関東学院大学の総合型選抜。5つの部門から選べて、9月に落ちても11月に受け直せる。プレゼンの課題は事前に公開されている
関東学院大学の総合型選抜(9月募集・11月募集)を2027年度の資料から整理しました。基礎学力評価型・課題型(小論文)・課題型(プレゼンテーション)・資格型・探究評価型の5部門、専願方式と併願方式の違い、公開されているプレゼン課題と探究学習報告書、チャレンジ・スカラシップ制度、2026年度の倍率まで解説します。
総合型選抜を受けるとき、多くの人は「その大学の総合型はこういう形式だ」と1つの形を覚えます。関東学院大学は、そのやり方があてはまりません。
5つの部門から、自分に合うものを選べるからです。
- 基礎学力評価型:英語・国語・数学から2教科を試験当日に選んで解く
- 課題型(小論文):小論文を書く
- 課題型(プレゼンテーション):事前に公開された課題について発表する
- 資格型:英語の資格・検定の証明書を出す
- 探究評価型:高校の探究学習の報告書を出して発表する
しかも9月募集で不合格でも、11月募集で再チャレンジできます。そして専願方式のほかに併願方式があり、合格して入学手続をしたあとも他大学を受け続けられます。
関東学院大学(横浜・金沢八景キャンパス、横浜・関内キャンパス)の総合型選抜を、2027年度の資料に沿って整理します。
必ず最新の学生募集要項で確認してください。日程・募集人員・選考方法は年度によって変わります。 出典:関東学院大学 総合型選抜(9月募集/11月募集)/総合型選抜の概要(PDF)/学部別選抜方法(PDF)/課題・評価の視点/2026年度 入学者選抜結果(PDF)/学費
9月募集と11月募集の日程
| 出願 | 試験日 | 合格発表 | 納入締切 | |
|---|---|---|---|---|
| 9月募集 | 9月8日〜9月18日(消印有効) | 10月18日 | 11月2日 | 入学金12月3日・春学期学費1月15日 |
| 11月募集 | 11月2日〜11月17日(必着) | 12月13日 | 12月23日 | 入学金・春学期学費とも1月15日 |
- 入学検定料は35,000円です
- 9月募集の合格発表後に、11月募集へ再チャレンジできます
- 9月募集は出願が9月18日に締め切られました。次は11月募集(11月2日〜11月17日)です
専願方式と併願方式
関東学院大学の総合型選抜には、専願方式と併願方式があります。
- 専願方式:合格した学科/コースに必ず入学できる人が出願する方式です
- 併願方式:関東学院大学の受験と並行して、他大学に挑戦できる方式です。「併願方式に出願・受験しながら、他大学の公募制推薦入試に挑戦」「併願方式で合格後、他大学の一般選抜に挑戦」といった使い方ができます
併願方式の合格者は、入学手続後も入学の権利を保持しながら他大学を受験できます。納入締切が2段階(第一次手続と第二次手続)に分かれていて、第一次手続までに他大学に合格すれば入学金の納入が不要、第二次手続までに合格すれば入学金以外の春学期学費の納入が不要になります(いずれも入学の権利は失います)。
2027年度からは学科/コース間の併願もできるようになりました(一部の学部を除く)。
ただし全部が併願できるわけではありません。
- 併願できる学部:国際文化学部、社会学部、法学部、経済学部、経営学部(11月募集のみ)、理工学部、情報学部、建築・環境学部、人間共生学部、教育学部、看護学部
- 経営学部の9月募集と栄養学部(9月・11月とも)は専願方式のみです
指定校推薦と並行して受ける道もあります。ただし専願方式の総合型選抜で合格すると、その時点で入学が確定するので、指定校推薦は受けられなくなります。併願方式なら、高校内で推薦者に選ばれていれば指定校推薦も受けられます。
5つの部門と配点
| 部門 | 配点の構成 |
|---|---|
| 基礎学力評価型 | 書類審査100+基礎力テスト100 |
| 課題型(小論文) | 書類審査100+小論文100+面接100 |
| 課題型(プレゼンテーション) | 書類審査100+プレゼンテーション・口頭試問100+面接100 |
| 資格型 | 書類審査100+資格取得証明書100+面接100 |
| 探究評価型 | 書類審査100+プレゼンテーション・口頭試問100+面接100 |
- 学部によって配点や面接の有無が変わります(教育学部は書類審査が50点、看護学部の11月募集は基礎力テストが150点+面接100点)
- 書類審査は全部門で「調査書、事前課題エントリーシート」です。探究評価型だけ、ここに探究学習報告書が加わります
- 基礎力テストは、英語50点・国語50点・数学50点のうち2教科を試験当日に選択します(看護学部の11月募集は3教科)
- 資格型は、2025年4月以降に取得した大学指定の英語資格・検定試験が対象です。基準を満たさない場合は得点化されません
9月募集の基礎学力評価型は、横浜のキャンパスのほか全国12地区(札幌・仙台・郡山・水戸・新潟・長野・甲府・静岡・名古屋・金沢・大阪・福岡・那覇)で受験できます(栄養学部を除く)。
