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弘前大学 総合型選抜の対策。入学定員の3分の1が総合型で、小論文は800字が基本になる

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弘前大学の総合型選抜Ⅰ・Ⅱを、令和9年度(2027年度)の学生募集要項から整理しました。共通テストを課さないⅠと課すⅡの違い、800字の小論文、理工学部の講義レポート、医学科の総合論述120分、専門高校枠と国際バカロレア枠までを解説します。

弘前大学の総合型選抜は、規模がまず違います。

入学定員1,289人のうち、総合型選抜Ⅰが270人、総合型選抜Ⅱが166人。合わせて436人。入学者のおよそ3人に1人が総合型選抜で入ってくる計算です。

そして総合型選抜Ⅰは大学入学共通テストを課しません。人文社会科学部・理工学部・農学生命科学部・教育学部(音楽・美術・保健体育)が対象で、11月12日に決着します。

この記事は、公開されている令和9年度(2027年度)総合型選抜学生募集要項の記載をもとに構造を整理したものです。

必ず最新の募集要項で確認してください。日程・募集人員・出願要件は年度によって変わります。この記事は考え方を示すもので、要項の代わりにはなりません。 出典:弘前大学 募集要項・パンフレット/令和9(2027)年度総合型選抜学生募集要項(PDF)/令和9(2027)年度入学者選抜要項(PDF)

ⅠとⅡで、まず分かれる

総合型選抜Ⅰ 総合型選抜Ⅱ
大学入学共通テスト 課さない 課す
対象学部 人文社会・教育(音楽・美術・保健体育)・理工・農学生命 教育(小学校・特別支援・養護教諭)・医
募集人員 270人 166人
出願期間 2026年9月24日〜10月1日 2026年9月24日〜10月1日
試験実施日 10月31日・11月1日 10月31日・11月1日
合格発表 11月12日 2027年2月5日

令和9年度から日程が後ろ倒しに変更されています。要項の冒頭に「総合型選抜の試験日程を、次の日程に後ろ倒しして実施します」と明記があります。前年度の日程で準備すると出願期間を間違えます。

総合型選抜Ⅰでも、共通テストは受ける

課さないのに受ける、という珍しい規定があります。

総合型選抜Ⅰでは、大学入学共通テストは課していませんが、大学入学までの勉学意欲の継続という趣旨に鑑み、合格者は大学入学共通テストを必ず受験してください。(中略)なお、大学入学共通テストの成績が合否に影響することはありません。

合否には効きませんが、受験義務があります。しかも入学後に成績を提出するので、出願時に成績の閲覧を希望しておく必要があります。検定料も自己負担です。人文社会科学部の国際バカロレア枠の合格者だけが例外です。

学部ごとに、当日やることが違う

学部・学科 選抜区分 当日
人文社会科学部 Ⅰ 小論文800字(90分)+個人面接20分
教育(中学校コース 音楽・美術・保健体育) Ⅰ 実技+個人面接
理工学部 Ⅰ 講義を聞いてレポート(120分)+個人面接15分
農学生命科学部 Ⅰ 小論文800字(90分)+個人面接20分(口頭試問あり)
教育(小学校・特別支援・養護教諭) Ⅱ 集団討論+個人面接
医学部 医学科 Ⅱ 総合論述(120分)+個人面接25分
医学部 保健学科 Ⅱ 小論文(60分)+個人面接

小論文が出るのは人文社会・農学生命・医学部保健学科の3か所、医学科は「総合論述」、理工学部は「講義+レポート」。同じ大学の中で、書かせ方が4種類あります。

人文社会科学部——800字の小論文と、5分の口頭発表

募集人員

課程 募集人員(総合型Ⅰ) 内訳
文化創生課程 35人 うち国際バカロレア枠3人
社会経営課程 45人 うち専門高校枠8人
合計 80人

入学定員265人に対して80人。人文社会科学部は定員の3割を総合型選抜Ⅰで取ります。

配点は500点

小論文 個人面接 出願書類 合計
200点 200点 100点 500点

小論文は「一つのテーマについて論述させる(制限字数800字)」。試験時間は9:00〜10:30の90分です。

評価の観点も公開されています。

課題について自分の考えを的確に述べていること、論旨が明確であること、日本語の文章として適切であること等を総合的に評価し、点数化する。

3つとも、テクニックではなく基本です。「800字で、聞かれたことに答え、筋を通し、日本語として読める」——この3点に絞って練習するのが最短です。

面接は「5分の口頭発表」から始まる

受験者は自己PR、志望理由と入学後の学習計画、大学卒業後の進路等について5分以内で口頭発表し、それに基づいて複数の教員により質疑応答を行う。1人当たり20分程度とする。

