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大学別対策

山形大学 総合型選抜の対策。動画を見てから小論文を書き、出願時に提出する人文社会科学部

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山形大学の総合型選抜Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを、令和9年度(2027年度)の学生募集要項から整理しました。指定講座の動画を見てから書く小論文、理学部の5区分でまったく違う二次選抜、当日レポートから始まる工学部までを解説します。

山形大学の総合型選抜は、要項の中に「定義」が書いてあります。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違いが、大学自身の言葉で分けられています。

定義
総合型選抜Ⅰ 共通テストを課さない。第1次選抜(出願書類等)+第2次選抜(小論文・面接・実技検査等)
総合型選抜Ⅱ 共通テストを課さない。第1次選抜(独自試験(レポート等)+出願書類等)+第2次選抜
総合型選抜Ⅲ 共通テストを課す。書類選抜、小論文・面接・実技検査等、共通テストの成績で判定

ⅠとⅡの違いは、1次に試験があるかどうか。Ⅱ(工学部昼間コース)は、9月12日にいきなりレポートを書く試験から始まります。

そして人文社会科学部の人間文化コースは、小論文を出願時に提出します。しかも書く前提が指定されています。

指定された講座(動画)を受講した上で、作成上の注意に従って、作成してください。

この記事は、公開されている令和9年度(2027年度)総合型選抜学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:山形大学 入学者選抜要項・学生募集要項/令和9年度総合型選抜学生募集要項/入学定員・募集人員(PDF)/総合型選抜の定義・日程表(PDF)/人文社会科学部(PDF)/理学部(PDF)/農学部(PDF)/工学部昼間コース(PDF)/医学部(PDF)

どの学部が、どの型か

学部・学科 型 募集人員 1次 2次
人文社会科学部 人間文化コース Ⅰ 10人 書類(小論文を含む) 面接+集団討論
人文社会科学部 グローバル・スタディーズコース Ⅰ 5人 書類 英検CSEスコア審査+面接
理学部 理学科 Ⅰ 20人(5区分×4人) 書類(探究活動レポート) 区分ごとに別
農学部 食料生命環境学科 Ⅰ 10人 書類(プレゼン概要) プレゼン+面接(300点)
工学部昼間コース Ⅱ 38人 当日レポート(9月12日) 面接+口頭試問
工学部フレックスコース Ⅰ 6人 書類 面接等
医学部 看護学科 Ⅲ 5人 — 集団討論+面接+共通テスト

入学定員1,655人に対して、総合型選抜はⅠが51人、Ⅱが38人、Ⅲが5人です。

出願はほぼ全学部が9月1日〜4日(医学部看護学科のみ11月2日〜5日)。インターネット出願登録は8月25日から始まります。

人文社会科学部 人間文化コース——動画を見て、小論文を出す

1次は「来なくていい」

◎ 書類選抜のみになりますので、来学する必要はありません。

第1次選抜は調査書・自己PR書・小論文で100点。この小論文は、出願書類として提出します。

小論文の書式

様式に注意事項が印刷されています。

  • 本文は横書き
  • 図表・写真を入れてもかまわない
  • 字数・行数に指定はない(読みやすさを心がける)
  • 参考文献・参考資料は必ず記入する
  • パソコンなら10.5ポイント以上、手書きなら黒のボールペン(消えるインクは不可)
  • A4タテ両面1枚、カラーまたは白黒で印刷

字数指定がなく、図表が入れられて、参考文献が必須。入試の小論文というより、短い研究レポートに近い設計です。

評価の4項目が公開されている

小論文では、(1)論旨の説得力、(2)主体的に学ぶ姿勢や意欲、(3)先行研究を踏まえた批判的思考の深さ、(4)独創性について、事前に指定した講座(動画)の内容を踏まえた上で書かれているかを評価します。

(3)に「先行研究」という言葉が出てきます。高校生に対して先行研究を求める小論文は多くありません。参考文献が必須になっている理由もここです。

動画を見る → 関連する文献を1〜2本読む → 動画の内容を踏まえて自分の問いを立てる。この順番で作らないと、(3)と(4)が空欄になります。

2次は面接と集団討論

10月17日10:00から、面接(口頭試問を含む)と集団討論。面接では自己PR書と小論文の内容に基づいて質疑応答が行われます。書いたものが、そのまま質問の材料になります。

集団討論は「他者と協働して問題解決に当たるコミュニケーション能力、身近な地域の課題に対する問題意識」を見る、と趣旨に書かれています。

グローバル・スタディーズコース——英検のスコアが「外国語」の得点になる

第2次選抜の科目が独特です。

外国語(実用英語技能検定の英検CSEスコア)書類審査及び面接(口頭試問を含みます。)

当日に英語の試験はありません。出願時に出した英検CSEスコアを、コースの基準で「外国語」として評価します。

面接は日本語です。ただし材料が事前に配られます。

出願書類及び事前に指定した日本語記事の内容に基づき、日本語で質疑応答を行います。(面接の際には、第1次選抜の合格通知書とともに郵送した日本語記事の写しを配付します。)

