小論文キャンパス
大学別対策

鳥取・島根・山口の公立大学の総合型選抜。模擬授業を受けてから答える公立鳥取環境と山口県立、ロボットハンドの思考実験がある山口東京理科、夏の特別講義が出願条件の周南公立

約30分で読めます

鳥取県・島根県・山口県の公立大学6校について、2027年度の総合型選抜を学生募集要項で確かめました。実施するのは島根県立大学(浜田・出雲・松江の3キャンパス)・公立鳥取環境大学・山口県立大学・山陽小野田市立山口東京理科大学・周南公立大学の5校で、下関市立大学は実施しません。学科ごとの出願条件と配点、模擬授業や講義を受けてから答える試験、公開されている課題、特別講義の受講が必要な学科までを解説します。

鳥取・島根・山口の公立大学の総合型選抜は、その場で学ばせてから測る試験が目立ちます。

公立鳥取環境大学は模擬授業を受けて課題に答える試験が100点で、面接2つの合計と同じ重さ。山口県立大学の国際文化学科と情報社会学科は大学教員の模擬講義を受けてレポートを書き、それをもとにプレゼンします。周南公立大学の経済経営学科は30分の講義のあとに小論文、山陽小野田市立山口東京理科大学の機械工学科はロボットハンドの座学と実験です。

さらに周南公立大学の看護学科とスポーツ健康科学科(区分Ⅱ)は、オープンキャンパスと8月の特別講義に出ていないと出願できません。

この記事は、鳥取県・島根県・山口県の公立大学について、2027年度の学生募集要項で総合型選抜の中身を確かめて整理したものです。

必ず志望大学・学部の最新の学生募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願資格は年度によって変わります。 出典:島根県立大学 入試情報/公立鳥取環境大学 総合型選抜/山口県立大学 入学者選抜要項・学生募集要項・過去問題/山陽小野田市立山口東京理科大学 学部の入試情報/周南公立大学 大学案内・募集要項/下関市立大学 入学者選抜要項・学生募集要項

実施状況

大学 県 2027年度の総合型選抜
島根県立大学 島根 実施:浜田キャンパス(国際関係学部・地域政策学部)45名/出雲キャンパス(看護栄養学部)16名/松江キャンパス(人間文化学部)20名
公立鳥取環境大学 鳥取 実施:環境学部20名・経営学部20名
山口県立大学 山口 実施:国際文化学部3学科・社会福祉学部・看護栄養学部2学科で計30名
山陽小野田市立山口東京理科大学 山口 実施:総合型選抜Ⅰ(共通テストなし)工学部15名/総合型選抜Ⅱ(共通テストあり)工学部15名・薬学部5名
周南公立大学 山口 実施:経済経営学科10名/スポーツ健康科学科20名/看護学科5名/福祉学科5名(情報科学部は実施なし)
下関市立大学 山口 2027年度入学者選抜要項の選抜区分は学校推薦型選抜・一般選抜・特別選抜・外国人留学生選抜・第3年次編入学で、総合型選抜なし

島根県立大学短期大学部(保育学科・文化情報学科)にも総合型選抜がありますが、この記事は4年制の大学だけを扱います。

日程を試験日の順に並べます。

大学・区分 出願期間 試験日 合格発表
山口東京理科(Ⅰ) 9月1日〜7日(必着) 一次(書類)の結果9月18日 → 最終選抜10月4日 11月2日
山口県立 9月4日〜14日17時必着 一次(書類)の結果9月30日 → 二次10月10日 11月1日
周南公立(スポーツ健康科学・看護) 9月3日〜10日 1次(書類)の結果9月30日 → 2次10月17日 11月1日
周南公立(経済経営) 9月8日〜15日 1次(書類)の結果10月9日 → 2次10月17日 11月1日
周南公立(福祉) 9月8日〜15日 10月17日 11月1日
公立鳥取環境 9月17日〜30日 10月17日・18日(2日間) 11月2日
島根県立(浜田) 9月24日〜30日 10月17日(面接は17日か18日) 11月1日
島根県立(松江) 9月25日〜30日 10月17日(面接は17日か18日) 11月2日
島根県立(出雲) 9月1日〜8日 1次(書類)の結果10月9日 → 2次10月24日(面接は24日か25日) 11月2日
山口東京理科(Ⅱ) 12月14日〜21日(必着) 一次=共通テスト(結果2月4日)→ 最終選抜2月7日 2月9日

