四国学院大学の総合型選抜。小論文はなく口頭発表10分、テーマ探究型の主題は要項で公表されている
四国学院大学(香川県善通寺市)の2027年度総合型選抜はA〜E日程の5回。小論文・筆記試験・実技・グループディスカッションは一切なく、テーマ探究型(口頭発表10分以内+面接)か体験報告型(口頭試問を含む面接)のどちらかを選びます。2027年度のテーマは「子どものSNS利用に対する規制の在り方」で要項に公表済み。専願で、不合格後の再受験はできません。
四国学院大学は、香川県善通寺市にある私立大学です。学部の作りが独特で、「1学部1学科制+メジャー制度」をとっています(2010年以降)。3学部3学科に24のメジャーがある形です。
| 学部 | 学科 |
|---|---|
| 現代教養学部 | 現代教養学科 |
| 社会福祉学部 | 社会福祉学科 |
| 社会学部 | カルチュラル・マネジメント学科 |
2026年4月に文学部人文学科が現代教養学部現代教養学科へ名称変更されています。また2027年4月に「現代韓国学メジャー」が新設されます。演劇系の3メジャーは社会学部カルチュラル・マネジメント学科に置かれています。学部・学科の募集停止の告知はありません。
2027年度の総合型選抜は、出願の4区分 × A〜E日程の5回という組み合わせです。募集人員は学部別に示されていて、現代教養20名・社会福祉20名・カルチュラル・マネジメント20名の計60名です(区分別の内訳はありません)。
| 出願区分 | 対象 |
|---|---|
| パーソナル | 出願資格を満たし、本学を第一志望とする人(一般的な区分) |
| 特別推薦 | 上記に加えて、大学が定める特別推薦枠の出願資格を満たす人。特別推薦奨学金の対象 |
| 課外活動 | 2027年3月高校卒業見込みで、高校在学中に学校内外の課外活動の充実発展に寄与した人(体育系・文化系の全国的レベルの大会等への出場、都道府県大会等の上位成績。個人・団体を問わない)。出願希望者はあらかじめ大学に問い合わせること |
| 社会人 | 2027年4月1日現在で満23歳以上で、社会人としての経験等を生かして出願学部で学ぶ意欲のある人(企業等の在職者・離職者・主婦・主夫など) |
4区分すべて専願(本学を第一志望とする人)です。そして制約が強いので先に書いておきます。
- 総合型選抜の重複受験(複数回の受験)はできません
- 総合型選抜で不合格になった人は、総合型選抜を再受験できません
- 出願後の「学部」「試験地」「試験日」「入試方法」の変更は一切できません
A〜E日程と5回あっても、使えるのは1回だけということです。どの日程で出すかが重要な判断になります。
選考は2つの型から1つを選びます。
| 型 | 選抜方法 |
|---|---|
| テーマ探究型 | 書類審査(調査書・自己評価書)+口頭発表(10分以内)+面接 |
| 体験報告型 | 書類審査(調査書・自己評価書)+口頭試問を含む面接 |
小論文・作文・レポート・筆記の基礎テスト・グループディスカッション・実技は、総合型選抜では一切課されません。 海外帰国生徒についてのみ語学審査(日本語)が加わります。
配点は比率で公表されています。
全体の評価は、提出された書類及び口頭発表、面接もしくは口頭試問を通して、志願者の基礎学力を20%、能力・意欲・適正を80%で評価する。基礎学力の把握は、調査書10%、口頭発表もしくは口頭試問90%で行う。
つまり調査書が効くのは全体の2%分だけ(基礎学力20%のうち10%)という計算になります。残りは書類と口頭でのやりとりで決まります。評定で不利だと感じている人にも道がある配点です。
検定料は30,000円で、試験地は原則として本学(善通寺)のみです。地方会場が設定されるのは学校推薦型選抜と一般選抜A日程だけで、総合型選抜には地方会場がありません。
出典:四国学院大学「2027学生募集要項」(全66ページ。PDF作成2026年6月30日)、2027年度の募集人員PDF・アドミッション・ポリシーPDF・入試日程表PDF、自己評価書の様式、総合型選抜のページ、サール・テッラエ特別奨学金・舞台芸術特別奨学金の各ページ、入試Q&A(https://www.sg-u.ac.jp/ )。2026年10月1日に確認しました。
1点注意があります。 要項自体に「実際の入試が要項記載と異なる方法で実施されることがあり得る/最新情報はホームページで確認」という注記があります。出願前には必ず大学のサイトで最新情報を確認してください。
