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早稲田大学スポーツ科学部 総合型選抜Ⅲ群の対策。競技実績の「証明」と90分の小論文

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早稲田大学スポーツ科学部の総合型選抜Ⅲ群(スポーツ自己推薦入学試験)を募集要項に沿って整理。全国大会出場と評定3.5の出願資格、競技歴調査書と証明資料の作り方、90分の小論文と面接までを解説します。

早稲田大学スポーツ科学部の総合型選抜Ⅲ群(スポーツ自己推薦入学試験)は、競技実績で出願し、小論文で合否が決まる入試です。

競技を続けてきた人ほど、ここで足をすくわれます。実績があることと、実績が証明できることは別であり、そして競技力は小論文の点数にはならないからです。

この記事は、公開されている募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・出願資格・対象種目は年度によって変わります。実際、2027年度入試以降で出願資格の一部変更(欠席日数に係る要件の撤廃)が学部から告知されています。 出典:早稲田大学スポーツ科学部 入学試験情報/総合型選抜Ⅲ群 入学試験要項(PDF)

出願資格——5条件すべてを満たす

要項は「下記の(1)~(5)のすべてを満たすこと」としています。実質的に効いてくるのは(3)と(5)です。

条件
(1) 高校卒業(見込)等であること
(2) スポーツ科学部への入学を強く希望し、学部が求める高い学力を有すること
(3) 高校在学時に全国大会出場以上の競技成績を有すること
(4) 入学後の勉学に明確な志向と熱意をもつこと
(5) 全体の評定平均値 3.5以上

募集人員は60名です。

(3)の「全国大会出場以上」には、対象種目の指定がある

どの競技でもよいわけではありません。要項は対象を3つに限定しています。

  1. 日本オリンピック委員会(JOC)の正加盟団体である種目。ただし準加盟団体・承認団体は含みません
  2. 日本パラリンピック委員会(JPC)の加盟団体である種目
  3. 学部が認めた種目——要項では日本拳法と少林寺拳法が挙げられています

「JOCに関係している団体」ではなく「正加盟団体」であることが条件です。自分の競技がどれに当たるかは、要項の一覧で確認してください。要項にはJOC・JPCの団体一覧が全て掲載されています。

なお、判定の基準日は要項に明記されています(2026年4月1日時点の加盟状況)。団体の加盟区分は変わりうるので、その年度の要項の一覧で確認するのが確実です。

(5)の評定3.5は、既卒か在学かで対象期間が違う

区分 対象期間
2027年3月卒業見込みの者 2年次末までの全体の評定平均値が3.5以上
2026年3月に卒業した者 3年次末までの全体の評定平均値が3.5以上

現役生は2年次末までで判定されるという点が重要です。つまり高3の成績は間に合いません。高2の終わりの時点で決まっています。

3.5という数字は、競技に打ち込んでいる高校生にとって軽くありません。要項が出願資格(2)に「本学部が求める高い学力を有する者」と書いていることと合わせて読んでください。この入試は、競技実績だけでは設計されていません。

競技歴調査書は3点セット——「証明」がすべて

出願書類のうち、この入試の核心は競技実績に関する3つの書類です。

様式 書類 作り方
様式③ スポーツ競技歴調査書(1) 主要な競技成績を最大2つまで記入
様式④ スポーツ競技歴調査書(2) 様式③のNo.ごとにそれぞれ1枚
様式⑤ スポーツ競技成績証明書 様式③のNo.ごとにそれぞれ1部

つまり、成績を2つ書いたら、様式④が2枚・様式⑤が2部になります。

書けるのは「結果が出た大会」だけ

要項に明記されています。

出願書類提出時点で大会の結果が出ていない競技成績は記入できません(出場予定の大会は対象外です)。

出願は9月中旬〜下旬です。秋の大会を当てにした出願はできません。3年生の夏までの結果で勝負することになります。

大会名は正式名称で、順位がなければ「出場」と書く

要項の指示は具体的です。

  • 大会名はできるだけ略さず正式名称で(例:第○回全国高等学校○○選手権大会、令和○年度全国高等学校総合体育大会、第○回国民スポーツ大会 等)
  • 順位がない場合は「出場」もしくは「○○賞」等を記入する
  • 予選がある場合は「予選の有無」に○をつけ、予選に関する情報も記入する
  • 大会規模・参加人数等の詳細を記入する

順位がなくても書けます。「全国大会出場」自体が出願資格なのですから、出場したことを正確に示せば足ります。盛る必要はありませんし、盛れば証明で破綻します。

証明資料の作り方

様式⑤に添えるのは、個人名・競技名・大会名・順位を証明する客観的資料です。要項が挙げているのは、賞状、公式記録、新聞記事、雑誌記事、インターネット記事、大会要項などのコピー。作り方の指定は細かいので、要点を挙げます。

  • すべてA4判に統一する。大きければ縮小、小さければA4に貼り付ける
  • 本人の証明内容記載部分にアンダーラインを引くなどして分かりやすくする
  • 新聞記事のコピーには、余白に新聞名・日付・掲載面数を書く
  • 雑誌記事のコピーには、誌名・号数・ページを書く
  • Webからのプリントアウトは、個人名・競技名・大会名・順位・引用元URLが分かるようにする
  • VTRやCD-ROM、USBメモリ等の電子媒体は認められない
  • 出場した大会の出場資格・大会規模・参加人数が客観的に分かる資料を出す。予選がある場合は予選についても同様に
  • 団体競技の場合は個人名が特定できる資料を必ず提出する。出場(ベンチ入りを含む)していることが分かる資料も必要