10月17日に、周南公立・公立鳥取環境・島根県立(浜田・松江)の試験が重なります。ただ、この記事の入試はどれも「合格したら入学を確約する」ことが出願の条件です。並べて受ける設計ではないので、秋にどこへ出すかを1つに絞ることになります。

島根県立大学——3キャンパスで81名、キャンパスごとに別の入試

島根県立大学の総合型選抜は、浜田・出雲・松江のキャンパスごとに学生募集要項が分かれていて、中身もまったく違います。共通しているのは、共通テストを課さないことと、合格したら必ず入学すると確約することです。

浜田キャンパス(国際関係学部・地域政策学部)——4コースで45名

学部・コース 募集人員 出願の条件 試験と配点
国際関係学部 国際関係コース 10 評定の条件なし 小論文100+個別面接100=200
国際関係学部 国際コミュニケーションコース 15 評定平均3.5以上、かつ「外国語」「国語」がいずれも3.8以上 小論文(英語)200+個別面接100=300
地域政策学部 経済経営・デジタルマネジメントコース 10 評定平均3.5以上 総合問題200+個別面接200=400
地域政策学部 地域づくりコース 10 評定の条件なし。在学中に自分の役割を自覚して主体的に取り組んだ活動経験があること 小論文100+プレゼンテーション100+個別面接100=300

地域政策学部の地域公共コースには総合型選抜がありません。

4コースに共通する点

  • 出願資格の卒業時期は2025年3月〜2027年3月(既卒は2年前まで)
  • 出願は9月24日〜30日(Web登録は30日20時まで、書類は当日消印有効)
  • 小論文・総合問題は10月17日9:30〜11:00の90分。個別面接(25分)は17日の午後か18日で、大学が指定
  • 合格発表は11月1日10時
  • 小論文(総合問題)と面接のどちらかが著しく低いと、総合点の順位に関係なく不合格になることがある
  • 不合格だった人は、学校推薦型選抜・一般選抜に出願できる

コースごとの注意点

  • 国際コミュニケーションコースは、英語の小論文が配点の3分の2を占めます。一方で、面接では英語による口頭試問は行わないと要項に書かれています(課題文が英文の小論文)
  • 経済経営・デジタルマネジメントコースの総合問題は、課題文や図表などを読んで理解し、論理的に考えて表現する問題です(図表・グラフの読み取り)
  • 地域づくりコースのプレゼンは、活動報告書をもとに「これまでの活動実績と得られた学び」と「入学後の学びや経験をどう将来につなげたいか」を示すもの。時間配分はプレゼン7分・質疑応答5分・面接13分です。発表方法は自由形式ですが、出願時の「事前申告書」で申告し、あとから変えられません。パソコン・大型モニター・HDMIケーブル・ホワイトボードなどは大学が用意し、データはUSBメモリで持ち込みます(パソコンを使う場合は、印刷した資料3部も提出)

出願書類は手で書きます。要項は、黒のボールペンか黒インクで、文字はすべて楷書で記入し、修正は二重線と訂正印で行う(修正液・修正テープは使わない)と指定しています。

コース 本人が書く書類
国際関係 志願理由書(1,000字程度):海外や国際問題に関心を持ったきっかけ、大学で深く学びたい具体的な国際問題や北東アジア地域に関する事柄、それを学びたい理由、進学のためにどんな準備をしてきたか/大学での抱負(学修計画書・1,000字程度):在学中に成し遂げたいことと、そのための取り組み(個別・具体的な事例を挙げる)
国際コミュニケーション/経済経営・デジタルマネジメント 志願理由書(全体で1,000字程度):志願理由と、何をどのように学びたいか/卒業後の目標
地域づくり 活動報告書(1,200字程度):主体的に取り組んだ経験から得た学びを、志願理由とあわせて/プレゼン方法の事前申告書/活動実績の資料(任意、A4で10枚以内)

