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茨城大学 総合型選抜の対策。プレゼンのテーマが要項に書いてあり、集団討論のあと400字を書く

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茨城大学の総合型選抜(教育学部・工学部・農学部・地域未来共創学環)を、令和9年度(2027年度)の学生募集要項から整理しました。公開されているプレゼンのテーマ、模造紙1枚だけ持ち込める工学部、討論のあと400字を書く農学部までを解説します。

茨城大学の総合型選抜は、当日話すテーマが要項に書いてあります。

テーマは「いじめ・不登校対応と子どもの居場所づくりについて必要だと思うこと」です。「プレゼンテーション資料」は、必ず図表などを用いて作成し、内容に応じたタイトルを付けてください。(教育学部 教育実践科学コース)

そして農学部は、集団討論のあとに400字を書かせます。

集団討論後、各個人が30分間で、集団討論の内容を踏まえ、提示された問題に対する「回答」を400字以内で作成します。

この記事は、公開されている令和9年度(2027年度)総合型選抜学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:茨城大学 令和9年度入学者選抜/令和9年度総合型選抜学生募集要項(PDF)/令和9年度入学者選抜要項(PDF)

まず全体を並べる

学部・学環 学科・コース 募集人員 当日の試験
教育学部 教育実践科学コース 8人 プレゼン10分+面接
教育学部 教科教育コース 英語選修 6人 口述試験(英語)+面接
教育学部 教科教育コース 理科選修 6人 口述試験(理科)+面接
教育学部 教科教育コース 技術選修 3人 口述試験(プログラミング関連)+面接
教育学部 特別支援教育コース 7人 プレゼン10分+面接
工学部 都市システム工学科 5人 プレゼン5分+口頭試問+面接
農学部 地域総合農学科 地域共生コース 10人 集団討論+400字+面接
— 地域未来共創学環 12人 グループワーク60分+作文+面接
合計 57人

共通テストは課しません。

日程
出願期間 2026年9月30日〜10月2日(3日間)
試験期日 10月17日(地域未来共創学環のみ10月18日も)
合格者発表 11月1日

出願は3日間だけ。しかも郵便局窓口から「書留・速達郵便」で10月2日必着です。

併願のルールが緩い

(1)本学の総合型選抜で不合格だった者は、学校推薦型選抜に出願することが可能です。 (2)本学の総合型選抜に出願した者は、一般選抜(前期日程及び後期日程)に出願することが可能です。

落ちても学内で次があります。受けておいて損がない設計です。ただし合格した場合は、入学辞退を許可された場合を除き、他の国立大学も含めて一般選抜の合格者になりません。

1つでも欠席すると判定されない

本学の各学部、学科・課程等が課す面接、プレゼンテーション、口述試験、口頭試問、集団活動及び集団討論等のうち一つでも受験しなかった者は、合否の判定対象にはなりません。

当たり前に見えますが、工学部のようにプレゼン・面接・口頭試問の3つを1日でこなす学科もあります。体調管理まで含めて1日仕事です。

教育学部——「地域教員希望枠」で30人

教育学部の総合型選抜は、全体が「地域教員希望枠」という位置づけです。

「地域教員希望枠」で入学した学生は、入学後、所定の教育実践力養成プログラム等に参加し、これを修了することで、茨城県教員選考試験を特別選考枠で受験できる予定です。

さらに入学前の制度もあります。

大学入学前から学校現場での体験機会を提供し、教職への意識を高めることを目的として、総合型選抜(地域教員希望枠)合格者を対象に、科目等履修生としての先取り履修制度を設けています。

出願要件は2つだけ

  1. 調査書の全体の学習成績の状況が3.5以上
  2. 茨城県採用教員として教職を目指す強い意欲がある

出身地の制限はありません。

配点はどのコースも150点

調査書 プレゼン 口述試験 面接 合計
30点 60点 60点 60点 150点

プレゼンか口述試験のどちらか60点、面接60点、調査書30点。調査書が2割を占めるのは、総合型選抜としては重いほうです。

志願理由書は1,300字・直筆

  • A4サイズ・片面印刷、2枚目まで使用して1,300字以内
  • 志願者本人が直筆で、黒インクのペンまたは黒ボールペン(コピーやPCの使用は不可)
  • 記入後、左上をホッチキスで綴じる