記事は9月18日の1次合格通知と一緒に届き、当日も手元に配られます。読み込む時間が1か月あるということです。

面接で問われる3点も公開されています。

  1. 国際社会やグローバル化や異文化理解についての関心、本コースで学ぼうとする意欲
  2. 留学等の海外体験への関心
  3. 外国語教育への関心

これに加えて卒業後の進路計画。4つとも準備できます。

理学部——5区分で、二次がまったく違う

理学科は5区分、各4人の計20人です。

出願要件に「探究活動」が入っている

(3)理学(数学・理科・データサイエンス)に関する探究活動(高校の授業外で行った活動も含む)に取り組んだ者

授業外の活動も対象です。そして提出書類が2つ。

書類 内容
エントリーシート 入学後に取り組みたい勉強や研究について、①選択するコースカリキュラムや卒業研究分野等の希望 ②それらを希望する理由(卒業後の目標・抱負を含む)を800字以内
探究活動レポート 取り組んだ探究活動を1つ選び、①課題名 ②探究活動の概要 ③探究の目的 ④用いた方法と得られた結果 ⑤考察・推論 に分けて記入

探究活動レポートの5項目は、そのまま研究論文の構成です。「頑張りました」ではなく、目的・方法・結果・考察を分けて書ける形になっているかが問われます。パソコンで作成できます。

二次選抜が区分ごとに別物

区分 第2次選抜の中身
数学・データサイエンス 面接20分。数学の口頭試問(数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B「数列」・C「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」)。黒板やホワイトボードで説明させる場合がある
物理学 面接20分。物理の口頭試問(物理基礎・物理)。黒板使用あり
化学 スライドを使ったプレゼン1人8分+質疑応答。質疑には受験者同士の質問も含まれる
生物学 小論文1時間(生物学に関する和文を読み、要約や自身の考えを書く)+面接30分。プレゼンにスライドやポスターは使えない
地球科学 作業課題1時間(標本観察、資料を用いた読図・作図・文章の要約等)+プレゼン・質疑30分

同じ「理学部の総合型選抜」なのに、やることが5通りあります。

化学の「受験者同士による質問」は特に珍しい形式です。自分の発表を守るだけでなく、他人の発表を聞いて質問を作る能力も見られます。

生物学は小論文1時間で「要約+自分の考え」。地球科学は読図・作図・要約の作業課題。どちらも文章を書く力が直接効きます。

配点は選抜区分共通で第2次選抜100点。評価は「基礎学力、自主的な学習意欲、自己表現力、チャレンジ精神」です。

農学部——プレゼン概要1,000字を先に出す

食料生命環境学科で10人。出願要件がまず具体的です。

(1)「広義の農学」に含まれる分野に関して熱意を持って取り組んだ実績を持つ者(高等学校での課外活動だけでなく、高等学校以外の団体での活動や個人の活動も対象とする。)

要項が例まで挙げています。農業クラブでの取り組み、科学部等のクラブ活動、SSH・SGH・SPH指定校での取り組み、課題研究各種発表会の出場・入賞、大学や研究機関主催のセミナーやプログラムへの参加。

提出書類は志望理由書とプレゼン概要

書類 内容
志望理由書 「志望する理由」「入学した場合どのような分野の勉強をしたいのか、分野名とその理由」「卒業後どのような職業に就きたいか(現時点)」を各400字以内
プレゼンテーション概要 第2次選抜で自分が行うプレゼンの概要を1,000字以内

プレゼンのテーマは1つに固定されています。

「広義の農学」に含まれる分野の中で、これまでに自分が熱意を持って取り組んだ事柄について

2次は面接300点だけ

10月10日9:00〜17:00。プレゼンの発表は7分程度、質疑応答と口頭試問を含めて1人20分程度です。

プレゼンテーションを行った後、その内容(グループでの成果の場合は役割分担についても問います。)等についての質疑応答と口頭試問を行います。

グループでやった探究を持ち込む場合、「あなたは何をしたのか」を必ず聞かれると明記されています。

配点は面接(プレゼン・口頭試問を含む)300点。1次は書類100点なので、二次で決まる入試です。

工学部昼間コース——9月12日に、いきなりレポートを書く

工学部昼間コースだけが総合型選抜Ⅱです。第1次選抜が試験になっています。

内容
第1次選抜 令和8年9月12日(土)9:00〜11:00 レポート(100点)
第2次選抜 10月17日(土)9:00〜13:00 面接(口頭試問を含む・100点)