2027年度のテーマは「子どものSNS利用に対する規制の在り方」
テーマ探究型を選ぶ場合、2027年度の口頭発表のテーマが要項に明示されています。
テーマの主題…子どものSNS利用に対する規制の在り方
提示される背景として、オーストラリア政府が2025年12月10日に施行した16歳未満のSNS利用を禁止する法律(目的はSNSを介したいじめや有害コンテンツ閲覧の防止とされ、同国内で賛否両論がある)と、日本で2026年4月に総務省がSNS事業者に対する規制強化の議論を開始し、事業者による年齢確認方法の厳格化を検討していることが挙げられています。
設問の要求がはっきりしています。
結論(規制すべき/規制すべきではない)を示した上で、子どものSNS利用に対する規制の在り方について自分の考えをまとめる。そう考えた理由や、その考えに至るまでの流れが伝わるように準備すること
どちらの立場でもよいが、立場を明示することが求められるという設計です。「賛成の面も反対の面もある」で終わらせるのは設問の要求に反します。
形式は試験当日の口頭発表(10分以内)で、レジュメなどの資料を使えます。資料は「口頭発表資料」として出願のときに提出し、書式は問われません。
10分は原稿にすると2,500〜3,000字ぶんです。かなり長いので、構成を資料で見せながら進めるのが現実的です。組み立ては次の形が素直です。
- 結論を先に言う(規制すべき/すべきでない)
- 背景の整理(オーストラリアの法律と日本の議論)
- 自分の立場の理由を2〜3点
- 反対側の論拠に触れて、それでも自分の立場を採る理由
- 具体的に望ましい規制のあり方(年齢確認、保護者の関与、学校での教育など)
④を入れると「その考えに至るまでの流れ」という要求に答えた形になります。規制に賛成するなら、SNSを介したいじめや依存、有害コンテンツの問題(いじめのテーマ、情報リテラシーのテーマ)。反対するなら、表現の自由、年齢確認に伴う個人情報の収集(データとプライバシーのテーマ)、子どもの意見表明の権利などが論拠になります。どちらの側も押さえておくと、面接の質疑に耐えられます(プレゼンテーション型入試の対策、小論文の構成メモ)。
過去のテーマ(2026年度以前)は公開されていません。 公表されているのは当年度分だけです。
体験報告型はオープンキャンパスの授業体験を使える
体験報告型は、これまでの学習の体験について、試験当日に口頭試問を含む面接を受ける形です。要項には「体験をふまえて自身が成長したと感じたところ・自分の意見を述べること」と書かれています。
そして大学のオープンキャンパスの「大学の授業体験」を、学修の体験として活用できます。この場合は受講証明書を出願書類に添えます(2026年度内に発行されたもののみ有効。志願票の該当箇所に貼り付けて郵送)。
テーマ探究型と体験報告型のどちらを選ぶかは、次のように考えられます。
- テーマ探究型…社会の問題について調べて筋を立てるのが得意な人。資料を作れる人。10分話せる人
- 体験報告型…自分の経験を語るほうが向いている人。資料作りや長い発表が負担な人。オープンキャンパスに参加している人
口頭発表がないぶん体験報告型は準備が軽く見えますが、口頭試問を含む面接なので、聞かれたことに自分の考えで答える力は同じように必要です(面接の頻出質問、探究のまとめ方)。
自己評価書の5つの設問はかなり踏み込んでいる
総合型選抜で出す大学所定の書類は自己評価書です(志望理由書・活動報告書という名称の独立した様式は総合型選抜にはありません)。A4縦の罫線式で、字数指定はありません。志願者本人がボールペンで記入します。
設問は5つで、ほかの大学の志望理由書とはかなり違う問いが並びます。
- 志願を決意された背景と理由は、何ですか。(罫線 約13行)
- あなたは、以下の人たちと、どのような形の関係を持っていますか。 a)親または保護者 b)友人 c)教師(各 約3行)
- あなたの他の人々に対する「働きかけ」「関係の作り方」に関するあなた自身の評価は、どのようなものですか。
- あなたが、現在生活している状況に何らかの形で自分自身で評価できる貢献をしていると思いますか。(はい/いいえ。「いいえ」の場合は説明)
- あなたが本学で勉学を志すに際して、自分の長所ならびに今後努力しなければならない事項に対して率直かつ具体的に記載してください。
