小論文キャンパス
大学別対策

東北文化学園大学の総合型選抜。育成塾に出ないと受けられない入試がある

約14分で読めます

東北文化学園大学の総合型選抜は育成入試・自己アピール入試・スポーツ特別入試の3区分。育成入試は「育成塾」への参加と修了が出願資格です。プレゼンはPC・タブレット不可で、資料やポスターを使います。

東北文化学園大学(宮城県仙台市)の総合型選抜には、「育成入試」という名前の入試があります。要項の説明が端的です。

総合型選抜 育成入試は『育てる入試』です。本学で学ぶそれぞれの専門分野について、1stステージの「育成塾」で行われる模擬授業、ゼミ活動、実験・演習活動等を通して広く学び、2ndステージ(入学試験)でその学びを問う筆記試験または面接(プレゼンまたは口頭試問を含む)を行い、総合的に評価する入試です。

つまり、夏のオープンキャンパスで開かれる「育成塾」に参加して修了しないと、この入試には出願できません。準備は高3の春から始まっています。

この記事は、東北文化学園大学が公開している2027年度学生募集要項と出願書類の様式、大学の入試情報サイトをもとにまとめました。

出典:東北文化学園大学「2027年度 学生募集要項」「出願書類(総合型選抜 育成入試)」「出願書類(総合型選抜 自己アピール入試)」、入試情報サイト「育成塾」(いずれも2026年9月22日に確認)

総合型選抜は3区分、すべて専願

入試 内容
育成入試 「育成塾」の修了が出願資格。学科・専攻ごとに筆記試験または面接(プレゼンか口頭試問を含む)
自己アピール入試 プレゼンテーション(5分)+面接(20分)。全学科・全専攻
スポーツ特別入試 剣道・フェンシングのみ。書類審査+面接(20分)

大学が示す「総合型選抜で求めている学生」は5点あり、最後の1つが性格を表しています。

(5)自らの持つ能力・資質や意欲等を、自己表現(アピール)できる方

日程は次のとおりです。

入試 出願期間(最終日消印有効) 試験日 合格発表
育成入試 2026年9月18日〜9月30日(水) 2026年10月10日(土) 11月2日(月)13:00
自己アピール入試Ⅰ期 2026年9月18日〜9月30日(水) 2026年10月11日(日) 11月2日(月)13:00
自己アピール入試Ⅱ期 2026年11月26日〜12月3日(木) 2026年12月12日(土) 12月18日(金)13:00

WEB出願の登録期間は出願期間より早く始まります(Ⅰ期は9月4日から)。検定料は30,000円、試験場は大学です。スポーツ特別入試の日程は自己アピール入試と同じです。

育成入試は「育成塾」から始まる

出願資格の先頭に、こう書かれています。

本学で行う1stステージ「育成塾」に参加し、修了を認められた方で……出願した学科・専攻を専願とし、合格した場合には入学を確約する方

育成塾は、オープンキャンパスの日に開催される2時間のプログラムです。2026年度は5月24日・6月21日・7月5日・7月26日・8月2日・8月23日・9月13日の7日間で、各日午前10時〜12時と午後1時〜3時の2回(どちらかを選択)実施されました。

大学はメリットをこう説明しています。

大学の学びをさきどりできる/学びたい分野と自分の相性を確認できる/育成塾の体験を通じて教員や大学生と交流し、大学の環境に慣れることができる/総合型選抜「育成入試」の受験の要件を満たすことができる

修了の条件が学科で違う

ここは要注意です。何回参加すれば修了になるかが学科によって違います。

  • 現代社会学科:各開催日ごとに講義テーマが異なる。興味のある講義を1つ以上受講し、講義内容をレポートにまとめて提出
  • 経営法学科:各開催日に3つの講義テーマが設定される。興味のある講義を1つ以上受講し、講義内容をレポートにまとめ提出
  • 知能情報システム学科:実験演習を中心にした体験講座。育成入試で活用するには2回以上の受講が必要。1回目は体験講座と学科紹介・施設見学、2回目は個別ゼミ
  • 建築環境学科:演習を中心にした体験講座。出願条件を満たすには興味のある講座を選び2回以上参加

現代社会学科と経営法学科はレポート提出が条件、知能情報システム学科と建築環境学科は2回以上の参加が条件です。

育成塾のテーマは全部公開されている

大学サイトには、各学科の全日程のテーマが載っています。どんな学びなのかが具体的にわかります。

現代社会学科(2026年度)

仲良きことは危うきかな?〜心理学で解く、絆と差別の裏表/高齢者になるってどういうこと?〜こころとからだの変化から考える/伝統はつくれる?〜商店街に"新しい祭り"を立ち上げるとき、社会はどう変わるか/現代の精神保健福祉の課題〜精神疾患とスティグマ/山の暮らしに学ぶもの〜岩手の山村の暮らしから日本社会の未来を考える/やさしいテクノロジー〜誰もが生きやすい社会を考える/『協力』が消える瞬間?〜データで見る、子どもが生まれた後の夫婦のリアル

経営法学科(一部)

なぜ、あの企業は競争に勝ち続けられるのか?/日本は男女平等な社会?〜憲法14条から考える/経済学の視点で社会を捉える〜需要・供給分析/製造物責任法って何だろう?/マーケティングとStoryteling/会社って何だろう〜株式会社の仕組みについて/複利計算と数学/世界中どこでも通じる!〜ラーメンとサンドウィッチのグローバル化のヒミツ/支持されるリーダー/応援されるリーダー〜どっちが生き残る?

