福岡歯科大学の総合型選抜。配点があるのは小論文600字だけ、理科も数学も課されない
福岡歯科大学(福岡県福岡市)の2027年度総合型選抜は1期と2期の2方式。小論文(600字以内・60分・100点)と個人面接だけで、理科・数学・英語は一切課されません。配点が付くのは小論文のみで、面接は5段階評価、提出書類は無配点です。過去の小論文は読書と図書館の意義、「正しさとは何か」など人文・教養系の課題文型でした。1期は専願、2期は他大学との併願が可能です。
福岡歯科大学は、福岡県福岡市にある私立大学です。口腔歯学部 口腔歯学科の1学部1学科で、入学定員は96名(収容定員576名)です。併設の福岡医療短期大学(歯科衛生学科)は同一法人・同一キャンパスですが、入試は完全に別建てで、大学の要項には一切登場しません。
募集停止・改組の告知はありません。 なお「歯学部歯学科→口腔歯学部口腔歯学科」への変更は2013年4月、定員120名→96名は2019年度のことで、どちらも既に実施済みです。
2027年度の総合型選抜は1期と2期の2方式です。
| 1期 | 2期 | |
|---|---|---|
| 募集人員 | 約8名 | 約3名 |
| 出願 | 2026年10月1日〜10月26日必着 | 2027年3月1日〜3月15日必着 |
| 試験日 | 2026年10月31日(土) | 2027年3月20日(土) |
| 合格発表 | 2026年11月2日(月)17時(郵送+Web) | 2027年3月23日(火)17時(Webのみ) |
| 併願 | 不可(入学確約が出願要件) | 他大学との併願が可能 |
2期は他大学と併願できます。 ここは注意が必要で、大学の入試情報サイトでは総合型2期に「併願可」のバッジが付いていません。しかし要項(13ページ)には「※他大学との併願が可能」と明記されています。要項が正しい記述です。サイトだけを見ると専願だと誤解しかねません。
そして選考方法がかなり特徴的です。
| 試験科目 | 配点 |
|---|---|
| 小論文 | 100点(満点100点) |
| 個人面接 | 5段階評価 |
| 提出書類 | 無配点 |
配点が付くのは小論文だけです。面接は5段階評価、提出書類は無配点という構成で、小論文100点がそのまま満点になっています(同じ大学の学校推薦型選抜では調査書に100点が明示されているので、その対照がはっきりしています)。
理科・数学・英語は一切課されません。 学力試験があるのは一般選抜のA・B日程だけで、そちらは各150点の450点満点です。
検定料は40,000円で、試験場は福岡のみです(大阪試験場が使えるのは一般選抜A日程と共通テスト利用1期です)。
出典:福岡歯科大学「令和9年度 学生募集要項」(PDF・全28ページ、2026年5月12日作成)、「令和9年度 試験科目配点表」(PDF、2026年6月3日作成)、入試情報のページ、過去の入学試験問題のページ、2026年10月1日付の入試ニュース(https://d.fdcnet.ac.jp/ )。2026年10月1日に確認しました。
小論文の字数についても資料の分かれ方に注意が必要です。 字数の「600字以内」は配点表のPDFにしか載っていません。募集要項の試験科目の表には「60分・100点」とだけ書かれています。両方を見ないと字数が分からない作りになっています。
過去の小論文は医療系ではなく人文・教養系
大学は過去の入学試験問題を公表しています。2026年度(令和8年度)の総合型選抜の小論文は次のテーマでした。
| 期 | テーマ | 出典の種類 |
|---|---|---|
| 1期 | 読書と図書館の意義 | 新聞記事の抜粋 |
| 2期 | 「正しさとは何か」 | 新書の抜粋 |
歯学部の入試なのに、医療系のテーマではありません。 どちらも人文・教養系の課題文型です。
これは対策の方向を決める重要な事実です。歯科医師を目指す受験生は、つい「歯科医療の課題」「口腔の健康」といった題材を準備しがちですが、実際に出ているのは読書・図書館や「正しさ」といった一般教養のテーマです。医療の知識ではなく、課題文を読んで自分の考えを筋道立てて書く力が問われていると読めます。
準備としては、新聞記事や新書の抜粋を読んで600字でまとめる練習が直結します(課題文の要約、小論文の構成メモ)。テーマの幅としては、読書や言葉(読書のテーマ)、教養や学ぶことの意味(教養のテーマ)、価値観や倫理(科学技術と倫理のテーマ)あたりを押さえておくと近い範囲になります。もちろん歯科医療に関わるテーマが出る可能性もあるので、医療者の役割(インフォームド・コンセントのテーマ、地域医療のテーマ)も一通り見ておくと穴がなくなります。
600字を60分は時間に余裕があります。課題文を読むのに15分、構成に10分、執筆に25分、見直しに10分という配分が取れます(小論文の時間配分)。
提出書類は調査書と自己推薦カードだけ
総合型選抜で出す書類は調査書と自己推薦カードだけです。志望理由書は総合型選抜では不要です。
自己推薦カードの設問は4つで、いずれも字数指定のない自由記述枠です。
- 志望理由
- 目指す歯科医師像
- 自己アピール
- 高校在学中に取り組んだ事柄
提出書類は無配点ですが、個人面接(5段階評価)の材料になると考えるのが自然です。特に②「目指す歯科医師像」は、小論文が人文・教養系のテーマで出るぶん、歯科医療への志望をここで示す場になります。地域の歯科医療、予防歯科、高齢化と口腔の健康など、自分が関心を持ったことを具体的に書けるようにしておきます(志望理由書の完全ガイド、自己PRの書き方)。
