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大学別対策

東北の公立大学 総合型選抜の対策。A0ポスターとMMIの福島県立医科と、10分プレゼンの秋田県立

約35分で読めます

宮城大学・秋田県立大学・岩手県立大学・福島県立医科大学・青森公立大学・山形県立保健医療大学・東北公益文科大学・東北農林専門職大学の総合型選抜を令和9年度の募集要項から整理しました。6部屋を巡るMMIとA0ポスター、事前提出PDFの10分プレゼン、共通テスト700点の山形県内定着枠、英語で10分話す面接まで解説します。

東北の公立大学の総合型選抜で、いちばん形が変わっているのは福島県立医科大学の医学部です。

募集は5名以内。第2次選考はMMIと呼ばれる面接で、受験者が6つの面接室を移動しながら、それぞれ独立した審査を受けます。1室あたり10分程度。部屋のテーマは、志願理由、主体性・能動性・リーダーシップ、科学的探究心、倫理観、思考力・判断力・表現力、コミュニケーション力の6つです。

そのうち「科学的探究心」の部屋では、A0サイズのポスターを使って4分程度の発表をします。ポスターは出願時に提出し、大学がA0に印刷したものを当日使います。手持ち資料は一切持ち込めません。

一方、秋田県立大学は出願資格が「秋田県内の高等学校を令和9年3月に卒業見込みの者」に限られます。県外からは出願できません。そのうえで10分のプレゼンテーションと10分の質疑応答が配点の半分以上を占めます。

岩手県立大学は、2次選考に進むときにもう一度出願が必要です。1次の書類選考に通ってから、9月26日〜30日に改めて手続きをします。

このほか、青森公立大学・山形県立保健医療大学・東北公益文科大学・東北農林専門職大学も総合型選抜を実施しています。なかでも山形県立保健医療大学の看護学科(山形県内定着枠)は、1,000点のうち共通テストが700点。小論文では山形県に関することが出題されます。

この記事は、公開されている令和9年度の学生募集要項・入学者選抜概要の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。 出典:宮城大学 学群入試 募集要項/秋田県立大学 総合型選抜/岩手県立大学 学部選抜概要/福島県立医科大学 医学部 募集要項/青森公立大学 総合型選抜Ⅰ 学生募集要項/山形県立保健医療大学 募集要項等/東北公益文科大学 2027年度学生募集要項/東北農林専門職大学 入試情報

8大学で約200人、共通テストの扱いが分かれる

大学 学部・学類等 募集人員 共通テスト
秋田県立大学 システム科学技術学部(5学科) 31人 課さない
秋田県立大学 生物資源科学部(4学科) 18人 課さない
宮城大学 看護学群 看護学類 5人 課さない
宮城大学 事業構想学群(3学類) 24人 課さない
宮城大学 食産業学群(2学類) 16人 課さない
岩手県立大学 看護学部 看護学科 4人 受験を強く推奨
岩手県立大学 社会福祉学部 20人 受験を強く推奨
岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 若干名 受験を強く推奨
福島県立医科大学 医学部 医学科 5名以内 課さない
青森公立大学 経営経済学部(経営9・経済9・地域みらい12) 30人 合格後に受験・成績提出が必要(合否には使わない)
山形県立保健医療大学 保健医療学部 看護学科(山形県内定着枠) 10人 課す(700点)
東北公益文科大学 公益学部 公益学科 20人 課さない
東北公益文科大学 国際学部 国際コミュニケーション学科 5人 課さない
東北農林専門職大学 農林業経営学部(農業経営10・森林業経営2) 12人 課さない
合計 約200人

東北農林専門職大学の12人には、社会人選抜・私費外国人留学生選抜(各学科1人ずつ)が含まれます。

共通テストの扱いは、大学ごとにはっきり分かれます。

  • 山形県立保健医療大学は合否判定に使います(1,000点中700点)
  • 青森公立大学は合否には使いませんが、合格者は指定科目を受験し、入学後に成績を提出します
  • 岩手県立大学は「受験を強く推奨」。免除はされますが、受けておくことが前提の設計です
  • ほかの5大学は課しません

秋田県立大学の学科別内訳はこうです。

学部 学科 募集人員
システム科学技術学部 機械工学科 10人
システム科学技術学部 知能メカトロニクス学科 8人
システム科学技術学部 情報工学科 4人
システム科学技術学部 建築環境システム学科 5人
システム科学技術学部 経営システム工学科 4人
生物資源科学部 応用生物科学科 6人
生物資源科学部 生物生産科学科 4人
生物資源科学部 生物環境科学科 4人
生物資源科学部 アグリビジネス学科 4人

