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文星芸術大学の総合型選抜。美大なのに1200字の文章課題と120分のレポートがある

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文星芸術大学の総合型選抜は探究活動型・体験授業型・オンラインの3種類。体験授業型には実技ではなくレポートを選ぶコースがあり、オンラインでは作品のかわりに1200字程度の文章を提出できます。3方式とも評価比率が公開され、体験授業の課題も要項に全部書かれています。

文星芸術大学(栃木県宇都宮市)は美術学部だけの大学です。ところが総合型選抜の要項を読むと、絵を描かずに受ける道が用意されています。

  • 体験授業型には、実技のかわりにレポートを書くコースがある(課題説明60分+レポート作成120分)
  • オンラインでは、作品のかわりに1200字程度の文章を提出できる(手書きなら400字詰原稿用紙3枚)
  • そのレポートと文章の課題文が、要項に全部公開されている
  • しかも3方式すべて、評価比率が数字で公開されている

美大の総合型選抜というと画力の勝負に見えますが、この大学は書いて受けることを正面から認めています。

出典:文星芸術大学「2027年度 総合型選抜入学試験[探究活動型]/[体験授業型]/[オンライン]」の各学生募集要項(https://geidai.bunsei.ac.jp/exam/exam-ao/ / https://geidai.bunsei.ac.jp/exam/practical-exam/ / https://geidai.bunsei.ac.jp/exam/exam-distinctive/ )、志望理由書(様式1号)、探究活動シート(様式2-1号)。2026年9月22日に確認しました。

学部は1つ、専攻は3つ

美術学部 美術学科の1学科で、その中がデザイン/マンガ/総合造形の3専攻に分かれます。建学の精神は三敬精神(自己を敬え・他人を敬え・仕事を敬え)です。

総合型選抜は3種類あり、日程も条件も違います。

方式 募集人員 専願かどうか 出願期間(必着) 試験日 合格発表
探究活動型 10名程度 専願 2026年9月1日〜9月18日 9月26日(土) 10月1日(木)
体験授業型 1期 10名程度 要項に専願の条件なし 2026年9月7日〜9月28日 10月3日(土) 10月7日(水)
体験授業型 2期 (同上) 要項に専願の条件なし 2026年11月9日〜11月27日 12月12日(土) 12月16日(水)
オンライン 5名程度 専願 2026年9月14日〜9月30日 10月17日(土) 10月21日(水)

この記事を書いている2026年9月22日の時点で、探究活動型の出願はすでに締め切られています。まだ間に合うのは体験授業型1期(9月28日必着)とオンライン(9月30日必着)、そして体験授業型2期です。

入学検定料はどの方式も30,000円。出願書類の送り方にも指定があります。

  • 市販の角2型封筒に宛名ラベルを貼って速達・簡易書留
  • 宅配便(発払いのみ、着払い不可)
  • レターパックプラス(赤・600円)
  • レターパックライト(青)とメール便は受け付けません

レターパックの色を間違えると受理されません。

体験授業型:実技かレポートかを選べる

3方式のうち、いちばん「書いて受ける」道がはっきりしているのが体験授業型です。

出願資格は2つだけ。

  1. 高等学校または中等教育学校を卒業した者、および2027年3月卒業見込みの者
  2. 調査書における全体の学習成績の状況が3.0以上の者

専願の条件が書かれていません(探究活動型とオンラインには「本学を専願にて受験し、合格後本学への入学が確約できる者」という条件があります)。

出願書類も軽く、入学志願票・写真票/調査書/志望理由書(様式1号)/受験票返信用封筒の4点です。

当日の時間割

コース 流れ
(a) 実技 集合9:00 → 体験授業 9:30〜10:00(30分)→ 実技 10:00〜12:30(150分)→ 昼食 12:30〜13:30 → 振り返り講評 13:30〜順次
(b) レポート 集合9:00 → 課題説明 9:30〜10:30(60分)→ レポート作成 10:30〜12:30(120分)→ 昼食 → 振り返り講評

レポートコースは、課題説明が60分もあります。いきなり書かされるのではなく、1時間かけて課題の説明を受けてから、2時間で書く形です。

なお学生食堂は営業していないので、昼食は各自持参。試験開始後30分以内は退出できません。そして「入学志願票に記載された科目以外の受験は認めません」とあるので、実技かレポートかは出願の時点で決めることになります。

