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足利大学の総合型選抜。事前課題の小論文テーマも、口頭試問の出題範囲も公開されている

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足利大学の総合型選抜は、基礎学力テスト型の事前課題小論文のテーマが工学部・看護学部とも全文公開されています。さらに面接に含まれる口頭試問の出題範囲も分野別に公開。看護学部の1期・2期は小論文800字60分100点と面接100点の200点勝負です。

足利大学(栃木県足利市)の総合型選抜は、出題内容の公開度がかなり高い大学です。

  • 基礎学力テスト型の事前課題小論文のテーマが、工学部も看護学部も全文公開されている
  • 面接に含まれる口頭試問の出題範囲が、分野別に公開されている
  • 電気電子分野の口頭試問は「ホワイトボード等に記述して解答」、建築・都市デザイン分野は「図から投影図を作図」と、やることまで書いてある
  • 看護学部の総合型選抜1期・2期は、小論文800字(60分・100点)と個人面接(15分・100点)だけで決まる

調べれば準備できることが、はっきり分かる形で置かれています。

出典:足利大学「工学部 総合型選抜」(https://ashikaga.ac.jp/exam_site/sougou.html )、「看護学部 総合型選抜」(https://ashikaga.ac.jp/exam_site/ao_kango/ )、「口頭試問」(https://ashikaga.ac.jp/exam_site/kotoshimon/ )、「工学部 総合型選抜募集要項」(https://ashikaga.ac.jp/exam_site/wp-content/themes/inspiro-child/assets/img/sougou2027kogaku_0909.pdf )。2026年9月21日に確認しました。

なお足利大学のサイトはashikaga.ac.jpです。古い案内にある ashitech.ac.jp は、このドメインへ転送されるだけのページになっています。

学部は工学部と看護学部の2つ

工学部は創生工学科の1学科で、その中が4分野8コースに分かれます。

分野 コース
機械・エネルギー分野 機械工学コース、再生可能エネルギーコース
システム情報・電気分野 AIシステムコース、情報デザインコース、電気電子工学コース
建築・都市デザイン分野 建築デザインコース、土木工学コース
ライフデザイン分野 ライフデザインコース

分野によって口頭試問の中身が変わるので、自分がどの分野を志望するかを先に決める必要があります。

もうひとつが看護学部。こちらは総合型選抜の形が工学部とかなり違います。

まず全体像。総合型選抜は大きく2系統

足利大学の総合型選抜は、書類と面接で決まるものと、基礎学力テストで決まるものの2系統に分かれています。

工学部

区分 募集人員 併願 配点
選べる3つの出願区分(分野・コース適性評価型、探究学習成果評価型、課外活動実績評価型) 40名(スポーツ選抜と合わせ) 専願 書類審査20点+自己アピール60点+面接(口頭試問含む)20点=100点
基礎学力テスト型 20名 併願可能 基礎学力テスト200点+面接10点+書類審査15点+事前課題(小論文)25点=250点
スポーツ選抜(指定強化部) 野球15名、サッカー5名 専願 書類審査20点+面接30点+実績報告書50点=100点

看護学部

区分 募集人員 併願 配点
総合型選抜1期 10名 専願 小論文100点+面接100点=200点
総合型選抜2期 5名 専願 小論文100点+面接100点=200点
基礎学力テスト型 7名 併願可能 基礎学力テスト200点+面接10点+調査書15点+事前課題小論文25点=250点

既卒で受けられるのは工学部だけです。看護学部の出願資格は「2027年3月卒業見込みの者」に限られています。

事前課題の小論文テーマは、両学部とも公開されている

基礎学力テスト型では、小論文を出願時に提出します。当日書くのではありません。そしてそのテーマが、指定用紙にそのまま印刷されて公開されています。

工学部のテーマ

あなたの夢を実現するために、足利大学で取り組みたいことを400字以内で 建学の精神やACT2026を読んだ上で、テーマについて自らの経験を踏まえ述べてください。

指定用紙は横書きで、志望分野・コースを○で囲む欄もついています。

ポイントは「建学の精神やACT2026を読んだ上で」という条件です。足利大学の建学の精神は、聖徳太子が制定した「17条の憲法」第1条の「和を以って貴しと為す」を根底に置くもの。ACT2026は大学が公表している計画です。読んでから書け、と指定されている以上、読まずに書いた文章は条件を満たしていません。