宮城大学の学類別は、看護5・事業プランニング8・地域創生8・価値創造デザイン8・生物生産8・フードマネジメント8で、6学類すべてが対象です。

日程も大学ごとに違います。

大学 出願 試験日 合格発表
秋田県立大学 9月1日〜7日 9月26日 11月2日
宮城大学 9月1日〜8日 10月17日(2次) 11月2日
岩手県立大学 9月1日〜4日(1次)/9月26日〜30日(2次) 10月10日・11日(2次) 11月4日
福島県立医科大学 9月11日〜18日 10月17日(1次)/11月14日(2次) —
青森公立大学 Web 8月31日〜9月17日/書類9月7日〜17日(必着) 10月17日 11月2日
東北農林専門職大学 9月18日〜10月2日(必着) 10月17日 11月4日
東北公益文科大学 9月24日〜30日(書類は10月1日消印有効) 10月17日 11月2日
山形県立保健医療大学 11月16日〜25日(必着) 12月15日 2027年2月9日

10月17日には、宮城大学(2次)・福島県立医科大学(1次)・青森公立大学・東北公益文科大学・東北農林専門職大学の試験が重なります。

福島県立医科大学 医学部——総合問題600点、そしてMMI

募集は5名以内。出願資格に調査書の学習成績概評がA段階という条件があります。共通テストは課しません。

併願に強い制限があります。他の国公立大学・学部の総合型選抜および学校推薦型選抜との併願は認められません。ただし本学医学部の学校推薦型選抜との併願は可能です。その場合は総合型選抜での選抜が優先され、総合型で不合格になった人だけが学校推薦型の選抜対象になります。

第1次選考は300分の記述試験

10月17日の1日で、記述試験を2本受けます。

試験 時間 配点 内容
総合問題Ⅰ 9:30〜12:00(150分) 400点 主として理数系の基礎的知識(大学で医学教育を受けるのに必要な基礎知識)に加えて、論理的な思考力を問う記述試験。英文による出題を含む
総合問題Ⅱ 13:00〜15:30(150分) 200点 主として論理的かつ多面的な思考力、表現力を問う記述試験
600点

第1次選考は総合問題の合計得点順に、募集人員の3倍程度を合格とします。5名以内の募集なので、通過するのは15名前後ということになります。

第2次選考のMMIは6つの部屋

11月14日。MMI(Multiple Mini Interview)は、1回の面接ではなく、受験者が評価項目別の面接室を移動しながら、各々独立した短時間の面接を複数回行う手法です。

部屋は6つで、それぞれ10分程度。

  • 志願理由
  • 主体性・能動性・リーダーシップ
  • 科学的探究心
  • 倫理観
  • 思考力・判断力・表現力
  • コミュニケーション力

このうち「科学的探究心」の部屋でポスター発表を行います。

配点は最終的にこうなります。

項目 配点
面接(MMI) 300点
出願書類(自己推薦書、特別活動に関する報告書) 150点
総合問題(第1次選考の成績を使用) 600点
合計 1,050点

総合問題600点が最終判定にもそのまま持ち越されます。第1次を通過しただけでは終わりません。調査書は、出願書類および面接の参考資料として使われます。

ポスターの課題は2通りある

A0サイズ(縦1,189mm×横841mm)の縦置き。PDFで出願時に登録し、確認用にA4カラー印刷したものも提出します。当日は大学がA0に印刷したものを使います。

課題は、自分に科学的研究の経験があるかどうかで分かれます。

①科学的研究がある場合:その研究成果をポスター1枚にまとめる

②科学的研究がない場合:これまで興味を持った科学的研究(歴史的発見や発明など)について調べて、ポスター1枚にまとめる

研究経験がなくても出願できる設計です。発表は4分程度、その後に質疑応答。手持ち資料等の持ち込みは不可で、提出したポスターだけを使います。色、文字の大きさ、写真の貼付けは自由です。

出願書類も分量があります。自己推薦書は1,400字以内で、アドミッション・ポリシーに合致する理由を活動報告を踏まえて書き、入学後に学びたい内容と卒業後を見据えた目標まで含めます。特別活動に関する報告書は1,000字程度で、最も評価できる活動1件について書きます。活動は3つのカテゴリーに分類します。

