信州大学 総合型選抜・学校推薦型選抜の対策。小論文があるのは工学部だけ
信州大学の総合型選抜・学校推薦型選抜を令和9年度の入学者選抜要項に沿って整理しました。Ⅰ型とⅡ型の違い、小論文を課す唯一の学部、共通テストと書類だけで決まる経法学部、面接150点だけのサステナブル社会協創学環までを解説します。
信州大学の総合型選抜・学校推薦型選抜を、8学部・1学環すべてたどりました。結論から書きます。
「小論文」という名前の試験があるのは、工学部の総合型選抜Ⅰだけです。
このサイトの読者にとっては物足りない結果ですが、書かなくていい入試がどこにあるかを知ることも、志望校選びの材料になります。信州大学がどう選んでいるかを整理します。
この記事は、公開されている令和9(2027)年度の入学者選抜要項の記載をもとに構造を整理したものです。
必ず最新の学生募集要項で確認してください。入学者選抜要項は概要をまとめたもので、願書ではありません。医学部医学科の学校推薦型選抜については、令和8年10月に別冊で発行される予定です。 出典:信州大学 入試要項掲載場所/令和9(2027)年度 入学者選抜要項(PDF)
ⅠとⅡ——共通テストの有無
信州大学は、選抜区分の名前に数字を付けています。
「総合型選抜Ⅰ」……大学入学共通テストを課さない 「総合型選抜Ⅱ」……大学入学共通テストを課す
学校推薦型選抜も同じルールです。ⅠかⅡかを見れば、共通テストが要るかどうかが分かります。
実施状況を並べます。
| 学部・学環 | 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 |
|---|---|---|
| 教育学部 | Ⅰ | Ⅰ・Ⅱ |
| 経法学部 | — | Ⅰ・Ⅱ |
| 理学部 | Ⅱ | Ⅱ |
| 医学部 医学科 | — | Ⅱ |
| 医学部 保健学科 | — | Ⅱ |
| 工学部 | Ⅰ(全学科対象/職業学科対象) | Ⅰ |
| 農学部 | Ⅰ | Ⅰ・Ⅱ |
| 繊維学部 | — | Ⅰ・Ⅱ |
| サステナブル社会協創学環 | Ⅱ | Ⅰ |
工学部——小論文と面接で300点
工学部の総合型選抜Ⅰ【高等学校の全学科対象】は、先鋭融合コース13人の枠です。
- 出願期間:令和8年9月14日〜9月18日
- 第1次選考:書類選考(志願者が募集人員の概ね2倍を超えた場合に実施)
- 最終選考:令和8年10月17日(土)、長野(工学)キャンパス
- 合格者発表:令和8年11月2日
出願要件に成績条件があります。
(3) 高等学校における全体の学習成績の状況が3.5以上の者
配点はこうです。
| 区分 | 配点 |
|---|---|
| 調査書及びその他出願書類(面接の参考資料として活用) | 100 |
| 小論文(面接の参考資料として活用)・面接(口頭試問を含む) | 300 |
| 合計 | 400 |
そして合否判定基準に、重みが書かれています。
特に面接(口頭試問を含む)並びに小論文(面接の参考資料として活用)の結果を重視します。
注意したいのは、小論文に「面接の参考資料として活用」という注記が付いていることです。書いたものが独立して採点されるだけでなく、面接でその内容を掘られる前提だと読めます。
書いた内容を、その場で口頭でも説明できる状態にしておく必要があります。書類と面接の一貫性で書いたことが、答案そのものにも当てはまる珍しいケースです。
【高等学校の職業学科対象】の枠は別に用意されていて、専門教育に関する各教科の科目を20単位以上履修していることが要件です(分野は問いません)。
経法学部——書類と共通テストだけで決まる
経法学部の学校推薦型選抜Ⅰ(応用経済学科16人・総合法律学科10人)は、個別試験がありません。
大学入学共通テストの成績および出願書類(推薦書、調査書、志望理由書)を得点化して判定します。
