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宮城学院女子大学の総合型選抜。学科ごとに選考がまるで違う

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宮城学院女子大学の総合型選抜は学科ごとに選考方法が全部違います。提出課題のテーマは要項に全文掲載。日本文学科は読んだ本1冊で1,200字、人間文化学科は歴史か現代文化で1,600字以内です。

宮城学院女子大学(宮城県仙台市)の総合型選抜は、学科ごとに選考方法がまったく違います。同じ大学の同じ入試なのに、論述試験を60分書く学科もあれば、面接だけの学科もあり、「講義を受けてノートを整理して筆記試験」という学科まであります。

さらに、提出課題のテーマが要項に全文載っています。何を書くかは、出願前からわかります。

この記事は、宮城学院女子大学が公開している2027年度総合型選抜募集要項をもとにまとめました。

出典:宮城学院女子大学「2027年度 総合型選抜募集要項[Ⅰ期・Ⅱ期]」(2026年9月22日に確認)

まず日程と募集定員

出願資格は「次のいずれかに該当する女子で、合格の際には本学(志願学科)への入学が確実な方」です。

出願期間 選考日 合格発表日
Ⅰ期 2026年9月25日〜10月2日(金)必着 10月24日(土) 11月2日(月)13:30予定
Ⅱ期 2026年12月1日〜12月7日(月)必着 12月12日(土) 12月17日(木)13:30予定

インターネット出願の登録期間は、書類提出期間より少し早く始まります(Ⅰ期は9月18日から10月1日まで)。入学検定料は30,000円です。

募集定員はⅠ期が中心で、Ⅱ期は各学科1〜2名です。

学科・専攻 Ⅰ期 Ⅱ期
現代ビジネス学科 15名 2名
教育学科 幼児教育専攻 15名 2名
教育学科 児童教育専攻 5名 1名
教育学科 健康教育専攻 5名 1名
食品栄養学科 15名 2名
生活文化デザイン学科 10名 2名
日本文学科 18名 2名
英語文化コミュニケーション学科 12名 2名
人間文化学科 5名 1名
心理行動科学科 15名 2名
音楽科 5名 1名

ただし、要項にはこう書かれています。

選考の結果、学力等が本学の求める水準に満たないと判断される場合、合格者数が各入学者選抜区分の募集人員を下回る場合があります。

定員が埋まることが前提ではない、という宣言です。

なお、選考日の時間は受験生ごとに異なり、出願締切後に個別に通知されます。

評価の重心は書類と課題にある

選考方法の冒頭に、重要な一文があります。

選考は志願理由書、活動報告書・学修計画書及び提出された課題や選考内容を総合的に評価し、調査書は参考程度に扱います。

調査書は参考程度。評定でふるいにかける入試ではありません。そのぶん、志願理由書・活動報告書・学修計画書・提出課題の比重が上がります。

志願理由書には作成条件があります。

本学ウェブサイトから所定の様式をダウンロードし、A4判用紙の片面に印刷のうえ必ず本人が自筆(黒のボールペン)で記入してください。

出願書類は市販の角2封筒に入れ、速達・簡易書留で郵送します。本学窓口への持参は受け付けていません。そして出願後に志願学科を変更することはできません。

学科ごとの選考方法

ここが最大の特徴です。

学科 選考方法
現代ビジネス学科 書類選考+論述試験(60分)+グループ面接(30分)
教育学科(3専攻) 書類選考+課題提出(自己推薦書)+プレゼンテーション(10分)+面接(質疑と合わせて計20分程度)
食品栄養学科 書類選考+講義(60分)・講義ノートの整理(30分)・筆記試験(30分)+面接(30分程度)
生活文化デザイン学科 書類選考+課題提出+プレゼンテーション(5分)+面接(20分程度)
日本文学科 書類選考+課題提出+面接(20分程度)
英語文化コミュニケーション学科 書類選考+日本語及び英語による論述試験(60分)+面接(英会話・英文の音読を含む。15分程度)
人間文化学科 書類選考+課題提出+面接(30分程度)
心理行動科学科 書類選考+課題提出(自己推薦書)+プレゼンテーション(10分)+面接(20分程度)
音楽科 書類選考+音楽科専門試験+面接(10〜15分程度)