1,000字を手書きで楷書にするのは、思ったより時間がかかります。下書きをパソコンで固めてから清書する段取りにしておきましょう(志望理由書の完全ガイド)。

出雲キャンパス(看護栄養学部)——評定3.8以上、2次は120分のレポート

学科 自己推薦 島根県地域枠
看護学科 5 5
健康栄養学科 3 3
  • 出願の条件は、評定平均3.8以上と、高校在学中に優れた活動実績があること。要項は活動実績書について、学内活動・探究学習・社会貢献活動・資格の取得などを挙げたうえで、「優れた実績とは必ずしも受賞歴のみを指しません」と書いています
  • 島根県地域枠は、島根県内の高校の卒業(見込み)者で、島根の保健・医療・福祉に貢献する意欲がある人が対象。面接では、島根県の保健・医療・福祉の課題を解決することへの意欲もあわせて評価します
  • 学校推薦型選抜(指定校推薦)とは併願できません
段階 内容 配点
1次(書類、来学不要) 志願理由書・活動実績書・将来計画書・調査書。結果は10月9日 100
2次(10月24日) レポート:複数の課題文などとテーマが出され、9:30〜11:30の120分で書く 100
面接:24日の午後か25日(大学が指定) 100

出願は9月1日〜8日(消印有効)で、合格発表は11月2日。レポートでは内容の適切性・独創性・論理的思考力・記述表現力を見るとされていて、レポートか面接のどちらかが著しく低いと、総合点の順位に関係なく判定されることがあります。複数の資料を読んで120分で書く形式なので、複数資料型の小論文と看護学部の小論文対策で練習しておきましょう。

松江キャンパス(人間文化学部)——A4用紙1枚で10分の発表、教員をめざす人の枠

区分 学科 募集人員 出願の条件 配点
自己推薦 地域文化学科 15(うち地域教員希望枠3) 2027年3月卒業見込み(現役のみ) 小論文150・面接250・調査書50・活動報告書50=500
地域教員希望枠 保育教育学科 5 島根県内の高校を卒業見込み(県外の高校なら入学の1年以上前から島根県に住所があること)、評定3.8以上、将来島根で小学校か特別支援学校の教員として活躍する意思 小論文180・面接270(教育に関する口頭試問を含む)・調査書50・志願理由書100=600
地域教員希望枠 地域文化学科 3 同上(評定3.5以上)、卒業後に島根県内で教員として働くことを強く希望 小論文150・面接300・調査書50・活動報告書50=550

どの区分も面接の配点が一番大きいのが特徴です。小論文は10月17日9:30〜11:00の90分、面接は17日の午後か18日。出願は9月25日〜30日(消印有効)、合格発表は11月2日です。

地域文化学科の面接は、最初の10分程度が発表です。「高校3年間で熱心に取り組んだこと」をA4用紙1枚(片面)にまとめて、出願時に同じものを5部(原本1枚とコピー4枚)提出します。画像や図表を使ってよく、パソコンでも手書きでもかまいません。当日は、面接室で提出済みのその1枚が渡され、ほかの物は持ち込めません。ダンスや歌などの実演もできません(プレゼン型入試の対策)。

地域文化学科の地域教員希望枠で合格しなかった人は、自己推薦の選考対象になります(そのとき、地域教員希望枠の志願理由書にもとづく面接内容は評価しません)。保育教育学科の地域教員希望枠の志願理由書では、これまでの取り組みから学校教育の現状と課題について学んだこと、島根県の教員としての展望、それを踏まえた志望理由を書きます(教育学部の小論文対策)。志願理由書と活動報告書は手書きです。

公立鳥取環境大学——模擬授業100点、グループディスカッションと個別面接で100点

項目 内容
募集人員 環境学部20名・経営学部20名
出願資格 本学が第1志望で、志望学部での学習目標が明確な人。高校を2027年3月卒業見込み(現役のみ)。合格したら入学を確約
出願 9月17日〜30日(書類は30日消印有効)
試験 10月17日:模擬授業 9:30〜11:10(100分)、集団面接 12:10〜/10月18日:個別面接(時刻は17日に通知)
合格発表 11月2日
試験 内容 配点
模擬授業 出願した学部の模擬授業を受け、与えられた課題に答える 100
集団面接 1グループ30分程度のグループディスカッション 50
個別面接 1人15分程度 50

