福岡工業大学の総合型選抜。小論文は生命環境化学コースと有資格・帰国子女のタイプだけ、2027年4月に大きく改組
福岡工業大学(福岡県福岡市)は2027年4月に大きく改組し、工学部が先進工学科1学科6コースになり、デジタルメディア学部が新設されます(短期大学部は募集停止)。2027年度の総合型選抜は8区分で、小論文が出るのはタイプⅠ・Ⅱの生命環境化学コース志願者(400字・30分)とタイプⅢ・Ⅳ(500字・30分)だけ。タイプⅠ〜Ⅴの出願は終了し、次は12月の併願制です。
福岡工業大学は、福岡県福岡市にある私立大学です。2027年4月に大きな改組がありますので、まずそこから整理します。
| 学部 | 変更内容 |
|---|---|
| 工学部 | 現行の4学科制(定員380名)→ 先進工学科1学科6コース制(定員460名)に改組。従来の電子情報工学・生命環境化学・知能機械工学・電気工学の4分野に、半導体工学コースと建築デザインコースを新設 |
| デジタルメディア学部 | 新設(2027年4月開設)。短期大学部(情報メディア学科)を4年制学部へ発展的に改組。デジタルメディア学科・定員80名 |
| 福岡工業大学短期大学部 | 2027年度以降の学生募集を停止(在学生と2026年度入学生は卒業まで責任を持って対応と明記) |
| 情報工学部 | 改組なし(情報工学科/情報通信工学科/情報システム工学科/情報マネジメント学科の4学科) |
| 社会環境学部 | 改組なし(社会環境学科1学科。社会デザインコース/環境マネジメントコースの2コース制) |
2027年4月から4学部7学科6コース体制になり、入学定員は合計1,100名です。背景には文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」(2025年度)の採択があります。
先進工学科はコース別入試です(「入試はコース毎に実施し、入学手続きをしたコースに配属されます」と大学が明記)。つまり出願の段階でコースを選びます。
入試結果を見るときは注意が必要です。 入試ガイドの2026年度の入試結果には「※改組する前の学部・学科の入試結果です」という注記が付いています。改組後の倍率は参考にできません。
2027年度の総合型選抜は8区分です。
| 区分 | 対象 | 専願/併願 | 募集人員 | 選考 |
|---|---|---|---|---|
| タイプⅠ 理工系女子 | 社会環境学科を除く全学科コース | 専願 | 46名 | 面接100点(※下記の例外あり) |
| タイプⅡ 探究 | 半導体工学コース・デジタルメディア学科を除く | 専願・現役限定 | 46名 | 面接100点(探究活動報告書の説明と質疑。※下記の例外あり) |
| タイプⅢ 有資格 | 半導体工学コースを除く | 専願 | 若干名 | 小論文100+面接100+資格100=300点 |
| タイプⅣ 帰国子女/IB | 全学部 | 専願 | 若干名 | 小論文100+面接100=200点 |
| タイプⅤ メディアクリエイション | デジタルメディア学科 | 専願 | 10名 | 面接100点のみ |
| スポーツ・芸術有能者 | — | 専願 | 若干名 | 集団面接100+実技200 |
| 総合型選抜【併願制】 | デジタルメディア学科 | 併願可 | 18名 | 基礎能力試験(数学)60分100+集団面接50 |
| 専願制総合型選抜【後期】 | 生命環境化学コース・社会環境学科 | 専願 | 若干名 | 面接100点のみ |
併願できるのは【併願制】だけです(デジタルメディア学科のみ)。
受験料はどの区分も30,000円で、試験会場は本学のみです。
出典:福岡工業大学「令和9年度入学者選抜 入試ガイド」(PDF・21ページ=冊子36ページ。2026年6月16日作成)、新学部の特設サイト、「福岡工業大学短期大学部、改組に伴い2027年度以降の学生募集を停止」(2025年11月27日)、「福岡工業大学・先進工学科『半導体工学コース』を設置します」(2026年8月10日)、学部のページ、各入試区分のページ(https://www.fit.ac.jp/nyushi/ )。2026年10月1日に確認しました。
要項の扱いについて。 この大学には「募集要項」という別冊子がなく、この入試ガイドが実質の要項です。ただしスポーツ・芸術有能者/専願制指定校/外国人留学生は「別に定める」とされていてガイドには載っていません(大学サイトのみ)。
