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横浜美術大学・日本映画大学の総合型選抜。800字の美術作文、好きな映画を論じる小論文型

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横浜美術大学と日本映画大学の総合型選抜を2027年度の要項から整理しました。実技のかわりに選べる800字の美術作文、面接冒頭3分のプレゼン、好きな映画1本について60分800字で論じるリベロ小論文型、そして試験場で上映された映画について書く一般選抜C日程まで解説します。

美術系・映像系の総合型選抜は、実技かポートフォリオで決まると思われがちです。神奈川のこの2校には、文章で受けられる道が要項に用意されています。

  • 横浜美術大学は4つの選択テーマから1つを選びます。そのうちの1つが800字以内の「美術作文」です。デッサンを出さなくても出願できます
  • 日本映画大学の総合型選抜リベロには⑤小論文型があり、好きな映画1本について60分・800字程度で論じます

どちらも、書いたものをそのまま出すのではなく、書いたものについて説明する/書いたものが評価の中心になる設計です。横浜美術大学(横浜市青葉区)と日本映画大学(川崎市麻生区)の総合型選抜を、2027年度の要項に沿って整理します。

必ず最新の学生募集要項で確認してください。日程・募集人員・選考方法は年度によって変わります。 出典:横浜美術大学 総合型選抜試験/同 2027年度学生募集要項/日本映画大学 2027年度入学者選抜一覧/同 総合型選抜 リベロ⑤ 小論文型

2校を並べる

横浜美術大学 日本映画大学
文章で受ける道 選択テーマ(3)美術作文 800字以内 総合型選抜 リベロ⑤ 小論文型 60分800字程度
文章の提出時期 出願時に提出し、面接で説明する 試験当日に書く
配点 面接100点+調査書20点+志望理由書20点=140点 小論文と大学入学希望理由書で総合評価
専願か 専願 総合型選抜はすべて専願
オンライン すべての選択テーマでオンライン面接可 会場は白山キャンパス

横浜美術大学:4つのテーマから1つを選ぶ

美術学部 美術・デザイン学科の1学部1学科です。絵画、彫刻、クラフト、テキスタイルデザイン、プロダクトデザイン、ビジュアルコミュニケーションデザイン、映像メディアデザイン、イラストレーション、アニメーション、修復保存の各コースがあります。

総合型選抜試験は募集人数72名・専願です。

配点は面接が100点

試験科目 配点
面接 100点
調査書 20点
志望理由書 20点
合計 140点満点

実技試験がありません。面接が100点で、残り40点は書類です。

選択テーマは4つ

出願のときに、次の4つから1つを選びます。どのテーマでも、来校面接とオンライン面接を選べます。

(1)作品持参。自己作品のプレゼンテーションを含む面接です。持参する作品は3点以内、過去3年以内に制作したもので、プレゼンは3分程度にまとめます。デッサン・スケッチ・クロッキー、絵画・版画・ポスター・色彩構成・イラストレーション・コラージュ・マンガ・写真・CG・WEBデザイン、彫刻・立体構成・工芸・フィギュア、ショートムービーやアニメーション、そしてポートフォリオまで認められています。大学のイベント(描き講習、オープンキャンパスなど)で制作した作品も持参できます。

(2)アイデア提案。アイデア提案用紙を出願時に提出します。課題は要項に明記されています。

あなたが考える美術・デザインについて、世の中が楽しくなる新しいアイデアをスケッチや図、文字を使用して、タイトルをつけて提案してください。

(3)美術作文。美術作文を出願時に提出します。

あなたが関心を持った美術・デザイン作品や作家等について、タイトルを付けて文章を作成し、800字以内で記述してください。

(4)実績アピール(各種受賞・活動・特技等)。実績アピール文と、証明できる書類の写しを提出します。要項は範囲を広くとっています。「展覧会における表彰、英検・TOEIC・数検などの資格試験の結果、クラブ活動の成果やボランティア活動での表彰など幅広くとらえています」とあります。