これに、出願書類(志願理由書・調査書)の内容をあわせて合否を決めます。同じ入試区分で学部を併願することはできません。

出願書類は、志願理由書と調査書だけです。要項は、資格の証明書・表彰状・新聞記事の切り抜き・成果物などは受理しないので送らないように、とはっきり書いています。志願理由書は800〜1,200字をWeb出願のフォームに入力し、印刷して郵送します。テーマは次の4つで、テーマごとに分けても、つなげて一体的に書いてもかまいません。

  1. 学部を志望する理由
  2. 高校などで学んだこと、課外活動
  3. 入学後に学びたい分野・テーマ
  4. 卒業後の進路・就職の希望

入力画面は時間が経つとタイムアウトすることがあるので、要項は文書作成ソフトで書いてから貼り付けることを勧めています。郵送したあとは訂正も差し替えもできません。

模擬授業の課題について、アドミッション・ポリシーは、環境学部は「模擬授業を踏まえた小論文試験や集団面接」で思考力・主体性・協働力を重視し、経営学部は「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」を特に重視すると書いています。聞いた内容を要約し、それを使って自分の考えを書く練習をしておきましょう(課題文の要約、グループディスカッションの対策)。

なお、公立鳥取環境大学の「入試過去問題の公開」ページに載っているのは学校推薦型選抜(Ⅰ型・Ⅱ型)と一般選抜の問題で、総合型選抜の模擬授業の課題はありません。推薦型の小論文には「出題のねらい」が付いているので、大学が何を見たいかをつかむ材料には使えます。

山口県立大学——6学科30名、一次は自己推薦書だけで決まる

山口県立大学の総合型選抜は、一次選抜が自己推薦書(100点)だけで、その得点順に二次へ進む人数の上限まで絞ります。二次は10月10日です。

学部・学科 募集人員 出願の条件 一次合格の上限 二次(10月10日)
国際文化学部 国際文化学科 5 評定平均3.5以上かつ外国語(英語)3.8以上、または英語資格がCEFR B1以上 15人程度 講義理解力試験200+面接100
国際文化学部 文化創造学科 5 国語・外国語・地理歴史・芸術・数学・情報のうち、評定3.7以上の教科が2つ以上 24人程度 個人プレゼンテーション200+面接100
国際文化学部 情報社会学科 5 評定平均3.5以上 15人程度 講義理解力試験200+面接100
社会福祉学部 社会福祉学科 9 国語と、地理歴史または公民の評定がいずれも3.5以上 18人程度 個人プレゼンテーション100+面接200
看護栄養学部 看護学科 4 評定平均3.8以上かつ英語資格がCEFR A2以上 16人程度 個人プレゼンテーション200+面接100(合計の得点率50%以上が合格基準)
看護栄養学部 栄養学科 2 評定平均3.8以上 8人程度 個人プレゼンテーション200+面接100
  • 出願は9月4日〜14日17時必着(12日までの消印がある簡易書留速達も受け付け)。一次の結果は9月30日、合格発表は11月1日
  • 出願資格は、国際文化学部の3学科と栄養学科が2027年3月卒業見込み(現役のみ)、社会福祉学科と看護学科は2026年3月の卒業者も出願できます
  • どの学科も、二次の面接では調査書と自己推薦書を参考にしますが、評価の対象にはしません。二次は当日の試験だけで順位が決まります
  • 自己推薦書は、大学の様式に本人が自分で考えて自筆したものを出します
  • 合格者には、入学前学習として共通テストの受験が勧められます(出願できなかった場合は、公表される問題を自宅で解いて自己採点を提出。合否には影響しません)

英語資格の基準(出願期間の初日からさかのぼって2年以内、4技能すべて受験したもの)