  • A)リーダーシップ・社会貢献(生徒会などの学生コミュニティ運営、学外でのボランティア、就業経験・家業、起業等)
  • B)科学的探究心(国際的に評価される研究活動、全国規模の科学コンクール、地方学会での表彰等)
  • C)その他(高度なスキルを生かした活動など)

活動を証明する資料も3つまで登録できます。PDFのほか、pptx、mp4、mov、m4vが使えるので、動画も提出できます。1ファイル300MBまで。さらに活動内容を照会できる個人または機関の連絡先を書く欄があり、大学から問い合わせが行われることがあります。

秋田県立大学——秋田県内の高校生だけ、プレゼンが半分以上

総合型選抜は49人。出願資格が明確です。

  • 秋田県内の高等学校を令和9年3月に卒業見込みの者
  • 高等学校在学中に特色ある活動を主体的に行った者
  • 合格した場合には入学を確約できる者

県外の高校からは出願できません。試験は9月26日の1日で終わります。

配点は学部で違います。

学部 プレゼンテーション 総合問題 面接 合計
システム科学技術学部 600点 — 400点 1,000点
生物資源科学部 500点 250点 250点 1,000点

どちらもプレゼンテーションが最大の配点です。

プレゼンは事前提出のPDFで行う

プレゼンテーション10分+質疑応答10分。題材は「特色ある活動に関する活動報告書」の内容です。

大学のパソコンでPDFファイルを使用します。PDFは9月17日17時までに提出し、一度提出したPDFは差し替えられません。提出されたPDFは資料として試験監督員に配布されます。

そのほかに使いたいものがある場合は、9月10日までに特設フォームから申し出て、大学が許可したものだけ使えます。要項に例が挙がっています。

  • 制作物の実物
  • 制作物の動画
  • 開発したアプリを動作させるためのパソコン
  • 農作物

許可されないものも明記されています。臭気の強い物品の使用、飲食を伴う実演、試験室内を汚損する可能性のあるもの、そしてPDFに掲載すれば足りるものです。

自分の発表原稿メモはA4用紙1枚に限り持ち込み可で、これは申出不要です。

面接と総合問題

システム科学技術学部の面接(400点)には口頭試問が含まれます。範囲が公開されています。

  • 理科:物理基礎(経営システム工学科は物理基礎または化学基礎)
  • 数学:数学Ⅰ、数学Ⅱ

生物資源科学部には総合問題(60分・250点)があります。評価するのは「データを読み取り、そこから論理的に考える力や、提案する力、生物基礎と化学基礎の基礎学力」です。面接250点には口頭試問は含まれません。

面接、プレゼンテーション、(生物資源科学部は)総合問題のいずれか一つでも受験しなかった場合は、選抜の対象から除かれます。

宮城大学——書類で決まり、面接は20分

6学類で45人。宮城大学の総合型選抜は、出願書類の比重が非常に高い構成です。

第1次選考は、志願者全員に対して調査書および出願書類の内容を総合的に判定して行われます。第2次選考は面接(20分)だけ。内容は「基礎的な学習成果や探究活動に基づく、志望する学類での学修に対する意欲や資質を問う面接」とされています。

つまり筆記試験も小論文もありません。書いたものと、20分の面接で決まります。

出願書類は探究活動報告書3問+自己申告書3問

出願書類はJ-Bridge Systemという専用サイトで入力・提出します。設問は学群によって違います。

事業構想学群(事業プランニング・地域創生・価値創造デザイン)の場合。

設問 字数 内容
探究活動報告書① 300字以内 取り組んだ探究活動を一つ取り上げ、課題をどのように設定したか、活動の中で自身がどのような役割を担ったか
探究活動報告書② 300字以内 探究活動を通して自身にどのような変化があったか、経験から得た学びと今後に向けて見通した課題を、活動の過程を根拠にして説明
探究活動報告書③ 200字以内 志望学類での学びに特に活かしたい自身の力や姿勢を、具体的な学修の場面を想定して
自己申告書① 300字以内 この学類を志願した理由
自己申告書② 300字以内 入学後、この学類でどのように学んでいきたいか
自己申告書③ 300字以内 関心をもっている地域社会の動向や現代社会の課題を一つ取り上げ、内容と関心をもった理由、自分の考え、取り組んできたこと/今後取り組みたいこと

