小論文キャンパス
大学別対策

東京工科大学の総合型選抜。全学部AO入試は40分で2教科の基礎学力試験と20分の面接、学部特色入試は10分の発表が300点

約14分で読めます

東京工科大学の総合型選抜を2027年度の募集要項から整理しました。全学部AO入試(237名・450点満点)の基礎学力試験(高1範囲・2教科40分)と面接、学部特色入試(27名)の発表の内容と方法(ポスター・PC・現物)、学科ごとに選べる発表テーマ、志願理由書400字と報告書、学校推薦型との併願の扱いまで解説します。

東京工科大学は、八王子キャンパス(メディア学部・応用生物学部・コンピュータサイエンス学部・工学部)と蒲田キャンパス(医療保健学部・デザイン学部)の6学部の大学です。総合型選抜は2つの方式に分かれます。

「全学部AO入試」(237名)は、基礎学力試験と面接で選考します。基礎学力試験は、学科が指定する2教科を合わせて40分で解くマークシート式で、出題は高校1年修了までの範囲です。配点は書類審査50点、基礎学力試験200点、面接200点の450点満点です。

「学部特色入試」(27名)は、10分以内の発表と15分程度の口頭試問が300点を占めます。高校の探究課題の成果、自分で作ったメディア作品やプログラム、ロボットなどの制作物、社会課題を技術で解決するアイデアなどから、学科が認めるテーマを選んで発表します。医療保健学部は実施しません。

どちらの方式も、志願する学部学科・専攻を第一志望とし、合格したら入学を確約できる人が対象で、評定の基準はなく、高校を卒業した人も出願できます。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・選考方法は年度によって変わります。 出典:東京工科大学 総合型選抜(全学部AO入試)出願書類ダウンロード/総合型選抜(学部特色入試)出願書類ダウンロード/2027年度 総合型選抜 募集要項

2つの方式

全学部AO入試 学部特色入試
募集人員 237名 27名(医療保健学部は実施しない)
配点 書類審査50点、基礎学力試験200点(2教科の素点合計)、面接200点(個人面接20分程度) 書類審査50点、基礎学力試験100点(2教科の素点合計÷2)、プレゼンテーション(発表)300点
出す書類 調査書、志願理由書(400字以内・得点化せず面接の資料) 調査書、志願理由書(400字以内)、報告書(A4片面1枚)、メディア学部と、デザイン学部で映像などを発表する人は作品の動画などをUSBメモリで
出願 9月1日〜7日(書類は消印有効。Web登録は9月7日15時まで) 同じ
試験日 9月27日(八王子)、10月3日・4日(蒲田) 9月27日(八王子)、10月4日(デザイン学部・蒲田)
合格発表 11月6日 11月6日
入学手続期限 12月15日 12月15日

検定料は33,000円です。複数の学部学科・専攻への出願や、全学部AO入試と学部特色入試の併願はできません。

一方で、学校推薦型選抜(指定校・公募制)との併願は認められています。総合型選抜に出願したあと、大学の「報告フォーム」で学校推薦型への出願を検討していることを報告するのが条件です。総合型選抜に合格した場合でも、出願済みの指定校推薦は欠席せずに受験し、学校推薦型に合格したら学校推薦型で入学手続をします。