資格・検定 国際文化学科(CEFR B1) 看護学科(CEFR A2)
英検 CSEスコア1950(2級以上を二次試験まで受験) CSEスコア1700(準2級以上を二次試験まで受験)
GTEC(4技能版) 930 680
TEAP(4技能版) 225 135
TEAP CBT 420 235
ケンブリッジ英語検定 140、またはB1 Preliminary以上 120、またはA2 Key以上
IELTS 4.0 3.0

看護学科は英語資格が必須です。英検の場合は「級の合否」ではなくCSEスコアで判定する点に注意してください。

公開されている2025年度の課題

山口県立大学は、総合型選抜の二次の課題を大学サイトで公開しています。

  • 国際文化学科・情報社会学科「講義理解力試験」:大学教員による50分の模擬講義を受けてレポートを書き、そのレポートにもとづいて5分程度のプレゼンをする形式。2025年度のテーマは両学科とも「21世紀型スキル」で、講義から学んだ内容をまとめたうえで、関心を持った力について根拠を加えて説明することが求められました
  • 文化創造学科「個人プレゼンテーション」:地域に新しくできる書店を、文化的で魅力的な場所にするための工夫やプランを提案する課題。資料2点(うち1点は文化に関する世論調査の表)を参考に、400字以内の要旨と発表用の画紙3枚を作り、5分程度で発表しました
  • 社会福祉学科「個人プレゼンテーション」:高校時代に意欲的に取り組んだ活動と社会福祉の関係について、特にアピールしたい点を5分間で述べる課題。試験委員は自己推薦書を事前に読んでいると明記されていました

看護学科と栄養学科の個人プレゼンテーションも「出題された(提示された)課題について、自分の考えをまとめて発表する」形式で、看護学科は発表資料の作成を求めないと書かれています。講義を聞いてからレポートを書く形式は、国立の山口大学や広島大学の総合科学部にもあるので、あわせて参考にしてください。

山陽小野田市立山口東京理科大学——工学部は学科ごとに試験がまったく違う

山陽小野田市立山口東京理科大学の総合型選抜には、共通テストを課さない「Ⅰ」と、共通テストを課す「Ⅱ」があります。

総合型選抜Ⅰ(共通テストなし)——工学部5学科、各3名

学科 一次選抜 最終選抜(10月4日) 合否の判定
機械工学科 書類(調査書20・志望理由書30・自己PR書30・活動報告書と活動証明書20) 思考実験(ロボットハンドに関する座学と実験)20+グループディスカッション20+口頭試問(数学30・物理30) 最終選抜の100点
電気工学科 書類60+学科が指定する資格・活動の評価40 自己PRのプレゼン(10分程度)と質疑(10分程度)100+個人面接100(数学Ⅰ・数学Ⅱ・物理基礎の範囲の口頭試問を含む) 最終選抜の200点
応用化学科 書類 理解力試験(化学基礎・化学の範囲の講義を受け、その理解を試す問題を解く)70+個人面接30 最終選抜の100点
数理情報科学科 書類40+レポート課題60(出願時に提出) レポートのプレゼン(10分程度)と質疑(10分程度)100+個人面接100(数学・情報の基礎の口頭試問を含む) 最終選抜の200点
医薬工学科 書類150 プレゼン(15分程度)と質疑(5分程度)150+個人面接100 一次と最終を通した400点
  • 出願資格は、高校を卒業した人か2027年3月卒業見込みの人で、合格したら入学を確約できる人
  • 出願は9月1日〜7日(Web登録と一次の検定料は7日13時まで、書類は必着)。一次の結果は9月18日で、通過者は最終選抜分の検定料を9月30日までに払います。合格発表は11月2日
  • 本人が作成する書類は、黒のボールペンで記入します(電気工学科は文書作成ソフトで作って印刷したものを貼り付けてもよく、数理情報科学科のレポート課題は文書作成ソフトで作ります)
  • 電気工学科・数理情報科学科・医薬工学科のプレゼンは、発表データの入ったノートパソコンと資料3部を持参します(パソコンを持参できない場合は資料だけ)