知能情報システム学科

ゲームに勝つ戦略を学ぶ人工知能/コンピュータで音をつくって聴いてみよう/ネットの仕組みを覗いてみよう/ARゲームを作成しよう/はじめてのマイコン電子工作入門/ディジタル画像を圧縮してみよう/コンピュータで簡単な暗号化を実現してみよう

建築環境学科(一部)

立体構造の創作/爽やかな室内空気をつくるための考え方〜自分の好みの香りを使ってオリジナル芳香剤を作り、建築と空気の関係を学びます/図面から立体をイメージしてみよう

レポートを書く学科なら、受けた講義のテーマがそのまま書く材料になります。聞いた話を要点にまとめる練習は課題文の要約が使えます。

選考方法は学科・専攻ごとに違う

育成入試の2ndステージ(入学試験)は、学科・専攻で内容が変わります。

学科・専攻 選考方法
リハビリテーション学科 理学療法学専攻 書類審査+筆記試験(60分)
リハビリテーション学科 作業療法学専攻 書類審査+面接(20分)口頭試問を含む
リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻 書類審査+面接(20分)プレゼンテーションを含む
リハビリテーション学科 視覚機能学専攻 書類審査+面接(20分)口頭試問を含む
看護学科・臨床工学科 書類審査+面接(20分)口頭試問を含む
現代社会学科・経営法学科・知能情報システム学科・建築環境学科 書類審査+面接(20分)プレゼンテーションを含む

筆記試験があるのは理学療法学専攻だけです。60分で、内容は育成塾での学びを問うものとされています。

募集人員は、理学療法学専攻30名、看護学科21名、現代社会学科25名、経営法学科27名、臨床工学科14名など。入学定員に対してかなりの割合を占めます。

自己アピール入試はプレゼン5分

もう一つの柱です。こちらは育成塾への参加が不要で、全学科・全専攻が対象です。

書類審査+プレゼンテーション(5分)+面接(プレゼンテーションについての質疑応答を含む)(20分) プレゼンテーションは「これまでの自己の取り組みや経験をもとに、より良い社会の構築に向けて、大学で何を学びたいか」をアピールしてください。

テーマは固定です。当日になって課題が出されるわけではないので、出願前から準備できます。

問われているのは3つの接続です。これまでの取り組みや経験→より良い社会の構築→大学で何を学びたいか。自分の過去と、社会と、大学での学びを一本の線でつなぐ必要があります。

5分は短いので、実質的にこの3点を1つずつ話すだけで埋まります。そのあと20分の面接で、質疑応答を通じて深掘りされます。組み立て方はプレゼン型入試にまとめました。

募集人員はⅠ期で理学療法学専攻15名、作業療法学専攻・言語聴覚学専攻・視覚機能学専攻・知能情報システム学科が各4名、現代社会学科・経営法学科が各5名など。Ⅱ期はすべて若干名です。

評価は「試験80点+書類20点」

3区分とも評価配分は同じです。

選考 配点
筆記試験または面接(プレゼンを含む) 80点
書類審査 20点

そして、何を見るかが明記されています。

学力の3要素(①知識・技能、②思考力・判断力・表現力等、③主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度)のうち②と③を重視します。

①知識・技能は重視されません。当日の試験と面接で、考える力と主体性を見る設計です。面接の準備は面接の頻出質問もあわせて。

プレゼンはPC・タブレット不可

この大学のプレゼンには、はっきりした制約があります。

資料やポスター、画用紙等を使いプレゼンテーションしてください。なお、PC、タブレット、スマートフォン等を使用してのプレゼンテーションはできません。

さらに、試験室の設備も案内されています。

●ホワイトボード、ホワイトボードマーカー、掲示用磁石は面接試験室に設置していますので、自由に使用して構いません。

ホワイトボードが使えます。ポスターや画用紙を磁石で貼れますし、その場で書きながら説明することもできます。

プレゼンテーション確認票を出願時に提出する

出願書類に「プレゼンテーション確認票」があります。当日どうやって発表するかを、出願の段階で申告する書類です。

総合型選抜で「プレゼンテーション」選考のある入試区分に出願する場合は、別紙の「プレゼンテーション確認票」に必要事項を記入し、出願書類とともに郵送してください。なお、資料等を使用しない場合も、調査票は必ず提出してください。