食産業学群(生物生産・フードマネジメント)は字数配分が違います。探究活動報告書①が150字以内、②が150字以内、そして③が500字以内(探究活動で学んだことを大学でどう生かすか、具体例を示しながら)。自己申告書③は「高等学校内外で特に力を入れて活動してきた内容」です。

要項の注意書きが実務的です。

  • 「探究活動」には、総合的な探究の時間や課題研究等の授業のほか、教科の課題研究や学校内外で取り組んだ自主的な研究活動など、特定の課題について調査・分析・考察等を行った学習活動を含む
  • グループで取り組んだ場合は、その中での自身の役割が分かるように書く
  • 他人の言葉や書籍・インターネットから引用するのではなく、自分の経験を踏まえ、自分の言葉で書く
  • 食産業学群の②には「探究活動では、成功したり、上手くいかなかったり、結果はいろいろです。重要なのは、そこで何を学んだかです」という補足がある

失敗した探究でも書けると、大学側が明示しているということです。

面接は録音され、成績は開示されない

第2次選考について、要項に2つの注意があります。

面接試験は、公正な試験を維持するため、録音します。

そして総合型選抜については、受験者の個人成績の開示は行いません。ほかの選抜区分と扱いが違うので、覚えておいてください。

試験会場は大和キャンパスです。太白キャンパスでは実施しないと、要項がわざわざ注意しています。試験当日は学内の食堂・売店が営業していません。

合格者には入学前教育プログラムが用意されます。これまでは高等学校での学習成果の総まとめや、大学入学後の学修に向けた準備を目的とした「セミナー」や「課題学習」などが実施されてきました。

岩手県立大学——2次選考に、もう一度出願する

3学部で24人(看護4・社会福祉20・ソフトウェア情報 若干名)。総合政策学部は総合型選抜の募集人員がありません。

日程が独特です。

段階 期間・日程
1次選考の出願 令和8年9月1日〜4日
1次選考 書類審査
1次選考 合格発表 9月24日
2次選考の出願 令和8年9月26日〜30日
2次選考 10月10日・11日
合格発表 11月4日

1次を通過してから、改めて出願手続きが必要です。1次合格の通知を受けたあと、4日間の窓口で手続きを済ませないと2次に進めません。

第2次選考の中身は学部で分かれます。

  • 講義理解力試験および面接
  • 面接(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を評価するため、面接中に口頭試問を行う)

そして総合型選抜のすべての学部で、大学入学共通テストの受験を強く推奨すると明記されています。共通テストは課されませんが、受けておくことが前提になっています。

出願資格は「高校を卒業又は令和9年3月に卒業見込みの者等」で、学校推薦型選抜のような評定の下限はありません。岩手県立大学の学校推薦型選抜には「全体の学習成績の状況が4.0以上」といった条件がありますが、総合型選抜にはそれがない、ということです。

青森公立大学——出願の条件は3ルート、共通テストは合格後に受ける

経営経済学部の総合型選抜Ⅰは30名(経営9・経済9・地域みらい12)。3学科から1つを選んで出願します。総合型選抜Ⅱは、帰国生徒・社会人・外国人留学生を対象にした別の選抜です。

出願できるのは2027年3月に卒業見込みの人(既卒は不可)で、専願。そのうえで次の3つのうち、どれかを満たす必要があります。

ルート 条件
(1) 活動 特別活動(ホームルーム・生徒会・学校行事・部活動等)で顕著な指導力を発揮した、または地域社会・地域文化への貢献活動で中核的役割を担った+全体の評定3.5以上+国語・数学・英語・地歴公民のうち3教科が3.8以上
(2) 資格 日商簿記2級以上(または全商簿記実務1級)、基本情報技術者、英検2級以上・GTEC 930点以上・TOEIC L&R 400点以上・TOEFL iBT 36点以上・国連英検C級以上のいずれか+全体の評定3.5以上
(3) 成績 全体の評定4.0以上+国語・数学・英語・地歴公民のうち2教科が4.5以上

出願書類の活動報告書は、どのルートで出願するかによって様式が違います。志望動機書と活動報告書は、大学の様式をダウンロードしてWordで作成します。

共通テストは、合格してから受ける

出願要件には、共通テストの出願で大学が指定する教科・科目を登録し、成績の閲覧を「希望する」と登録することが含まれます。

合否判定には使いません。ただし合格者は入学前指導として、指定科目をすべて受験し、入学後(2027年4月12日〜23日予定)に成績を提出します。受験しなかった場合や成績を提出できない場合は、入学許可の後でも入学を取り消すことがあると要項に書かれています。