小論文がある学部
課題型(小論文)を実施しているのは次の学部です。
| 学部・学科 | 募集期 | 備考 |
|---|---|---|
| 国際文化学部 英語文化コース | 11月募集 | 9月募集は課題型(プレゼン)がGAP選抜 |
| 国際文化学部 グローバル歴史文化コース・多文化協働コース | 9月・11月 | |
| 法学部 法学科・地域創生学科 | 9月・11月 | |
| 経営学部 経営学科 | 11月募集 | |
| 教育学部 こども発達学科 | 9月・11月 | 書類審査50点+小論文100点+面接100点 |
| 看護学部 看護学科 | 9月募集 | 出願要件あり(下記) |
また栄養学部 管理栄養学科の資格型は、資格の証明書ではなく小論文100点+面接100点で評価されます。英語資格・検定試験の基準を満たすことが出願資格になっていて、資格は入口、試験は小論文という構成です。
理工学部・情報学部・建築環境学部・人間共生学部には小論文がなく、課題型(プレゼンテーション)と探究評価型が中心です。
看護学部は評定の条件がついている
看護学科だけ、出願要件がはっきり示されています。
- 9月募集 課題型(小論文):全体の学習成績の状況(評定平均)が3.7以上で、かつ「生物基礎」および「化学基礎」を履修していること
- 11月募集 基礎学力評価型:全体の学習成績の状況が3.2以上、かつ「生物基礎」「化学基礎」を履修し、理科の学習成績の状況が3.5以上であること
9月は小論文、11月は3教科の基礎力テストという分かれ方です。看護系の小論文で問われる論点は看護学部の小論文対策にまとめました。教育学部を受けるなら教育学部の小論文対策、栄養学部なら栄養・家政系の小論文対策が対応します。
プレゼンテーションの課題は事前に公開されている
課題型(プレゼンテーション)の課題は、学部・コースごとにPDFで公開されています。9月募集分は公開済みで、11月募集分は9月24日に公開予定です。
中身は具体的です。たとえば社会学部 現代社会学科の課題はこうです。
空き家の問題・課題を明らかにしたうえで、空き家への対処方法や空き家の活用方法について、実際の事例を示すなどしながら、自分なりのアイデアを考案して、発表してください。
課題文には、2023年の「住宅・土地統計調査」で空き家数が全国約900万戸、空き家率13.8%という数字まで示されています。そのうえで「空き家があることで、地域にはどのような問題が発生してしまうのでしょうか」と問いを立てています。
持ち物も指定されています。
- 要約シート 1枚×4部:プレゼンテーションの要約を枠内におさまるように書きます。枠内の書式は自由で、PC作成が推奨されますが手書きでもかまいません。参考にした書籍や資料、ウェブサイトのURLを必ず記載します
- パワーポイントで作成した資料をプリントアウトしたもの
建築・環境学部の課題は、評価の観点から先に書かれています。
建築作品が一般にどのように評価されているかではなく、あなた自身がどのような視点でその建築に関心を持ち、何を読み取り、どのように考えたかを重視します。
そのうえで「国内外の建築作品について、あなたが強い関心を持ったものを2作品選び、選んだ理由、建築的な特徴、あなた自身が特に興味を持った点が最大限に伝わるよう工夫しながら、図版と解説文によって具体的に説明する」という課題です。
評価の視点まで公開されているので、準備の的が絞れます。社会学部の空き家なら都市と地方や住まいと都市、地方自治、建築なら建築学科の小論文対策が使えます。発表の組み立てはプレゼン型入試の対策にまとめました。
探究評価型:A4で2ページ以内の報告書
探究評価型は、書類審査に探究学習報告書が加わる部門です。国際文化学部の課題を見ると、対象の広さがわかります。
あなたがこれまでに行ってきた探究学習の活動を1つ取り上げて、探究学習報告書を作成し、プレゼンテーションを行ってください。その活動が高等学校などの正課活動として実施されたものか、あるいは課外活動として行われたものかは不問とし、学校外で個人的・自主的に取り組んだ活動や参加した活動を取り上げても構いません。
「総合的な探究の時間」でやったことでなくてもいいというのが要点です。部活動でも、学校外の活動でも、自主的に調べたことでもかまいません。
報告書の作成要領はこう決まっています。
- 手書きでも文章作成ソフトでもかまいません
- 全体でA4用紙の片面2ページ以内に収めます
- 文章作成ソフトを使う場合、文字の大きさや行間幅の設定は指定書式から変更しません。2ページ目以降は各項目の枠を縦方向に広げます
- 図表や画像などの視覚資料を貼り付けてもかまいません。審査員が内容を確認できる大きさにします
- 文献や資料を適宜参照し、記述した内容と文献・資料との関係がわかるようにします
