新潟大学 総合型選抜・学校推薦型選抜の対策。紙で行う面接と、動画で出すプレゼン
新潟大学の総合型選抜・学校推薦型選抜を令和9年度の学生募集要項に沿って整理しました。紙上で評価するペーパー・インタビュー、10分間の動画を提出する教育学部、理系と文系の講義を聴いて書く創生学部、英和辞典を持ち込める医学部保健学科までを解説します。
新潟大学の総合型選抜は、試験の形式が学部ごとにまったく違います。
紙で行う面接、動画で提出するプレゼンテーション、講義を2つ聴いて書くレポート。同じ大学の同じ入試とは思えないほど散らばっています。
この記事は、公開されている令和9(2027)年度の学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・配点は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:新潟大学 総合型選抜/令和9年度 総合型選抜 学生募集要項(PDF)/令和9年度 学校推薦型選抜 学生募集要項(PDF)
総合型選抜——共通テストの有無で2つに分かれる
| 共通テストを課さない | 共通テストを課す |
|---|---|
| 経済科学部・工学部 | 教育学部・理学部・創生学部 |
日程が学部ごとにばらばらなのが新潟大学の特徴です。
| 学部 | 出願 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 工学部 | 令和8年9月1日〜3日 | 10月10日(土) | 11月4日(水) |
| 理学部 | 9月3日〜7日 | 10月10日(土) | 令和9年2月9日 |
| 教育学部 | 9月1日〜3日 | 11月21日(土) | 令和9年2月9日 |
| 経済科学部 | 11月2日〜5日 | 11月21日(土) | 12月17日(木) |
工学部と理学部は9月上旬が出願締切です。夏休み中に書類が仕上がっている必要があります。
経済科学部——「ペーパー・インタビュー」という面接
経済科学部の総合型選抜(総合経済学科20人)は、共通テストを免除します。配点はこうです。
| 区分 | 配点 |
|---|---|
| 書類審査 | 50 |
| 総合問題 | 200 |
| 面接 | 150 |
| 合計 | 400 |
そして「面接」の中身が独特です。
④面接 ペーパー・インタビューを実施し、特に「論理的な思考能力」及び「主体性を持って多様な人々と協働して議論を進める態度」を紙上において評価し、点数化します。
紙で行う面接です。対面で話すのではなく、紙上でやり取りする形式。150点という配点は総合問題の次に大きく、書類審査の3倍です。
これは事実上、もう1本の記述試験だと考えるべきです。「議論を進める態度」を紙で測るというのですから、与えられた立場や意見に対して応答を書かせる形が想定されます。
総合問題は経済・社会がテーマ
配点200点の総合問題にも指定があります。
高等学校の学習一般を前提とし、特に経済・社会に関する諸問題について、論理的な思考能力及び日本語の理解力・表現力を評価します。
テーマ領域が「経済・社会」と明示されています。頻出テーマの社会系・法経済系の記事がそのまま準備になります。
書類審査(50点)は自己推薦書の記述内容から「主体性と日本語の表現力」を評価します。実績の量ではなく、書けているかを見る配点です。
工学部——小論文・5分プレゼン・数学の3本立て
工学部の総合型選抜も共通テストを免除しますが、内容が重い。
① 小論文
試験当日に与える課題に対する小論文を課します。思考力・表現力、学位プログラムにおける工学分野への関心等を評価し、点数化します。
② 面接(5分のプレゼンつき)
受験者から自己推薦書の内容に基づいて、口頭によるプレゼンテーションを実施してもらいます(5分程度)。面接員から、活動報告書及び自己推薦書の内容等について質問します。 ※面接の際に資料の持ち込み等はできません。
③ 基礎学力試験
筆記試験の内容 数学(出題範囲は数学Ⅰ、数学Ⅱ)
そして合格の条件が2重です。
最終的な合格者は、書類審査、小論文、面接及び基礎学力試験の得点の合計点が240点以上である者(ただし、基礎学力試験の評価が60点に満たない者を除く。)を対象に決定します。
合計点を満たしても、数学が60点に届かなければ不合格。共通テストを課さない代わりに、数学の学力を直接測る設計です。
なお調査書は点数化せず、面接の参考資料として使われます。志願者が募集人員の約2倍を超えると、書類審査による第1段階選抜が入ります。
教育学部——10分間の動画を提出する
教育学部のプレゼンテーションは、当日行うものではありません。
志願者が、10分間の「未来の学校へ〜私の提案〜」をテーマとしたプレゼンテーションを行い、その動画をデータとして提出してもらいます。
テーマが要項に公開されています。しかも動画提出なので、撮り直しができます。当日の一発勝負ではありません。
そのぶん、完成度で差がつきます。10分という長さは、話す内容が薄いとすぐ分かります。プレゼン型入試の対策と探究の発表を読んで、構成から作ってください。
