日本赤十字広島看護大学の総合型選抜。模擬授業を聴いてから書く小論文で、300字と500字の2問100点
日本赤十字広島看護大学(広島県廿日市市)の2027年度総合型選抜は募集5名、専願で現役見込みのみ、評定3.0以上が条件です。選考は「模擬授業を聴いたあとに書く小論文」(100点)と個人面接、調査書・志望理由書。模擬授業のテーマは「保健体育」の保健分野で、2026年度は300字と500字の2問でした。志望理由書は800字以内の自筆。出願は10月1日〜10月14日、試験日は11月15日です。
日本赤十字広島看護大学は、広島県廿日市市阿品台にある私立大学です。看護学部看護学科の1学部1学科で、入学定員は125名です。学校法人日本赤十字学園が設置しています。学部のなかに保健師教育課程・助産師教育課程・国際救援と開発協力の看護を学ぶプログラムが置かれています。
2027年度の総合型選抜は1区分だけで、Ⅰ期・Ⅱ期のような分割はありません。募集人員は5名です。この大学の総合型選抜は2026年度に新しく始まったもので、2027年度は2回目です。
出願の条件がはっきり絞られています。
- 専願。本学を第一志望とし、合格したら必ず入学する人
- 現役の卒業見込みのみ。高等学校・中等教育学校を2027年3月に卒業見込み、または高等専門学校第3年次を2027年3月に修了見込みの人(既卒者は出願できません)
- 教科全体の学習成績の状況が3.0以上(入学から最終学年の第1学期まで)
- 本学の学校推薦型選抜との併願はできません。学校推薦型の推薦基準にも「本学の総合型選抜に出願していない者」と書かれていて、相互に排他です
オープンキャンパスへの参加、資格・検定、英語の外部試験はいずれも出願の条件になっていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集人員 | 5名 |
| エントリー期間 | なし(事前エントリーや事前面談の制度はありません) |
| 出願期間 | 2026年10月1日(木)〜10月14日(水)必着 |
| 検定料の支払い | 10月1日〜10月14日(最終日は17時まで) |
| 試験日 | 2026年11月15日(日) |
| 合格発表 | 2026年12月4日(金)13時 |
| 入学金の納入 | 12月4日〜12月11日 |
| 試験会場 | 本学のみ(地方会場なし。高松会場は一般選抜専用) |
| 検定料 | 30,000円+払込手数料900円 |
選考の中身は次のとおりです。
| 試験科目 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 小論文(模擬授業を聴いたあとに実施) | 9:00〜10:30 | 100点 |
| 面接(個人面接) | 11:00〜13:30(予定) | 3段階評価 |
| 調査書・志望理由書 | — | 3段階評価 |
2026年9月30日の時点では、出願期間が明日(10月1日)から始まるところです。インターネット出願(Post@net)で、締切日当日の平日9時〜17時に限り大学の入試課窓口でも受け付けています。
出典:日本赤十字広島看護大学「2027年度 学生募集要項」(PDF・全36ページ)、「2027年度 インターネット出願ガイド」、「2027年度 総合型選抜 志望理由書」様式、「2026年度入学者選抜過去問題」(総合型選抜の小論文と出題意図・解答例を収録)、「入学者選抜実施状況(学部)」(令和8年4月1日現在)、看護学部 入学者選抜情報のページ(https://www.jrchcn.ac.jp/site/examination/34.html )。2026年9月30日に確認しました。
小論文は「模擬授業を聴いてから書く」
ここがこの入試の核心で、しかも見落としやすいところです。
大学サイトの「2027年度 入学者選抜方法」の一覧表では、総合型選抜の試験科目は「小論文」「面接」としか書かれていません。しかし学生募集要項には、こう書かれています。
- 「入学者の選抜は、模擬授業聴講後の小論文、面接、調査書及び志望理由書を総合的に判定します」
- 「模擬授業は、『保健体育』の保健分野をテーマにした内容とし、模擬授業を聴講後に続けて小論文の記述となります」
つまり課題文を読んで書く小論文ではありません。試験当日にその場で講義を聴き、その内容を踏まえて書きます。サイトの一覧表だけを見て「よくある課題文型の小論文だろう」と準備すると、対策がずれます。
時間の書き方にも注意が要ります。要項の「9:00〜10:30」という90分は模擬授業と小論文の記述を合わせた枠です。2026年度の実物の問題冊子の表紙には「小論文 60分」と印刷されていました。模擬授業を30分ほど聴いて、そのまま60分で書く流れと読むのが妥当です。