課題が要項に全部書いてある

これが文星芸術大学の総合型選抜でいちばん珍しいところです。体験授業で何をやるかが、専攻別・期別に公開されています。

専攻 1期 2期
デザイン (a)【実技】お題にあったイラストレーションを描こう / (b)【レポート】あなたの地域の「まだ気づかれていない魅力」を見つけてみよう (a)【実技】お題にあったイラストレーションを描こう / (b)【レポート】あなたの地域を新しい視点で考えよう
マンガ 【実技】あなたの好きな食べ物の特徴をもとにしてオリジナルのキャラクターを作ってください(食材、料理、お菓子など、食べ物であればなんでもかまいません) 【実技】写真の人物は誰かと待ち合わせをしています。待ち合わせの相手を想像し、キャラクターとして描写してください
総合造形 (a)【実技】デッサンの基礎を学ぶ / (b)【レポート】地元の魅力を発見しよう (a)【実技】デッサンの基礎を学ぶ / (b)【レポート】アートの楽しみ方を学ぶ

レポートのテーマは4つとも地域と芸術に関わるものです。デザインと総合造形の1期はどちらも「地元の魅力」。2期は「新しい視点」と「アートの楽しみ方」に広がります。

評価のポイントまで公開されている

さらに、何を見るかも書かれています。

専攻 評価のポイント
デザイン 表現力、構成力、発想力、編集力、言語化力
マンガ 観察力、想像力、発想力、表現力(伝達力)
総合造形 意欲、自由さ、向上心

デザインに「言語化力」が入っているのが目を引きます。絵の巧拙ではなく、自分の見つけたものを言葉にできるかが採点項目に立っている。レポートコースがあるのも納得できます。

そして「受験までの準備」まで要項に書かれています。レポートを選ぶ人向けの記述はこうです。

・(b)地元の有名な場所や名産品だけでなく、地元の人にもあまり知られていない、あなたが関心を持った場所やものをいくつか見つけておくとよいでしょう。

大学がここまで言っているので、対策は素直にやればよいことになります。

  1. 地元を歩いて、観光ガイドに載っていないものを3つ以上見つける
  2. それぞれについて「なぜ気づかれていないのか」を考える
  3. 「どうすれば気づいてもらえるか」を1つずつ用意する
  4. 120分で書ける構成の型を1つ決めておく

2時間で書くなら、1,600字から2,000字は書けます。序論で取り上げるものを示し、本論でその魅力と気づかれていない理由を書き、結論でどうすれば伝わるかを提案する。この形で足ります。書き方の土台は小論文の書き方 完全ガイド、地域をテーマにするときの考え方は都市と地方と観光にまとめてあります。

評価比率

体験授業の成果 60%/振り返り講評 30%/調査書・提出書類 10%

振り返り講評が30%というのが特徴です。作った(書いた)あとに、先生の前でそれについて話す時間があり、そこが3割。作品やレポートを説明できるかが、点数の3分の1ということです。

書いたものについて話す準備は、面接の準備とほぼ同じです。小論文と面接をつなぐを参考にしてください。

オンライン:作品のかわりに1200字

オンライン方式は、Microsoft Teamsで面接を受ける形です。募集は5名程度、専願。出願資格に評定の条件はありません(体験授業型と探究活動型は3.0以上)。

出願書類は入学志願票・写真票/調査書/志望理由書(様式1号)/オンライン入試に係る同意書(様式2号)。作品の実物は郵送できません。

提出するもの

作品データは「オンライン入試用クラウドファイルサーバ」にアップロードします。アップロード期限は2026年10月14日(水)16:00。志願者本人が高等学校入学後に制作した作品であることが条件です。

専攻 提出内容
デザイン (a)(b)のどちらか、または両方。(a)作品3点以上(イラストレーション、ポスター、チラシ、パッケージ、写真、映像作品、工芸作品、絵画、デッサン、キャラクターデザインなど。手描き・デジタルどちらでも可)/(b)「あなたの地域で行われている、まちおこしや観光プロモーションの具体的な事例をあげ、述べてください。」1200字程度
マンガ 20点以上(A4またはB4)。イラストは人物が入っていて着色まで終わらせたもの、無背景は不可。マンガは完結した読み切り(4コマも可、1ページ1点)
総合造形 (a)(b)のどちらか、または両方。(a)作品点数は自由(日本画、油画、彫刻、水彩画、版画、デッサン、写真など)/(b)「あなたの地域の文化(芸術、歴史など)の特徴を具体的に事例をあげ述べてください。」1200字程度