| 区分 | 配点 |
|---|---|
| 大学入学共通テスト | 900 |
| 推薦書、調査書、志望理由書 | 200 |
| 合計 | 1,100 |
小論文も面接もありません。共通テスト900点が8割超を占めます。
その代わり、推薦要件が具体的です。次の(a)〜(f)の1つ以上に該当することが求められます。
- (a) 全体の学習成績の状況が4.0以上
- (b) スポーツの全国レベル等の競技会で優秀な成績
- (c) 芸術・文化の分野の全国レベルの発表会で優秀な成績
- (d) 英語資格・検定でCEFR B2相当以上(英検準1級以上、GTEC 1180点以上、TOEFL iBT 72点以上など)/日商簿記1級または全経簿記上級/応用情報技術者以上/同等の資格
- (e) 継続した社会活動での顕著で具体的な実績があり、広く社会から高い評価を得ている者
評定4.0以上か、全国レベルの実績か、高度な資格か。どれか1つあれば推薦の土俵に乗ります。書く力ではなく、ここまでに積んだものが問われる設計です。
サステナブル社会協創学環——面接だけの枠がある
令和6年度に新設された学環です。2つの入口があります。
学校推薦型選抜Ⅰ(10名・共通テストを課さない)
大学入学共通テストは課さず、以下の個別テスト等により選考を行います。 面接(口頭試問を含む)150点 調査書、推薦書、志望理由書(面接の参考資料として活用)
面接150点だけです。書類は点数化されず、面接の材料になります。共通テストもありません。
総合型選抜Ⅱ(5名・共通テストを課す)
[第1次選考]書類選考(調査書及び自己推薦書・志望理由書)および面接試験(a. プレゼンテーション形式、b. 個別の面接)により行います [最終選考]第1次選考合格者のうち、大学入学共通テストの合計得点が520点以上の者を最終合格とします。
第1次の配点は書類と面接で450点。共通テストは950点満点で、520点(約55%)が最終合格の条件です。
面接がプレゼンテーション形式と個別面接の2本立てなので、プレゼン型入試の対策を読んでおいてください。
農学部——推薦Ⅰに落ちても推薦Ⅱに回れる
農学部の学校推薦型選抜には、他大学ではあまり見ない救済があります。
信州大学農学部の学校推薦型選抜Ⅰの不合格者は、同一コースを志望する場合に限り、信州大学農学部の学校推薦型選抜Ⅱ…
共通テストを課さないⅠで落ちても、共通テストを課すⅡに回れる。同一コース志望が条件ですが、2回の機会があるということです。
農学部は総合型選抜Ⅰ(農学生命科学科 地域協創特別コース5人)も実施しています。
何から始めるか
信州大学は、書く試験が少ない大学です。準備の中心は書類と面接になります。
- 志望学部の選抜区分がⅠかⅡかを確認する(共通テストの有無が決まる)
- 工学部の総合型選抜Ⅰを狙うなら、評定3.5以上を確認し、小論文と面接(口頭試問)の準備をする
- 経法学部なら、(a)〜(f)のどれか1つを満たす(評定4.0以上/全国レベルの実績/英検準1級・簿記1級・応用情報など)
- サステナブル社会協創学環の推薦Ⅰは面接150点だけ。話す準備に集中する
- 農学部志望なら、Ⅰに落ちてもⅡに回れることを日程表に書き込む
- 医学部医学科の学校推薦型選抜の要項は令和8年10月に別冊で出る
このサイトが扱ってきた国公立20校のなかで、信州大学は小論文の比重がもっとも小さい部類です。静岡大学のように小論文に足切りがある大学や、熊本大学のように小論文と面接だけで75人を取る大学とは、設計思想がはっきり違います。
書くのが苦手で、実績や成績で勝負したい人には向いています。逆に、小論文の力で逆転したい人にとっては、信州大学は選びにくい大学です。
どちらが自分に合うかは、募集要項の読み方で書いたとおり、配点表を見れば分かります。志望校を決める前に、複数大学の配点表を並べてみてください。