指定科目は、国語(近代以降の文章のみ)・数学(「数学Ⅰ,数学A」または「数学Ⅰ」)・英語(リスニングを含む)の3教科が必須で、さらに「数学Ⅱ,数学B,数学C」・地理歴史・公民から1つです。

試験は1日、面接が100点

項目 配点
出願書類 50点
小論文(90分) 50点
面接(1人15分程度) 100点
合計 200点

10月17日、小論文が11:00〜12:30、面接は13:15からです。

小論文では「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を評価し、特に思考の論理性、構想力、表現力を確認するとされています。面接ではそれに加えて「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価し、出願書類をもとに、特に志望動機と目的意識を確認します。面接に道具等は持ち込めません。

追試験はありません。そして合格は入学が前提で、特別な事情がない限り入学辞退は認められません。

山形県立保健医療大学——看護学科の「山形県内定着枠」

対象は看護学科の10人だけで、理学療法学科・作業療法学科に総合型選抜はありません。山形県の保健医療を担う人材を確保するための枠で、卒業後に県内の医療機関等で看護職として働く人を募集します。

出願要件は次のとおりです。

  • 山形県内に住所がある、または一親等の尊属か配偶者が、出願の1年前から引き続き県内に住所がある
  • 高校を卒業した人、または2027年3月に卒業見込みの人(既卒も可)
  • 卒業後、看護職として山形県内の医療機関等に就業し、地域医療に貢献する熱意がある
  • 合格したら必ず入学することを確約できる
  • 共通テスト(大学が指定する教科・科目)を受験する
項目 配点
共通テスト 700点(国語200・地理歴史/公民100・数学/情報100・理科100・英語200)
小論文 200点
口頭試問 100点
合計 1,000点

小論文は「山形県に関すること」を出題し、文章表現力、論理的思考力、テーマに関する課題分析力、知識などを評価します。口頭試問は、複数の試験官が調査書や自己推薦書などを参考に、能力・熱意・適性を評価します。

不合格の条件が2つ明記されています。口頭試問の得点が50%未満なら、不合格。そして、共通テストの配点合計が学内の合格基準点に満たない場合も、不合格とすることがあります。

出願 試験日 合格発表
11月16日〜25日(必着) 12月15日 2027年2月9日

この記事の8大学でいちばん遅い日程で、合格発表は共通テストのあとです。要項では、不合格に備えて国公立大学の前期・後期・公立中期の各日程に1つずつ出願できることが案内されています。同じ大学の学校推薦型選抜(山形県内の高校の卒業見込み者が対象)との併願もでき、その場合は総合型選抜(山形県内定着枠)の判定が先に行われます。

東北公益文科大学——公益学部はプレゼン、国際学部は英語でも面接

山形県酒田市の大学で、2026年4月に公立大学法人となり、国際学部も開設しました。

総合型選抜は公益学部 公益学科20名、国際学部 国際コミュニケーション学科5名。既卒生も出願でき、合格したら入学することを確約します。公益学部と国際学部の併願はできません。

出願には、学部ごとに次のいずれかが必要です。

学部 条件(いずれか)
公益学部 全体の評定3.5以上/国語・数学・地歴・公民・理科・外国語のうち評定4.0以上の教科が2つ以上/英検CSEスコア1700以上・GTEC 680以上・全商簿記1級・日商簿記2級以上・ITパスポート・基本情報技術者のいずれか
国際学部 全体の評定3.5以上かつ英語3.8以上/英検CSEスコア1825以上・GTEC 805以上(CEFR A2相当)
出願 試験日 合格発表
Web 9月24日〜30日 23:59(書類は10月1日消印有効) 10月17日(酒田キャンパス) 11月2日 10時

志願者が募集人員を超えた場合は、試験の前に書類選考が行われることがあります。調査書と自己評価・志望理由書をもとに判定され、実施するかどうかは10月2日、結果は10月9日にWeb出願システムで知らされます。

配点は両学部とも250点、中身が違う

学部 小論文(70分・600字以内) 面接 調査書(主体性に関する書類を含む) 合計
公益学部 100点 プレゼンテーション・面接 計25分 50点 100点 250点
国際学部 70点 面接20分 80点(英語10分程度・日本語10分程度) 100点 250点

