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東邦音楽大学の総合型選抜。音大なのに全専修で小論文600〜800字が必須

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東邦音楽大学の総合型選抜を2027年度の入学者選抜要項から整理しました。公募の総合型選抜では全8専修に小論文600字〜800字・50分が課され、教職実践専攻は「教職に関する小論文」、音楽療法専攻は「音楽療法に関する小論文」が出ます。学力の3要素すべての評価に小論文が入っています。

音楽大学の入試といえば実技。そう思って東邦音楽大学(川越キャンパス=埼玉県川越市、文京キャンパス=東京都文京区)の要項を開くと、少し驚きます。

総合型選抜[公募]では、全8専修すべてに小論文が課されます。600字〜800字、50分。

しかも要項には、こう書かれています。

小論文は、学力の3要素より「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する出題内容です。

  • 総合型選抜は[公募]/[卒業生推薦]/[特定楽器]の3種類
  • [公募]は全7回。第1回は2026年9月27日、最終の第7回は2027年3月14日で即日発表です
  • 小論文600字〜800字(50分)は全専修で必須
  • 教職実践専攻は「教職に関する小論文」、音楽療法専攻は「音楽療法に関する小論文」が出ます
  • 試験会場は文京キャンパスです

この記事は、東邦音楽大学が公開している2027年度 入学者選抜要項(PDF・54頁)と入試情報のページをもとに、2026年9月21日時点の情報で書いています。日程と選抜科目の表は要項のページ画像で確認しました。出願の前に必ず最新の要項を確認してください。

専攻と募集定員

東邦音楽大学は音楽学部 音楽学科の1学部1学科で、募集総定員は100名です。専攻・入学者選抜制度ごとの募集定員は設けていません。

  • 音楽表現専攻…ピアノ専修/声楽専修/管弦打楽器専修/演奏専修(Konzertfach)/作曲専修(クラシック)
  • 教職実践専攻…教職実践専修
  • 音楽療法専攻…音楽療法専修
  • パフォーマンス総合芸術文化専攻…パフォーミングアーツ専修/作曲・サウンド制作技術専修(DTM〜DAW・アニソン・ゲーム・劇伴・ポップス)

総合型選抜[公募]の対象は、演奏専修(Konzertfach)を除く8専修です。

総合型選抜は3種類

[公募]

いちばん一般的な形です。出願資格は、学歴要件に加えて「本学で学修するに十分な意欲と能力を有する者」「合格の上は必ず入学する者に限る」。専願です。

選抜検定料45,000円(別途事務手数料)。試験会場は文京キャンパスです。

[卒業生推薦]

総合型選抜[卒業生推薦]は、東邦音楽大学・同大学院、東邦音楽短期大学を卒業または修了された方が、受験生を推薦する選抜制度です。

出願にあたっては推薦者の登録番号が必要です。習っている先生や親族が東邦の卒業生なら、この制度が使えます。

[特定楽器]

募集対象楽器が決まっています。オーボエ、ファゴット、ユーフォニアム、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。

そして優遇が大きい。

「総合型選抜[特定楽器]」入学者選抜によって入学した者は、入学金10万円、授業料を毎年30万円減免します。(4年間継続の場合は総額130万円の減免)

吹奏楽やオーケストラで人数が集まりにくい楽器が並んでいます。この6つのどれかを続けてきたなら、真っ先に検討する価値がある制度です。

日程は7回

回 出願期間 試験日 合格発表日 入学手続き期間
第1回 2026年9月8日〜9月17日 2026年9月27日(日) 2026年11月2日(月) 11月4日〜11月11日
第2回 2026年10月7日〜10月16日 2026年10月25日(日) 2026年11月2日(月) 11月4日〜11月11日
第3回 2026年11月2日〜11月9日 2026年11月15日(日) 2026年11月20日(金) 11月21日〜11月27日
第4回 2026年11月18日〜11月27日 2026年12月6日(日) 2026年12月11日(金) 12月12日〜12月18日
第5回 2027年1月4日〜1月8日 2027年1月17日(日) 2027年1月22日(金) 1月23日〜1月29日
第6回 2027年1月27日〜2月5日 2027年2月14日(日) 2027年2月19日(金) 2月20日〜2月26日
第7回 2027年2月24日〜3月5日 2027年3月14日(日) 即日発表 3月15日〜3月18日