400字は短いので、構成はこうなります。

  1. 自分の夢を一文で(60字程度)
  2. その夢につながる自分の経験を一つ(120字程度)
  3. 建学の精神またはACT2026のどこに重なるか(100字程度)
  4. だから足利大学のどの分野・コースで何に取り組むか(120字程度)

「自らの経験を踏まえ」と書かれているので、経験を書かない文章は設問に答えていないことになります。書き方は志望理由書の書き方 完全ガイドが使えます。

看護学部のテーマ

こちらは問題文がさらに具体的です。

事前課題テーマ「人との協力(チーム医療につながる資質)」 看護の仕事は、多くの人と協力しながら進める仕事です。あなたがこれまでに誰かと協力して何かをやり遂げた経験を一つ挙げ、そのときに自分が大切にしたことと、それが看護を学ぶうえでどのように生かせると考えるかを、400字以内で、あなたの考えを述べなさい。

問われているものが3つに分解されています。

  1. 誰かと協力して何かをやり遂げた経験を一つ
  2. そのときに自分が大切にしたこと
  3. それが看護を学ぶうえでどう生かせるか

この3つを400字に入れれば形になります。逆に、1つでも欠けると設問に答えていないことになります。経験は「一つ」と指定されているので、複数並べないでください。

設問の読み方は設問の動詞を読む、看護系のテーマの考え方は看護学部の小論文にまとめてあります。

口頭試問の出題範囲が、分野別に全部書いてある

工学部の面接には口頭試問が含まれます(基礎学力テスト型を除く)。要項の説明はこうです。

面接の中で基礎的な問題を出題します。板書・口頭で解答してもらいます。

そして、その出題範囲が分野ごとに公開されています。

分野 科目 出題範囲
機械・エネルギー分野 数学Ⅰ 一次関数、三角比の基礎的な内容について口頭で説明
システム情報・電気分野(AIシステム、情報デザイン) 「数学Ⅰ」「情報Ⅰ」から1つ選択 情報Ⅰは、情報の表現(データの単位、数値の表現)、データの分析(代表値、統計的な指標、データの関係)、論理(論理演算、論理回路)
システム情報・電気分野(電気電子) 数学Ⅰ 「数と式」「二次関数」「図形と計量(三角比の範囲)」から2〜3問程度。ホワイトボード等に記述して解答
建築・都市デザイン分野 指定なし 図から投影図を作図。建築・土木に関する時事用語について質疑
ライフデザイン分野 「情報Ⅰ」「公共」「家庭総合」から1つ選択 情報社会と生活、自立した主体としての社会参画、持続可能な生活設計についての視点や考え方

とくに具体的なのが建築・都市デザイン分野です。時事用語は次の9つが挙げられていて、この中から選んで質疑が行われます。

カーボンニュートラル、気候変動、労働時間、人手不足、維持保全、長寿命、空き家問題、リサイクル(再利用)、DX(デジタルの活用)

9語しかありません。全部について2〜3文で説明できるようにしておけば、この項目は落ちません。建築・土木に引きつけて説明するのがコツです。たとえば「労働時間」なら建設業の時間外労働の上限規制、「長寿命」ならインフラを長く使うための維持管理、という形でつなげます。

電気電子コースはホワイトボードに書いて解くと明記されています。面接室で立って解くことになるので、声に出しながら手を動かす練習をしておく必要があります。頭の中だけで解ける問題でも、説明しながら書くのは別の技術です。