調査書が100点あり、どちらの学部でも小論文と同じか、それ以上の配点です。

公益学部のプレゼンテーションは10分程度。これまでの学習成果や諸活動の実績、志望動機、入学後の学修方法・目標について話し、そのあと面接に移ります。メモを用いずに行うことが望ましいとされています。

スライドを投影する場合は、PowerPointかPDFのデータをUSBメモリで持参します。パソコンは大学が用意し、Googleスライドなどで作ったものはPDFに変換します。スマートフォンやタブレットからの投影はできませんが、画面を直接試験官に見せることはできます。機器を使うかどうかは、出願後に全員がWeb出願システムで連絡します。

国際学部の面接は、英語の質疑応答が10分程度、日本語が10分程度。英語はCEFR A2相当以上、目安は英検準2級〜準2級プラス程度とされています。

小論文は10:10〜11:20、プレゼンテーション・面接は11:50からです。

出願書類の自己評価・志望理由書は、黒か紺のボールペンで手書きします。配点表に項目はありませんが、書類選考の判定材料になり、入学後のアドバイザー面談の参考資料としても使われます。主体性に関する書類は、出身高校が学校として作成するものです。

東北農林専門職大学——東北6県の高校生に優先枠

山形県新庄市にある公立の専門職大学です。農林業経営学部の総合型選抜は農業経営学科10人、森林業経営学科2人。この人数には、社会人選抜・私費外国人留学生選抜(各学科1人ずつ)が含まれます。山形県内の指定高校を対象にした指定校推薦型選抜は、これとは別枠です。

出願要件は3つです。

  • 農業または森林業に高い関心を持ち、課題解決や持続可能な地域の発展に貢献する意欲がある
  • 調査書全体の評定平均値が3.5以上
  • 合格したら必ず入学することを確約できる

高校を卒業した人も出願できます。そして東北6県の高校を卒業した人・卒業見込みの人は、合否判定で配慮されます(東北優先枠)。

出願 試験日 合格発表
9月18日〜10月2日(必着) 10月17日 11月4日 9:30

試験は2つです。

  • 小論文(10:00〜11:00):与えられた資料やテーマに関する考え方を問う。800字以内
  • 個人面接(12:00〜、1人20分程度):複数の試験官が、農業・森林業に対する関心、学修意欲、コミュニケーション能力などを問う

選抜は、小論文と面接(調査書・志望理由書を含む)の内容の総合判定です。小論文と面接のどちらか一つでも受験しなかった場合は、選抜の対象から除外されます。

出願は郵送(簡易書留)か持参。志望理由書は本人が自筆で、黒のインクかボールペン(消せるボールペンは不可)で書きます。入学考査料17,000円は山形県収入証紙で納めます。県外で入手しにくい場合は、郵便局の普通為替も使えます。

どこから手をつけるか

福島県立医科大学は、まず総合問題です。

第1次選考は総合問題の合計得点順で、募集人員の3倍程度しか通りません。しかもその600点が、最終判定の1,050点のうち600点としてそのまま残ります。MMIやポスターの準備をどれだけしても、総合問題で届かなければ第2次に進めません。

総合問題Ⅰは150分で、英文による出題を含みます。理数系の基礎知識に論理的思考力を足した記述試験です。総合問題Ⅱも150分で、論理的かつ多面的な思考力と表現力を問います。1日で300分の記述。まず時間に耐える練習が要ります。小論文の時間配分と英文課題文の小論文、医学部の小論文を使ってください。

ポスターは、研究経験がなくても作れます。課題②が「これまで興味を持った科学的研究(歴史的発見や発明など)について調べてまとめる」だからです。A0縦置きで4分の発表。手持ち資料は持ち込めないので、ポスターだけで話を完結させる設計が必要です。プレゼン型入試の対策を参照してください。

MMIは6部屋それぞれが独立した審査です。ひとつの部屋で失敗しても引きずらない。逆に、通しの面接のように「さっき話した内容の続き」は使えません。MMIの対策と医学部の総合型選抜・学校推薦型選抜にまとめています。

秋田県立大学は、PDFを固めるのが最初の仕事です。

配点の半分以上がプレゼンテーション(システム科学技術600点、生物資源500点)。そのPDFは9月17日提出で、差し替えができません。出願(9月7日)から10日しかありません。

