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工学院大学 総合型選抜の対策。実験をして、その場でレポートを書く入試

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工学院大学の総合型選抜3方式を2027年度の募集要項に沿って整理しました。滴定や波動の実験をその場でやってレポートを書く総合評価型、探究活動を10分プレゼンする探究成果活用型、数学と英語の基礎学力調査を課す自己推薦型、情報学部の60分小論文までを解説します。

工学院大学の総合型選抜には、理系の大学らしい選抜方法があります。

その場で実験をして、レポートを書く。滴定実験、波動の実験、天秤とビーカーを使う実験。試験時間割に「実験 13:30〜15:00」「レポート作成 15:00〜15:30」と書かれている入試は、そう多くありません。

この記事は、公開されている2027年度の募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・配点は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:工学院大学 募集要項・出願書類/2027年度 自己推薦型選抜 募集要項(PDF)/2027年度 探究成果活用型選抜 募集要項(PDF)/2027年度 総合評価型選抜 募集要項(PDF)

3つの方式——狙いがはっきり分かれている

方式 対象 募集人員 試験日 中身
自己推薦型選抜 先進工・工・建築・情報の4学部 70名 2026年11月8日(日) 書類審査+基礎学力調査(数学・英語)+面接(口頭試問)
探究成果活用型選抜 4学部 17名 1次11月8日(日)/2次11月28日(土) 1次=基礎学力調査+探究活動書類審査/2次=10分プレゼン+面接
総合評価型選抜 先進工(生命化学・応用化学・応用物理)+情報学部 若干名 11月7日(土)+11月8日(日) 学科ごとに別。実験+レポートまたは小論文

3方式とも出願期間は同じです。

内容
インターネット出願登録 2026年10月1日(木)10:00〜10月14日(水)21:00
検定料納入 10月1日〜10月14日 23:59
出願書類提出 10月1日〜10月14日【消印有効】
合格発表 2026年11月20日(金)10時(探究成果活用型の第二次選考のみ12月4日(金))

合格発表の扱いにも注記があります。

本学新宿キャンパス内での掲示を正式な発表とします。また、マイページの「合否結果」よりオンラインで合否の確認ができます。郵送での通知はありません。

そして全方式に、見落とせない特典があります。

各学科合格者のうち成績優秀者に対し、年間授業料のうち500,000円を減免します。一定水準の成績を収めることで、最大4年間の減免を受けることができます。

総合型で入って、授業料が年50万円下がる可能性があります。4年で200万円です。

総合評価型選抜——実験をして、レポートを書く

いちばん特徴的なのがこの方式です。学科ごとに試験の中身が違い、実験が中心になります。

学科 併願 実験の内容(要項より) 配点比率
生命化学科 併願可 モル計算を伴う、天秤、ビーカー等のガラス器具を使用する実験 実験・レポート・面接:基礎学力調査=5:5
応用化学科 専願制 ビュレット、ホールピペット等のガラス器具を使用する高校化学で学ぶ範囲の滴定実験 実験・データ整理・考察・面接:基礎学力調査=5:5
応用物理学科 専願制 波動に関する実験 実技試験(物理の基礎的理解も含む):基礎学力調査=6:4
情報学部(全学科) 併願制 実験なし。小論文 —

実験の内容が事前に公開されています。「滴定実験」と分かっていれば、学校の実験室で練習できます。ガラス器具の名前まで書いてあるのですから、ビュレットの読み方、ホールピペットの使い方を身体で覚えておくのが直接の対策になります。

時間割まで公開されている

生命化学科の11月7日(土)は、こうなっています。

開場 集合 事前説明・事前準備 実験 レポート作成 休憩 面接
11:30 12:00 12:30〜13:30 13:30〜15:00 15:00〜15:30 16:00〜