日本文学科と人間文化学科は、課題と面接だけです。筆記試験もプレゼンもありません。そのぶん、提出課題の出来がそのまま効きます。

現代ビジネス学科は論述とグループ面接

論述試験のテーマは「ビジネスや社会課題にかかわるテーマ」とだけ示されています。60分です。

グループ面接には、珍しい配慮があります。

グループ面接時に質問するテーマは、選考日時の通知時にお知らせします。 グループ面接の際、事前に準備したメモや筆記用具の持ち込みを認めます。ただし、メモはA4判用紙1枚にまとめてください(両面使用可)。なお、資料等の持ち込みは認めません。

質問テーマが事前に知らされ、A4のメモを1枚持ち込める。準備した内容を手元に置いて話せます。

食品栄養学科は「講義→ノート整理→筆記試験」

化学や生物の基礎的内容に関する講義(60分)・講義ノートの整理(30分)、講義内容に係る筆記試験(30分) 講義ノートは講義の際に配布します。

合計2時間の変わった試験です。60分の講義を聞き、30分でノートを整理し、30分の筆記試験を受ける。聞いて、まとめて、答えるという流れがそのまま試験になっています。

面接も30分程度と長く、口頭試問とプレゼンテーションを含むとされています。

英語文化コミュニケーション学科は英検2級で免除

英文を読み、日本語及び英語による論述試験(60分) ただし、英検2級もしくはそれと同等以上の英語の資格・検定試験スコア等を保持し、出願期間内にスコア等を証明した場合は、論述試験を免除し満点と換算して合否判断します。

CEFRのB1以上が基準です。英検2級のほか、GTEC CBT 1000点以上、IELTS 4.0以上、TEAP 226点以上、TOEFL iBT 42点以上、TOEIC L&R 550点以上などが該当します。免除対象者には「論述試験免除決定通知書」が郵送されます。

論述試験を受ける場合、英和辞典の持ち込みが可能です(電子辞書は不可)。面接には英会話と英文の音読が含まれます。

提出課題のテーマが全部公開されている

提出課題があるのは、教育学科・生活文化デザイン学科・日本文学科・人間文化学科・心理行動科学科の5つです。所定様式は大学サイトからダウンロードします。

資料として用いた本や雑誌・新聞、ウェブサイト等がある場合は必ず出典を出典記入欄に明記してください。

出典記入欄があるので、調べて書くことが前提になっています。

教育学科(1,000字以内)

以下の2点を踏まえ、「自己推薦書」を作成しなさい。 ①これまでにあなたが影響を受けた先生を挙げ、その方々からどのような影響を受けたか。 ②本学入学後に、どのようなことについて学びを深めたいと考えているか、それはなぜか。 (①と②合わせて1,000字以内)

過去(受けた影響)と未来(学びたいこと)をつなぐ構成です。①で挙げた先生の影響が、②の学びたいことにつながっていれば筋が通ります。

生活文化デザイン学科(1,600字程度)

①家族、流通と消費、衣食住などの生活の問題 ②生活と地球環境、文化、社会との関わりについての問題 ③建築・インテリア・まちづくりなど生活の中のデザインに関する問題 上記の中からいずれかを選択し、あなたが関心を持つ事柄についてテーマを設定して具体的に論述し、それに対するあなた自身の考察、あるいは提案を示しなさい。(1,600字程度)

分野を選び、自分でテーマを設定し、考察か提案まで書きます。1,600字はかなりの分量なので、調べた事実と自分の考えを両方入れないと埋まりません。長い字数の組み立ては字数の調整が参考になります。

日本文学科(1,200字程度)

高校入学後に読んだ本のうち、日本語・日本文学あるいは日本文化など、日本文学科の専門的な学びに関わる分野(ただし資格関係は除く)で、あなたが特に感銘を受けた本を1冊選び、その本のどのようなところに感銘を受けたのか、その本からどのようなことを考えさせられたのか、大学進学後、日本文学科でどのようなことを学びたいのか、具体的に説明しなさい。(1,200字程度)

1冊だけです。条件は「高校入学後に読んだ」「日本文学科の専門的な学びに関わる分野」「資格関係は除く」。

問われるのは3点——感銘を受けたところ、考えさせられたこと、大学で学びたいこと。面接(20分程度)はこの課題についての質疑応答を含むので、本の内容はもちろん、なぜその本なのかを説明できるようにしておく必要があります。

面接には説明用の資料(提出課題のコピー等)や本等を持参しても構わないとされています。ただしパワーポイント等の電子データは不可です。

なお、日本文学科のアドミッション・ポリシーの「総合型選抜で求める学生像」には「1年に本を10冊以上読破する習慣があり」という項目があります。本をどう論じるかは読書と学びも参考になります。