全コース共通で書く内容は3つ。

  1. この課程、コース・系・選修を志望した理由
  2. 大学で学びたいこと
  3. 卒業後どのような教員になりたいか

そして選修によって、4つ目の設問が追加されます。

選修 追加で書くこと
英語選修 授業づくりに生かしたい茨城県の地域の魅力や課題について、自身の経験を踏まえて。その際、小学校の外国語(活動)を含め、複数の教科とも関連させて述べる
理科選修 これまでに熱中して取り組んできた自然科学に関連する活動や研究について、どれくらいの期間、どのように取り組んできたかを具体的に
技術選修 これまで自分で取り組んできたプログラミングに関連する活動について、内容・活動期間・使用した言語。また、その活動の中で小学校プログラミング教育の授業に活用できると考えられる内容

技術選修は使用した言語まで書かせます。「プログラミングに興味があります」では埋まりません。

プレゼン系(教育実践科学コース・特別支援教育コース)

テーマが要項で公開されています。

コース/プログラム テーマ
教育実践科学コース〈いじめ・不登校対応と子どもの居場所創設プログラム〉 「いじめ・不登校対応と子どもの居場所づくりについて必要だと思うこと」
特別支援教育コース〈外国にルーツのある子どもを含む学習困難児の教育支援プログラム〉 「外国にルーツのある子どもを含めて、学校が多様な文化を受け入れるときに大切だと思うこと」
特別支援教育コース〈特別支援教育プログラム〉 「障害のある子どもとコミュニケーションをとるときに大切だと思うこと」

特別支援教育コースは、この2つのプログラムから1つを出願時に選びます。そしてどちらも条件が付きます。

このテーマについて、高等学校で行ってきた探究活動をふまえて、プレゼンテーションを行ってください。「高等学校で行ってきた探究活動」とは、必ずしも「総合的な探究の時間」に限らず、課外活動において行ったものでも構いません。また、探究活動は、(テーマに)直接関係する内容でなくても構いません。

探究のテーマが特別支援教育でなくてもよい、と明記されています。何を探究したかではなく、探究の経験をこのテーマにどう接続するかが問われています。

提出物のルールが2コースで違う

教育実践科学コース 特別支援教育コース
提出物 プレゼンテーション資料 プレゼンテーション概要
分量 表紙を含めてA4・5ページ以内(様式自由) A4・1ページ(様式自由)
図表 必ず図表などを用いる 指定なし
当日使えるもの 提出した資料のコピーのみ(メモ書きは可) 概要のコピー+「その他の資料」(電子機器以外は制限なし)

教育実践科学コースは「提出した資料のコピーだけ」で戦います。特別支援教育コースはポスターなど自由に持ち込めます(面接員への配布物は5部用意、ポスターは2〜3メートル離れて見える大きさに)。

両コースともプレゼン10分、質疑を含めて20分程度、そのあと個人面接15分程度です。

口述試験系(英語・理科・技術選修)

選修 口述試験の中身 時間
英語選修 英語技能を測る課題を提示し、その結果と英語を含む質疑応答 質疑を含めて20分程度
理科選修 理科に関する課題を出し、その内容について質疑応答 質疑を含めて20分程度
技術選修 プログラミング教育に関連する教科(数学・理科・英語・情報など)に関する課題 質疑を含めて25分程度

英語選修だけ注意書きがあります。

なお、質疑応答は日本語で行います。(面接について)

口述試験では英語を使い、面接は日本語という切り分けです。

工学部 都市システム工学科——建築デザイン志望者だけの5人

まず、志望プログラムで入口が違う

志望 出願する選抜
社会基盤デザインプログラム 学校推薦型選抜
建築デザインプログラム 総合型選抜

総合型選抜は建築デザインプログラム志望者専用です。そして見返りがあります。

総合型選抜の合格者は、入学後、2年次のプログラム選択において優先的に建築デザインプログラムを選択できます。

出願要件に英語のスコアがある

p.16に示す英語資格・検定試験の得点換算表の得点で50点以上を有する者

換算表の50点は、英検CSE 1700以上/GTEC 680以上/TEAP 135以上/ケンブリッジ英語検定120以上/TOEIC L&R+S&W 625以上あたりです(100点はCEFR B2以上=英検CSE 2300以上)。

令和6年度(2024年度)以降に受験し、出願期間最終日に有効なオフィシャルスコアに限られます。複数持っている場合は、換算後の得点が最も高くなる1つを出します。

配点は600点。口頭試問が200点

調査書 活動報告書 志願理由書 英語資格 プレゼン 面接 口頭試問 合計
(参考資料) (参考資料) (参考資料) 100点 200点 100点 200点 600点