デザインと総合造形は、作品を1点も出さずに1200字の文章だけで受けられます。これは美大の入試としてかなり珍しい設計です。

文章の書式も指定されています。

PC等で作成する場合:A4サイズ横組、文字数40文字、行数36行を目安に作成してください。 手書きの場合:400字詰原稿用紙に作成したものを撮影またはスキャンしデータにしてください。

40字×36行は1,440字。1200字程度というのは、この枠に収める前提の数字です。手書きなら原稿用紙3枚。

1200字の組み立て方

両方のテーマに共通するのは、「具体的な事例をあげ」という指示です。一般論を書く課題ではありません。

デザインの課題(まちおこし・観光プロモーション)なら、こう組み立てます。

  1. 事例を1つか2つ、名前で挙げる(200字)
  2. 何をやっているのか、事実を書く(300字)
  3. それがどう機能しているか、しにくいのかを分析する(400字)
  4. 自分ならどう関わるか、何を変えるか(300字)

総合造形の課題(地域の文化)も同じ構造です。事例 → 事実 → 分析 → 自分の立場。最初の「事例を名前で挙げる」ができていない文章は、この課題に答えていないことになります。

調べ方は探究のための調べ方、まとめ方は探究のまとめとレポートが使えます。

マンガ専攻はAI生成が明確に禁止

マンガ専攻の作品データには、こう書かれています。

オリジナルの作品に限る(二次創作・AI人工知能を使ったものは入れないこと)。

二次創作とAI生成が並べて禁止されています。20点以上という点数が求められるだけに、書いてある条件は守ってください。生成AIの扱いは大学ごとに違うので、生成AIと入試も見ておくと全体像がつかめます。

受験環境の条件が細かい

オンライン面接は9:30〜(開始時間は受験者ごとに違い、受験票に記載)。機材と環境の条件が決まっています。

  • スマートフォン、タブレット、パソコンのいずれか1つ
  • カメラとマイク
  • イヤフォンまたはヘッドフォン(スピーカーの使用は禁止)
  • Wi-Fi環境または有線接続を推奨(モバイルネットワークは通信料金が高額になる場合がある)
  • 面接を受ける部屋は自宅または在籍校。試験時間中は受験者のみ在室可、他者入室不可

試験日の1週間程度前に事前接続確認があり、当日はそのときと同じ環境で受験します。家族が同じ部屋にいることもできないので、場所の確保を早めにしてください。

評価比率

作品データ 50%/オンライン面接(口頭試問を含む)40%/調査書・志望理由書 10%

面接が40%あります。しかも口頭試問を含む。提出した作品や文章について聞かれる前提で準備してください。面接の頻出質問も合わせてどうぞ。

探究活動型:大学のイベントに参加していることが条件

3つめの探究活動型は、大学のイベントに参加していないと出願できません。

出願資格は4つすべてを満たす必要があります。

  1. 高等学校等を卒業(2027年3月卒業見込みを含む)
  2. 調査書における全体の学習成績の状況が3.0以上
  3. 次のいずれかの探究活動に参加した者(いずれも2026年2月〜10月に開催したものに限る)
    • 本学オープンキャンパスの探究授業に1回以上参加
    • 本学主催の講習会(デッサン講習会:2月7日・6月20日・9月12日)に1回以上参加
    • 本学主催のコンクール(高校生対象芸術公募展2026、第11回トチギ・デッサングランプリ)に作品を応募
  4. 本学を専願にて受験し、合格後本学への入学が確約できる者

オープンキャンパスの探究授業は、テーマが公開されています。

3月22日「地元をPR!ご当地キャラクターをつくろう」/6月7日「あなたの欲しいものは何?」/7月26日「好きなアーティストは誰だ?」/8月22日・23日「自画像を作ろう」

探究活動シートは400字のレポート

出願書類には探究活動シート(様式2-1号・2-2号)があります。このシートの中身が、400字のマス目です。

書くのは「作品テーマや工夫した箇所、作品コメントなど」。つまり、自分が作ったものについて400字で説明する書類です。

美術の入試で「作品について語る」ことがここまではっきり書類になっているのは珍しく、しかも当日は作品を持参して面接(口頭試問を含む)を受けます。書いたことと、持参した作品と、話すことを一致させるのが対策の核になります。

