小樽商科大学の総合型選抜。志望理由書も学修計画書も英語で、二次は英語の討論と口頭試問
小樽商科大学の2027年度総合型選抜を募集要項から整理しました。グローカル総合入試は共通テストを課さず、志望理由書と学修計画書を英語で書いて出します。第二次は英語のグループディスカッション5人30分と個別口頭試問。配点は第一次も第二次も「総合評価」で数値が非公開です。要項の総合型選抜の章には、小論文90分がある社会人入試も入っています。
小樽商科大学の総合型選抜は、要項の「Ⅶ 総合型選抜」の章に2区分が入っています。
| 区分 | コース | 共通テスト | 当日の試験 | 募集人員 |
|---|---|---|---|---|
| グローカル総合入試(総合型選抜)一般枠 | 昼間 | ★課さない | 英語グループディスカッション+個別口頭試問 | 15人 |
| グローカル総合入試(総合型選抜)理系枠 | 昼間 | ★課さない | 同上 | 5人 |
| ★社会人入試 | 夜間主 | 課さない | ★小論文(90分)+面接 | 10人 |
★名前に「総合型」が付かない社会人入試が、要項の大分類では総合型選抜に入っています。ここを見落とすと「小樽商科大学の総合型に小論文はない」と誤ります。★総合型選抜の章の中に、90分の小論文があります。
必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・選考方法は年度によって変わります。この記事は2027年度の入学者選抜要項・グローカル総合入試学生募集要項と、2026年10月1日に追加公表された第二次選抜の実施要領によります。 出典:小樽商科大学 入試情報。2026年10月5日に確認しました。
商学部のみの単科大学で、学科は経済学科/商学科/企業法学科/社会情報学科の4つ。昼間コース465人・夜間主コース50人です。
★グローカル総合入試で入学した人は、経済学科または商学科のいずれかになります(他の2学科には行けません)。★学科の所属が決まるのは1年次終了時で、研究指導はグローカルコース専用のゼミナールに所属します。
学校推薦型選抜との境界
| ★グローカル総合入試 | 学校推薦型選抜(昼間) | |
|---|---|---|
| ★共通テスト | ★課さない | ★課す(200点) |
| ★推薦書 | ★不要 | ★必要 |
| ★評定 | ★なし | ★あり |
★この3点がきれいに割れています。評定が足りないならグローカル、という選び方になります。
★昼間コースの学校推薦型選抜とは併願できます(大学のFAQが「最大4回受験可能」と述べています)。夜間主の学校推薦型選抜・帰国子女入試とは併願できません。
志望理由書も学修計画書も、英語で書く
★これがこの大学でいちばん大きい特徴です。
小樽商科大学グローカルコースを志望する理由を★400語以内の英語で記述してください。 ★パソコン等で作成し、フォントは「Times New Roman、14ポイント」を使用してください。
★400語以内の「英単語数」です。日本語の字数ではありません。★手書きではなくワープロ入力で、★フォントの種類とサイズまで指定されています。
★学修計画書も英語です。記入欄が足りなければ2ページ目を使えますが、その場合は氏名と学校名を忘れずに書きます。
出願書類はこれだけです。
| 書類 | 条件 |
|---|---|
| 入学志願票・写真票 | 顔写真は★出願前3ヶ月以内・JPEG・3MB以内。★写真をさらにスマホで撮影したものやアプリで加工・修正したものは不可 |
| ★志望理由書(英語) | ★400語以内・Times New Roman 14pt |
| ★学修計画書(英語) | 同上 |
| 民間の英語資格・検定試験の成績 | ★英検はオンライン確認(共有キー)で、紙の証明書は不要 |
| 調査書 | 学校長が作成し厳封 |
| 角形2号封筒 | ★市販のものを自分で用意 |
| 検定料 | 17,000円 |
★推薦書はありません。
郵送は「簡易書留・速達」で2026年10月20日必着です。★インターネット出願の登録と検定料支払いが完了しても、書類が期限までに届かなければ受理されません。
配点が「総合評価」で、数値が一切公開されていない
★ここは他の国立大学と大きく違います。
| 第一次選抜 | 合計点 | 第二次選抜 | 合計点 | |
|---|---|---|---|---|
| グローカル総合入試 | 英語試験のスコア/調査書/志望理由書/学修計画書 | ★総合評価 | 英語グループディスカッション/個別口頭試問 | ★総合評価 |
★第一次も第二次も「総合評価」で、点数・満点が一切示されていません。共通テストを課さないので共通テストの配点も存在しません。
他の区分には数字があります。一般選抜前期=共通テスト900点+個別500点、後期=共通テスト900点+調査書等50点、昼間の学校推薦型=共通テスト200点。★グローカル総合入試だけが数値配点を持ちません。
(1) 第一次選抜 志望理由書、学修計画書、民間の英語資格・検定試験の成績、調査書等を総合して第一次選抜通過者を判定する。なお、★第一次選抜の通過者は、原則として、募集人員の2倍程度とする。 (2) 第二次選抜 第一次選抜を通過した者に対して、英語によるグループディスカッションと英語を主体とした個別の口頭試問を行い、合否を判定する。