小論文が出るのは4つの場合だけ
8区分のうち、小論文が課されるのは次の場合だけです。
| 区分 | 対象 | 小論文 | 配点 |
|---|---|---|---|
| タイプⅠ 理工系女子 | 生命環境化学コースの志願者のみ | 400字・30分 | 面接50+小論文50=100点 |
| タイプⅡ 探究 | 生命環境化学コースの志願者のみ | 400字・30分 | 面接50+小論文50=100点 |
| タイプⅢ 有資格 | 全学部 | 500字・30分 | 小論文100+面接100+資格100=300点 |
| タイプⅣ 帰国子女/IB | 全学部 | 500字・30分 | 小論文100+面接100=200点 |
同じタイプⅠ・Ⅱでも、生命環境化学コースを志望する人だけ小論文があります。 ほかのコースは面接100点だけです。志望コースによって当日やることが変わるので、自分の志望コースの欄を確認する必要があります。
タイプⅢ(有資格)は小論文が100点で、資格100点・面接100点と並ぶ3分の1の比重です。出願には評定平均3.2以上が必要で、対象の教科は理系が数学、社会環境学科が国語です。
字数と時間はいずれも短いです。400字なら30分、500字でも30分なので、書き始めるまでの時間がほとんどありません。構成を5分で決めて一気に書く練習が要ります(小論文の時間配分、小論文の構成メモ)。
出題形式について、資料のなかで記述が分かれています。 入試ガイドの表では「テーマ提示型」と書かれていますが、評価の欄には「与えられた資料の内容に関する読解力」という記述があります。テーマだけが提示される形と、資料を読む形のどちらもありうると考えて、両方で練習しておくのが安全です(課題文の要約)。
総合型選抜の小論文の過去問は公表されていません(公開されているのは学校推薦型と一般選抜のものだけです)。過去の倍率も非公表です。
生命環境化学コースなら環境や化学と社会の関わり(環境と経済のテーマ、エネルギーのテーマ)、社会環境学科なら気候変動や地域(気候変動への適応のテーマ、地方自治のテーマ)、情報系なら情報化と社会(情報リテラシーのテーマ、AIと社会のテーマ)を押さえておくと範囲が広く取れます。
なお大学サイトに「生命環境科学コース」という誤記が2か所あります。正しくは生命環境化学コースです。
併願制は数学の基礎能力試験
総合型選抜【併願制】はデジタルメディア学科だけが対象で、この区分だけ他大学と併願できます。
- 基礎能力試験(数学)60分・100点
- 集団面接50点
- 小論文なし
募集人員は18名で、タイプⅤ(メディアクリエイション・10名)より多い枠です。デジタルメディア学科は2027年4月の新設なので、この学科をねらうならタイプⅤ(面接のみ・専願)か併願制(数学+集団面接)のどちらかという選択になります。
数学の基礎能力試験が60分100点なので、ここは学力が問われます。併願できるぶん、学力試験があるという設計です。
タイプⅠ・ⅡはAIプログラムの修了が出願要件
ここは重要な注意点です。タイプⅠ(理工系女子)とタイプⅡ(探究)は、「F-UNIT AI PROGRAM」の修了が出願要件です。
そしてこのプログラムの申込は2026年8月2日で終了しています。 つまり2027年度入試でタイプⅠ・Ⅱを使うには、8月初旬までに申し込んでおく必要があったということです。
タイプⅠ・Ⅱは募集人員が各46名と最も大きい枠なので、次の年度にこの大学をねらうなら、夏までにAIプログラムへ申し込むことが前提になります。
タイプⅡ(探究)は現役限定でもあります(既卒者は出願できません)。
出願書類は全様式が自筆・字数指定なし
出願書類の様式はすべて自筆で、字数指定はありません(記入欄の大きさが目安になります)。
探究活動報告書・制作活動報告書には、高校教員の証明印が必要です。タイプⅡは面接でこの報告書の説明と質疑を行うので、報告書が面接の土台になります。締切の直前に先生へ頼むと間に合わないので、早めに動く必要があります(探究のまとめ方、自己PRの書き方、面接と書類の一貫性)。
日程:次は12月の併願制
| 区分 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| タイプⅠ〜Ⅴ・スポーツ芸術 | 9月14日〜9月24日(終了) | 10月10日(土) | 11月1日 |
| 総合型選抜【併願制】 | 11月24日〜12月6日 | 12月12日(土) | 12月18日 |
