます。受けると「事前相談参加確認票」がもらえ、これを志願理由書①に貼って出します。
※「事前相談参加確認票」を出願書類に貼付します。再発行はできませんので、出願手続期間まで大切に保管してください。
再発行されないので、もらったらすぐしまっておくことになります。なお4期(発達教育学部のみ)は事前相談が不要です。
出願書類は郵送のみ・期間内必着で、窓口持参は原則できません。紙の願書の配布もありません。検定料は35,000円です。
発達教育学部:800字を出願時に出し、当日は面接だけ
| 選考方法 | 配点 |
|---|---|
| 課題小論文 テーマ方式(800字)※出願期間内に出願書類と一緒に提出 | 40点 |
| 面接 個別(15分)※4期のみ30分 | 100点 |
| 書類 志願理由書①、調査書、面接資料(当日記入) | 参考 |
試験当日の時間割は、9:00集合/9:00〜9:05諸注意/9:15〜9:25 面接資料記入/9:45〜面接です。小論文を書く時間はありません。出願の時点で終わっているからです。
テーマは様式に印刷されている
課題小論文の用紙は大学のサイトからダウンロードします。テーマはその用紙に印刷されていて、誰でも読めます。
幼児や小学生に関する今日的課題を調べ一つ選んで要約し、その課題解決に向けて、大学でどのように学べばよいかを述べなさい。 ※800字 横書き(黒のボールペンを使用し、本人の自筆で記入してください。)
「調べる」→「一つ選ぶ」→「要約する」→「大学でどう学ぶか」の4段です。前半が調査と要約、後半が進学後の計画になっていて、感想で埋めると成立しません。子ども・教育まわりのテーマは教育学部の小論文と子育て・保育、子どもの貧困などから探せます。800字の収め方は小論文の字数調整にまとめました。
黒のボールペンで自筆なので、下書きを別に作ってから清書する前提です。
同じ用紙に、生成AIのチェック欄がある
その800字の用紙の下部に、次の欄があります。
AIを使って記述した場合は、以下にチェックを入れてください。 ☐ AIを使用した なお、入学者選抜の評価において、生成AIの利用の有無のみが結果に影響することはありませんが、面接等で生成AIの利用の範囲や方法について確認する場合があります。
使ったかどうかを自己申告する欄が、解答用紙に印刷されているという形です。しかも「使ったら不利になる」とは書いていません。書いてあるのは「使ったかどうかだけで結果が変わることはない」ことと、「面接で使い方を聞くことがある」ことです。
大学は別に、入学者選抜における生成AI(ChatGPT等)の利用についてという文書も出しています。
・生成AIから出力された情報をそのまま自分のものとして使用することは「剽窃(ひょうせつ)」という不正行為にあたります。 ・生成AIから出力された情報には、誤った情報や偏った考え方、著作権等を侵害する内容などを含む場合があります。 ・生成AIに入力した情報は、システムに蓄積され活用される可能性があり情報流出のリスクがあります。
チェックを入れて出すなら、面接で「どこをどう使ったか」を説明できる状態にしておく必要があります。逆に言えば、説明できるなら使ってよい、という設計です。生成AIそのものを扱ったテーマは生成AIとAIと社会にまとめました。
加点は2種類、合わせて最大20点
提出は任意です。小論文が40点なので、埋まると効きます。
| 加点要素 | 上限 |
|---|---|
| 共生社会の実現に向けた具体的な活動経験があり、指定の様式でアピール文を提出 | 最大10点 |
| 指定の資格(1資格につき5点) | 最大10点 |
資格は保育技術検定2級以上/漢検準2級以上/英検準2級以上/それ以外のCEFR A2相当レベル以上/数検準2級以上/MOS(アソシエイトまたはエキスパート)/日本語検定3級以上です。2つ出せば10点になります。
アピール文の様式は「共生社会の実現に向けて、私が取り組んだこと」という見出しで、条件が変わっています。
