テーマ型小論文の書き方。一行の問いから800字を作る手順
「地域医療について論じなさい」のように、課題文がなくテーマだけが与えられる形式の解き方。書くことが浮かばない状態から構成を組み立てる手順を示します。
テーマ型は、課題文型よりも難しい形式です。
課題文型には読むものがありますが、テーマ型は一行だけ与えられて、あとは自分で全部作る必要があるからです。
地域医療について、あなたの考えを800字以内で述べなさい。
この一行から800字を作るには、手順が要ります。思いついたことを書き始めると、必ず途中で止まります。
手順1:テーマを問いに変える(3分)
テーマのままでは書けません。「〜について」を「〜か」に変換します。
| テーマ | 問いへの変換 |
|---|---|
| 地域医療について | 地域医療の不足は、医師の数を増やせば解決するか |
| 少子高齢化について | 高齢化社会の負担は、誰がどう分担すべきか |
| コミュニケーションについて | 良い聞き手とは、どのような聞き方をする人か |
変換のコツは、答えが2つ以上ありうる形にすることです。「地域医療は重要か」では、答えが1つしかないので論じられません。
手順2:反対の立場を先に考える(5分)
自分の意見を決める前に、反対意見を1つ書き出してください。
これをやらずに書くと、独りよがりな文章になります。反対意見が見えている文章は、それだけで読み手に「考えている」と伝わります。
私は医師の偏在は待遇改善で解決すべきだと考える。 ↑ この立場を取るなら、「待遇を上げても地方に残らない」という反論を先に想定しておく。
手順3:具体例を1つだけ決める(5分)
テーマ型で最も差がつくのが具体例です。そして最も失敗しやすいのもここです。
やってはいけない例の出し方
たとえば、医師不足や看護師の離職、高齢化などが挙げられる。
これは具体例ではなく、単語の列挙です。読み手には何も伝わりません。
良い例の出し方
私の住む町には診療所が一つしかない。祖母は月に一度そこに通うが、予約が取れず、朝7時から並ぶことがある。
具体例は1つに絞って掘り下げるのが原則です。3つ挙げて全部浅いより、1つ深いほうが評価されます。そして自分の見聞きした範囲の例のほうが、統計より強く働きます。
手順4:800字の設計図を書く(5分)
構成はこの型で足ります。
| 段落 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 第1段落 | 問いの提示+自分の立場 | 120字 |
| 第2段落 | なぜその立場か(理由) | 220字 |
| 第3段落 | 具体例 | 250字 |
| 第4段落 | 反論への応答 | 130字 |
| 第5段落 | 結論 | 80字 |
第4段落を最初から予定に入れておくのがコツです。ここを書ける答案は多くありません。
手順5:書く(30分)
設計図があれば、800字は30分で書けます。書けないときは、たいてい手順3の具体例が決まっていません。
テーマ型でよくある失敗
定義から始めてしまう
地域医療とは、地域住民の健康を支える医療のことである。
辞書的な定義に80字を使うのはもったいない使い方です。読み手はその言葉を知っています。定義が必要なのは、あなたが独自の意味で使うときだけです。
「〜すべきである」を連発する
主張が強いのは良いのですが、根拠なく「べき」を並べると、感想文になります。1つの主張に対して、理由と具体例を必ずセットで置いてください。
学部と関係のない一般論で終える
医療系学部でのテーマ型は、あなたがその分野をどう見ているかを測っています。誰が書いても同じ社会評論になっていたら、志望学部を問われた意味がありません。
最後の一文で、自分がその分野に関わる立場から書いていることを示してください。
まとめ
- テーマを「〜か」の問いに変える
- 自分の意見より先に、反対意見を書き出す
- 具体例は1つに絞って掘る。単語の列挙は具体例ではない
- 設計図に13分使う。書くのは30分で足りる
- 定義から始めない。「べき」を根拠なく並べない