そして重要な制限があります。

学習計画書やその他の資料等を見ながら、面接を受けることはできない。

手元に何も置けません。5分の発表は暗記して話すことになります。

学習計画書は3つのパートに分かれている

項目 字数
(1)これまでに熱心に取り組んだこと(勉学、課外活動など)を含めた自己PR 400字以内
(2)当該課程への志望理由と入学後の学習計画 600字以内
(3)大学卒業後の進路希望 200字以内

合計1,200字。そしてこの3項目が、そのまま5分の口頭発表の構成になります。学習計画書を書く段階で、話す順番まで決まっていると考えてください。

社会経営課程の専門高校枠は、検定合格が条件

専門高校枠8人は、商業・情報の学科(または総合学科で商業・情報を20単位以上)であることに加えて、次のいずれかに合格している必要があります。

  • 日商簿記検定 2級
  • 全商 簿記実務検定 1級
  • 基本情報技術者試験
  • 全商 情報処理検定 1級

さらに、出願サイトで「専門高校枠を希望する」を選択しなければ枠として扱われません。要件を満たしていても、チェックを忘れると一般の受験者になります。

枠で不合格になっても捨てられません。専門高校枠・国際バカロレア枠とも、枠で落ちた人は一般の受験者と合わせて総得点順に再判定されます。

理工学部——講義を聞いてレポートを書く

理工学部6学科で110人。これは総合型選抜Ⅰの中で最大です。

学科 募集人員
数物科学科 24人
物質創成化学科 16人
地球環境防災学科 20人
電子情報工学科 17人(うち専門高校枠4人)
機械科学科 24人(うち専門高校枠2人)
自然エネルギー学科 9人

当日は9:00から2時間の講義とレポート

時間割は「講義の実施とその内容に関するレポート」9:00〜11:00、そのあと個人面接12:00〜17:00。

レポートの性格が要項に書かれています。

レポートは、講義の理解度や論理的思考力を評価するものであり、単に高等学校における理科の科目についての学力を見るものではない。(機械科学科)

高校の理科の点数を測る試験ではないと明言されています。その場で聞いた話をどれだけ受け止め、筋道立てて書けるか、です。

面接には「基礎学力に関する試問」が入る

学科ごとに試問の科目が決まっています。

学科 口頭試問の内容
数物科学科 数学講義選択者は数学、物理学講義選択者は物理学及び数学
物質創成化学科 化学及び英語
地球環境防災学科 数学及び英語
電子情報工学科 数学
機械科学科 数学及び英語
自然エネルギー学科 試問の開始時に「物理基礎」か「化学基礎」を自分で選ぶ

英語の口頭試問がある学科が3つあります。理工系だから英語は要らない、とはなりません。

配点はレポート200点・個人面接300点の合計500点。面接のほうが重い設計です。

農学生命科学部——小論文800字と、自分で科目を挙げる口頭試問

5学科で69人。11月1日に小論文9:00〜10:30、個人面接12:00〜17:00です。

農学や生命科学などに関するいくつかのテーマについて論述させる。(制限字数800字)90分

人文社会科学部と同じ800字ですが、こちらは「いくつかのテーマ」。設問が複数に分かれる形式だと読めます。

口頭試問の科目が学科で違う

学科 口頭試問
生物学科 「生物基礎」及び「化学基礎」
分子生命科学科 「生物基礎」及び「化学基礎」
食料資源学科 開始時に「生物基礎」か「化学基礎」を選ぶ
国際園芸農学科 開始時に「本学科と関連性が高く、自身が興味・関心の高い科目」を1つ挙げる
地域環境工学科 開始時に「本学科と関連性が高く、自身が興味・関心の高い科目」を1つ挙げる