ライフデザイン分野の「公共」は「現代社会の諸課題(ニュース)に対する自身の見解」と書かれています。ニュースを見ているかどうかが直接問われるということです。時事の押さえ方は時事問題の小論文対策を見てください。

工学部の「選べる3つの出願区分」は自己アピールが60点

専願になるかわりに、書類と面接で勝負する区分です。配点を見ると偏りがはっきりしています。

  • 書類審査…20点
  • 自己アピール…60点
  • 面接(口頭試問含む)…20点
  • 合計100点

自己アピールだけで6割です。面接時間は30分。そして志望理由書は、選んだ区分によって書く内容が変わります。

区分 志望理由書に書く内容(600字程度)
分野・コース適性評価型 高校生活で得た学びや経験を、志望分野でどのように伸ばしたいか
探究学習成果評価型 高校生活で行った探究学習の成果の概要
課外活動実績評価型 課外活動の実績に対して、自分がどのような立場で関わったか

自分の持ち札に合う区分を選ぶのが、この入試の最初の判断になります。探究学習で発表まで行っているなら探究学習成果評価型、部活で役割を担っていたなら課外活動実績評価型、どちらも弱いが分野への関心は強いなら分野・コース適性評価型、という選び方です。

課外活動実績評価型の指示が「実績」ではなく「自分がどのような立場で関わったか」になっている点は見逃さないでください。全国大会の成績を書く欄ではありません。役割と、その役割で何をしたかが問われています。

看護学部の1期・2期は、小論文と面接だけ

看護学部の総合型選抜1期(10名)・2期(5名)は、出願書類が志願票と調査書だけです。志望理由書も自己アピールもありません。

そのかわり、当日の2つで決まります。

選考項目 内容 試験時間 配点
小論文 800字以内 60分 100点
面接 個人面接で人物に関する評価 15分 100点

小論文が全体の半分です。テーマは事前に公開されていません(公開されているのは基礎学力テスト型の事前課題のほうです)。60分で800字以内ですから、時間配分は構想15分・執筆35分・見直し10分あたりが目安になります。

大学は「学力の三要素の評価方法」も公開していて、知識・技能は小論文、思考力・判断力・表現力は小論文と面接、主体性は小論文と面接で評価するとしています。3要素すべてに小論文が入っています。

看護系で出やすいテーマと考え方は看護学部の小論文、60分の使い方は小論文の時間配分を見てください。

基礎学力テスト型は、条件がまるごと違う

同じ「総合型選抜」という名前ですが、基礎学力テスト型だけは性格が別物です。

  • 併願可能(ほかの区分はすべて専願)
  • 入学検定料が10,000円(ほかの区分は30,000円)
  • 学業特待生入試の対象
  • 入学手続締切が3月12日(金)

最後の項目が効きます。12月18日に合格して、入学手続の締切が3月12日。84日あります。同じ12月18日に合格発表がある総合型選抜第3期は締切が1月15日(28日)ですから、3か月近い差です。

つまり、他大学の結果や、足利大学の一般選抜・共通テスト利用の結果を見てから決められるということです。専願で早く決めたいのか、選択肢を残したいのかで、選ぶ区分が変わります。

テストの中身は学部で違います。

学部 科目 方式 時間 配点
工学部 数学・英語・国語から2科目選択 マークシート 120分 200点
看護学部 英語・国語の2教科 マークシート 120分 200点

看護学部は選択ではなく英語と国語の両方です。工学部の数学の範囲は、数学Ⅰ(データ分析を除く)、数学Ⅱ、数学A(図形の性質を除く)、数学B(数列に限る)、数学C(ベクトルに限る)と指定されています。

面接はどちらもグループ面接15分で10点。配点が軽いぶん、テストと事前課題小論文で決まる入試です。

学業特待生と「学業特待生チャレンジ」

基礎学力テスト型は学業特待生入試を兼ねています。

学部 学業特待生A 学業特待生B
工学部 授業料2年間 740,000円免除 授業料2年間 320,000円免除
看護学部 授業料2年間 940,000円免除 授業料2年間 520,000円免除