題材は「特色ある活動に関する活動報告書」の内容なので、出願書類とプレゼンが直結しています。活動報告書に書くことがないときと志望理由書の完全ガイドを先に固めてください。志望理由書は800字程度です。

制作物やアプリを使いたいなら、9月10日までに申し出が必要です。当日いきなりは持ち込めません。

システム科学技術学部を受けるなら、口頭試問の範囲(物理基礎、数学Ⅰ・Ⅱ)を復習しておいてください。生物資源科学部なら総合問題60分があり、生物基礎と化学基礎、そしてデータを読んで提案する力が問われます。資料・グラフを読む問題と農学部の小論文が役立ちます。

宮城大学は、探究活動の棚卸しがすべてです。

筆記試験がありません。探究活動報告書3問と自己申告書3問、そして20分の面接。書類の質がそのまま結果になります。

事業構想学群なら300字・300字・200字、食産業学群なら150字・150字・500字。短い字数に収める練習が要ります。字数の調整を参照してください。

問われるのは一貫して「課題をどう設定したか」「自分が何をしたか」「そこから何が変わったか」です。成果の大きさではありません。要項自身が「重要なのは、そこで何を学んだか」と書いています。探究活動のまとめ方も参考になります。

岩手県立大学は、2次の出願を忘れないでください。

9月24日に1次合格が発表され、9月26日〜30日に2次の出願をします。ここを逃すと、1次に通っていても受験できません。

そして共通テストの受験が強く推奨されています。総合型で決まらなかった場合に備える意味でも、受ける前提で計画を立ててください。第2次選考には講義理解力試験がある学部と、口頭試問を含む面接の学部があります。講義を聞いて答える形式は課題文の要約、口頭試問は口頭試問の対策で準備できます。

青森公立大学は、どのルートで出願するかを先に決めてください。

(1)活動・(2)資格・(3)成績のどれで出すかで、活動報告書の様式が変わります。全体の評定3.5に届いていても、(1)なら4教科のうち3教科が3.8以上、(2)なら資格が別に必要です。書類は9月17日必着です。

配点は面接100点が最大で、出願書類と小論文が50点ずつ。面接は出願書類をもとに志望動機と目的意識を確認するので、志望理由書の完全ガイドと書類と面接の一貫性で、書いたことを自分の言葉で話せる状態にしておいてください。小論文は90分で、思考の論理性と構想力が見られます。経済学部の小論文が参考になります。

そして合格しても共通テストは受けます。指定科目を受けなかったり、入学後に成績を出せなかったりすると、入学取消もありえます。

山形県立保健医療大学は、共通テストが土台です。

小論文200点・口頭試問100点に対して、共通テストが700点。総合型選抜の枠でも、合否の大部分は共通テストの得点で決まる配点です。そのうえで小論文は山形県に関することが出題されます。山形県の医療や人口、地域の課題を、具体的な事実とともに説明できるようにしておいてください。地域医療のテーマと看護学部の小論文が使えます。

口頭試問は50%未満で不合格です。自己推薦書と調査書が参考資料になるので、「なぜ山形県内で看護職として働くのか」を自分の経験から話せるように準備してください。口頭試問の対策を参照してください。

東北公益文科大学は、調査書100点を忘れないでください。

250点のうち調査書が100点で、公益学部では小論文と同じ、国際学部では小論文(70点)より大きい配点です。出願した時点で、配点の4割にあたる材料はすでに確定しているということです。

公益学部なら、10分のプレゼンを作ります。学習成果・活動・志望動機・入学後の学修計画までを10分に収め、メモなしが望ましいので、声に出して通す練習を重ねてください。プレゼン型入試の対策を参照してください。小論文は70分で600字以内です。字数の調整も押さえておくと安心です。

国際学部なら、英語で10分話す面接があります。目安は英検準2級〜準2級プラス程度。志望動機や学習の成果を、英語と日本語の両方で説明できるようにしておいてください。国際系学部の小論文も参考になります。

東北農林専門職大学は、農業・森林業への関心を具体的な言葉にしておくことです。

面接で問われるのは農業・森林業に対する関心、学修意欲、コミュニケーション能力。小論文は資料やテーマについて800字以内です。農学部の小論文と食料・農業のテーマで、課題と解決策を自分の言葉で言える状態にしてください。資料が出た場合に備えて、資料・グラフを読む問題も役立ちます。