実験90分、レポート30分。レポートを書く時間は短く、実験しながら記録を取っていないと間に合いません。

応用化学科は「実験 13:50〜14:50」「データ整理、考察 14:50〜16:00」と、考察のほうが長い配分です。応用物理学科は「実験 13:20〜14:20」「レポート作成 14:30〜15:30」「プレゼンテーション 15:30〜」と、書いたあとに発表まであります。

評価する能力も学科ごとに明示されています。応用化学科の例です。

知識/技能:基礎学力調査、実験、面接 思考力/判断力/表現力:実験、データ整理・考察、面接 主体性/協働性:面接、実験 志望明確性:面接、書類審査(調査書) 観察力/洞察力:実験、データ整理・考察

観察力と洞察力は、実験と考察でしか測られません。手を動かした結果から何を読み取るか、が評価軸だということです。

自宅で実験してレポートを出す北九州市立大学 生命工学科とは逆で、工学院は大学の実験室で、試験時間内にやらせます。ただし求められる力は同じで、仮説・方法・結果・考察という型で書けることが前提になります。書き方は探究のまとめレポートがそのまま使えます。

応用物理学科だけ、1次に小論文がある

応用物理学科には第1次選考があります。

1次選考 小論文を含む書類選考 出願時に提出する出願書類(調査書・小論文等)で1次選考を行います。1次選考通過者には、2次選考の案内を通知します。

小論文は出願時に提出します。要項の33〜34ページの用紙(計2ページ)に記入する形式です。当日書くのではないので、締切まで何度でも書き直せます。

評価の対応も公開されています。

知識/技能:小論文、基礎学力調査、実験 思考力/判断力/表現力:小論文、プレゼンテーション

小論文が2つの観点で評価対象になっています。物理系のテーマの書き方は情報・理工系学部の小論文対策にまとめました。

情報学部の小論文は、テーマが2択

情報学部(併願制)だけ、実験ではなく小論文です。11月8日(日)の13:50〜14:50の60分。

■小論文の内容 ・本学が実施した情報学部インターンシップ ・教科学習、総合的な学習の時間および部活動などにおいて行ったテーマ設定をした探究活動 上記について、内容や成果、自身の考えを問う(資料等の持込不可)。

書く材料は自分の経験です。課題文もテーマも与えられません。インターンシップに参加したか、探究活動をやったか——そのどちらかについて、内容・成果・自分の考えを60分で書きます。

そして出願資格そのものが、この2つに紐づいています。

④本学が実施する情報学部インターンシップ(修了証を提出) ⑤(テーマ設定をした探究活動の経験)

インターンシップか探究活動か、どちらかの実績がないと出願できません。資料は持ち込めないので、自分の活動を800字前後で語れる状態にしておく必要があります。準備は探究活動の完全ガイドと活動報告書に書くことがないときを使ってください。

探究成果活用型選抜——発表した経験が出願資格

募集人員は17名と少ないですが、探究をやってきた人にとっては本命になる方式です。

出願資格が具体的です。

②理数系分野に興味をもち、教科学習および総合的な学習の時間などにおいてテーマ設定をして探究活動を行い、学内外の研究発表会や成果報告会等で発表もしくは外部のコンクール等に提出した経験のある方 ③その経験や成果を活かし、大学進学後も学科の専門分野を学びながら、技術者、研究者を目指す意欲がある方 ④全体の学習成績の状況(評定平均値)が普通科・理数科で3.2以上、専門教育を主とする学科で3.5以上

「発表した経験」が条件です。校内の発表会でも、外部コンクールへの提出でもかまいませんが、やっただけでは足りません。高2のうちに発表の場に出しておく必要があります。

選考は2段階です。

段階 日程 内容
第一次選考 2026年11月8日(日) 基礎学力調査(数学50分100点・英語40分100点)+探究活動書類審査(報告書・志望理由書・調査書)
第二次選考 2026年11月28日(土) 探究活動に関するプレゼンテーション+面接(口頭試問を含む)