②③④が「人との関わり」と「自分への評価」を問う構成になっているのが特徴です。設問1が最も大きい欄(約13行)なので、志望理由はここに書きます。
②は3行ずつなので長く書けません。関係の質を一言で言い切る必要があります。③は②を踏まえて自己評価を述べる形なので、②と矛盾しないように書きます。
⑤の「今後努力しなければならない事項」は、自分の弱点を書く欄です。「率直かつ具体的に」と指定されているので、無難にごまかすと設問の要求から外れます。弱点を書いたうえで、それをこの大学の学びでどう埋めるかにつなげると筋が通ります(自己PRの書き方、志望理由書の完全ガイド)。
書いた内容は面接・口頭試問の材料になるので、全体の整合を取っておきます(面接と書類の一貫性)。
そのほかの出願書類は、志願票・出身学校の調査書に加えて、区分や型に応じて次のものです。
- 口頭発表資料(テーマ探究型のみ。書式は問わない)
- 受講証明書(体験報告型で「大学の授業体験」を活用する場合)
- 推薦書(特別推薦のみ。大学所定用紙に推薦者本人が記入・厳封)
- 課外活動に該当することを証明する書類(課外活動のみ。賞状・新聞記事の切り抜き等の写し)
- 履歴書(2027年3月高校卒業見込み以外の人。書式は問わない)
日程はA〜E日程。試験日は大学が指定する
| A日程 | B日程 | C日程 | D日程 | E日程 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 出願期間(必着) | 9月1日〜9月17日(終了) | 11月1日〜11月18日 | 11月30日〜12月18日 | 2027年1月5日〜1月29日 | 2027年2月13日〜3月12日 |
| 試験日 | 9月26日・10月3日・10月10日・10月17日・10月24日のいずれか | 11月21日・11月28日・11月29日のいずれか | 12月19日・12月20日のいずれか | 2027年2月1日(月)〜2月8日 | 2027年2月22日〜3月16日 |
| 合格発表 | 11月2日 | 12月1日 | 12月22日 | 2027年2月12日 | 2027年3月18日 |
試験日は候補のなかから大学が1日を指定します。 出願の受付後に受験票で通知される形で、自分では選べません(すべての出願書類が大学に届いた時点で出願受付になります)。
2026年10月1日の時点では、A日程の出願は9月17日で終了し、指定された試験日(9月26日〜10月24日のいずれか)に向かう段階です。次に出願できるのはB日程で、11月1日から11月18日までです。
エントリー期間という独立した制度はなく、出願期間がそのままエントリーです。入学手続は第一次(入学金のみ)と第二次に分かれますが、E日程だけは第一次がなく一括納入(2027年3月22日)です。
なお、大学サイトの総合型選抜のページではD日程の試験日が「2/1(火)」となっていますが、要項と日程表PDFはどちらも「2027年2月1日(月)」です。2027年2月1日は月曜日なので、要項が正しく、サイトの曜日表記が誤記です。
小論文に相当するものは奨学金の課題にある
総合型選抜そのものに小論文はありませんが、奨学金の選考に800〜1,000字程度の課題があります。
サール・テッラエ特別奨学金は、学校推薦型選抜または総合型選抜のA日程・B日程・C日程を受験する、本学を第一志望とする人が対象です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 提出課題 | 800〜1,000字程度。人間関係で悩んだ経験について具体的に分析する内容 |
| 一次審査 | グループワーク60分+リーディングスキルテスト50分+書類審査 |
| 最終審査 | インタビュー30分(総合型選抜A〜C日程の入学試験当日、試験終了後に実施) |
| 採用 | A・B合わせて10名程度。結果通知は12月末まで |
この課題が、この大学で唯一の「小論文的な筆記物」です。テーマが「人間関係で悩んだ経験の具体的な分析」なので、自己評価書の設問②③(人との関わりについての問い)と地続きです。自己評価書を書くときに、この奨学金に出すかどうかも含めて考えると一度で済みます。