選抜方法は「冒頭3分のプレゼン」

4つの選択テーマより1つを選択し、面接時冒頭3分程度、その選択テーマに関するプレゼンテーションを課します。その後、プレゼンテーションの内容を含む質疑応答を行います。面接全体の時間は、15分〜20分を予定しています。

つまり、美術作文を選んだ場合も、提出した作文を3分で説明することになります。作文を書いて終わりではありません。800字を読み上げると3分近くかかりますから、読み上げではなく、要点を話す形に組み直す必要があると考えられます。

800字の組み立て方は志望理由書800字の構成が参考になります。要点をつかむ練習は課題文の要約、話す形に直す準備はプレゼン型入試の対策にまとめました。芸術について書くときに「感性」で止まらないための論点は芸術系の小論文対策と頻出テーマ 芸術と社会を読んでください。

日程と併願割引

出願登録 試験日 合格発表 手続締切
Ⅰ期 2026年9月1日〜9月17日 9月26日 11月2日 11月27日
Ⅱ期 10月1日〜10月15日 10月24日 11月2日 11月27日
Ⅲ期 12月1日〜12月10日 12月19日 12月25日 2027年1月13日
Ⅳ期 2027年2月25日〜3月2日 3月9日 3月11日 3月17日

Ⅰ期〜Ⅲ期で募集人数を超えた際には、Ⅳ期は実施しない場合があります。Ⅳ期をあてにした計画は立てられません。

検定料は30,000円ですが、併願割引があります。総合型選抜Ⅰ期を受けた人がⅡ期に続けて出願すると、Ⅱ期の検定料が15,000円になります。Ⅱ期の出願時にⅠ期の受験番号を確認するので、受験票を保管しておく必要があります(試験終了後の再発行はできません)。

2026年度の入試結果

志願者 合格者 入学者 倍率
総合型選抜Ⅰ期 79人 60人 58人 1.32
総合型選抜Ⅱ期 55人 41人 19人 1.34
総合型選抜Ⅲ期 47人 26人 24人 1.81
総合型選抜 合計 181人 127人 101人 1.43

全体では631人が志願し219人が入学しました。総合型選抜の入学者101人は、その年の入学者の半分近くにあたります。

特待生チャレンジもあります。全入試区分の入学者(編入学試験は除く)を対象に、1年次前期必修科目の学修成績上位12名を上限として、一律10万円を給付します。総合型選抜で入っても対象です。

日本映画大学:映画について書く、映画について話す

映画学部 映画学科の1学部1学科です。総合型選抜はすべて専願で、2つの系統に分かれます。

  • 映像表現・文章表現・身体表現(合計15名)
  • リベロ①〜⑥(合計30名)

出願書類「大学入学希望理由書」が共通の軸

総合型選抜のすべての区分で、大学入学希望理由書を提出します。設問が独特です。

  1. 日本映画大学を選んだ理由
  2. これまでに出会ったもっとも美しいもの(こと、人)
  3. あなたが選ぶ映画作品ベスト3(作品名・監督名・公開年)
  4. 人と一緒に取り組んだこと、人と一緒に取り組みたいこと
  5. リベロ・社会人選抜・編入学選抜の志願者のみ。出願する選抜区分と、試験当日に面接または小論文で述べる映画作品(再受験の場合は前回と違う作品)

2の「もっとも美しいもの」は、志望理由書の定型では答えられません。4は、アドミッション・ポリシーの「人と協力することができる」に対応しています。

どの区分でも、合否判定は「面接(または小論文)と大学入学希望理由書」で総合評価され、調査書は参考資料です。希望理由書は添え物ではなく、判定に直接使われます。志望理由書の書き方は志望理由書の書き方 完全ガイドにまとめました。

リベロ⑤ 小論文型:好きな映画1本を60分800字で論じる

好きな映画について文章で論じたい人を対象にした区分です。大学入学希望理由書の「5」の欄に書いた映画作品について論じます(出願後の作品変更は認められません)。

項目 内容
時間 60分
文字数 800字程度
持ち物 辞書(国語辞典、類語辞典)使用可。電子辞書やスマホのアプリは不可
持ち込み メモ等の持ち込みは禁止
日程 出願2027年1月6日〜1月19日、試験1月24日