プレゼン200点と口頭試問200点が二本柱です。

プレゼンに持ち込めるのは「模造紙1枚」

出願時に提出する活動報告書に書いた活動を、5分程度で発表し、5分程度の質疑応答を受けます。

持ち込みのルールが具体的です。

  • 模造紙大(790mm×1090mm)以内の大きさの表面1枚のみ
  • 文字の大きさは、5メートル離れた所から読める程度
  • 文字、図表、絵等(手書きが望ましい)並びに写真、図面等を用いて構成されたもの
  • 黒板等の使用は可。電子機器類とその他の資料の持ち込みは不可

「手書きが望ましい」と明記されています。建築デザインを志望する入試で手書きの図面や絵が推奨される、というのは筋が通っています。

活動報告書に書く活動は1件だけ。例が挙げられています。

  • 建築デザイン分野の向学心を示す活動(自由研究、作品制作を含む)
  • まちづくり・地域づくりに対する向学心を示す活動の経験
  • 芸術(工芸、美術、音楽、書道など)分野の能力または向学心を示す活動の経験
  • 自己アピールできるものと建築との関係をまとめた(自由研究含む)経験

音楽や書道でもかまわない、という幅の広さです。「それが建築とどうつながるか」を自分で説明できるかどうかが試されています。

口頭試問には「45分の作戦タイム」がある

数学及び理科の基礎的な問題に対して15分程度の口頭試問を行い(中略)なお、口頭試問を行う前に、45分程度の解答方針作成の時間が与えられます。

問題を見てすぐ答えるのではなく、45分考えてから口頭で説明する形式です。計算を完遂するより、筋道を言葉にする力が見られています。

出題範囲も公開されています。

  • 数学:数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A(図形の性質、場合の数と確率)・数B(数列、統計的な推測)・数C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)
  • 理科:物理基礎、物理

化学・生物は入りません。物理だけです。

農学部 地域共生コース——討論して、そのあと400字書く

出願要件は評定3.8以上

募集は10人。配点は面接50点・集団討論50点の合計100点です。

出願書類は「活動報告書600字」と「学修設計書800字」

書類 内容 分量
活動報告書 (1)活動内容と成果(どのような活動を行い、どのような成果が得られたか)(2)その活動への貢献と学んだこと(成果にどう貢献したか、何を学んだか) 600字以内・図表なし
学修設計書 (1)入学後に何を学びたいか(2)どのように学びに取り組むか(3)卒業後に地域の環境・社会問題の解決にどう取り組みたいか 800字以内・図表なし

どちらもパソコンで作成(手書き不可)、文字サイズ11ポイント、A4・1枚に収めるという指定です。参考資料は活動報告書に1点だけ添付できます。

活動の例は「高校等での探究活動、研究発表、大会やコンテストへの参加、部活動、ボランティア活動など」。

集団討論の進行が分単位で公開されている

これが茨城大学農学部の中心です。

「地域の環境問題や社会問題の解決に農業が貢献できること」に関する具体的な事例や課題を提示し、それに対する考えや解決策を問う問題を出題します。

進行はこうなります。

手順 時間
1. 個人で声に出さずに、提示された問題に対する「回答」を考える 10分
2. グループの各人が順番に最初の意見を発表 1人2分程度
3. 全員が述べた後、他の受験者の意見を踏まえて自由に討論 (2と合わせて計35分)
4. 討論の内容を踏まえ、提示された問題への「回答」を作成 30分で400字以内

「黙考10分 → 発表 → 討論 → 400字」という流れが完全に公開されています。ここまで書いてあれば、練習の形は決まります。

評価される中身も分けて書かれています。

集団討論では、グループで課題に取り組む協調性と意欲(他者の意見を尊重しつつ、問題解決に向けて、より良い解決策を述べることができるか等)をみます。また作成した「回答」では、農業の観点から、課題解決に向けた総合的な思考力(黙考と討論を経て導出された意見が多面的・論理的なものかどうか等)をみます。

「黙考と討論を経て」という言葉が重要です。最初に自分が考えた回答をそのまま書いても評価されません。討論で出た他人の視点を取り込んで、意見が変わった/深まったことが見える400字が求められています。

地域未来共創学環——グループワーク60分のあと、作文30分

出願要件に数学が入っている

募集は12人。要件が3つあります。

  1. 社会課題の解決に対する深い関心をもち、(ⅰ)社会や地域と関わる活動、(ⅱ)データの分析や活用のうちいずれかの主体的な活動経験を有する(学校の内外、文系理系を問わない)
  2. 調査書の全体の学習成績の状況が3.8以上で、かつ数学の学習成績の状況が4.0以上
  3. 数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学Bの全て(または理数数学Ⅰ・理数数学Ⅱの全て)を履修した/履修している