合格者は入学前準備教育に取り組み、取り組みが不十分な場合は入学を取り消されることがあると要項に書かれています。

全学部AO入試——基礎学力試験200点と面接200点

募集人員と試験日

学部 学科・専攻 募集人員 試験日・会場 基礎学力試験の教科
メディア学部 メディア学科 40名 9月27日・八王子 数学・英語
応用生物学部 応用生物学科 35名 9月27日・八王子 数学・英語
コンピュータサイエンス学部 先進情報専攻 22名 9月27日・八王子 数学・英語
社会情報専攻 8名 9月27日・八王子 数学・英語
工学部 機械工学科・電気電子工学科 各5名 9月27日・八王子 数学・英語
応用化学科 8名 9月27日・八王子 数学・英語
医療保健学部 看護学科 15名 10月4日・蒲田 国語・英語
臨床工学科 20名 10月3日・蒲田 数学・国語
リハビリテーション学科 理学療法学専攻 15名 10月3日・蒲田 数学・英語
リハビリテーション学科 作業療法学専攻 8名 10月4日・蒲田 国語・英語
リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻 5名 10月4日・蒲田 国語・英語
臨床検査学科 15名 10月3日・蒲田 数学・国語
デザイン学部 デザイン学科 36名 10月4日・蒲田 国語・英語

基礎学力試験——2教科で40分

  • 出題範囲は高校1年修了までに学ぶ内容です。国語は現代文のみ、数学は数学Ⅰ・数学A、英語はリスニングとスピーキングを課しません
  • 全問マークシート方式で、1教科100点満点です
  • 2教科を合わせて40分で解くので、1教科20分の計算になります

要項には、数学・英語・国語のサンプル問題が載っています。数学は絶対値を含む不等式や2次関数の最小値、2次方程式の解と係数の関係、さいころの確率など、英語は語法・整序・会話文の空所補充、国語は漢字の書き取りと読み、慣用句、文学史です。難しい問題を解く試験ではなく、基礎を短時間で正確に処理する試験なので、サンプル問題を時間を計って解き、1問にかけられる時間の感覚をつかんでおいてください。

面接と志願理由書

面接は個人面接で20分程度、配点は基礎学力試験と同じ200点です。出願時に出す志願理由書(400字以内・手書き)は、「志願学科・専攻を選んだ理由と将来の進路希望」を書く書類で、点数にはならず面接の資料として使われます。

400字は短いので、学科を選んだ理由と進路希望を1つずつ、具体的に書くのが基本です。面接はこの400字を起点に20分話すことになるので、書いたことの「なぜ」を3段階くらい掘り下げて答えられるように準備します(面接の頻出質問、志望理由書の書き方 完全ガイド)。医療保健学部を志望する人は、看護学部の小論文対策やリハビリ・医療技術系の小論文対策で、職種への理解を深めておくと答えの中身が厚くなります。

学部特色入試——10分の発表と15分の口頭試問で300点

募集人員と発表のルール

学部 学科・専攻 募集人員 基礎学力試験の教科
メディア学部 メディア学科 5名 数学・英語
応用生物学部 応用生物学科 4名 数学・英語
コンピュータサイエンス学部 先進情報専攻 3名 数学・英語
社会情報専攻 2名 数学・英語
工学部 機械工学科・電気電子工学科・応用化学科 各3名 数学・英語
デザイン学部 デザイン学科 4名 国語・英語
  • 発表は10分以内で、口頭で行います。メモやスマートフォンを見ながらの発表はできず、PowerPointなどを使う場合も「ノート」機能(発表者用メモ)は使えません
  • 発表のあと、発表内容についての口頭試問を含む面接(15分程度)があります
  • 発表の方法は、学科が指定する「ポスター発表」(A1サイズか模造紙1枚。試験当日に持参し、返却されない)、「PC等の電子機器での発表」(機器は自分で用意。HDMIで外部モニタに接続でき、ケーブルは大学が用意)、「現物発表」(作品を持ち込む。持ち込めない場合は動画をPCで見せる)のどれか1つです
  • 出願時に報告書(A4片面1枚・書式自由)を出します。発表や提案の主旨、作品や成果物の考察、裏付ける資料やデータをまとめ、複数人で取り組んだ成果物は自分の役割を書きます。表紙には発表テーマ、発表の内容と方法、現物発表なら持ち込む物の大きさや電源の要否などを書きます
  • 志願理由書(400字以内)は、志願理由のほかに入学後に取り組みたい研究テーマを、理由・意欲・計画も含めて書きます。報告書と志願理由書は点数にならず、発表と面接の資料になります