面接では書いた内容を問われる想定で準備します(面接と書類の一貫性、面接の頻出質問)。
前年度の結果:1期は出願5名で全員合格
大学は入試結果を公表しています。2026年度(令和8年度)の総合型選抜の数字です。
| 期 | 出願者 | 合格者 |
|---|---|---|
| 1期 | 5名 | 5名 |
| 2期 | 8名 | 1名 |
1期は出願者5名に対して合格者5名(募集約8名に対して定員割れ)、2期は出願者8名に対して合格者1名でした。
同じ総合型選抜でも期によって結果がまったく違うことが分かります。1期は専願で募集も約8名と多く、前年度は出願した全員が合格しています。2期は併願でき、募集が約3名で、前年度は8名のうち1名でした。
この数字をどう読むかは慎重に考える必要があります。前年度1回分のデータなので来年度も同じとは限りませんが、専願で出願できるなら1期のほうが条件がよいという傾向は読み取れます。1期は10月の出願で、合格発表が11月2日です。
奨学金は総合型選抜の対象外
専願S特待生(1,250万円免除)は、総合型選抜は対象外です。対象は一般選抜A・B日程と共通テスト利用1・2・3期です。
総合型選抜に紐づく奨学金・特待生制度はありません。 歯学部は学費の負担が大きいので、学費の減免をねらうなら一般選抜や共通テスト利用という選択になります。総合型選抜を使うかどうかは、この点も含めて考える必要があります。
公式サイトの日程表に誤記がある
もう1つ注意点です。大学の公式サイトの入試日程のページで、共通テスト利用1期の合格発表日が「令和8年2月4日」と書かれていますが、2027年度入試なら令和9年が正しい日付です(要項が正しい記述です)。
総合型選抜には直接関わりませんが、同じページの日程を引くときは要項と突き合わせるほうが安全です。
どこから手をつけるか
1期をねらうなら(出願10月1日〜10月26日必着、試験10月31日)
出願期間が今日から始まり、約4週間あります。
- 1期は専願です。合格したら入学することが出願の要件になります
- 自己推薦カードの4設問(志望理由/目指す歯科医師像/自己アピール/高校在学中に取り組んだ事柄)を書く。字数指定はありません
- 調査書を高校に依頼する
- 10月26日必着で出願。検定料は40,000円
- 10月31日の試験に向けて、600字・60分の小論文を練習する。過去のテーマは読書・図書館の意義、「正しさとは何か」といった人文・教養系の課題文型でした。新聞記事や新書の抜粋を読んで600字にまとめる練習が直結します
- 面接は個人面接(5段階評価)。自己推薦カードに書いた内容を説明できるようにしておきます
- 試験場は福岡のみです
2期を考えるなら(出願2027年3月1日〜3月15日、試験3月20日)
- 他大学と併願できます(サイトのバッジには出ていませんが要項に明記されています)
- 募集は約3名と少なく、前年度は出願8名に対して合格1名でした
- 合格発表はWebのみ(3月23日17時)で、1期の郵送+Webとは扱いが違います
- 年度末なので、他の大学の結果が出てからの最後の選択肢として使える位置です
学費の支援を考えるなら
専願S特待生(1,250万円免除)は総合型選抜の対象外です。これをねらうなら一般選抜A・B日程または共通テスト利用(1〜3期)になります。総合型選抜で合格した場合、特待生の枠には乗れないという前提で判断します。
まとめ
- 福岡歯科大学は口腔歯学部口腔歯学科の1学部1学科、入学定員96名。募集停止・改組の告知はない
- 総合型選抜は1期(募集約8名・専願)と2期(募集約3名・他大学との併願可)の2方式
- 2期は併願可だが、大学の入試情報サイトには「併願可」のバッジが付いていない。要項が正
- 配点が付くのは小論文だけ(600字以内・60分・100点で満点100点)。面接は5段階評価、提出書類は無配点
- 理科・数学・英語は一切課されない(学力試験があるのは一般選抜A・B日程のみ)
- 小論文の字数「600字以内」は配点表のPDFにしか載っていない(募集要項の科目表は「60分・100点」のみ)
- 過去の小論文は医療系ではなく人文・教養系の課題文型(2026年度は1期=読書と図書館の意義〈新聞記事抜粋〉、2期=「正しさとは何か」〈新書抜粋〉)
- 提出書類は調査書と自己推薦カードだけ。志望理由書は不要。自己推薦カードは4設問(志望理由/目指す歯科医師像/自己アピール/高校在学中に取り組んだ事柄)で字数指定なし
- 前年度(2026年度)の結果は1期が出願5名・合格5名、2期が出願8名・合格1名
- 検定料40,000円。試験場は福岡のみ
- 専願S特待生(1,250万円免除)は総合型選抜の対象外。総合型に紐づく奨学金はない
- 大学サイトの日程ページに共通テスト利用1期の合格発表日の年の誤記がある(要項が正)
- 2026年10月1日の時点で、1期の出願は10月1日〜10月26日必着、試験日は10月31日
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。同じ福岡県では九州国際大学と福岡大学・久留米大学、歯学部のある公立大学(九州歯科大学)は九州・沖縄の公立大学の総合型選抜の記事もあわせて読めます。