★第一次で募集人員の2倍程度まで絞られます。2026年度は一般枠が志願41人に対し第一次通過29人で、★約3割が書類で落ちています。
口頭試問で見るものも明示されています。
口頭試問では、★英語の能力を含めた知識・技能、与えられた命題に対する思考力・判断力、議論に対する主体性・多様性・協働性を見る。
第二次選抜の実施要領が、別紙で公表されている
★募集要項本体(9月1日公表)には書かれていない情報が、2026年10月1日に1枚の実施要領として追加公表されました。
★1.グループディスカッションについて ① ★受験者5名を一つのグループとして、指定のテーマに基づき、★30分の制限時間以内で英語による議論を行います。 ② 司会進行及び質問等は試験官が必要に応じて行いますが、グループディスカッションでは★受験者の能動的な発言や姿勢が求められます。 (2) テーマ ★グループディスカッション開始時に提示します。 (3) その他 ★教科書や資料の持ち込みはできません。
★2.口頭試問について (1) 時間等 ★一般枠10分程度、理系枠20分程度です。 (2) 内容 試験官の質問に対して★英語で回答してください。★日本語での補足を可能とします。★理系枠では日本語で簡単な数学の知識についても質問します。 (3) その他 教科書や資料の持ち込みはできません。
★理系枠は口頭試問が20分と倍の長さで、しかも★日本語で数学の知識を問われます。
★プレゼンテーションは課されません(要項にも実施要領にも記載がありません)。
★テーマは当日その場で提示されます。事前に準備した原稿は持ち込めません(グループディスカッション対策)。
過去のテーマが毎年公表されている
★グループディスカッションのテーマが、毎年事後に公表されています。2026年度は "overtourism" でした。2025年度・2024年度の分も同じページで公開されています。
出題意図にはこう書かれています。「本出題に際して提示したテーマは「overtourism」である。」
★時事的で、英語で議論しやすいテーマが選ばれています。
一般枠と理系枠で、英語資格の扱いが逆
| 一般枠 | ★理系枠 | |
|---|---|---|
| 英語資格の受験 | 必要 | ★必要 |
| 英語資格のスコア下限 | ★CEFR B1以上(下表) | ★問わない |
| 追加の条件 | — | ★「数学Ⅲ」を履修している者 |
★理系枠は英語資格を受験していればスコアは問われません。かわりに数学Ⅲの履修が条件です。
一般枠のスコア基準
| 試験 | 基準 |
|---|---|
| ケンブリッジ英語検定 | 140以上 |
| TOEFL iBT | バンドスコア3.0以上(従来スコア44点以上) |
| IELTS(★アカデミック・モジュールのみ) | 4.0以上 |
| GTEC(CBTタイプ・検定版)4技能 | 930点以上 |
| TEAP | 225点以上 |
| 実用英語技能検定 | ★CSEスコア1950点以上 |
| TOEIC L&R 及び S&W | ★1150点以上(S&Wのスコアを2.5倍して合算) |
★出願開始日から起算して過去2年以内に受験したものが対象です(★募集要項本体は「出願開始日から起算して」、別表は「出願の時点から起算して」と表記が違います。該当しそうな人は大学に確認してください)。
複数受験している場合は、最も高いもの1つを選んで提出します。
現役のみ。しかも出願資格に入学確約が書き込まれている
(1) 高等学校又は中等教育学校を★2027年3月卒業見込みの者で、★合格した場合には入学することを確約できるもの
★既卒者は出願できません。「既卒〇年まで可」という規定が要項にありません。
★専願(入学確約)が、出願資格の本文そのものに書き込まれています。理系枠も同じです。
★評定の基準はありません(学校推薦型選抜には4.0以上などがあります)。
一般枠には帰国生枠と外国籍枠も含まれます(若干名)。帰国生は外国で最終学年を含めて2年以上継続して学校教育を受けていることなどが条件、外国籍の人は日本留学試験で日本語315点以上かつ総合科目と数学の合計260点以上が必要です。
ギャップイヤープログラムは、グローカル合格者だけの制度
★入学が2028年4月になります。2026年度の入試結果にも注記があります。
※ グローカル総合入試の入学者数は、★ギャップイヤープログラム参加者3名を除き、ギャップイヤープログラム修了者4名を含める
★合格した年に入学せず、1年おいてから入学するという選択肢が用意されている形です。
入試結果
2026年度
| 区分 | 募集 | 志願 | 受験(★第一次通過) | 合格 | 入学 |
|---|---|---|---|---|---|
| ★グローカル総合入試 一般枠 | 15 | 41 | 41(★29) | 19 | 20 |
| ★グローカル総合入試 理系枠 | 5 | ★2 | 2(★1) | 1 | 1 |
★一般枠は志願41人のうち第一次を通過したのが29人で、約3割が書類で落ちます。