団体競技の受験生は、ここで詰まりがちです。チームの成績は証明できても、自分がそこにいたことの証明は別に要ります。メンバー表、記録票、大会プログラムなど、引退前に確保しておいてください。卒業後に集めるのは大変です。

要項には「手元に関係資料がない場合は、ご自身で競技団体または連盟に問合せをし、提出してください」ともあります。取りに行く前提の入試だと考えてください。

そして分量について。

資料の上限数はありませんが、資料の分量で合否が決められるわけではありません。提出の際は、ホチキスで留められる程度の分量に収めてください。

厚さは評価されません。必要なことが一目で分かるかどうかです。

活動の書き方に迷う場合は活動報告書に書くことがない人へと自己PRの書き方を参照してください。

二次選考——90分の小論文と、資料持ち込み不可の面接

一次は書類審査です。通過すると、二次選考に進みます。

要項に記載されている二次選考の時程は次のとおりです(試験日は11月中旬、会場は東伏見キャンパス)。

時間 内容
9:30〜11:00 小論文(90分)
12:15〜 面接

小論文の形式は、要項に書かれている

これは大きなヒントです。要項の注釈にこうあります。

小論文は、提示された文章、資料等の内容を踏まえて、自己の意見を論理的にまとめ、文章化するという試験です。

テーマ型ではありません。「提示された文章、資料等」が与えられ、それを踏まえて書く形式です。つまり課題文型と資料・グラフ型の準備が中心になります。

90分という時間は、読む時間を込みで考える必要があります。手順を決めておいてください。

配分の目安 やること
15〜20分 課題文・資料を読む。線の引き方の5記号で主張と根拠を分ける
10分 構成メモを作る。ここを飛ばさない
50分 書く
10分 見直し。誤字と主述のねじれを潰す

要項が「自己の意見を論理的にまとめ」と書いている以上、要約だけでは足りません。資料の読み取りと、自分の判断。この2つを分けて書く型を身につけてください(設問の動詞の読み分け)。

テーマの方向

スポーツ科学部のアドミッション・ポリシーには、示唆的な一文があります。

スポーツには「する」という関わり方だけではなく、「みる」、「ささえる」、「しる」など幅広い関わり方がある

競技者としての視点だけでは、この学部の求める人物像に届きません。自分の競技経験を、科学的・社会的に捉え直す視点が要ります。

準備はスポーツ・健康系の小論文対策を土台に、次のテーマを押さえておくと安心です。

自分の競技の経験を、これらの論点に接続できるか。そこが差になります。

面接は資料を持ち込めない

要項に明記があります。

面接試験会場での資料等の使用・持ち込み等は一切認めません。

手元を見ながら話すことはできません。自分が書いた書類の中身を、覚えている必要があります。出願書類のコピーを取っておき、繰り返し読んでください。準備の手順は面接の頻出10問と書類と面接の一貫性にまとめています。

併願の設計——スポーツサポート歴入試と地域探究・貢献入試

スポーツ科学部には、競技実績以外のルートもあります。

スポーツサポート歴入学試験

要項によれば、出願資格は高校在学中にスポーツチーム(運動部活動を含む)の競技活動を一定期間定期的にサポートした経験です。募集人員は若干名。マネージャー、トレーナー、アナリスト、審判といった関わり方をしてきた人が対象になります。

総合型選抜Ⅲ群との併願は可能ですが、要項は重要な注意を書いています。

本入学試験の第二次選考実施日とスポーツサポート歴入学試験の第二次選考実施日は同一日のため、本入試とスポーツサポート歴入学試験の第一次選考がどちらも合格となった場合、第二次選考はどちらかの入試を選択してください。

両方の一次に通っても、二次は片方しか受けられません。出願の段階で、どちらが本命かを考えておいてください。

地域探究・貢献入試

スポーツ科学部は、全学の地域探究・貢献入試の募集学部にもなっています。こちらは競技実績を問わず、地域の課題についての課題レポートで出願する入試です。最終選考で共通テストが必要になるという大きな違いがあるので、別記事で扱っています。

いずれにせよ、一般入試の準備を止めないでください(総合型選抜と一般入試の両立)。

準備の順番

時期 やること
高1〜高2 評定3.5以上を確保する。現役生は2年次末で判定される
高2〜高3 競技を続ける。全国大会出場を目指す
大会のたび 証明資料をその場で確保する。プログラム、メンバー表、記録、記事
高3 6〜7月 要項で対象種目と出願資格を確認。競技歴調査書を下書き
高3 8月 証明資料をA4に整える。足りないものは連盟に問い合わせる
高3 9月 出願。書類は必ずコピーを取る
一次合格後 課題文型・資料型の小論文を90分で書く演習。面接練習

証明資料の確保が、この入試の実務上いちばん大事な作業です。大会が終わってから探すと、間に合わないことがあります。出願実務の落とし穴は出願直前チェック17項目、要項の読み方は募集要項の読み方にまとめています。

まとめ

  • 募集人員60名。出願資格は5条件すべてを満たす必要がある
  • 全国大会出場以上の実績が必要。対象種目はJOC正加盟団体・JPC加盟団体等に限定される
  • 評定平均3.5以上。現役生は2年次末までで判定されるので、高3では動かせない
  • 出願時点で結果が出ていない大会は書けない。夏までの実績で勝負する
  • 競技歴は最大2つ。個人名が特定できる証明資料が必須。団体競技は出場が分かる資料も
  • 二次は90分の小論文と面接。小論文は「提示された文章、資料等」を踏まえる形式と要項に明記
  • 面接に資料は持ち込めない。書類の中身は覚えておく
  • スポーツサポート歴入試とは併願できるが、二次はどちらか片方しか受けられない
  • 日程・対象種目は必ず最新の募集要項で確認する

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