人間文化学科(1,600字以内)

次にあげたテーマの中から1つを選んで、それについて具体的に調べ、考えたことを述べなさい。(1,600字以内) ①「歴史を学んで何の役に立つの?」と問われたら、あなたならどのように答えますか。また、学校で歴史を学ぶ意味は何だと思いますか。 ②現代の文化について学ぶことにどんな意義があると考えますか。あなた自身の経験や具体的な出来事などに触れながら、あなたの考えを述べなさい。なお、この場合の「現代の文化」には、アニメやマンガ、音楽、映画など幅広い分野が含まれます。

どちらも「学ぶ意義」を問う設問です。①は歴史、②は現代文化。②はアニメやマンガを扱ってよいと明記されています。下敷きになる論点は歴史を学ぶ意味とグローバル化と文化にまとめてあります。

ただし「具体的に調べ、考えたことを述べなさい」とあるので、感想では足りません。①なら歴史学がどう役立ってきたかの具体例、②なら自分の経験に加えて、その文化がどう論じられてきたかを調べて書くことになります。

面接は30分程度と長めで、提出した課題に関する資料(提出課題のコピー及びメモ等)を持参します。

心理行動科学科は出願要件そのものが課題に組み込まれている

この学科だけ、課題の前に出願できる人の条件が書かれています。

本学科の総合型選抜は、以下の(A)経験・実績と(B)意欲の両方を満たす方が出願できます。 (A)高校3年間において、心理学の学びにつながる諸活動(スポーツ、芸術、経済・経営、生徒会等の役員、ボランティア、アルバイト、その他)を継続的に行っていた方 (B)Aの活動を通して、人間の心理や行動について興味や疑問を持ち、それらを大学で心理学の観点から学びたい方

そのうえで自己推薦書に書くのは3点です。

①スポーツ、芸術、経済・経営活動、生徒会等の役員、ボランティア、アルバイト、その他のいずれかについての経験・実績の具体的な内容。 ②本学科入学後に、①の経験に基づいてどのような学びにつなげていきたいと考えているか。 ③その他、アピールしたい点。

そして要項には、「対象となる活動の具体的なイメージ」が約20例も載っています。たとえばこんな具合です。

高校の運動部でマネジャーとして、選手の活動を支えてきた。マネジャーの役割について、心理的な側面から調べてみたい。 写真部で展覧会などに出展しているが、写真ならではの表現について疑問をもっている。絵画と写真の表現の違いと印象の違いを比較してみたい。 コンビニのアルバイト経験から、陳列する場所によって売れない商品が急に売れ始めたりすることを知った。場所だけで売上が変わってしまう人間の心理について学びたい。

アルバイトもクイズ大会もカルタ部も例に入っています。部活の実績がなくても、「経験→疑問→学びたいこと」がつながれば対象になる、という示し方です。

逆に、該当しない例も明記されています。

⊠高校3年間継続的に行った活動に該当しない例 ・家業の製造業をたまに手伝っていた。 ・勉強に打ち込んだ結果、成績が上がった。 ・高校3年間1日も休まず、遅刻もしなかった。

「たまに」は継続にならない、成績向上や皆勤は活動ではない。ここまで書いてあるのは親切です。

教育学科と心理行動科学科のプレゼンはA3用紙1枚

この2学科はプレゼンテーションがあり、資料の作り方まで決まっています。

選考の際は、原本をホワイトボードに掲示してそれを参照しながら10分間のプレゼンテーションを行ってください。(10分を経過した場合は途中であっても打ち切ります) 作成要領・A3判用紙の片面1枚にまとめる、表現の方法は自由(立体物を貼り付けること、指定様式の大きさを変えることは不可)・原本1部と原本のコピー3部(受験番号と氏名を表面に記入)

A3が1枚、片面だけ。それをホワイトボードに貼って10分話します。表現の方法は自由なので、図でも写真でも構いませんが、立体物は貼れません。組み立て方はプレゼン型入試を見てください。

教育学科はプレゼン用資料以外のものを持ち込めません。心理行動科学科は発表メモの参照が認められていますが、要項にはこう釘を刺してあります。

ただし、読み上げるだけでは伝わりませんので、十分な準備をしてきてください。

生活文化デザイン学科のプレゼンは5分で、こちらは電子データも使えます。パワーポイントを使う場合はPDFにしてUSBメモリに保存して持参します(パソコンは大学が準備)。念のため紙にも出力しておくよう指示があります。