評価比率

探究活動で制作した作品と探究活動シート 40%/面接 40%/調査書・提出書類 20%

作品とシートで40%、面接で40%。作品そのものの点数は、シートと合わせて4割です。

この方式には特待制度もあります。B特待は授業料1年次前期分免除、ステラ特待は入学金免除(対象人数は若干名、合格発表時に通知を同封)。

志望理由書は3方式とも共通

様式1号の志望理由書は、3つの方式すべてで提出します。欄は3つです。

  1. 志望理由…本学を志望する理由
  2. 活動報告…文化・芸術芸能・スポーツ等の大会、コンクール、展覧会、部活動、生徒会活動、ボランティア、社会活動等。資格・検定等
  3. 学修計画…いま思い描いている大学卒業後のビジョンを見据えて、大学入学後にどのように学びたいか

3つめの「学修計画」の書き方が指定されているのがポイントです。「入学後にやりたいこと」を書くのではなく、卒業後のビジョンから逆算して入学後の学びを書くよう求められています。順番を守って書いてください。

書式は黒ボールペンまたは黒インクを使用し、楷書で丁寧に。用紙1枚で収まらない場合は本様式をコピーして使用しても構いませんとあるので、量の上限は事実上ありません。書き方の手順は志望理由書の書き方 完全ガイドにまとめてあります。

どの方式を選ぶか

自分の状況 向いている方式
大学のオープンキャンパス・講習会・コンクールに参加済み。作品もある 探究活動型(ただし2027年度入試の出願は終了)
絵は描けないが、地域について調べて書ける 体験授業型の(b)レポートコース
実技で勝負したい。当日その場で描ける 体験授業型の(a)実技コース
作品が手元にたくさんある。遠方に住んでいる オンライン
作品はないが、地域の文化やまちおこしについて1200字書ける オンライン(デザインまたは総合造形の(b))
併願を残したい 体験授業型(要項に専願の条件がない)

芸術系を志望するときの全体の考え方は芸術系学部の小論文、芸術をテーマにした小論文にまとめてあります。

どこから手をつけるか

  1. どの方式で受けるかを決める。出願期間も条件も違います
  2. 体験授業型なら、実技かレポートかを出願時に決める。当日の変更はできません
  3. レポートを選ぶなら、地元で「気づかれていないもの」を3つ探す。要項が指示している準備です
  4. オンラインの(b)を選ぶなら、まちおこしや地域文化の事例を名前で挙げられるまで調べる
  5. 1200字を40字×36行の枠か、400字詰原稿用紙3枚で試し書きする
  6. 志望理由書の「学修計画」を、卒業後のビジョンから逆算して書く
  7. 出願書類はレターパックプラス(赤)か速達・簡易書留で送る。青のライトは不可です
  8. オンラインなら、1人で入れる部屋とイヤフォンを確保する

まとめ

  • 文星芸術大学の総合型選抜は探究活動型・体験授業型(1期/2期)・オンラインの3種類。学部は美術学部美術学科のみで、デザイン/マンガ/総合造形の3専攻です
  • 体験授業型には実技のかわりにレポートを選ぶコースがあり、課題説明60分+レポート作成120分です
  • レポートの課題が要項に公開されています。デザイン1期は「あなたの地域の『まだ気づかれていない魅力』を見つけてみよう」、2期は「あなたの地域を新しい視点で考えよう」、総合造形1期は「地元の魅力を発見しよう」、2期は「アートの楽しみ方を学ぶ」
  • オンラインでは、作品のかわりに1200字程度の文章を出せます(デザインと総合造形)。A4横組40字×36行、または400字詰原稿用紙
  • 3方式とも評価比率が公開。探究活動型は作品とシート40/面接40/書類20、体験授業型は体験授業の成果60/振り返り講評30/書類10、オンラインは作品データ50/面接40/書類10
  • 評価のポイントも公開され、デザインには「言語化力」が入っています
  • 探究活動型は大学のイベント(探究授業・講習会・コンクール)への参加が出願資格。探究活動シートは400字のレポートです
  • 探究活動型とオンラインは専願、体験授業型には専願の条件が書かれていません。評定3.0以上は探究活動型と体験授業型のみで、オンラインに評定の条件はありません
  • マンガ専攻のオンライン提出は二次創作・AI人工知能を使ったものを入れてはいけないと明記されています
  • 出願書類はレターパックプラス(赤)は可、レターパックライト(青)とメール便は不可

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。栃木の私立大学は足利大学、白鷗大学、作新学院大学、国際医療福祉大学、宇都宮共和大学、自治医科大学の記事にもあります。

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