一次に数学と英語の学力試験がある点は押さえておいてください。探究の実績だけでは通りません。

プレゼンは10分、機材は自分で持ち込む

第二次選考の指定が細かい。

① 内容 探究活動の内容、探究活動から学んだことについて簡潔に説明すること。 ② 時間 プレゼンテーション(10分程度)終了後、質疑応答(5〜10分程度)を行う。 ③ 方法 ポスター、プレゼンテーション用スライド等を使用し、口頭で発表すること。 ④ 持ち物 発表用資料(パワーポイント等のプレゼンテーション用資料を保存したUSBメモリまたはノートパソコン等)。 ※ノートパソコンはHDMI、USB Type-C端子対応のもののみ使用可能

端子の種類まで指定されています。古いノートパソコンだと接続できません。USBメモリを持っていくのが確実です。

内容の指示は「探究活動の内容、探究活動から学んだこと」の2点。成果の自慢ではなく、そこから何を学んだかを10分の半分は使って話す構成にするのが要項に沿った作りです。準備は探究の発表とプレゼン型入試の対策にまとめました。

別添資料はA4片面10枚まで

出願書類にも制限があります。

別添資料 論文・口頭発表要旨・ポスターの内容等、探究活動で取り組んだ成果をまとめ、A4サイズ(片面)で提出してください。1枚目に氏名を明記してください。2枚以上の場合は通し番号をつけてください。10枚を超える資料については、10枚までにまとめてください。 発表経験に関する書類 探究活動について、学内外の研究発表会や成果報告会で発表したことが分かるもの(パンフレット該当ページのコピーなど)。

10枚に収めるという制約が、そのまま編集力の試験になっています。そして「発表したことが分かるもの」——パンフレットの該当ページなど——が必要なので、発表会のプログラムは捨てずに取っておく必要があります。

自己推薦型選抜——70名の枠と、数学・英語の学力試験

3方式のうち募集人員が最大(70名)なのがこの方式です。

学部 学科 募集人員
先進工学部 生命化学/応用化学/環境化学/応用物理/機械理工(機械理工学専攻) 各3
機械理工学科 航空理工学専攻 2
工学部 機械工学 9
機械システム工学 6
電気電子工学 10
建築学部 建築学部総合(まちづくり・建築・建築デザイン) 11
情報学部 情報通信工学/コンピュータ科学 各5
情報デザイン 4
情報科学 3
計 70

選考方法は書類審査・基礎学力調査・面接の3本です。

書類審査、基礎学力調査、および面接(口頭試問を含む)で多面的・総合的に評価・判定します。口頭試問は、高等学校の学習内容から志望学科と関連する基礎事項の理解度を確認します。 「基礎学力調査」数学(50分)100点:数学Ⅰ(全範囲)、数学Ⅱ(全範囲)、数学A(全範囲)、数学B(数列)、数学C(ベクトル) 英語(40分)100点

小論文はありません。数学と英語の教科試験、そして口頭試問です。「自己推薦」という名前ですが、学力を測る比重が大きい方式だと考えるべきです。

出願資格の評定は、探究成果活用型と同じ普通科・理数科3.2以上/専門学科3.5以上。ただし条件付きの緩和があります。

※その他の学科について、「数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)」と「理科いずれか1科目群(物理/化学/生物)」の両方を履修または履修見込みの場合は3.2以上、履修していない場合は3.5以上

第2・第3志望を同じ学部内で出せる

この方式だけの仕組みがあります。

自己推薦型選抜では、同一学部内の学科を第2・3志望として申し込むことができます(航空理工学専攻出願者、建築学部出願者は申し込めません)。(中略)判定結果により、第2・3志望の学科での合格を認めることがあります(第2・3志望学科申し込みの際、改めて入学検定料を納入する必要はありません)。 志望理由書は第1志望学科についてのみ記入し提出してください。