総合型で合格しても特待生を狙える

見落としやすい制度があります。

総合型選抜・学校推薦型選抜合格者が大学入学共通テストを受験し、所定の成績をおさめた場合に学業特待生候補者の対象とします。その場合は、当該学科への合格を確保したものとし、別途審査料を支払って、特待生申請手続きをしていただきます。

合格を確保したまま、共通テストの成績で特待生を目指せます。共通テストでは、共通テスト利用選抜(A日程)で入学予定の学科が指定している科目を満たすよう受験する必要があります。ただし特待生枠には限りがあり、申請しても必ず認められるわけではありません。詳細は12月上旬に大学サイトに掲載予定とされています。

そのほか押さえること

  • 持参するものは全学科共通で筆記用具(黒鉛筆またはシャープペンシル)、受験票、選考日通知書
  • 教育学科・心理行動科学科はプレゼン用資料の原本1部とコピー3部
  • 英語文化コミュニケーション学科は英和辞典(電子辞書等は不可)
  • 合否はウェブ合否発表システムで確認します。発表日当日に高等学校長宛てに速達で「選考結果通知書」が送られます
  • 入学手続は銀行窓口で一括納入します。ATMは使えず、ゆうちょ銀行からの振込みもできません
  • 要項には「共生のための多様性宣言」が掲載され、2021年度からトランス女性(戸籍上男性であっても性自認が女性である方)の受け入れを行っていることが明記されています

どこから手をつけるか

  1. 志望学科を決める。 選考方法が学科ごとに違うので、ここが決まらないと準備が始まりません
  2. 提出課題がある学科なら、公開されているテーマで書き始める。 1,000〜1,600字と長めです
  3. 出典を控えながら調べる。 課題様式に出典記入欄があります
  4. 心理行動科学科は出願要件を確認する。 高校3年間の継続的な活動が必要で、該当しない例も示されています
  5. プレゼンがある学科はA3用紙1枚を作る。 10分で打ち切られるので、時間を計って練習します
  6. 英語文化コミュニケーション学科志望なら英検2級を取る。 論述試験が免除され満点換算になります
  7. 志願理由書を自筆で書く。 黒のボールペンで、A4片面です。書き方は志望理由書の完全ガイドから
  8. 面接で課題について聞かれる前提で準備する。 多くの学科が「提出した課題に関する質疑応答を含む」としています。面接の頻出質問もあわせて

まとめ

  • 宮城学院女子大学の総合型選抜はⅠ期(選考日10月24日)とⅡ期(12月12日)。出願資格は女子で、合格したら入学が確実な方です
  • 選考方法が11の学科・専攻すべてで違います。論述試験、講義+筆記試験、プレゼン、面接のみ、専門試験と幅があります
  • 調査書は参考程度に扱われ、志願理由書・活動報告書・学修計画書・提出課題が評価の中心です
  • 提出課題のテーマは要項に全文掲載されています(教育学科・生活文化デザイン学科・日本文学科・人間文化学科・心理行動科学科)
  • 日本文学科は「高校入学後に読んだ本から1冊」で1,200字程度。資格関係の本は除きます
  • 人間文化学科は「歴史を学ぶ意味」か「現代の文化を学ぶ意義」から1つ選んで1,600字以内。現代の文化にはアニメやマンガも含まれます
  • 生活文化デザイン学科は3分野から選び、自分でテーマを設定して1,600字程度。考察か提案まで書きます
  • 教育学科は「影響を受けた先生」と「入学後に深めたい学び」で1,000字以内
  • 心理行動科学科は出願要件が課題に組み込まれていて、対象になる活動の例が約20、ならない例が3つ明記されています
  • 教育学科と心理行動科学科のプレゼンはA3用紙1枚をホワイトボードに掲示して10分。10分で打ち切られます
  • 食品栄養学科は「講義60分→ノート整理30分→筆記試験30分」という独自方式です
  • 現代ビジネス学科はグループ面接のテーマが事前に通知され、A4のメモを1枚持ち込めます
  • 英語文化コミュニケーション学科は英検2級(CEFR B1)以上で論述試験が免除され満点換算になります
  • 総合型選抜の合格者も、共通テストを受ければ学業特待生候補になれます(合格は確保したまま)

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。宮城県の私立大学は東北学院大学、東北工業大学、東北福祉大学、東北医科薬科大学、東北生活文化大学、石巻専修大学、仙台大学の記事にもあります。

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