・共生社会の実現に向けて取り組んだことを具体的に書いてください。タイトルは自由につけて構いません。図表や画像を添付することも可能です。 ・枚数制限はありません。必要に応じて様式をコピーして使用してください。 ・以下の様式に沿ってA4用紙に黒ボールペンを使用し手書きで記述し提出してください。 ・図表や画像を添付する場合には、パソコン等を使用して作成し、「図表や画像の添付用ページ」に貼り付けても構いません。なお図表等を引用の場合は出典を明らかにすること。画像については、個人情報に配慮し受験者本人以外の人物を特定できないようにすること。
本文は手書きで枚数無制限、図表と画像だけはパソコンで作ってよいという切り分けです。引用の出典を書くこと、写真に本人以外が特定できる形で写り込まないようにすることも指定されています。共生社会まわりのテーマは障害と社会のバリア、多様性が下地になります。
保健医療学部:3つの型から選ぶ
理学療法学専攻10名・作業療法学専攻10名です。期によって選べる型が変わります。
| 期 | 選べる型 |
|---|---|
| 1期 | 基礎学力試験(小論文)型 または 探究学習活用型 |
| 2期 | 基礎学力試験(小論文)型 または 探究学習活用型 |
| 3期 | 作文自己アピール型 または 探究学習活用型 |
| 型 | 中身 | 配点 |
|---|---|---|
| 基礎学力試験(小論文)型 | 問題文(図表含む)を読んで小問2〜3問に答え、最後の設問に自分の考えを400〜600字 | 100点 |
| 探究学習活用型 | 探究学習のプレゼンテーション(発表7分+質疑応答8分) | 100点 |
| 作文自己アピール型 | 600〜800字の作文を事前提出 | 100点 |
いずれも面接(個別15分)が100点、書類は志願理由書①と調査書で参考扱いです。リハビリテーション系の下地は医療技術系学部にまとめました。
探究学習活用型はプロジェクターが使えない
要項の説明が具体的です。
高校の「総合的な探究の時間」で取り組んだテーマを一つ取上げ、テーマ設定の理由や取り組んだ内容について発表と質疑応答を行う。発表7分、質疑応答8分。テーマは、高校の「総合的な探究の時間」で取り組んだ内容を任意で設定できる(医療・福祉に関する内容に限定しない)。発表資料は手書き、Word、PowerPoint等で事前に作成し、発表形式は提出された資料を印刷し、紙媒体での発表とする。プロジェクターやパソコン等を使用した発表はできない。発表時、参考資料等の持ち込みは可能。
3つ押さえどころがあります。
- テーマは医療・福祉に限定されません。高校でやった探究をそのまま持ち込めます
- PowerPointで作ってもよいが、当日は印刷された紙で発表します。画面の切り替えやアニメーションは前提にできません
- 参考資料の持ち込みは可能です
資料には学校名・氏名・「総合的な探究の時間」の指導担当教諭氏名を記載したA4サイズの表紙を付け、出願書類と一緒に提出します。発表7分に対して質疑が8分なので、聞かれる時間のほうが長い構成です。探究の整理は探究活動の完全ガイド、発表の組み立てはプレゼン型入試の対策にまとめました。
作文自己アピール型(3期のみ)
これまでの生活で熱心に取り組んだことや、自分の長所や強み、それらの志望分野での活かし方などを600〜800字で作文しなさい。
こちらも黒のボールペンで自筆です。書き方は自己PRの書き方が参考になります。
看護学部:基礎学力試験(小論文)だけ
看護学部は1期から3期まで、基礎学力試験(小論文)100点+面接15分100点です。型を選ぶ仕組みはありません。
| 選考方法 | 配点 |
|---|---|
| 基礎学力試験(小論文) | 100点 |
| 面接 個別(15分) | 100点 |
| 書類 志願理由書①、調査書 | 参考 |
当日は9:00集合、9:15〜10:15が小論文、9:15〜面接という時間割です。看護系のテーマは看護学部の小論文にまとめました。
「小論文」の過去問を読むと、中身が見えてくる
大学は総合型選抜の基礎学力試験(小論文)の問題と解答を公開しています。令和8年度(2026年度入試)の1期・2期が読めます。試験時間は60分で、問題用紙が解答用紙を兼ねます(持ち帰り不可)。
1期のテーマは「睡眠」