学科ごとの読みどころ

  • 機械工学科は、最終選抜100点のうち6割が数学と物理の口頭試問です。一次の書類の点数は合計に足されませんが、要項は出願書類を最終選抜の参考資料とし、評価にも使うとしています(口頭試問の対策)
  • 電気工学科が一次で評価する項目には、英検準2級以上・電気工事士・情報処理技術者試験・実用数学技能検定2級以上などの資格のほか、科学オリンピックの予選参加、部活動に通算2年以上在籍、ボランティア活動が通算14日以上なども並んでいます。自分が当てはまるものを漏らさず書き出しましょう
  • 数理情報科学科のレポート課題は「身の回りの課題をデータや数理的視点から分析し、その改善策を提案せよ」。課題設定、データ・情報の収集と解析の方法、数理的な視点による結果と考察、改善策、まとめ、参考文献の順に、A4で2ページ程度にまとめます。当日はこのレポートを10分で発表します(事前提出レポートの書き方)
  • 医薬工学科のプレゼンは、「高校時代に行った研究発表」か「医薬品・化粧品・食品に関わる興味のある分野の発表」を15分程度。この記事の入試の中で最も長い発表です(探究の発表)

総合型選抜Ⅱ(共通テストあり)——工学部15名・薬学科5名

項目 内容
募集人員 工学部5学科 各3名、薬学部薬学科5名
出願資格 2027年3月卒業見込み(現役のみ)、指定の共通テスト科目を受験、入学を確約
出願 12月14日〜21日(必着)
一次選抜 共通テスト(機械・電気・応用化学は200点、数理情報科学・医薬工学は300点、薬学科は825点)。結果は2月4日
最終選抜 2月7日:書類審査50+個人面接150
合否 一次と最終を通した合計点の順。合格発表は2月9日

秋のⅠと違って、Ⅱは共通テストの点数が大きく効きます(工学部で合計の5〜6割、薬学科は約8割)。薬学科の総合型選抜はⅡだけです(薬学部の小論文対策)。

周南公立大学——看護学科とスポーツ区分Ⅱは、夏の特別講義を受けていないと出願できない

学科 募集人員 出願の条件 選考
経済経営学部 経済経営学科 10 2027年3月卒業見込み 1次:書類50(活動実績で加点)→ 2次:小論文50+グループワーク・プレゼンテーション50
人間健康科学部 スポーツ健康科学科(Student Athlete Leader選抜) 区分Ⅰ 16・区分Ⅱ 4 2027年3月卒業見込み。区分Ⅰは全国大会出場などの競技歴、区分Ⅱはオープンキャンパスの模擬講義と特別講義の受講 1次:書類100 → 2次:プレゼン(5分程度)100+口頭試問100
人間健康科学部 看護学科 5 2027年3月卒業見込み。オープンキャンパスの模擬講義・演習体験と特別講義の受講 1次:書類500(活動実績で加点)→ 2次:探究学習のプレゼン(8分程度)100・質疑応答100・個人面接200・出願書類100
人間健康科学部 福祉学科 5 2027年3月卒業見込み、または卒業した人 書類50+小論文50+個人面接50(試験は1回)

どの学科も合格したら入学を確約することが条件で、小論文・プレゼン・面接などには合格基準点が設けられています。情報科学部には総合型選抜がありません。

特別講義は、2026年は8月22日に開かれました。看護学科とスポーツ健康科学科の区分Ⅱは、この日の特別講義を受け、その場で書いたレポートの複製を出願書類として出します(レポートの課題や条件は講義の当日に示される)。加えて、オンラインではないオープンキャンパスで学科の模擬講義(看護学科は演習体験も)に出た証明書も必要です。来年以降に受ける人は、高3の夏までの予定に組み込んでおかないと、出願そのものができません。