出願は10月2日必着で、考査料は山形県収入証紙です。県外に住んでいる人は、入手方法を早めに確認してください。

まとめ

  • 東北の公立大学の総合型選抜は、この記事で扱う8大学で約200人
  • 福島県立医科大学 医学部は5名以内。調査書の学習成績概評A段階が出願資格
  • 福島県立医科の第1次選考は総合問題Ⅰ(150分・400点、英文出題を含む)とⅡ(150分・200点)の600点で、募集人員の3倍程度に絞られる
  • 第2次選考はMMI。6つの面接室(志願理由/主体性・能動性・リーダーシップ/科学的探究心/倫理観/思考力・判断力・表現力/コミュニケーション力)を各10分程度で巡る
  • 「科学的探究心」の部屋でA0サイズ縦置きのポスターを使い4分程度発表。手持ち資料の持ち込みは不可
  • ポスターの課題は、研究経験がない人向けに「興味を持った科学的研究について調べてまとめる」という選択肢が用意されている
  • 福島県立医科の最終配点は1,050点(面接300・出願書類150・総合問題600)。他の国公立の総合型・学校推薦型との併願は不可
  • 秋田県立大学は49人。出願資格が秋田県内の高等学校の卒業見込み者に限られる
  • 秋田県立の配点は1,000点で、プレゼンテーションがシステム科学技術学部600点・生物資源科学部500点
  • プレゼンは10分+質疑10分。PDFを9月17日までに提出し、差し替え不可。制作物やアプリを使うには9月10日までの申出が必要
  • システム科学技術学部の面接には口頭試問(物理基礎、数学Ⅰ・Ⅱ)、生物資源科学部には総合問題60分がある
  • 宮城大学は6学類で45人。第1次は書類、第2次は20分の面接のみで、筆記試験も小論文もない
  • 宮城大学の出願書類は探究活動報告書3問+自己申告書3問で、学群によって設問と字数が違う
  • 宮城大学の面接は録音され、総合型選抜の個人成績は開示されない
  • 岩手県立大学は24人(看護4・社会福祉20・ソフトウェア情報 若干名)。2次選考に進む際、9月26日〜30日に改めて出願が必要
  • 岩手県立は共通テストの受験を強く推奨。第2次は学部により講義理解力試験+面接または口頭試問を含む面接
  • 青森公立大学は30名(経営9・経済9・地域みらい12)。現役・専願で、出願の条件は(1)活動+評定、(2)資格+評定3.5、(3)評定4.0+2教科4.5のいずれか
  • 青森公立の配点は出願書類50・小論文(90分)50・面接100=200点。共通テストは合否に使わないが、合格者は指定科目を受験し入学後に成績を提出。しないと入学取消もありうる
  • 山形県立保健医療大学は看護学科の山形県内定着枠10人。山形県内に住所(または一親等の尊属・配偶者が県内在住)、既卒可、卒業後に県内で看護職として働く熱意が条件
  • 山形県立保健医療の配点は共通テスト700・小論文200(山形県に関することを出題)・口頭試問100。口頭試問50%未満は不合格。試験12月15日、発表2月9日
  • 東北公益文科大学は公益学部20名・国際学部5名。配点は両学部250点で、調査書が100点
  • 公益文科の公益学部は10分程度のプレゼン(メモなしが望ましい)を含む25分、国際学部は英語10分・日本語10分の面接(英検準2級〜準2級プラス程度が目安)。小論文は70分・600字以内
  • 東北農林専門職大学は農業経営10人・森林業経営2人(社会人・留学生の選抜各1人を含む)。評定3.5以上、東北6県の高校の出身者に優先枠。小論文800字以内と個人面接20分程度
  • 10月17日に、宮城(2次)・福島県立医科(1次)・青森公立・東北公益文科・東北農林専門職の試験が重なる
  • 青森県立保健大学・秋田公立美術大学・山形県立米沢栄養大学・会津大学は、令和9年度に総合型選抜を実施しない(高校生向けの区分は学校推薦型選抜と一般選抜)

東北の国立大学は、弘前大学、岩手大学・宮城教育大学、秋田大学、山形大学、福島大学の記事で扱っています。同じ東北の公立では国際教養大学を単独で扱いました。ほかの地域の公立大学の総合型選抜は、北海道、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、岡山・広島、鳥取・島根・山口、四国、九州・沖縄の記事にまとめています。学校推薦型選抜は関東、東海、関西、中国・九州の記事で扱いました。

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