学科ごとに選べる発表の内容

発表の内容は、次の9つから学科が認めるものを選びます(①と⑥以外は、個人で研究・制作したものに限ります)。

発表の内容 選べる学科・専攻(発表の方法)
①「総合的な探究の時間」など「探究」と名のつく授業での探究課題の成果 応用生物(ポスター)、先進情報(PC)、社会情報(ポスター・PC)、機械工・電気電子工・応用化学・デザイン(ポスター・PC・現物)
②メディア作品(CG、アニメ、音楽、動画、ゲーム、Web、プログラムなど) メディア(PC)
③ソーシャルメディア運営(SNSでの発信内容や発信ポリシー。チャンネル登録者数やフォロワー数が2,000人を超える人が対象) メディア(PC)
④本学のオープンキャンパスの体験講義・体験実験に参加し、そこで学んだことを発展させた内容 応用生物(ポスター)、機械工・電気電子工・応用化学(ポスター・PC・現物)
⑤応用生物学部の「チャレンジラボ」、工学部の「ケミストリー・ステップアップラボ」「サイエンスイングリッシュキャンプ」の研究内容を発展させた内容 応用生物(ポスター)、電気電子工・応用化学(ポスター・PC・現物)
⑥工学系作品・プロジェクト体験(機械工作・ロボット、電子工作の設計図や作品、大会・コンテストへの挑戦など) 機械工・電気電子工・応用化学(ポスター・PC・現物)
⑦プログラム制作(コンピュータプログラムやスマートフォンアプリ) 先進情報(PC)、機械工・電気電子工・応用化学(ポスター・PC・現物)
⑧アイデア提案(社会的な課題を技術で解決する提案など) 社会情報(ポスター・PC)、機械工・電気電子工・応用化学・デザイン(ポスター・PC・現物)
⑨デザイン制作物(写真、イラスト、映像、プログラム、イベント企画案、立体、アイデアやプロジェクトの提案など) デザイン(ポスター・PC・現物)

メディア学部はメディア作品の動画(mp4・avi・mov)か音声ファイル(wav・mp3)を、デザイン学部は映像やプログラム制作物を発表する場合にその動画を、USBメモリに保存して出願時に出します。ゲームなどのプログラムは実行形式のファイルでは受け付けられないので、動作の様子を撮影した動画にします。ソーシャルメディア運営で出願する人は、運営するチャンネルやSNSのURLと出願時点の登録者数・フォロワー数を報告書に書きます。

学科が見ているもの

要項の「入試のねらい」には、学科ごとの評価の観点が書かれています。

  • 応用生物学部・コンピュータサイエンス学部の探究課題:成果のレベルは問わず、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析してまとめた過程や、そこから得た経験を入学後の学修や研究にどう生かすか、どんな人に成長したいかまで含めて評価します
  • 先進情報専攻のプログラム制作:実演のほか、作ろうと考えた経緯と目的、解決される課題、使用した言語とその理由、ライブラリや外部APIの内容と選んだ理由、自分が書いたコードとの関係、工夫した点・苦労した点、制作全体の自己評価を説明します
  • 社会情報専攻のアイデア提案:日常の不便さや社会問題を情報通信技術やデータで解決するアイデアを、誰のどんな困りごとか、根本にある課題、実現可能性、試作や効果の検証まで示し、自己評価します
  • 工学部:題材は探究、体験実験、趣味の工作、ロボコンなどへの挑戦から自由に選べます。教科書や論文、ネット動画、生成AIの出力まで参考にすることを大いに推奨するとしたうえで、「自分なりの何か」を付け加えてアピールすることを求めています
  • デザイン学部:制作物がどんな経緯と目的で作られたか、それを自分でどう評価しているかを説明し、入学後の学修への意欲と適性を評価します
  • メディア学部:作品の完成度だけでなく、着想や調査、ツールの自己学習、作品の自己評価を説明します。ソーシャルメディア運営は、運営の意図、発信内容、社会的な影響力を評価します