★理系枠は志願2人・合格1人と、募集5人に対して大きく下回っています。数学Ⅲの履修が条件で、英語のスコア下限がない枠なので、条件に合う人には狙い目です。
奨学金・生成AI・2028年度の改組
★入試成績に連動する奨学金・特待生制度はありません(全PDFを検索して該当なし)。
★生成AIの記載も一切ありません(要項・様式・FAQのいずれにも「生成AI」「ChatGPT」の語がありません)。禁止とも許可とも書かれていません。
★2027年度のグローカル総合入試は、前年度から実質的な変更がありません(募集人員・選抜方法・配点・英語基準すべて同一。日程が約1日前倒しになっただけ)。★要項に訂正・変更のお知らせもありません(確認済み)。
★ただし2028年度に大きな改組が予告されています。
1学部4学科制 → 1学部1学科5コース制に改組し、入試を変更(募集人員の変更を含む)
★詳細は2026年12月中旬に公表予定です。高2以下の人は、この発表を必ず確認してください。
試験会場と開示
★試験会場は小樽商科大学のみです。
★提出した調査書・志望理由書・学修計画書を開示請求できます(2027年5月6日〜6月30日。本学受験票が必要)。ただし調査書の「指導上参考になる諸事項」「総合的な学習の時間の内容・評価」「備考」欄は開示されません。
準備の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2〜高3春 | ★英語資格を取る。一般枠はCEFR B1以上(英検CSE1950、TOEFL iBT 3.0、IELTS 4.0など)。★出願開始日から過去2年以内の受験が有効 |
| 高2〜高3 | ★理系枠を狙うなら数学Ⅲを履修する。理系枠は英語のスコア下限がありません(受験していることは必要) |
| 高3 夏 | ★志望理由書と学修計画書を英語400語以内で書く。★Times New Roman 14pt、ワープロ入力 |
| 高3 夏〜秋 | ★公表されている過去のグループディスカッションのテーマを見る(2026年度は "overtourism")。時事を英語で議論する練習を |
| 高3 10月13〜20日 | 出願(★簡易書留・速達で10月20日必着)。検定料17,000円 |
| 高3 11月5日 | 第一次選抜の結果発表(★募集人員の2倍程度まで絞られます) |
| 高3 11月22日 | 第二次選抜。★午前に英語のグループディスカッション(5人・30分・テーマは当日提示・持込不可)、★午後に個別口頭試問(一般枠10分/理系枠20分)。理系枠は日本語で数学も問われます |
まとめ
- 小樽商科大学の総合型選抜は、要項の章立てでは2区分。★グローカル総合入試(一般枠15人・理系枠5人)と、★名前に「総合型」が付かない社会人入試(夜間主10人)です
- ★社会人入試には90分の小論文があります。「小樽商科の総合型に小論文はない」はグローカルに限れば正しいのですが、大学の分類全体では成り立ちません
- ★グローカル総合入試は共通テストを課しません。推薦書も評定の基準もありません(学校推薦型選抜とはこの3点で割れています)。★昼間の学校推薦型選抜とは併願できます
- ★志望理由書も学修計画書も英語で書きます。400語以内・Times New Roman 14pt・ワープロ入力です
- ★配点は第一次も第二次も「総合評価」で、点数が一切公開されていません。他の区分には900点・500点などの数値があるので、グローカルだけが例外です
- ★第一次で募集人員の2倍程度まで絞られます。2026年度の一般枠は志願41人中29人が通過で、約3割が書類で落ちています
- ★第二次の実施要領が、募集要項とは別に2026年10月1日に公表されました。★グループディスカッションは5人1組・30分・英語・テーマは開始時に提示・持込不可
- ★個別口頭試問は一般枠10分程度、理系枠20分程度。英語で回答し日本語の補足は可。★理系枠は日本語で簡単な数学の知識も問われます
- ★過去のグループディスカッションのテーマが毎年公表されています(2026年度は "overtourism")
- ★一般枠と理系枠で英語資格の扱いが逆です。一般枠はCEFR B1以上のスコアが必要、★理系枠はスコアを問わない代わりに数学Ⅲの履修が条件
- ★現役(卒業見込み)のみ。既卒は出願できません。しかも★「合格した場合には入学することを確約できる」が出願資格の本文に書き込まれています
- ★グローカル総合入試で入学すると、学科は経済学科か商学科のいずれかになります(1年次終了時に決定)。研究指導はグローカルコース専用のゼミナールです
- ★ギャップイヤープログラムはグローカル合格者だけの制度で、参加すると入学が1年後になります
- ★理系枠は2026年度に志願2人・合格1人と、募集5人を大きく下回っています
- ★入試成績に連動する奨学金はありません。生成AIの記載も一切ありません
- ★2028年度に1学部4学科制から1学部1学科5コース制へ改組し、入試が変わります(募集人員の変更を含む)。詳細は2026年12月中旬公表予定です
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。