第1回と第2回は、試験日が違っても合格発表がどちらも11月2日です。9月27日に受けても、結果が出るのは5週間後になります。

第7回だけ即日発表。3月14日に受けて、その日のうちに結果が出ます。

選抜検定料の納入期限はWEB出願期間の最終日です。支払期限内に支払いがなかった場合、出願登録情報が無効になります。

選抜科目 — 小論文が全専修に入る

試験科目 対象
小論文 600字〜800字/50分 全8専修
音楽力総合診断(レッスン形式/30分程度。専攻実技〔音楽的基礎知識・ソルフェージュを含む〕) ピアノ・声楽・管弦打楽器・作曲(クラシック)・教職実践・音楽療法
パフォーマンス力診断 パフォーミングアーツ・作曲・サウンド制作技術
個人面接 全8専修

実技にあたる部分は専攻で分かれますが、小論文と面接は全員です。

さらに、要項の評価の内訳を読むと、小論文の位置づけがはっきりします。

〔知識・技能〕小論文、音楽力総合診断(パフォーマンス力診断)、面接、調査書等によって評価します。 〔思考力・判断力・表現力〕小論文、音楽力総合診断(パフォーマンス力診断)、面接等によって評価します。 〔意欲・関心・志向性〕小論文、音楽力総合診断(パフォーマンス力診断)、面接、学修計画書、活動報告書、調査書に記載された事項等によって評価します。

学力の3要素すべてに小論文が入っています。音楽大学だからと実技だけ磨いていくと、3つの評価軸すべてで取りこぼす設計です。

専攻で小論文の中身が変わる

注釈にこう書かれています。

※1 教職実践専攻は「教職に関する小論文」、音楽療法専攻は「音楽療法に関する小論文」を出題します。

教職実践専攻なら教育のテーマ、音楽療法専攻なら音楽療法のテーマ。この2専攻は、音楽の話だけでは書けません。

  • 教職実践専攻…学校教育の現状を知っておく必要があります。音楽の授業が学校でどんな役割を果たすのか、部活動の地域移行、教員の働き方、子どもの表現活動。音楽と教育をつなぐ視点を用意してください
  • 音楽療法専攻…音楽療法は、高齢者施設、医療機関、障害児支援などで行われています。対象者は誰で、音楽が何をするのかを自分の言葉で説明できるようにしておいてください。学会認定音楽療法士の資格が取れる専攻なので、職業としての理解も問われます

ほかの専修は「音楽に関する一般的なテーマ」と考えるのが自然ですが、要項に出題範囲の明記はありません。音楽・芸術と社会をつなぐテーマを広めに用意しておくのが安全です。

600字〜800字を50分で書く

下限600字・上限800字、50分。これは短くありません。50分で800字なら、構成に10分、執筆に30分、見直しに10分が目安です。

  • 下限があるので、書くことが足りないと形になりません。主張1つ・理由2つ・具体例1つでは600字に届かないことがあります。具体例を2つ用意するつもりで準備してください
  • 音楽の経験を具体例に使える強みがあります。合奏で意見が割れたとき、本番で失敗したとき、後輩に教えたとき。抽象論に自分の経験を1つ差し込むだけで、文章の説得力が変わります
  • 専門用語の説明を省かない。採点者は音楽の専門家ですが、小論文で見られているのは「説明できるか」です

書き方の基本は小論文の書き方 完全ガイド、50分の使い方は小論文の時間配分、800字の構成は小論文の段落構成を見てください。芸術系の学部の考え方は芸術・音楽系の小論文対策も参考になります。

「基礎力診断」で実技の一部が免除される

見落としやすい制度があります。

※2 東邦音楽大学が実施する「基礎力診断」(実技)にてB以上の判定を受け、結果通知書の写しを願書とともに提出した場合、音楽力総合診断の専攻実技、ソルフェージュの診断が免除となります。 ※3 東邦音楽大学が実施する「基礎力診断」(楽典)にてB以上の判定を受け、結果通知書の写しを願書とともに提出した場合、音楽力総合診断の音楽の基礎知識の診断が免除となります。

対象はピアノ・声楽・管弦打楽器専修です。事前に基礎力診断を受けてB以上を取っておけば、当日の負担が減るわけです。そして結果通知書の写しを願書と一緒に出す必要があります。当日持参では間に合いません。