どの学科も「作ったもの」より「どう考えて作り、どう評価しているか」を聞く設計です。口頭試問に向けて、設計上の選択の理由(なぜその言語か、なぜその材料か)と、うまくいかなかった点を自分の言葉で説明できるようにしておいてください(探究発表のやり方、プレゼンテーション型入試の対策)。工学部の「生成AIの出力も参考にしてよい、ただし自分なりの何かを加える」という条件は、生成AIと学びのテーマで整理した論点そのものです。

どこから手をつけるか

2027年度の出願は9月7日で締め切られ、試験は9月27日(八王子)と10月3日・4日(蒲田)です。出願を済ませた人は、残りの期間で次の準備をしてください。

  • 基礎学力試験:要項のサンプル問題を、2教科40分で時間を計って解きます。数学Ⅰ・Aの計算、英語の語法、漢字と慣用句など、高校1年までの基礎の取りこぼしを埋めるのが最優先です
  • 全学部AO入試の面接(20分):志願理由書400字の内容を、理由・具体例・将来とのつながりの3段階で説明できるようにします
  • 学部特色入試の発表:10分をメモなしで話し切る練習をし、15分の口頭試問で「なぜそうしたのか」「どこがうまくいかなかったか」「次に何をするか」を聞かれる前提で準備します。PCで発表する人は、機器や変換アダプタを自分で用意する点にも注意してください

来年以降に受ける人は、学部特色入試の発表テーマを高校2年のうちから意識しておくと選択肢が広がります。オープンキャンパスの体験講義・体験実験や、応用生物学部・工学部の高校生向けプログラムに参加し、その内容を自分で発展させたものも発表テーマにできる学科があります。

まとめ

  • 東京工科大学の総合型選抜は全学部AO入試(237名)と学部特色入試(27名・医療保健学部は実施しない)。どちらも第一志望で合格したら入学を確約する人が対象、評定の基準なし、既卒者も出願可
  • 出願は9月1日〜7日、試験は9月27日(八王子)と10月3日・4日(蒲田)、合格発表11月6日、入学手続期限12月15日。複数学科への出願とAO・特色の併願は不可だが、学校推薦型選抜との併願は報告フォームでの報告を条件に可能
  • 全学部AO入試は450点満点:書類審査50点、基礎学力試験200点(2教科を40分、高校1年修了までの範囲、全問マーク式)、個人面接200点(20分程度)
  • 基礎学力試験の教科は、メディア・応用生物・コンピュータサイエンス・工学部と理学療法学専攻が数学・英語、看護・作業療法・言語聴覚・デザインが国語・英語、臨床工学・臨床検査が数学・国語
  • 学部特色入試は発表300点:10分以内の発表(メモ・発表者用ノート不可)と口頭試問を含む面接15分程度。基礎学力試験は100点に換算
  • 発表の内容は、探究課題の成果、メディア作品、ソーシャルメディア運営(登録者・フォロワー2,000人超)、オープンキャンパスの体験の発展、工学系作品、プログラム制作、アイデア提案、デザイン制作物などから、学科が認めるものを選ぶ。方法はポスター・PC・現物から学科が指定
  • 志願理由書は400字以内で得点化されず面接・発表の資料。学部特色入試では入学後の研究テーマも書き、A4片面1枚の報告書を添える

理工系私立大学の総合型選抜は、東京都市大学・東京電機大学、工学院大学、芝浦工業大学、東京理科大学、東京工芸大学、デジタルハリウッド大学の記事でも扱っています。情報・理工系の志望理由の組み立ては情報・理工系の小論文対策、総合型選抜の全体像は総合型選抜の完全ガイドにまとめました。

Related

関連記事

← 「大学別対策」の記事一覧へ