当日は模擬授業記録用紙が配られます。試験問題と模擬授業記録用紙は持ち帰れて、解答用紙と回収資料は回収されます。記録用紙が配られるということは、メモを取ることが前提だということです。講義を聴きながら要点を構造化してメモする練習が、そのまま得点に直結します(課題文の要約、小論文の構成メモ)。
2026年度の設問と、大学が公表した評価の観点
大学は過去問題をPDFで公開しています。総合型選抜の過去問は2026年度の1回分だけです(2025年度には総合型選抜がまだありませんでした)。
2026年度 総合型選抜の小論文(60分・2問)
- 問1:疾病構造の変化によって現在生じている健康課題を述べる/300字以内
- 問2:保健・医療・福祉に携わる者が、健康課題の解決の取り組みを人々にどう促すべきかについての自分の考え/500字以内
大学が公表している【出題意図】によると、ヘルスプロモーションの概念を通して、現在の日本の健康課題とその概念の理解をふまえて自分の考えを論述させる設問だとされています。アドミッションポリシーの「国内外の保健・医療・福祉の分野で看護職として活躍したい人」「人間やその生活および社会に関心を持ってかかわることができる人」を評価する目的だと書かれています。
そして【解答例】として評価の観点が具体的に公開されているのが、この大学のありがたい点です。要旨は次のとおりです。
- 疾病構造の変化による健康課題を理解しているか
- ヘルスプロモーションの概念を理解しているか
- 主張が明確か
- 概念を踏まえた根拠があるか
- 根拠に基づく考察があるか
- 限界(反証や限定)を踏まえているか
- 論述に一貫性があるか
- 各設問の字数が適切か
- 誤字脱字・言葉の誤用がないか
6番の「限界を踏まえているか」は、採点基準として明記されている大学はそう多くありません。「〜すべきだ」と言い切るだけでなく、「ただし〜という条件のもとでは難しい」「〜の場合は別の手段が要る」と自分の主張の効く範囲を示すと評価されるということです。
準備としては、ヘルスプロモーション(人々が自らの健康をコントロールし改善できるようにするという考え方)と、日本の疾病構造の変化(感染症中心から生活習慣病・がん・認知症など慢性疾患中心へ)を、高校の保健の教科書レベルで整理しておくのが最短です。模擬授業のテーマが「保健体育」の保健分野だと公表されているので、保健の教科書を読み直すのが出題範囲の予習そのものになります(地域医療のテーマ、食生活のテーマ)。
300字と500字はどちらも短いので、書く量より構成の精度で差がつきます(小論文の時間配分)。
志望理由書は800字以内の自筆
提出する自作の書類は志望理由書だけです。活動報告書や自己推薦書、事前課題レポートのような追加の様式はありません。
- 課題は「本学を志望する理由」
- 必ず自筆。黒の鉛筆またはシャープペンシルで濃くはっきりと
- 横書き・800字以内。用紙は20字×20行のマス目が2ページ(合計800マス)
- 様式は全選抜区分で共通の1種類で、「総合型選抜」に〇をつけて使います
800マスをほぼ埋める前提で書きます。自筆でマス目に書くので、下書きを別の紙で完成させてから清書する段取りが要ります。書き直しの時間を考えると、出願期間(10月1日〜10月14日)に入ってから書き始めるのでは足りません。
800字の配分は、①看護職を志した経緯 ②この大学を選ぶ理由 ③入学後に学びたいこと ④将来どう働きたいか、をそれぞれ200字前後にするのが組みやすい形です。②には、この大学が持つ具体的な要素(赤十字の理念に基づく教育、保健師・助産師の教育課程、国際救援と開発協力の看護を学べるプログラムなど)を挙げます。「看護師になりたい」だけでは、他の看護系大学と区別がつきません(志望理由書の完全ガイド)。
志望理由書は面接でも参照されます。書いた内容と面接で話す内容がずれないように整えておきます(面接と書類の一貫性、面接の頻出質問)。面接は11:00〜13:30(予定)という枠で、順番によっては待ち時間が長くなります。
倍率は全区分でいちばん高い
大学は選抜区分ごとの実施状況を公開しています。総合型選抜が初めて実施された2026年度(令和8年度)の数字は次のとおりです。
| 選抜区分 | 募集人員 | 出願者 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合型選抜 | 5 | 13 | 12 | 5 | 2.40 |
| 学校推薦型 公募推薦 | 20 | 58 | 58 | 54 | 1.07 |
| 学校推薦型 地域特別推薦 | 40 | 19 | 19 | 18 | 1.06 |
| 一般選抜 | 45 | 171 | 159 | 131 | 1.21 |
| 共通テスト利用【前期】 | 15 | 128 | 128 | 82 | 1.56 |
| 全区分 合計 | 125 | 422 | 409 | 308 | 1.33 |