冒頭に大学が書いた文章が置かれます。脳は睡眠でしか回復できないこと、睡眠不足が注意力・判断力の低下や学業成績の低下、肥満・高血圧・心疾患・脳血管障害のリスクにつながること、OECDの調査で先進国33カ国のうち日本が男女とも最も睡眠時間が短かったことが述べられます。
そのあとの設問がこうです。
- 問1:図(1日の睡眠時間の国際比較。出典は厚生労働省「令和6年度版厚生労働白書」)を見て、日本の男性の睡眠時間は何時間何分か計算して求める。公開されている解答は「7時間46分」。続けて、米国の女性と比べて日本の女性は何時間何分短いか(解答は「1時間21分」)
- 問2:「健康日本21(第三次)」の休養・睡眠領域の説明を読み、図から60歳代・70歳以上で起きやすい症状を①〜⑥から2つ選ぶ(解答は中途覚醒と早朝覚醒)。さらに図の読み取りの正誤を○×で判定する
- 問3:「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の推奨事項一覧を参考に、自分や周りの人の睡眠の質と量を向上させるために実行あるいは助言できることを、それぞれの理由とともに具体的に述べる。400字以内
2期のテーマは「高齢運転者」
冒頭文は、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故、安全運転相談ダイヤル「#8080(シャープハレバレ)」、75歳以上の免許更新時の高齢者講習と認知機能検査、自主返納と運転経歴証明書などを説明します。
- 問3:安全運転相談の利用率と運転免許自主返納率の年次推移の表(出典は警察庁の運転免許統計・警察白書)をもとに、図の折れ線グラフの平成30年以降を自分で描き足し、軸目盛の空欄7か所に小数第2位までの数値を記入する
- 問4:高齢運転者による交通事故を低減させるためにどのような取り組みが必要か、理由とともに400字以内
つまり「小論文」の前半は正解のある問題
2年分を通して見ると、この試験の形はこうです。
- 政府統計をもとにした図表の読み取り(正解がある)
- 計算・選択・正誤判定、場合によってはグラフの作図(正解がある)
- 最後に400字の論述(自分の考え)
前半は「読めるか・計算できるか」を見ています。図表の読み方は資料・グラフの読み取り、60分の配分は小論文の時間配分にまとめました。テーマの下地としては、睡眠や生活習慣は予防医療と健康格差、高齢運転者は少子高齢化が近いところにあります。
なお要項では最後の設問を「400〜600字」と説明していますが、公開されている2026年度の実物はどちらも「400字以内」でした。字数は年度で動きうるので、当日の指示に従ってください。
日程と、そのほかの制度
| 区分 | 出願手続期間 | 試験日 | 一次通過通知日 | 合否発表日 |
|---|---|---|---|---|
| 1期 | 9月1日〜9月11日 | 9月19日(土) | 9月25日(金) | 11月1日(日) |
| 2期 | 9月20日〜10月15日 | 10月25日(日) | — | 11月1日(日) |
| 3期 | 11月2日〜12月8日 | 12月12日(土) | — | 12月15日(火) |
| 4期※ | 12月14日〜3月9日 | 相談のうえ決定 | — | 試験2日後 |
※4期は発達教育学部のみで、保健医療学部・看護学部は実施しません。面接時間は4期だけ30分です。
1期には他の期にない仕組みがあります。
※1期の一次通過者には、書類通知に課題を同封して送付します。
1期だけ、9月25日の一次通過を経て11月1日の合否発表に進む2段階で、通過した人には課題が届きます。課題の中身は要項に書かれていません。
総合型で合格したあとに、授業料全額免除を狙える
新入生対象スカラシップ制度があります。
大学入学共通テスト利用入学試験A日程および一般選抜入学試験A日程の成績優秀者に対し、入学金の全額と1〜4年次の授業料の全額を免除する「新入生対象スカラシップ制度」があります。既に他の入学試験区分での合格者もこの「新入生対象スカラシップ制度」にチャレンジすることができます。