免除されると、残るのは小論文と面接です。小論文の比重がさらに上がる、ということでもあります。

提出書類

全専修共通で、入学願書(様式1A・1B)/学修計画書(様式2)/活動報告書(様式3A・3B)/調査書を出します。

要項には、学修計画書の位置づけが説明されています。

「学修計画書」は、アドミッション・ポリシーに基づく「学修に主体的に取り組み、他者と共に成長しようとする意欲を有する者」「本学での学修経験を生かし将来社会に貢献しようとする者」「本学の建学の精神に基づいた人格形成を目指す者」を評価するために積極的に活用します。

「他者と共に成長しようとする意欲」という言葉が入っているのが特徴です。ひとりで練習してきた話だけで埋めず、合奏、伴奏、指導、共演といった他者との関わりを書いてください。

専修によって追加の書類があります。

  • 楽譜(試験当日に持参)…ピアノ・声楽・管弦打楽器・教職実践・音楽療法(作曲専修は不要)
  • 自由曲伴奏譜1部…声楽専修
  • 自作品楽譜…作曲専修(クラシック)
  • 伴奏音源…パフォーミングアーツ専修/作曲・サウンド制作技術専修(該当者のみ)
  • 基礎力診断通知書の写し…該当者のみ

志望理由の整理は志望理由書の書き方 完全ガイドが使えます。

学校推薦型選抜との違い

参考までに、学校推薦型選抜[公募]は小論文600字〜800字/50分(100点)+楽典(楽典一般および音楽の基礎知識/50分・100点)+実技+パフォーマンス力診断+面接です。

総合型選抜には楽典の筆記がありません。代わりに音楽力総合診断(レッスン形式30分程度)が入ります。楽典が苦手なら総合型選抜、という選び方も成り立ちます。

そのほか

  • 東邦音楽短期大学との併願ができる専修があります(同一実技を第二志望として併願)。大学・短期大学併願選抜検定料は70,000円です
  • ウィーン研修に関する費用(授業料・レッスン費用・渡航費用)等は学費納入金に含まれています(燃油サーチャージ・出国税等は別途)。音楽療法専攻はウィーン研修を実施しません
  • 入学前教育があります。「本学の学びへの導入となる教育を、各専攻において課題を出して行います。12月までに入学手続きをされた方は2回、それ以降に入学手続きをされた方に対しても積極的に行います」

どこから手をつけるか

  1. 小論文を最優先に入れる。実技の練習に時間を取られますが、3要素すべての評価に入っています
  2. 教職実践・音楽療法志望なら、分野の知識を仕込む。「教職に関する小論文」「音楽療法に関する小論文」と明記されています
  3. 600字の下限を意識して書く練習をする。具体例を2つ用意すると安定します
  4. ピアノ・声楽・管弦打楽器なら、基礎力診断を受けておく。B以上で当日の診断が免除されます。結果通知書の写しは願書と一緒に提出します
  5. オーボエ・ファゴット・ユーフォニアム・ヴィオラ・チェロ・コントラバスなら[特定楽器]を検討する。4年で最大130万円の減免です
  6. 学修計画書に「他者と共に成長する」話を入れる。要項がその言葉で評価すると書いています

まとめ

  • 東邦音楽大学の総合型選抜は[公募]/[卒業生推薦]/[特定楽器]の3種類。[公募]は全7回で、第7回は即日発表です
  • 小論文600字〜800字/50分が全8専修で必須。実技系の科目は専攻で分かれますが、小論文と個人面接は全員です
  • 学力の3要素すべての評価項目に小論文が入っています
  • 教職実践専攻は「教職に関する小論文」、音楽療法専攻は「音楽療法に関する小論文」が出ます
  • 「基礎力診断」でB以上を取ると、音楽力総合診断の専攻実技・ソルフェージュ、または音楽の基礎知識が免除されます(結果通知書の写しを願書と一緒に提出)
  • [特定楽器]の対象はオーボエ・ファゴット・ユーフォニアム・ヴィオラ・チェロ・コントラバス。入学金10万円と授業料毎年30万円が減免され、4年間で総額130万円になります
  • [卒業生推薦]は東邦の卒業生・修了生が受験生を推薦する制度で、推薦者の登録番号が必要です
  • 選抜検定料45,000円、試験会場は文京キャンパス。学校推薦型選抜と違い、総合型選抜に楽典の筆記はありません

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