当日持参するものも、選んだ方法で変わります。

●確認票①を選択した場合:面接試験監督者用に、手持ち資料以外にコピーを3部持参してください。*PowerPoint等でプレゼンテーション資料を作成した場合も、当日は印刷したものを持参して発表してください。 ●確認票②③④を選択した場合:面接試験監督者用に、プレゼンテーションの内容をA4サイズ1枚程度に要約したものを、3部持参してください。

パワーポイントで作ってもよいが、当日は印刷して使う。そして資料を使わない場合でも、A4 1枚の要約を3部持っていきます。

プレゼンがあるのは、育成入試では言語聴覚学専攻・現代社会学科・経営法学科・知能情報システム学科・建築環境学科、自己アピール入試では全学科・全専攻です。

志望理由書は4問、横書き直筆

総合型選抜と学校推薦型選抜の共通様式です。

【注意】1.黒ボールペンを使用し、はっきり記入してください。2.記入は、具体的にかつ詳細に記入してください。 1.あなたが本学科・専攻を志望した理由について書いてください。 2.あなたが出願した学科・専攻に入学したとき、どのようなことを学びたいか、また取り組みたい活動などを書いてください。 3.大学卒業後、どのような仕事につき、どのように活躍したいかを書いてください。 4.あなたがもっている能力、資質、適性、経験、資格などを紹介しながら、特にアピールしたいことを書いてください。

書式のルールが要項にあります。

志望理由書:横書き直筆で記入してください。(用紙内に氏名を記載しないでください。)フリクションペン等の消せるボールペンは使用できません。

用紙内に氏名を書かないという指示は珍しい部類です。誰が書いたかを伏せて内容だけを読む運用だと考えられます。書き方は志望理由書の完全ガイドと自己PRの書き方から。

スポーツ特別入試は剣道とフェンシング

対象競技が絞られています。

剣道、フェンシングの種目に優秀な成績をあげ、入学後に学業と対象部活動(剣道部、フェンシング部)の両立に積極的な意志を有し、4年間対象部に所属することができる方

対象学科は現代社会学科・経営法学科・知能情報システム学科・建築環境学科で、いずれも若干名。選考は書類審査と面接(20分)です。出願書類にスポーツ活動状況証明書(大学所定様式、出身学校長または記載責任者が証明)が加わります。

どこから手をつけるか

  1. 育成入試を狙うなら、高3の春に育成塾の日程を確認する。 参加と修了が出願資格です
  2. 志望学科の修了条件を確かめる。 レポート提出か、2回以上の参加かが学科で違います
  3. 育成塾では必ずメモを取る。 レポートにも、当日の面接や筆記試験にもつながります
  4. 育成塾に間に合わなくても自己アピール入試がある。 育成塾への参加は不要です
  5. 自己アピール入試のプレゼンを5分で組む。 「経験→よりよい社会→大学で学びたいこと」の3点です
  6. 資料はポスターや画用紙で作る。 PC・タブレット・スマートフォンは使えません
  7. プレゼンテーション確認票を書いて、持参物を確定する。 資料配布ならコピー3部、口頭のみならA4 1枚の要約3部です
  8. 志望理由書の4問を横書き直筆で書く。 消せるボールペンは不可、用紙内に氏名は書きません

まとめ

  • 東北文化学園大学の総合型選抜は育成入試・自己アピール入試・スポーツ特別入試の3区分。すべて専願です
  • 育成入試は「育成塾」への参加と修了が出願資格。修了証のコピーを出願時に同封します
  • 育成塾の修了条件は学科で違います。現代社会学科・経営法学科は1つ以上受講してレポート提出、知能情報システム学科・建築環境学科は2回以上の参加が必要です
  • 育成塾のテーマは全日程ぶん公開されています
  • 育成入試の選考方法は学科・専攻ごとに違います。筆記試験(60分)があるのは理学療法学専攻だけで、ほかは面接20分(プレゼンか口頭試問を含む)です
  • 自己アピール入試はプレゼン5分+面接20分。テーマは「これまでの自己の取り組みや経験をもとに、より良い社会の構築に向けて、大学で何を学びたいか」で固定されています
  • 評価配分はどれも試験80点+書類審査20点。学力の3要素のうち②思考力・判断力・表現力等と③主体性を重視します
  • プレゼンにPC・タブレット・スマートフォンは使えません。資料・ポスター・画用紙を使い、試験室のホワイトボードと磁石は自由に使えます
  • プレゼンテーション確認票を出願時に提出します。資料を使わない場合も提出が必要で、当日は資料配布ならコピー3部、口頭のみならA4 1枚の要約を3部持参します
  • 志望理由書は4問で横書き直筆。消せるボールペンは不可、用紙内に氏名を記載しません
  • スポーツ特別入試は剣道とフェンシングのみ。4年間対象部に所属することが条件です

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。宮城県の私立大学は東北学院大学、東北福祉大学、宮城学院女子大学、尚絅学院大学、仙台白百合女子大学、石巻専修大学の記事にもあります。

Related

関連記事

← 「大学別対策」の記事一覧へ