評価のポイントも要項に書かれています。

作品のテーマを理解しているか、シーンを具体的に観ているか、ふさわしい分量で、説得力のある文章で表現できるかが評価のポイントです。

そして、書く順番まで示されています。

最初にストーリーを簡潔に要約したあと、その作品について論じてください。その際、作品のテーマや、印象に残ったシーンについて書くとよいでしょう。

あわせて「あらすじを書き続けたり、映っているものをただ文字にしたりするのはやめましょう」とも書かれています。要約は入口であって本体ではない、という指示です。800字のうち要約に何字使うかを決めておくことが、そのまま対策になります。

日ごろの準備についても具体的です。「日ごろから注目すべきポイント(テーマ、ストーリー、シーン、演技、音楽、編集など)を意識して映画を観ること、上映中あるいは上映後に、それをメモしておくことが大切です」とあります。試験当日はメモを持ち込めないので、観たときのメモは記憶に移しておく必要があります。

リベロ①②③④⑥ 面接型:同じ映画を5分でスピーチする

小論文型と対象が同じで、出す形だけが違います。「選んだ映画について5分程度スピーチできるようにしておきましょう」とあり、評価のポイントは「映画で描かれたテーマを理解しているか、シーンを具体的に観ているか、そのうえで、それを自分の言葉で説明できるかが評価のポイントです」です。小論文型とほぼ同じ文言です。

面接型は①(試験9月27日)②(10月18日)③(11月8日)④(2027年1月24日)⑥(3月3日)の5回あり、小論文型の⑤は④と同じ1月24日です。書くのが得意なら⑤、話すのが得意なら面接型という選び方になります。

映像表現・文章表現・身体表現:出願時の課題が違う

区分 出願時に出すもの 当日
映像表現 映像作品(時間・内容とも自由、個人/共同を問わない) 面接
文章表現 キャラクターメイキング 面接
身体表現 大学入学希望理由書のみ 身体表現体験講座を受けたあと面接

文章表現の課題は「あなたの身近にいる人物をモデルにして、キャラクターをひとりつくってください」です。面接では、誰をモデルにしたのか、なぜその人なのか、工夫したこと、書ききれなかったことなどを話します。要項は「日ごろから身近な人をよく観察しておきましょう」「キャラクターのおかれている立場や気持ちに寄り添うことが大切です」と助言しています。

映像表現の映像作品は、放送部や映画研究会の活動、文化祭向けにクラスで制作した作品でもかまいません。USBメモリに収録して提出し、返却はされません。

身体表現の身体表現体験講座は採点対象ではありませんが、参加は必須です。

3区分とも出願は2026年9月1日から、試験は映像表現・文章表現が9月13日、身体表現が9月20日です。

面接の評価軸が5つ公開されている

要項には、総合型選抜・学校推薦型選抜・留学生選抜・社会人選抜・編入学選抜に共通する面接の評価軸が5つ並んでいます。

  1. 熱意:なぜ入学したいのか。いままでに人と一緒に何かをつくったことがあるか(映画や映像にかぎりません。ない場合はこれからつくる意志を示す)
  2. 映画力:いちばん好きな映画。好きな監督や役者。映画を1か月にどれくらい観ているのか。どの媒体で観るのか(映画館、動画サブスクリプションなど)。観る映画をどのように選んでいるのか
  3. 表現力:印象や感覚で話すのではなく、具体的かつ論理的に
  4. 理解力:「面接員は『正解』を求めているわけではありません」
  5. 一般知識:日本国内や海外で起こっていることへの関心

2の「1か月に何本」「どの媒体で」「どう選んでいるか」は、その場では作れません。面接対策は総合型選抜の面接で聞かれる質問も参考にしてください。

一般選抜にも小論文が2種類ある

総合型選抜がすべて専願なので、併願したい人は一般選抜を見ることになります。一般選抜はA・B・C日程の合計40名で、併願可です。

  • B日程(2027年2月21日):小論文80分・800字程度。形式は課題文と設問(1〜2題程度)。辞書使用可。要項は「制限時間内で文章を完成させるために、一般的な小論文対策を行っておくとよいでしょう」と書いています。手順は課題文型小論文の手順にまとめました
  • C日程(3月24日):映画鑑賞後小論文。60分(鑑賞時間を除く)・800字程度