数学だけ4.0以上という要件は珍しいものです。データサイエンス系の学環らしい設計です。

なお、3の科目が出身校で履修できない場合は、出身校以外で履修しても要件を満たします。

配点は100点

集団活動 面接 出願書類 合計
40点 60点 (参考資料) 100点

面接のほうが重い構成です。

集団活動の中身

1グループを5人程度とし、グループワーク(60分程度)を実施します。提示された社会や地域の課題について議論し、その結果を取りまとめ、ホワイトボードや模造紙等にまとめます。その後、30分間でグループワークを振り返った「作文」を各自で作成します。

ここに注意点があります。

集団活動の際に作成した「作文」は面接の参考資料として利用し、点数化はしません。

作文そのものには点が付きません。しかし面接官はそれを読んで質問してきます。書いた内容を自分で説明できる状態にしておく必要があります。

面接(15分程度)では、志願理由書・調査書・この作文を参考に、志望動機、学環で学ぶ学習意欲、社会や地域の課題への関心を見ます。

志願理由書には、志望理由に加えて「主体的な活動経験(社会や地域と関わる活動、またはデータの分析や活用)とその活動を通して学んだこと」を書きます。

どこから手をつけるか

1. テーマが公開されているものは、先に書いてしまう

教育学部のプレゼン3テーマ、農学部の集団討論の主題、地域未来共創学環の「社会や地域の課題」。当日の話題は、かなりの部分がもう分かっています。

とくに教育学部は、テーマに対する自分の答えをA4資料にまとめるところまでが出願作業です。9月30日〜10月2日の出願に間に合わせるには、夏の間に一度書き上げておく必要があります。

2. 「討論のあとに書く」形式を練習する

農学部(400字・30分)と地域未来共創学環(作文・30分)は、議論のあとに書くという同じ形をしています。

練習の作り方は簡単です。ニュースの論点を1つ選び、10分で自分の考えを書き出し、家族や友人と20分話し、そのあと30分で400字にまとめる。討論前と討論後で書いたものを並べて、どこが変わったかを確認してください。その差が、そのまま評価される部分です。

3. 工学部志望なら、英語と物理を先に片づける

  • 英語資格50点以上(英検CSE 1700程度)が出願要件
  • 口頭試問は数学と物理だけ

英語は出願までに取っておく必要があります。物理は範囲が「物理基礎・物理」と限定されているので、問題を解くより「なぜそうなるか説明する」練習に振ってください。45分の作戦タイムがあるということは、説明の組み立てを見ているという意味です。

まとめ

  • 茨城大学の総合型選抜は57人。共通テストは課さない
  • 出願は9月30日〜10月2日の3日間、試験10月17日、発表11月1日
  • 不合格でも学校推薦型選抜に出願できる。総合型に出願しても一般選抜に出願できる
  • 面接・プレゼン・口述試験・口頭試問・集団活動・集団討論のうち1つでも受験しないと判定対象外
  • 教育学部は全体が「地域教員希望枠」。修了すると茨城県教員選考試験を特別選考枠で受験できる予定。合格者には入学前の先取り履修制度もある
  • 教育学部の志願理由書は1,300字・直筆。英語・理科・技術選修には4つ目の設問が追加される
  • 教育学部のプレゼンのテーマは3つとも要項で公開されている
  • 教育実践科学コースの資料はA4 5ページ以内・図表必須、当日は提出資料のコピーのみ使用可
  • 特別支援教育コースはA4 1ページの概要+当日はポスター等の持ち込み自由(配布物は5部)
  • 工学部 都市システム工学科の総合型は建築デザインプログラム志望者専用。合格者は2年次に優先的に選択できる
  • 工学部は英語資格50点以上が出願要件。プレゼンに持ち込めるのは模造紙大1枚(手書きが望ましい)
  • 工学部の口頭試問は数学と物理のみ。45分の解答方針作成時間が与えられる
  • 農学部は評定3.8以上。集団討論は黙考10分→2分ずつ発表→討論(計35分)→30分で400字
  • 農学部の400字は「黙考と討論を経て導出された意見」が評価対象。討論前の考えをそのまま書くのでは足りない
  • 地域未来共創学環は評定3.8以上かつ数学4.0以上、数Ⅰ・Ⅱ・A・Bの履修が必要
  • 学環の作文は点数化されないが、面接の参考資料として使われる

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