国際園芸農学科と地域環境工学科は、試問の範囲を自分で決めます。これは有利にも不利にもなります。得意科目を挙げれば戦えますが、「なぜその科目が学科と関連するのか」まで説明できないと、最初の一手で失点します。

志望理由書は600字で、志望理由・将来への展望・自己PRを書きます。

医学部医学科——総合論述120分。定員の半分が総合型選抜Ⅱ

医学科の入学定員は85人(予定)。そのうち総合型選抜Ⅱが42人です。

枠 募集人員
青森県内枠 27人
北海道・東北枠 15人
合計 42人

一般選抜(前期日程)は青森県定着枠8人+一般枠35人の43人。つまり医学科は、一般選抜と総合型選抜Ⅱがほぼ同数という構成です。

配点は1,350点

大学入学共通テスト 個人面接 総合論述 合計
国語 地歴 公民 数学 理科 外国語 情報
200 100 200 200 200 50 200 200 1,350

総合論述は10月31日13:00〜15:00の120分、個人面接は11月1日で1人25分程度です。

総合論述で見るものが5つ書かれている

与えられた資料の内容を的確に捉え、課題を見出し、自身の考えの思考過程及び最終的結論に関して論述させる。自身の考えを論理的に構築・表現する力が求められる。

評価の観点も列挙されています。

能力
1 資料理解力:資料の本質を捉え、的確に解析する能力
2 問題発見能力:与えられた情報や状況から課題を見出し、それを適切に定義する能力
3 論理的思考力:課題に対する考えを論理的に構成する能力
4 分析力:資料や課題の要点を整理し、深く考察する能力
5 表現力:明確かつ説得力のある形で自身の考えを示す能力

注目すべきは2番です。「課題を見出し、適切に定義する」——つまり、資料を要約するだけでは足りず、自分で問いを立てるところまでが試験範囲だということです。医療知識を暗記する対策より、資料を読んで「本当の問題はここだ」と言い切る練習が効きます。

そして落とし穴があります。

大学入学共通テストの合計点、個人面接の得点及び総合論述の得点のうち、いずれかの得点が著しく低い場合、不合格になることがある。

3つのどれか1つでも極端に低いと落ちます。

医学部保健学科——小論文60分で1,450点の入試

保健学科5専攻で88人。看護学専攻30人、放射線技術科学専攻20人、検査技術科学専攻20人、理学療法学専攻8人、作業療法学専攻10人です。

10月31日に個人面接、11月1日9:00〜10:00に小論文60分という順番になります。面接が先、小論文が後という珍しい並びです。

配点

大学入学共通テスト 小論文 個人面接 出願書類 合計
950 100点 300点 100点 1,450点

小論文は100点、面接は300点。保健学科は面接のほうが3倍重い入試です。

出願書類の点数化がはっきりしています。

調査書及び志望理由書を総合的に評価し、A〜Dの4段階に点数化する。各段階の評価点数は、A:100点、B:75点、C:50点、D:25点とする。

4段階しかないので、BとAの差は25点。小論文100点満点の4分の1です。志望理由書で削られる余地は思ったより大きくありません。

教育学部——実技の総合型Ⅰと、集団討論の総合型Ⅱ

総合型選抜Ⅰ(音楽・美術・保健体育)

音楽専修・美術専修は2専修で一括募集して6人(合格者数の目安は各3人)、保健体育専修は5人です。

配点は実技300点・個人面接300点の600点。

面接時間が専修で違います。音楽・美術は10分程度、保健体育専修は40分程度。

体育(体育理論を含む)、保健に関する知識等についての口頭試問を含め志望動機や適性等について多面的観点から面接を行う。

保健体育専修は、運動歴調査書が実技の得点に含まれます。

美術専修・保健体育専修は面接の中でも知識の口頭試問があり、「学力」も評価されます。令和9年度から、音楽・美術・保健体育の3専修すべてで志望理由書の提出が新たに必要になりました。

総合型選抜Ⅱ(小学校・特別支援・養護教諭)

こちらは集団討論(10月31日)+個人面接(11月1日)です。共通テストを課します。

そして令和9年度から、小学校コースに「地域志向教員枠」5人が新設されました。

地域志向教員枠 一般枠
募集人員 5人 20人
大学入学共通テスト 300 300
集団討論 200 200
個人面接 300(うち100点は枠独自の面接) 200
出願書類 100(うち50点は地域志向教員志望理由書) 50
合計 900点 750点