レポートの評価基準が明快

レポートは、知識よりも自分独自の意見を持ち、その意見を自分の言葉で表現できているかを評価します。

「当日与えられる課題に対してレポートを作成」する形式で、2時間あります。知識を書くのではなく、意見を書く。この一文が対策のすべてです。

口頭試問の範囲

教科 範囲
数学 数学Ⅰ及び数学Aの全領域
理科 物理基礎の全領域または化学基礎の全領域から、試験当日に自分で選択

数Ⅰ・Aだけ、理科は基礎科目だけ。範囲が狭く確定しています。

面接では、まず「生まれ育った地域や地方において、どのように貢献したいか」を自分の言葉で説明させられ、その説明について質疑応答があります。

山形県内枠が内数で入っている

学科・コース 募集人員(うち山形県内高校等対象)
高分子・有機材料工学科 7人(3人)
化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース 5人(2人)
化学・バイオ工学科 バイオ化学工学コース 5人(2人)
情報・エレクトロニクス学科 情報・知能コース 5人(2人)
情報・エレクトロニクス学科 電気・電子通信コース 5人(2人)
機械システム工学科 8人(3人)
建築・デザイン学科 3人(1人)
合計 38人(うち15人)

まず県内枠の人数を県内高校の受験者だけで判定し、そのあと残りを全体で判定します。山形県内の高校生には、実質2回チャンスがある構造です。

出願要件も県内・県外で書き分けられています。県内なら「山形県の産業の発展に貢献することを強く望む者」、県外なら「それぞれの生まれ育った地域や地方において産業の発展に貢献することを強く望む者」。

医学部看護学科——共通テストを課す総合型選抜Ⅲ

募集は5人。出願は11月2日〜5日と遅く、試験は11月18日、合格発表は2027年2月10日です。

配点は825点

大学入学共通テスト 集団討論 面接 総合点
425点 200点 200点 825点

共通テストは6教科7科目ですが、配点が独特です。国語200点満点→100点、数学200点→100点、理科100点→50点、情報100点→25点と圧縮され、外国語だけ200点がそのまま100点。全体を425点に縮めています。

出願要件に履修条件がある

  • 数学:数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B、数学Cのうち2科目以上
  • 理科:物理基礎、化学基礎、生物基礎のうち2科目以上

そして、この選抜に出願した者は、山形大学の学校推薦型選抜Ⅱに出願できません。

面接の結果によっては、総合点にかかわらず不合格になります。

どこから手をつけるか

1. 志望学部で、必要な「作品」が決まる

学部 出願までに作るもの
人文社会(人間文化) 動画を見て書いた小論文(A4両面1枚・参考文献つき)
人文社会(グローバル) 英検CSEスコア+志望理由書・自己PR書
理学部 エントリーシート800字+探究活動レポート(5項目)
農学部 志望理由書(各400字×3)+プレゼン概要1,000字
工学部昼間 志望理由書(各400字×3)+自己PR書400字

出願は9月1日〜4日。8月中に完成していないと間に合いません。人文社会科学部の小論文は動画の受講から始まるので、夏休み前に指定講座を確認しておく必要があります。

2. 「書く」の形が学部で違う

  • 人文社会:参考文献つきの小論文(研究レポート型)
  • 理学部生物学:和文を読んで要約+自分の考え(1時間)
  • 理学部地球科学:読図・作図・要約の作業課題(1時間)
  • 工学部:自分の意見を自分の言葉で(2時間)

同じ「文章を書く力」でも、要約型・意見型・研究型で練習の中身が変わります。志望学部の形式を1つ選んで、そこに集中するのが効率的です。

3. 話す形も学部で違う

理学部化学は受験者同士の質疑、人文社会人間文化は集団討論、農学部は7分のプレゼン、工学部は「地域にどう貢献するか」の説明。

いずれも「志望理由を暗記して話す」だけでは足りません。その場で他人の話に反応する準備が要ります。

まとめ

  • 山形大学は総合型選抜Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの定義を要項に明記している。ⅠとⅡの違いは1次に試験があるかどうか
  • 出願はほぼ全学部9月1日〜4日(医学部看護のみ11月2日〜5日)
  • 人文社会科学部 人間文化コースは、指定された講座(動画)を見た上で小論文を書き、出願時に提出する
  • その小論文は字数指定なし・図表可・参考文献必須。評価に「先行研究を踏まえた批判的思考の深さ」が入っている
  • グローバル・スタディーズコースは、英検CSEスコアが「外国語」の得点になり、面接は事前配付の日本語記事をもとに日本語で行う
  • 理学部は探究活動レポートの5項目(課題名・概要・目的・方法と結果・考察)が中心。2次は5区分でまったく別の試験
  • 理学部化学は受験者同士の質疑、生物学は小論文1時間、地球科学は標本観察や読図の作業課題
  • 農学部はプレゼン概要1,000字を先に出し、当日は7分の発表。グループの成果なら役割分担を問われる
  • 工学部昼間コースは9月12日にレポート試験から始まる。「知識よりも自分独自の意見」と明記
  • 工学部は38人中15人が山形県内高校等の枠(内数)
  • 医学部看護学科は共通テスト425点+集団討論200点+面接200点の825点

同じ東北では東北大学のAO入試、弘前大学、岩手大学・宮城教育大学も扱っています。講義やレポートを課す国立大学は埼玉大学や神戸大学にもあります。探究活動のまとめ方は探究のまとめ方・レポートの書き方と探究の完全ガイドにまとめました。志望校の傾向を自分で読み解く手順は大学別対策の作り方、総合型選抜全体の位置づけは総合型選抜の完全ガイドにあります。

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