最後の条件が効いてきます。「調べました」ではなく、どの資料の何を使ってそう言えるのかを示す必要があります。探究のまとめ方は探究活動 完全ガイド、一次情報のあたり方は探究で一次情報にあたる、思うようにいかなかった探究の書き方は探究が失敗したときの書き方を参考にしてください。
探究評価型を実施しているのは、国際文化学部・経済学部・経営学部・法学部・理工学部・情報学部・建築環境学部・人間共生学部などです。
チャレンジ・スカラシップ制度
合格して入学手続を完了したあと、奨学金にもう一度挑戦できる制度です。
- 指定の総合型選抜・学校推薦型選抜に合格し、入学手続を完了した人が「チャレンジ・スカラシップ選考試験」を受験します
- 選考試験は2月4日の一般選抜[前期A日程]全学部統一2科目型と同一の問題です。検定料は20,000円です
- 採用基準は、各学科/コースの成績上位者1名(全22名)と、それを除く全受験者の成績上位者8名です。ただし得点率60%以上が条件です
- 免除内容は入学金・初年度年間授業料相当額(看護学科なら最大122.5万円)。2年次以降も成績基準を満たせば最大4年間続きます
- 点数が足りなくても、合格の権利を失うことはありません
年内に合格を決めたうえで、2月に学力試験を受けて学費の免除をねらえる仕組みです。
卒業生の子女・孫が対象の「オリーブ」
総合型選抜にはオリーブという区分もあります。関東学院大学(大学院を含む)・関東学院女子短期大学、および両校の前身校のいずれかの卒業生の子女または孫が対象です。合格者は入学金(20万円)が免除されます。
2026年度のオリーブは志願者63名・受験者58名・合格者37名で、倍率は1.6倍でした。
2026年度の結果を見る
| 志願者 | 受験者 | 合格者 | 倍率 | |
|---|---|---|---|---|
| 9月募集 専願方式 | 768 | 743 | 391 | 1.9 |
| 9月募集 併願方式 | 642 | 609 | 380 | 1.6 |
| 11月募集 専願方式 | 256 | 245 | 85 | 2.9 |
| 11月募集 併願方式 | 515 | 458 | 135 | 3.4 |
9月募集のほうが通りやすく、11月募集は厳しくなっています。9月に多くの枠が埋まるためだと考えられます。再チャレンジができるとはいえ、本命なら9月から動くほうが有利です。
学部ごとの差も大きいです。9月募集 専願方式でいうと、経営学科は239名が志願して合格68名(3.4倍)、人間共生学部コミュニケーション学科は66名で合格29名(2.2倍)と競争があります。一方、理工学部は24名で合格22名(1.0倍)、国際文化学部は55名で合格48名(1.1倍)でした。
看護学科は9月募集の専願方式にデータがなく、併願方式が75名で合格30名(2.3倍)でした。
学費(国際文化学部の例)
| 金額 | |
|---|---|
| 入学時納入 | 846,160円 |
| 10月納入 | 581,500円 |
| 初年度合計 | 1,427,660円 |
| 2年目以降 | 1,123,000円 |
- 入学時納入の内訳は、入学金200,000円・授業料417,500円・施設費140,000円・実験実習費7,500円・学会費4,000円・保険料4,660円・学生活動支援費5,000円・同窓会費60,000円・後援会費7,500円です
- 同窓会費と保険料は入学時のみです
- 授業料は学部で違い、春学期・秋学期それぞれ国際文化417,500円、栄養457,500円、理工487,500円、看護512,500円です
どこから手をつけるか
- 5つの部門から自分の型を選ぶ。書くのが得意なら課題型(小論文)、話すのが得意なら課題型(プレゼン)、高校の探究を出せるなら探究評価型、英語の資格があるなら資格型、教科の勉強を続けているなら基礎学力評価型です
- 専願か併願かを決める。併願方式なら合格後も他大学を受けられますが、経営学部の9月募集と栄養学部は専願方式のみです
- プレゼンの課題PDFを読む。9月募集分は公開済みで、11月募集分は9月24日公開予定です。評価の視点まで書かれています
- 探究学習報告書はA4で2ページ以内に収める。図表を入れてもよく、参照した文献との関係を示すことが条件です
- 9月募集を本命にする。2026年度は9月募集のほうが倍率が低く、落ちても11月に受け直せます
まとめ
- 関東学院大学の総合型選抜は基礎学力評価型・課題型(小論文)・課題型(プレゼンテーション)・資格型・探究評価型の5部門から選べます
- 9月募集で不合格でも11月募集に再チャレンジできます
- 併願方式なら、合格して入学手続をしたあとも他大学を受験できます(経営学部9月募集と栄養学部は専願方式のみ)
- 課題型(プレゼンテーション)の課題と評価の視点は事前に公開されています
- 探究評価型の探究学習報告書はA4片面2ページ以内で、正課・課外・学校外のどの活動でもかまいません
- 2026年度は9月募集が1.6〜1.9倍、11月募集が2.9〜3.4倍でした
- 合格後にチャレンジ・スカラシップ選考試験を受けると、入学金と初年度授業料相当額の免除をねらえます