対象は合格者の成績上位20%以内で、最大免除額は発達教育学部347万円、保健医療学部367万円、看護学部367万円です。総合型選抜で合格して入学手続を完了した人が再出願する場合、入学検定料は不要、調査書も不要です(すでに合格した試験区分の受験番号を入力します)。共通テスト利用入学試験で受験する場合は検定料そのものが全額免除になります。
入学前の「事前課題」は必須
本学では、全ての入学予定者(入学手続完了者)を対象に、入学後、スムーズに学修が進められるように入学前学習指導「事前課題学習」等を行っています。(中略)なお、「事前課題」の提出は必須です。
総合型選抜1期〜3期の合格者には12月下旬に送られます。保健医療学部と看護学部は、これに加えて大学で入学前セミナーも行われます。
1年次の納入金合計は発達教育学部1,420,300円、保健医療学部1,900,370円、看護学部1,809,500円です(入学金270,000円ほか、保険料などを含む)。
どこから手をつけるか
- まず事前相談を受ける。オープンキャンパスか入試説明会で受けられ、一度受ければ同じ学部は何回でも受験できます。確認票は再発行されません
- 発達教育学部志望なら、課題小論文の用紙を今すぐ落とす。テーマが印刷されていて、「調べる→選ぶ→要約する→大学でどう学ぶか」の4段構成です
- AIを使うなら、面接で説明できる範囲にとどめる。チェック欄があり、使い方を聞かれることがあります
- 加点の20点を取りにいく。アピール文(共生社会)と資格2つで満額です。漢検・英検・数検はどれも準2級以上、日本語検定は3級以上です
- 保健医療学部は型を先に決める。1期・2期は小論文型か探究型、3期は作文型か探究型です
- 探究型を選ぶなら紙で完結させる。PowerPointで作ってもよいですが、当日は印刷された資料での発表になります
- 保健医療・看護は過去問を2年分解く。前半は計算と読み取りで、正解が公開されています
- 400字を10分台で書けるようにしておく。60分のうち前半の小問に時間を取られます
まとめ
- 植草学園大学の総合型選抜は、学部によって「小論文」の中身が別物です
- 発達教育学部は課題小論文800字を出願時に提出して40点、当日は面接15分(100点)だけです
- 課題小論文のテーマは用紙に印刷されていて、「幼児や小学生に関する今日的課題を調べ一つ選んで要約し、その課題解決に向けて大学でどのように学べばよいかを述べる」です
- その用紙に「AIを使用した」のチェック欄があります。大学は「生成AIの利用の有無のみが結果に影響することはない」「面接等で利用の範囲や方法について確認する場合がある」と明記しています
- 発達教育学部には最大20点の加点(共生社会のアピール文で最大10点、資格で最大10点)があります。アピール文は枚数制限なし・手書きで、図表と画像だけパソコンで作ってよい形です
- 保健医療学部は、基礎学力試験(小論文)型・探究学習活用型・作文自己アピール型から期ごとに選べます
- 探究学習活用型はテーマが医療・福祉に限定されず、発表7分+質疑8分。プロジェクターやパソコンは使えず、印刷した紙で発表します(参考資料の持ち込みは可)
- 看護学部は基礎学力試験(小論文)のみで、60分100点+面接100点です
- 基礎学力試験(小論文)は過去問と解答が公開されています。2026年度は1期が「睡眠」、2期が「高齢運転者」で、前半は政府統計の図表を読んで計算・選択・作図する正解のある問題、最後が400字の論述でした
- 出願の前に「事前相談」が必要です(4期を除く)。一度受ければ同一学部の総合型を複数回受験できます。確認票は再発行されません
- 他大学との併願は全学科で可能です
- 総合型で合格して入学手続を終えたあとでも、一般選抜A日程などに検定料・調査書なしで再出願して、授業料全額免除(最大367万円)の新入生対象スカラシップ制度に挑戦できます
千葉の私立大学は千葉工業大学・千葉商科大学、麗澤大学・和洋女子大学、城西国際大学・敬愛大学、東京情報大学・江戸川大学、聖徳大学、淑徳大学・中央学院大学、秀明大学・千葉経済大学、国際武道大学・開智国際大学、東京基督教大学の記事にもあります。総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。