看護学部は「入学試験の成績上位合格者から5名程度を選考により決定」とされています。

そしてもうひとつ、学業特待生チャレンジという仕組みがあります。

総合型選抜で入学手続を行っている者は、入学の権利を確保したまま、基礎学力テスト型、一般選抜A・B、共通テスト利用選抜A・Bにおいて、「学業特待生チャレンジ」で学業特待生に挑戦することができます。

専願の総合型選抜で先に合格を決めても、入学の権利を持ったまま特待生に挑戦できるということです。早く決めることと学費を下げることが、両立できる設計になっています。

出願の実務で気をつけること

  • 出願はインターネット出願のみ。入力の最終日は16時締切です
  • 入力だけでは出願完了ではありません。検定料の支払いと、書類の郵送(角型2号封筒・必着)まで済ませて完了です
  • 受験票はWeb受験票。大学が書類を受理して受験番号を付けてから発行できるようになるので、自分で印刷して持参します
  • 合格発表は、合格者への速達郵送と、発表日午前10時からのホームページ掲載。学内掲示はありません。電話での問い合わせは一切受け付けないと明記されています
  • 入学手続後でも、2027年3月31日(水)正午(必着)までに入学辞退届を出せば、入学金を除く全額が返還されます(本人・保証人の連署捺印と通帳の写しが必要)

どこから手をつけるか

  1. 工学部か看護学部か、工学部なら分野を決める。口頭試問の中身が変わります
  2. 専願にするか、併願を残すかを決める。基礎学力テスト型だけが併願可能です
  3. 基礎学力テスト型を受けるなら、事前課題の400字を今から書き始める。テーマは公開されています
  4. 工学部志望なら、建学の精神とACT2026を読む。「読んだ上で」が条件です
  5. 口頭試問の出題範囲を印刷して、1項目ずつ潰す。建築志望なら時事用語9語です
  6. 3つの出願区分のどれに自分の持ち札が合うかを決める。自己アピールが60点です
  7. 看護学部の1期・2期なら、60分800字を最低5本書く。配点の半分が小論文です
  8. 出願の入力締切が16時であることをカレンダーに書く

まとめ

  • 足利大学の総合型選抜は、工学部が「選べる3つの出願区分」「基礎学力テスト型」「スポーツ選抜」、看護学部が「1期・2期」「基礎学力テスト型」
  • 基礎学力テスト型の事前課題小論文のテーマは両学部とも公開。工学部は「あなたの夢を実現するために、足利大学で取り組みたいこと」400字以内、看護学部は「人との協力(チーム医療につながる資質)」400字以内
  • 工学部の課題には「建学の精神やACT2026を読んだ上で」という条件がついています
  • 口頭試問の出題範囲が分野別に公開。電気電子はホワイトボード等に記述して解答、建築・都市デザインは投影図の作図と時事用語9語
  • 工学部の3つの出願区分は自己アピール60点+書類審査20点+面接20点=100点。志望理由書は区分ごとに書く内容が違い、600字程度
  • 看護学部の1期・2期は小論文800字(60分・100点)と個人面接(15分・100点)だけ。出願書類は志願票と調査書のみ
  • 基礎学力テスト型だけが併願可能で、検定料10,000円、入学手続締切は3月12日(他区分より2か月前後後ろ)
  • 学業特待生チャレンジで、入学の権利を確保したまま特待生に挑戦できます
  • 工学部は既卒受験可、看護学部は2027年3月卒業見込みの者のみ

総合型選抜そのものの進め方は総合型選抜の完全ガイド、大学別の記事は大学別対策の作り方から探せます。栃木の私立大学は白鷗大学、作新学院大学、国際医療福祉大学の記事にもあります。

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