動画提出は新潟大学だけではありません。芝浦工業大学 工学部の総合型選抜は、第1次選考が「書類選考および動画選考」で、3分間の自己推薦動画(mp4またはmov)を出願時に提出します。静岡大学 情報学部 行動情報学科は5分以内の自己アピール動画を第一次選抜の材料にしています(来学不要)。
志願者が募集人員の約3倍を超えると、書類審査とプレゼン動画の審査で第1段階選抜が行われます。最終判定は共通テスト・プレゼンテーション・面接・書類審査の合計です。
創生学部——理系と文系、2つの講義を聴いて書く
創生学部(創生学修課程 20人)の選抜方法です。
令和9年度大学入学共通テストの成績、講義に関する課題レポート、面接の結果及び出願書類の審査を総合して行います。講義に関する課題レポートでは、理系・文系2つの講義を聴講し、それぞれの講義の後に課題レポートを課します。
理系と文系、2本の講義を聴いて2本書きます。文理融合を掲げる学部らしい設計です。
この「講義を聴いて書く」形式は、広島大学 総合科学部、神戸大学の「志」特別選抜、岡山大学 医学部保健学科、九州大学 共創学部にもあります。ただし2つの分野で2本書かせるのは新潟大学の特徴です。
創生学修コースには理系科目選択型10人・文系科目選択型10人という区分がありますが、講義は両方聴きます。得意でない側でも書けるようにしておく必要があります。
理学部——研究の成果発表経験が出願要件
理学部(理学科5人)は出願要件が絞られています。
②高等学校等の正課外での、数学又は理科をテーマとした研究に関する活動で主体的に研究に取り組み、学校内外いずれかで成果発表(インターネットを通じた発表も可)を行った経験を有する者
正課外の研究活動と、成果発表の経験が要件です。授業の課題研究ではなく、部活動や自主的な研究が対象になります。インターネットでの発表も認められます。
選抜は2段階で、第1次はプレゼンテーション及び口頭試問と書類審査です。
| 区分 | 配点 |
|---|---|
| プレゼンテーション及び口頭試問 | 400 |
| 書類審査 | 100 |
| 合計 | 500 |
第2次選抜は共通テストの成績のみ。第1次の8割がプレゼンと口頭試問という配点です。
学校推薦型選抜——小論文を課す学部が多い
新潟大学は、学校推薦型選抜のほうが小論文の出番が多くなっています。
| 学部・学科 | 共通テスト | 小論文の配点 |
|---|---|---|
| 医学部 保健学科 看護学専攻 | 免除 | 小論文100/面接100(計200) |
| 医学部 保健学科 放射線技術科学専攻 | 免除 | 小論文60/面接90(計150) |
| 医学部 保健学科 検査技術科学専攻 | 免除 | 小論文100/面接100(計200) |
| 農学部 農学科 | 免除 | 小論文50/面接30/書類20(計100) |
| 人文学部 | 課す | 小論文200/面接200(+共テ400=800) |
| 歯学部 歯学科 | 課す | 小論文250/面接250(+共テ900=1,400) |
人文学部と歯学部は、小論文だけで200点・250点です。共通テストと合わせた総合点のなかでも大きい比重を占めます。
医学部保健学科は英和辞典を持ち込める
保健学科の試験には、具体的な注記があります。
令和8年11月20日(金) 小論文 9:30〜(90分) 面接 12:00〜 受験の際、1冊に限り、英和辞典の持込みを許可します(電子辞書は不可)。 放射線技術科学専攻のみ、数学の基礎学力に関する口頭試問を含みます。
英和辞典を持ち込めるということは、英文が出る前提です。千葉大学 文学部の課題論述と同じ扱いで、辞書が引ける代わりに読解と論述の質が問われます。紙の辞書を用意してください。
看護の小論文で何が問われるかは看護学部の小論文対策にまとめています。
何から始めるか
学部によって始めることが違います。
共通テストを課さない側(経済科学部・工学部)
- 出願時期を確認する(工学部は9月1日〜3日、経済科学部は11月2日〜5日)
- 経済科学部なら、総合問題200点+ペーパー・インタビュー150点という配点を前提に、書く訓練を積む
- 工学部なら、数学Ⅰ・Ⅱの基礎学力試験で60点を確保する。ここが足切りになる
共通テストを課す側(教育学部・理学部・創生学部)
- 教育学部なら、10分間の動画「未来の学校へ〜私の提案〜」を作る。撮り直せるので完成度で勝負
- 理学部なら、正課外の研究活動と成果発表の経験が要件。高2までに動く必要がある
- 創生学部なら、理系・文系2本の講義レポートに備える
学校推薦型選抜を狙うなら
- 医学部保健学科・農学部は共通テスト免除。小論文と面接で決まる
- 保健学科なら紙の英和辞典を用意する
- 人文学部・歯学部は小論文の配点が大きい(200点・250点)
新潟大学は、総合型選抜の全体像でいえば「形式の見本市」のような大学です。紙の面接、動画のプレゼン、2分野の講義レポート、辞書持込可の小論文——1つの大学にこれだけ違う形式が同居している例は多くありません。
裏を返せば、自分に合った形式を選べるということでもあります。話すのが苦手なら動画提出の教育学部、書くのが得意なら経済科学部、というふうに。募集要項の読み方で書いたとおり、まず全学部の選抜方法を1枚に並べてから、志望を決めてもいい大学です。