一次審査のリーディングスキルテスト(50分)とグループワーク(60分)は、総合型選抜本体にはない形式です。奨学金に申し込むなら、文章を正確に読み取る練習と、グループで議論する練習が別に必要になります(グループディスカッションの対策、課題文の要約)。
なお、奨学金のトップページでは一次審査が「9月13日(土)」と書かれていますが、詳細ページの「9月13日(日)」が正しい表記です。
舞台芸術特別奨学金もあります。こちらは最終審査に実技と面接があり、大学の劇場(ノトススタジオ)で行われます(一次募集の最終審査は2026年11月22日、二次募集は2027年2月7日)。総合型選抜の本体に実技はなく、実技が課されるのはこの奨学金の最終審査だけです。演劇系のメジャーを志望する人は、入試と奨学金を分けて考える必要があります。
フレッシュマン支給奨学金は、一般選抜A日程または共通テスト利用選抜A日程(いずれも3教科型)の合格者のみが対象で、総合型選抜は対象外です。
どこから手をつけるか
B日程をねらうなら(出願11月1日〜11月18日)
- テーマ探究型か体験報告型かを決める。テーマ探究型は10分の口頭発表(資料使用可)、体験報告型は口頭試問を含む面接です
- 自己評価書(字数指定なし・ボールペン・本人記入)の5設問を書く。②③④は人との関わりと自己評価を問う珍しい設問です。⑤は弱点を「率直かつ具体的に」書く欄です
- テーマ探究型なら、公表されているテーマ(子どものSNS利用に対する規制の在り方)で結論を決め、資料を作る。資料は出願時に提出し、書式は自由です
- 体験報告型でオープンキャンパスの授業体験を使うなら、受講証明書(2026年度内発行のみ有効)を志願票に貼り付けます
- 調査書を高校に依頼する。ただし調査書が効くのは全体の2%分です
- サール・テッラエ特別奨学金(A〜C日程対象)に出すか決める。800〜1,000字の課題、グループワーク60分、リーディングスキルテスト50分、インタビュー30分という別の選考があります
- 11月18日必着で出願。試験日は11月21日・11月28日・11月29日のうち大学が指定した1日で、受験票で通知されます
- 会場は本学(善通寺)のみです
出す前に必ず確認しておきたいこと
- 専願です。総合型選抜は1回しか受けられず、不合格になったら総合型での再受験はできません。どの日程で出すかは慎重に決めます
- 課外活動の区分で出願したい場合は、あらかじめ大学に問い合わせるよう要項に書かれています
- 要項に「実際の入試が要項記載と異なる方法で実施されることがあり得る」という注記があるので、出願直前に大学サイトを確認します
まとめ
- 四国学院大学は1学部1学科制+メジャー制度で、3学部3学科・24メジャー。2026年4月に文学部人文学科→現代教養学部現代教養学科に名称変更、2027年4月に現代韓国学メジャー新設
- 総合型選抜は4区分(パーソナル/特別推薦/課外活動/社会人)× A〜E日程。募集は学部別に各20名で計60名
- すべて専願。重複受験も、不合格後の再受験もできない(使えるのは1回だけ)
- 小論文・筆記試験・実技・グループディスカッションは一切なし
- テーマ探究型(口頭発表10分以内+面接)か体験報告型(口頭試問を含む面接)のどちらかを選ぶ
- 配点は基礎学力20%・能力意欲適正80%。基礎学力の内訳は調査書10%・口頭発表(口頭試問)90%で、調査書が効くのは全体の2%分
- 2027年度のテーマ探究型のテーマは要項で公表済み(子どものSNS利用に対する規制の在り方)。結論を明示することが要求されている。資料の使用可で書式は自由
- 体験報告型はオープンキャンパスの「大学の授業体験」を活用できる(受講証明書は2026年度内発行のみ有効)
- 自己評価書は字数指定なしで、人との関わりと自己評価を問う5設問。⑤は弱点を率直に書く欄
- サール・テッラエ特別奨学金(総合型A〜C日程対象)に800〜1,000字の課題がある。グループワーク60分とリーディングスキルテスト50分も
- 演劇系で実技があるのは舞台芸術特別奨学金の最終審査だけで、総合型選抜の本体に実技はない
- 試験日は候補のなかから大学が指定し、受験票で通知される
- 会場は本学(善通寺)のみ。検定料30,000円
- 2026年10月1日の時点で、A日程の出願は終了、次はB日程の11月1日〜11月18日
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