追加費用なしで学部内の併願ができる設計です。志望理由書は第1志望のぶんだけ。出さない理由がありません。

なお建築学部は学科単位ではなく「建築学部総合」で募集し、3年次に学科(まちづくり・建築・建築デザイン)へ所属します。建築系の準備は建築学科の小論文対策にまとめました。

3方式をどう選ぶか

手持ちのもの 向いている方式
評定3.2以上、数学・英語に自信がある 自己推薦型(枠70名で最大)
探究活動をやり、発表会やコンクールに出した 探究成果活用型(一次に学力試験あり)
化学・物理の実験が得意 総合評価型(生命化学・応用化学・応用物理)
情報学部志望で、インターンシップか探究活動の経験がある 総合評価型 情報学部(60分小論文)

3方式とも出願は10月1日〜14日です。どれで出すかは9月中に決める必要があります。

そして専願・併願の別が学科ごとに違います。

  • 専願制:総合評価型の応用化学科・応用物理学科
  • 併願可:総合評価型の生命化学科・情報学部、自己推薦型、探究成果活用型

何から始めるか

  1. 3方式のどれで出すか決める。出願はいずれも10月1日〜14日
  2. 自己推薦型なら、数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B数列・Cベクトル)50分と英語40分の対策を教科の勉強として進める
  3. 自己推薦型は第2・3志望を追加費用なしで出せる。同一学部内なら必ず埋める
  4. 探究成果活用型なら、発表会やコンクールに出した証拠(プログラム・パンフレット)を確保する
  5. 探究成果活用型の別添資料はA4片面10枚まで。削る作業を早めに始める
  6. 探究成果活用型の2次は10分プレゼン+質疑5〜10分。USBメモリで持参するのが確実
  7. 総合評価型なら、公開されている実験内容(滴定・波動・モル計算)を学校の実験室で練習する
  8. 実験系はレポート作成が30分〜70分。実験しながら記録を取る癖をつける
  9. 応用物理学科は小論文を出願時に提出。締切まで直せる
  10. 情報学部なら、インターンシップか探究活動を60分で書けるように整理しておく。資料は持ち込めない

まとめ

  • 工学院大学の総合型選抜は自己推薦型(70名)・探究成果活用型(17名)・総合評価型(若干名)の3方式
  • 出願は3方式とも10月1日〜10月14日、合格発表は11月20日(探究成果活用型の2次のみ12月4日)
  • 合格者のうち成績優秀者は年間授業料50万円が減免され、最大4年間続く
  • 総合評価型は、その場で実験をしてレポートを書く。実験内容(滴定・波動・モル計算)は要項に公開されている
  • 実験系の配点比率は実験・レポート・面接:基礎学力調査=5:5(応用物理は6:4)
  • 応用化学科・応用物理学科は専願制。生命化学科と情報学部は併願できる
  • 応用物理学科は小論文を出願時に提出する1次選考がある
  • 情報学部の小論文は60分で、テーマはインターンシップか探究活動。資料持込不可
  • 探究成果活用型は「発表もしくは外部コンクールに提出した経験」が出願資格。別添資料はA4片面10枚まで
  • 探究成果活用型の2次は10分プレゼン。ノートPCはHDMI・USB Type-C対応のみ
  • 自己推薦型に小論文はない。数学50分・英語40分の基礎学力調査と口頭試問
  • 自己推薦型は同一学部内の第2・3志望を追加費用なしで申し込める

同じ四工大の東京都市大学・東京電機大学は事前課題と口頭試問の出題範囲を要項に公開し、芝浦工業大学は工学部で夏のスクーリング修了を出願要件にしています。理系の総合型ではほかに東京工科大学、武蔵大学 情報社会デザイン専攻や明治学院大学 情報数理学部にも別の設計があります。東京理科大学 総合型選抜は全学部・全学科で実施していますが、そこでの「小論文」は数学や物理の記述試験です。総合型選抜全体の位置づけは総合型選抜の完全ガイドに、志望校の傾向を自分で読み解く手順は大学別対策の作り方にまとめています。

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