学科ごとの2次選考

  • 経済経営学科(10月17日):インプット講義(10:00〜10:30)→ 小論文(10:40〜11:40の60分)→ グループワーク・プレゼンテーション(12:30〜16:00)。講義で聞いた内容を使って書き、午後はグループで考えて発表する流れです。1次の加点対象は、地域課題解決の活動でのコンテスト入賞(全国・全国ブロック・地方レベル)や、生徒会長・副会長、実行委員長、部活動の部長など(経済・経営学部の小論文対策)
  • スポーツ健康科学科(10月17日):5分間のプレゼンのテーマは事前に公表されています。区分Ⅰは、自分とアントラージュ(競技者を支える周囲の人々)のWell-beingを実現するために大学生競技者としてどう活動に取り組むか。区分Ⅱは、大学の人・財源・施設や用具・情報などを使って地域のスポーツ推進をどう支援できるか。発表資料(A4で5ページ以内・5部)は1次合格後の10月1日〜8日に提出し、差し替えはできません。A0サイズ以内の掲示資料を当日使うこともできます(スポーツ科学系の小論文対策)
  • 看護学科(10月17日):探究学習のプレゼンです。パワーポイントでスライド10枚以内にまとめ、A4に印刷して5部を10月1日〜8日に提出。さらにA0サイズの資料を1部作って当日持参し、発表前に自分でホワイトボードに掲示します。1次の加点対象は、生徒会長・副会長、実行委員長、部活動の部長・副部長、全国レベルの大会などでの入賞、学会発表、英語民間試験のCEFR B1以上など
  • 福祉学科(10月17日):小論文(10:00〜11:30の90分)と、午後の個人面接。出願書類は志望理由・学修計画書と地域活動実績・計画書です(社会福祉系の小論文対策)

スポーツ健康科学科の自己推薦書は1,200字以内で、志望動機、これまでの競技への取り組みと大学4年間の競技生活の計画、4年間の学修計画と卒業後の進路希望の3点を書きます。

下関市立大学——総合型選抜は実施しない

下関市立大学の2027年度入学者選抜要項にある選抜区分は、学校推薦型選抜・一般選抜・特別選抜・外国人留学生選抜・第3年次編入学試験です。総合型選抜はありません。学生募集要項は9月中旬以降に公表予定とされています。

当日の試験を並べる

大学・学科 書く試験 講義・実験・学力をみる試験 面接・発表
島根県立 浜田(国際関係・地域づくり) 小論文90分 — 個別面接25分(地域づくりはプレゼン7分・質疑5分を含む)
島根県立 浜田(国際コミュニケーション) 英語の小論文90分 — 個別面接25分
島根県立 浜田(経済経営・デジタルマネジメント) 総合問題90分 — 個別面接25分
島根県立 出雲(看護・健康栄養) レポート120分(複数の課題文) — 面接
島根県立 松江(地域文化・保育教育) 小論文90分 — 面接(地域文化はA4用紙1枚で10分程度の発表、保育教育は教育に関する口頭試問)
公立鳥取環境 模擬授業の課題に解答 模擬授業(100分) グループディスカッション30分程度+個別面接15分程度
山口県立(国際文化・情報社会) レポート 模擬講義 レポートにもとづくプレゼン+面接
山口県立(文化創造・社会福祉・看護・栄養) 文化創造は発表資料を作る — 課題にもとづく個人プレゼン+面接
山口東京理科Ⅰ(機械) — 思考実験(座学と実験) グループディスカッション+数学・物理の口頭試問
山口東京理科Ⅰ(電気) — — 自己PRのプレゼン10分+質疑10分+面接(口頭試問を含む)
山口東京理科Ⅰ(応用化学) — 理解力試験(講義を受けて問題を解く) 個人面接
山口東京理科Ⅰ(数理情報科学) 出願時にレポート課題 — レポートのプレゼン10分+質疑10分+面接(口頭試問を含む)
山口東京理科Ⅰ(医薬工) — — プレゼン15分+質疑5分+面接
周南公立(経済経営) 小論文60分 インプット講義30分 グループワーク・プレゼンテーション
周南公立(スポーツ健康科学) — — プレゼン5分+口頭試問
周南公立(看護) — — 探究学習のプレゼン8分+質疑応答+個人面接
周南公立(福祉) 小論文90分 — 個人面接

準備の順番

1. 出願時期を確認する。この記事を公開した2026年9月13日の時点で、2027年度の出願がまだ残っているのは、山口県立大学(9月14日17時必着)、周南公立大学の経済経営学科・福祉学科(9月15日)、公立鳥取環境大学(9月17日〜30日)、島根県立大学の浜田キャンパス(9月24日〜30日)と松江キャンパス(9月25日〜30日)、山口東京理科の総合型選抜Ⅱ(12月14日〜21日)です。山口東京理科のⅠ(9月7日)、島根県立の出雲キャンパス(9月8日)、周南公立のスポーツ健康科学科・看護学科(9月10日)は締め切られています。