出願要件に「青森県採用教員として教職を目指す強い意志がある者」が入りますが、出身高校・出身地の制限はありません。

入学後は複数免許の取得が卒業要件になり、小学校教諭一種に加えて中学校教諭(技術)または(家庭)を取ります。所属は技術・家庭科サブコースです。

そして出口に特典があります。

地域志向教員枠で入学し、「地域志向教員養成プログラム」を修了し、卒業(見込)となった者のうち、大学が推薦する者は、青森県公立学校教員採用候補者選考試験(小学校教諭)の第一次試験における一部が免除される見通し。

地域志向教員枠で落ちても、一般枠に自動的に組み入れられます。その際は枠独自の加点(地域志向教員志望理由書と独自面接)を控除して、一般枠の配点で計算し直されます。受けて損がない枠です。

どこから手をつけるか

1. 800字を、90分で書き切る形にする

人文社会と農学生命はどちらも800字・90分。90分あるので、時間そのものは足りません、ということはありません。足りなくなるのは「何を書くか決める時間」です。

配点は小論文200点・面接200点で並んでいます。小論文で半分は決まらないが、小論文を落とすと届かないという重さです。

2. 面接で「手ぶら」に耐えられるようにする

人文社会科学部は資料を見ながら話せません。5分の口頭発表を、学習計画書の3項目(自己PR400字/志望理由と学習計画600字/進路200字)をもとに、話し言葉で組み直す作業が要ります。

書いた文章をそのまま読み上げると、5分では入りません。話すための短い骨組みを別に作ってください。

3. 枠を使えるなら、必ず希望を選択する

  • 文化創生課程の国際バカロレア枠(3人)
  • 社会経営課程の専門高校枠(8人・検定合格が必要)
  • 電子情報工学科(4人)・機械科学科(2人)・国際園芸農学科(4人)・地域環境工学科(3人)の専門高校枠

いずれも出願時に「希望する」を選択しないと枠として扱われません。そして枠で落ちても一般の受験者として再判定されるので、該当するなら選ばない理由がありません。

4. 医学科・保健学科は「面接が重い」

医学科は総合論述200点・面接200点で同じ、保健学科は小論文100点・面接300点です。保健学科は面接で3倍。書く練習と同じ量だけ、話す練習が要ります。

まとめ

  • 弘前大学は入学定員1,289人のうち436人が総合型選抜。3人に1人の規模
  • 総合型選抜Ⅰは共通テストを課さないが、合格者は共通テストを必ず受験する(成績は合否に影響しない)
  • 令和9年度から日程が後ろ倒し。出願9月24日〜10月1日、試験10月31日・11月1日
  • 人文社会・農学生命の小論文は800字・90分。評価は「自分の考えを的確に」「論旨が明確」「日本語として適切」の3点
  • 人文社会の面接は5分の口頭発表から始まり、資料を見ながら話せない
  • 学習計画書は自己PR400字/志望理由と学習計画600字/進路200字の3部構成
  • 理工学部は講義を聞いて2時間でレポート。「高校の理科の学力を見るものではない」と明記
  • 理工の面接には学科ごとに決まった口頭試問があり、英語を問う学科が3つ
  • 農学生命の国際園芸農学科・地域環境工学科は、口頭試問の科目を自分で挙げる
  • 医学科は総合論述120分。評価の柱の1つが「課題を見出し、適切に定義する」能力
  • 保健学科は小論文100点に対して面接300点。出願書類はA〜Dの4段階(100/75/50/25)
  • 教育学部の地域志向教員枠は出身地不問で、落ちても一般枠に組み入れられる

同じ東北では秋田大学、山形大学、福島大学も扱っています。

同じ北海道・東北では北海道大学、室蘭工業・北見工業・帯広畜産・小樽商科・旭川医科、北海道教育大学、東北大学のAO入試も扱っています。医学部志望なら医学部の総合型選抜・学校推薦型選抜、看護・医療系なら看護医療系の単科大も合わせて読んでください。志望校の傾向を自分で読み解く手順は大学別対策の作り方、総合型選抜全体の位置づけは総合型選抜の完全ガイドにまとめています。

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