| 専願制総合型選抜【後期】 | 2027年2月22日〜3月4日 | 3月9日 | 3月13日 |
2026年10月1日の時点では、タイプⅠ〜Ⅴの出願は9月24日で終わり、試験日の10月10日を待つ段階です。これから出願できるのは、12月の【併願制】(デジタルメディア学科のみ)と3月の【後期】(生命環境化学コース・社会環境学科のみ)です。
後期の対象は生命環境化学コースと社会環境学科だけで、選考は面接100点のみ(小論文なし)です。
奨学金は「併願制」だけが対象
フライト奨学金は、総合型選抜では【併願制】だけが対象です。タイプⅠ〜Ⅴと後期は対象外です。
なお後期のページに「入試による学業奨学制度」へのリンクがありますが、入試ガイドのフライト奨学金の表に後期は載っていません。実体がないリンクと見られるので、後期で奨学金をねらう計画は立てないほうが安全です。
どこから手をつけるか
これから出願できる区分は2つです。
デジタルメディア学科志望なら【併願制】(出願11月24日〜12月6日)
- 総合型選抜で唯一、他大学と併願できる区分です
- 基礎能力試験(数学)60分100点があるので、数学の準備が中心になります
- 集団面接50点です
- フライト奨学金の対象はこの区分だけです
- 募集人員18名で、タイプⅤ(10名)より枠が大きいです
生命環境化学コース・社会環境学科志望なら【後期】(出願2027年2月22日〜3月4日)
- 選考は面接100点のみで、小論文も学力試験もありません
- ただし募集人員は若干名です
- 奨学金の対象ではありません
次の年度に向けて考えるなら
- タイプⅠ(理工系女子)とタイプⅡ(探究)が最も枠が大きい(各46名)。ただし「F-UNIT AI PROGRAM」の修了が出願要件で、申込は8月初旬に締め切られます。夏までに動く必要があります
- タイプⅡは現役限定です
- 生命環境化学コースを志望する場合だけ、タイプⅠ・Ⅱでも小論文(400字・30分)があるので、他のコースとは準備が変わります
- タイプⅢ(有資格)は評定平均3.2以上(理系は数学・社会環境学科は国語)で、小論文100点+面接100点+資格100点です。資格を持っているならここが候補になります
- 改組後の体制(先進工学科1学科6コース、デジタルメディア学部)での入試なので、2026年度の入試結果は参考になりません
まとめ
- 福岡工業大学は2027年4月に大きく改組。工学部が先進工学科1学科6コース制(定員460名)になり、半導体工学コースと建築デザインコースを新設。デジタルメディア学部デジタルメディア学科を新設(定員80名)。短期大学部は2027年度以降の学生募集を停止
- 先進工学科はコース別入試で、出願時にコースを選ぶ
- 2026年度の入試結果には「改組する前の学部・学科の入試結果です」という注記があり、改組後の参考にならない
- 総合型選抜は8区分。併願できるのは【併願制】(デジタルメディア学科のみ)だけ
- 小論文が出るのは、タイプⅠ・Ⅱの生命環境化学コース志願者(400字・30分)と、タイプⅢ・Ⅳ(500字・30分)だけ
- 同じタイプⅠ・Ⅱでも、生命環境化学コース以外は面接100点のみ
- タイプⅢ(有資格)は小論文100+面接100+資格100=300点。出願に評定平均3.2以上(理系は数学・社会環境学科は国語)
- 小論文の形式は入試ガイドの表では「テーマ提示型」だが、評価欄には「与えられた資料の内容に関する読解力」とあり、両方の形で練習しておくのが安全
- 総合型選抜の小論文の過去問も過去の倍率も非公表
- タイプⅠ・Ⅱは「F-UNIT AI PROGRAM」の修了が出願要件で、申込は2026年8月2日で終了している。タイプⅡは現役限定
- 【併願制】は基礎能力試験(数学)60分100点+集団面接50点で小論文なし。フライト奨学金の対象は総合型ではこの区分だけ
- 出願書類は全様式が自筆・字数指定なし。探究活動報告書・制作活動報告書には高校教員の証明印が必要
- 大学サイトに「生命環境科学コース」の誤記が2か所ある(正しくは生命環境化学コース)
- 受験料30,000円。試験会場は本学のみ
- 2026年10月1日の時点で、タイプⅠ〜Ⅴの出願は終了(試験10月10日)、次は12月の【併願制】(11月24日〜12月6日)
総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。同じ福岡県では西日本工業大学と九州産業大学、工学系の大学は広島工業大学の記事もあわせて読めます。