2. 出願の前に満たす条件を確かめる。この地域の総合型選抜は、書類を書く前の段階で決まる条件が多いのが特徴です。

  • 特別講義・オープンキャンパス:周南公立の看護学科とスポーツ健康科学科(区分Ⅱ)
  • 評定:島根県立の国際コミュニケーション(全体3.5以上、外国語・国語3.8以上)、出雲キャンパス(3.8以上)、松江の地域教員希望枠(3.8以上/3.5以上)、山口県立の各学科
  • 英語資格:山口県立の看護学科(CEFR A2以上が必須)、国際文化学科(評定の条件を満たさない場合はCEFR B1以上)
  • 活動・競技の経験:島根県立の地域づくりコース、出雲キャンパス、周南公立のスポーツ健康科学科(区分Ⅰ)
  • 卒業時期:現役に限る入試が多い一方、島根県立の浜田キャンパス(2025年3月以降の卒業)と出雲キャンパス、山口県立の社会福祉学科・看護学科(2026年3月の卒業者も可)、周南公立の福祉学科、山口東京理科のⅠは既卒でも出願できます

3. 「聞いてから書く・発表する」練習をする。公立鳥取環境の模擬授業、山口県立の講義理解力試験、周南公立経済経営学科のインプット講義、山口東京理科応用化学科の理解力試験は、どれもその場で受けた講義の中身を使って答える試験です。講義動画などを使って、メモを取り、要点を200字ほどにまとめてから自分の考えを書く、という流れを繰り返しておきましょう(小論文の構成メモ)。

4. 手書きの清書に時間を取っておく。島根県立の浜田キャンパス(黒のボールペンで楷書)と松江キャンパス、山口県立の自己推薦書(自筆)、山口東京理科(黒のボールペン)は、書類を手で書きます。内容を決めるのと清書するのは別の作業なので、締切の数日前には清書に入れるように逆算してください。

まとめ

  • 鳥取・島根・山口の公立大学6校のうち、2027年度に総合型選抜を実施するのは島根県立・公立鳥取環境・山口県立・山陽小野田市立山口東京理科・周南公立の5校。下関市立大学は実施しない
  • 島根県立大学は3キャンパスで81名。浜田は小論文(英語・総合問題)90分と面接25分、出雲は評定3.8以上で2次が120分のレポート、松江はどの区分も面接の配点が一番大きい
  • 公立鳥取環境大学は模擬授業100点+グループディスカッション50点+個別面接50点。出願書類は志願理由書(800〜1,200字)と調査書だけ
  • 山口県立大学は一次が自己推薦書だけ。二次は講義理解力試験か個人プレゼンテーションと面接で、面接では書類を評価しない。看護学科は英語資格CEFR A2以上が必須
  • 山陽小野田市立山口東京理科大学のⅠは学科ごとに試験が違い、機械工学科は思考実験と数学・物理の口頭試問、医薬工学科は15分のプレゼン。Ⅱは共通テストで一次選抜
  • 周南公立大学の看護学科とスポーツ健康科学科(区分Ⅱ)は、オープンキャンパスの模擬講義と8月の特別講義への参加が出願条件
  • 10月17日に、周南公立・公立鳥取環境・島根県立(浜田・松江)の試験が重なる

岡山・広島の公立大学の総合型選抜は岡山・広島の公立大学、四国の公立大学は四国の公立大学、県立広島大学と北九州市立大学の学校推薦型選抜・総合型選抜は中国・九州の公立大学にまとめています。

同じ地域の国立大学の総合型選抜は、鳥取大学、島根大学 へるん入試、山口大学の記事にあります。総合型選抜の全体像は総合型選抜の完全ガイド、志望校の要項の読み方は大学別対策の作り方を参考にしてください。

Related

関連記事

← 「大学別対策」の記事一覧へ