C日程が特殊です。試験場で上映される映画を鑑賞して、その作品について論述します。

  • 1回の上映時間は10〜15分程度で、2回上映されます
  • 問題用紙には、設問のほかに作品情報(製作年、スタッフ、キャストなど)も書かれています
  • 1回目の上映前に問題用紙が配られます。設問を読んでから観られます
  • 上映中にメモを取りながら鑑賞します
  • 作中で描かれている時代は「国語や地理歴史・公民で学んだ知識などを活用しながら、想像力を働かせて読み解きましょう」
  • 「設問のなかには『正解』ではなく、『想像力』を問う問題も含まれます」

課題文を読むかわりに映像を読む試験です。設問を先に読んでから2回観られるので、1回目は全体、2回目は設問に沿って、という使い分けができると考えられます。

検定料は2回目から10,000円

入学検定料は35,000円ですが、今年度において2回目以降の出願は10,000円です(外国人留学生選抜のみ45,000円)。リベロが6回あることと合わせると、受け直しやすい設計になっています。大学入学希望理由書の「5」には「※再受験の場合は、前回と違う作品」と書かれており、再受験が前提として組み込まれています。

2026年度の入試結果

区分 募集人員 受験者数 入学者数
総合型選抜 映像表現・文章表現・身体表現 15 29 23
総合型選抜 リベロ①〜⑥ 30 37 30
学校推薦型選抜 15 13 13
一般選抜 A・B・C日程 40 49 22
外国人留学生選抜 1〜3期 25 80 38
社会人選抜 若干名 1 0

2027年度の学校推薦型選抜の募集人員は10名です(2026年度は15名でした)。

どこから手をつけるか

  1. 文章で受けられることを知る。横浜美術大学は実技を出さずに800字の美術作文で出願でき、日本映画大学は小論文型を選べます
  2. 書いたものについて話す準備をする。横浜美術大学は提出した美術作文を面接冒頭3分でプレゼンします
  3. 日本映画大学は映画を1本決める。出願後に変更できないので、何度も観返せる作品を選びます
  4. 要約に使う字数を決める。リベロ⑤は「最初にストーリーを簡潔に要約したあと論じる」と指示されています
  5. 観たときのメモを言葉にしておく。試験当日はメモを持ち込めません
  6. 併願の道を確認する。日本映画大学の総合型はすべて専願で、併願できるのは一般選抜(B日程は小論文、C日程は映画鑑賞後小論文)です

まとめ

  • 横浜美術大学の総合型選抜は面接100点+調査書20点+志望理由書20点の140点満点で、実技試験はありません
  • 横浜美術大学は4つの選択テーマから1つを選び、そのうち(3)美術作文は800字以内です。どのテーマでもオンライン面接を選べます
  • 横浜美術大学の面接は、冒頭3分程度のプレゼンテーション+質疑応答で、全体15分〜20分です
  • 横浜美術大学はⅠ期受験者がⅡ期に出願するとⅡ期の検定料が15,000円になります。ただしⅣ期は実施しない場合があります
  • 日本映画大学の総合型選抜リベロ⑤は小論文型で、好きな映画1本について60分・800字程度、辞書持ち込み可です
  • リベロ⑤は「最初にストーリーを簡潔に要約したあと、その作品について論じる」と要項が書く順番を示しています
  • 日本映画大学の大学入学希望理由書には「これまでに出会ったもっとも美しいもの」「映画作品ベスト3」という設問があり、合否判定に直接使われます
  • 日本映画大学の一般選抜C日程は「映画鑑賞後小論文」で、10〜15分の映画を2回観てから60分800字程度で論述します
  • 日本映画大学の入学検定料は2回目以降の出願が10,000円です

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