総合型選抜の実質倍率2.40倍は、全選抜区分の中で最も高い数字です。募集5名に対して合格も5名ちょうどで、枠を超えて合格を出していません。公募推薦(1.07倍)や地域特別推薦(1.06倍)と比べると、この大学では総合型が最も通りにくい区分だと数字が示しています。
総合型と学校推薦型は併願できないので、どちらを使うかは早めに決める必要があります。判断材料としては、①評定が3.0を大きく超えているか、②高校から推薦をもらえるか、③模擬授業を聴いて書く形式が自分に合うか、あたりです。出願期間も総合型(10月1日〜10月14日)が学校推薦型(11月1日〜11月7日)より1か月早く、試験日は総合型11月15日・学校推薦型11月14日と連続しています。
総合型は新入生特待生の対象外
新入生特待生(初年度授業料120万円免除、10名以内)の対象は、一般選抜と共通テスト利用選抜【前期】の合格者のうち成績上位者です。総合型選抜と学校推薦型選抜は対象になりません。
ただし入学後の制度は使えます。
- 在学生特待生…前年度の修得単位数が標準を超え、学業成績が上位5名以内なら授業料50万円免除(入学後の成績なので総合型の入学者も対象になりえます)
- 日本赤十字社の各県支部・赤十字病院の奨学金制度(令和8年4月現在48施設。中国四国分は貸与年額60万円)
- 日本赤十字社看護師同方会奨学資金(月額30,000円・無利子)
- 日本学生支援機構の奨学金、高等教育の修学支援新制度(対象機関に認定済み)、授業料の延納・分納
参考として初年度の納付金は、入学金100,000円+授業料1,200,000円+維持運営費300,000円+実験実習費50,000円+保護者会費15,000円で合計1,565,000円です。なお災害救助法の適用地域の被災者には、選抜区分を問わず検定料と入学金を全額免除する制度があります。
試験当日の注意
- 受付開始は8時。試験開始の15分前までに入室。開始後20分以上たつと原則入室できません
- 会場周辺に食堂やコンビニがありません。面接が13:30まで及ぶので、昼食と飲料水の持参が必要です
- 合格発表は「合否結果照会サイト」(受験番号と生年月日を入力、公開は発表日時から1週間)と、合格者へのレターパックプラスでの通知書送付です。電話などでの問い合わせには一切応じません
どこから手をつけるか
出願は10月1日〜10月14日です。残り2週間ありません。
- 今日から志望理由書の下書きを始める。800字・自筆・マス目なので、下書き→添削→清書に最低1週間は見る
- 調査書を高校に依頼する(2027年度入学者選抜用の規定様式、A4両面、学校長が作成して厳封。最終学年は第1学期までの評価)。依頼には日数がかかるので今日中に動く
- 顔写真のデータを準備(出願前3か月以内、上半身・無帽・正面、JPEG、100KB〜3MB)
- 高校の保健の教科書で「保健分野」を読み直す。特に疾病構造の変化、生活習慣病、ヘルスプロモーション、健康の社会的決定要因あたり
- 2026年度の過去問で、300字と500字の2問を60分で書く練習を2〜3回。公表されている評価の観点(主張の明確さ・根拠・考察・限界・一貫性)を自分でチェックリストにして採点する
- 講義を聴いてメモを取り、そのメモから論を組む練習をする(学校の授業や動画の講義で代用できます)
- インターネット出願で登録し、検定料30,000円+手数料900円を払い、願書・写真票・宛名シートを印刷。角形2号の封筒は自分で用意します
学校推薦型と迷っている場合は、併願できないことと、総合型の倍率が2.40倍で最も高いことを踏まえて決めます。評定が高く高校から推薦がもらえるなら、公募推薦(1.07倍)のほうが数字の上では通りやすいのは事実です。
まとめ
- 日本赤十字広島看護大学の総合型選抜は1区分・募集5名。2026年度に始まった新しい入試
- 専願・現役の卒業見込みのみ・評定3.0以上。学校推薦型選抜との併願は不可
- 小論文は模擬授業を聴いたあとに書く形式。大学サイトの一覧表には模擬授業のことが書かれていないので要項で確認する
- 模擬授業のテーマは「保健体育」の保健分野。試験枠は9:00〜10:30、記述の制限時間は60分(2026年度実績)
- 2026年度は300字以内と500字以内の2問。出題意図はヘルスプロモーションの概念
- 評価の観点が公開されている(主張の明確さ、根拠、考察、限界を踏まえているか、一貫性、字数、誤字脱字)
- 志望理由書は800字以内・自筆・横書き。他に提出する自作書類はない
- 実質倍率は2.40倍で全選抜区分中もっとも高い(2026年度)
- 新入生特待生の対象外(対象は一般選抜と共通テスト利用【前期】)
- 会場は本学のみ。周辺に食堂・コンビニがなく昼食の持参が必要
- 2026年9月30日の時点で、出願は10月1日〜10月14日、試験日は11月15日
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